くんくんくんくん、  
 
「ちょっと、何よアポロ暑苦しいわね!」  
 
自室でダラダラくつろいでいたシルビアはその平穏なときを野良犬に邪魔され、顔をおもいっきりしかめて機嫌を悪くしていた。  
 
それでなくとも今日は怠いのだ。ジムの予約もキャンセルしたし、部屋で適当に過ごそうと思っていたのに。  
 
ノックを知らない彼はいつも突然こっちの都合も知らずにズカズカあがりこんでくる。  
 
 
くんくんくん…  
 
「だ・か・ら、なんなのよ?!」  
 
バンッと机を叩いてシルビアが立ち上がると同時に、アポロは素早くしゃがみ込み、彼女の調度ふとももの間に顔を寄せた。  
 
「おまえ、血の匂いがする。」  
 
「なっ……」  
 
思いあたるふしがあったシルビアは顔を真っ青にして後ずさろうとしたが、もうすでに遅く、その少年らしからぬ逞しい腕に捕らえられていた。何せ今日の彼女は動きが鈍いのだ。  
 
「怪我したんだろ?俺がなおしてやる!」  
 
ニカッと歯を出して笑う少年に一瞬気を許すと、意図も簡単に白いホットパンツをぬがされてしまった。  
 
あまりにも素早く、ついにはその下着にまで手をかけていて  
状況がやっと把握出来たシルビアは渾身の力で暴れた。  
 
「いやーーー!!ばっかじゃないばっかじゃない!やめなさいってば!」  
 
「何でだよ、うわ…こんなに出血して…痛かったろ?」  
 
下着ごしに、くんくんと鼻を寄せられいつもの威勢はどこへやら、ガッチガチに固まってしまった。  
 
それを合意と勘違いしたアポロはずるずると下着を降ろした。  
もはや完全に腰の抜けたシルビアは膝に力を入れることもできず、両の手を顔にあて、肩を震わせていた。  
 
「あ…アポロ、おねが…みないでっ」  
 
「なんで?見なきゃ傷口わかんねーだろ、」  
 
言って目の前にあるシルビアの中心を指で開いた。  
 
「あ、あ、あ、」  
 
力の入らない身体でなんとかどけようとするが、赤い髪を白い指がかすめるだけで、なんの抵抗にもならなかった。  
 
腹筋に力を入れたためかアポロの目の前で彼女の中心は赤く染まった。  
 
「…!!ここだな、シルビア!」  
 
針のような尖ったものが局部の柔肌をかすめ、  
ひ、と息を飲んだ。それが彼の研ぎ澄まされた八重歯だと気が付いたのは、あつい舌が割れ目の間を探り出したためだ。  
 
「ア、アポロ!やめなさい、汚い…っ」  
 
「うるせーな、お前がしつこいから言われた通り、ちゃんと歯あ磨いてるぞ!!」  
 
そうじゃなくって、とも言いかけたがもはや言葉を発することも億劫だ。  
 
アポロはその内側から、金の淡い茂みの根本まで。丹念に舌で赤をなめとっていく。  
 
もともと本調子では無いシルビアは既にぼうっとした視界でアポロの睫毛だけを見つめていた。  
 
(そんな…お兄様にだって、…こんな……!)  
 
思考は働けど、身体は全く言うことをきかない。ただ彼の舌先に翻弄されて、息を詰め、頬を上気させるだけだった。  
 
「…シルビア?」  
 
何も言わなくなったじゃじゃ馬姫が不思議で、顔は中心に埋めたまま上目使いに表情を探る。  
 
荒くなった息遣いの中に、かすかに抵抗の言葉らしきものが譫言のように聞かれたが、その瞳はまるで嫌がってはいない。  
 
アポロはここ最近彼女達と行動をともにして、女は言っていることと思っていることがちぐはぐだ(ほぼピエールの差し金ではあるが)ということを知ったのだ。  
 
くんくん、ともう一度鼻を寄せる。  
 
出血は徐々に引いたが、シルビアの額には新しい汗が滲んでいたし、息だって荒い。  
それに、さっきから血液でも唾液でも無いべつの水分が舌を濡らし、それはいつものシルビアの匂いがとは全然違うから、最初、シルビアの体内から出ているとは気付かなかった。  
 
それに…  
 
「なあ、ここって…子供が出てくるとこなんだよな?」  
 
思わず人差し指を今まで舐め回していた部分に押し当てると、まるで小さな果物、たとえばベリーやグレープを潰したような弾けた水音。  
と同時に、意図せずとも彼の指先およそ第一間接まで飲み込まれてしまった。  
 
「いたっ、こ、こらっ!抜きなさいって!」  
 
シルビアが腰を引いたので、また同じような音を立てて指先は空気に晒される。  
 
その温度差に、アポロは驚愕した。  
 
スクールで性教育を習ったばかり、といっても月の物を知らないのだから曖昧な知識しかない彼にとって、女性器は未知の世界だった。  
そのうえ、こうしていると別人みたいに大人しいシルビアに彼の探求心は止まらない。  
 
何より今時分の腹の辺りをふつふつと煮え返らんばかりのこの衝動が何か知りたかった。  
 
「なあ、なあ、もっと中まで触っていいか!」  
 
「このばかっ!…あんた、調子のってるとあとでひどいわよ!!」  
 
流石に危機感を覚え、意識もはっきりとしてきたシルヴィアは肘をついて起き上がる、  
そうして立ち上がるまでの一連の動きを黙って見つめるだけだったアポロは、  
彼女の二つの足が地に着くのを確認すると、その両の足を拘束した。  
 
当然、アポロから離れようとしていたシルヴィアは当身をとる間もないまま、再び寝心地のいいとはとても言えない無機質な床に倒れこんだ。  
 
「おい待てよ!」  
 
「ったあ〜…!!いい加減に・・・」  
 
再び起き上がろうと試みるが、両の足首を彼の両手に委ねたままだ、  
あっという間に先ほどのように仰向けにされ、それどころか両足を顔のほうまで持ち上げられ、  
一糸まとわぬ下半身は、より少年の近くに拓かれる。  
 
「うっうわあああ〜!アポロの阿保!!けだものー!!!」  
 
とうとう泣き出してしまったシルヴィアは、手のひらで局部を覆うと、首を左右に振っていやいやと嘆く。  
 
「あー・・・も、うるせ、」  
 
折れた身体を元に戻そうとつっぱる太ももを自分のそれで押し返すと、邪魔な両手首を縫い上げ、シルヴィアの開きっぱなしの口へ押し当てる。  
 
ほぼ全身の自由を失ったシルヴィアは、尚も止まらない涙でぐちゃぐちゃになったその眼をアポロにむけた。  
 
(なんだ・・)  
 
(なんだ、こいつ・・・)  
 
アポロは体内の血液が、はたまたそれ以外の何かが、いつもと違う流れになっているのを感じた。  
依然として腹のあたりの衝動は消え去らないし、それどころか。  
 
(わくわくする、こいつこれからどうなっちまうんだ…?)  
 
ふくらはぎを押さえ込んだまま、顔をずらす。  
 
シルビアの肌は本当に白い。勝ち気な性格に似合わず、まるでひのひかりを知らないのではないかというぐらいに、白い。  
そして柔らかで、いい匂いまでする。  
触るとまるで指に吸い付くようにみずみずしく、保湿がしっかりされている。  
それをアポロは知っていた。  
一度、食い物のように味がするのではと思い、そのふっくら丸い頬に噛り付こうとしたら本気で殴られた。  
 
ふと、あの時は歯を立てたからだと思い、今目のまえにある白いふともものできるだけ付け根のほう(そのほうがうまそうな気がしてならなかった)を優しく、甘噛みしてみた。  
 
「ひゃっ」  
 
そのまま、吸い付いては咥内で舌を広げ口に広がった娘の味を玩んだ。  
 
「うは、ひゃ、ははぁ…くすぐった…、わよ」  
 
いつのまにか口の拘束を解かれていたシルビアは、思わず肩を揺らす。  
 
すると、揺れたはずみで中心の泉から臀部の間を、一滴こぼれそうになる。それを起用に舌ですくってやると、シルビアの大きく身体がしなった。  
 
まるで湧き出る泉のようにその部分はテラテラとさきほどの液体で濡れそぼっている。  
シルビアの身体は真っ白なはずだが、この部分だけ、しっかり色がついていた。  
 
さっき動いたせいでまた多少の流血はしているけれど、あきらかにそれで色づいたわけではなさそうだ。  
 
「お前さっき…」  
 
水音とともに、少年の深爪なそのゆびさきが自分の中に侵入したのをかんじる。  
 
「これ、駄目だっていったな?なんでだ?」  
 
無邪気に問い掛ける彼の指先は、しかし彼女に埋まったままだ。  
 
「ひ…ぅう」  
 
「ん?またちょっと血が…」  
 
アポロは深く入れた指を少し曲げようとするが、まるで抵抗するシルビアの気持ちそのもののような内壁に押し出されそうになる。  
 
まるで、その部分だけが、シルビアとはまた別な生き物のような気がして仕方無かった。  
 
なんだかんだで、お互いの過去星がハッキリした後は、近くによったりちょっかい出したりした所で、当人達にとってのじゃれあい程度の鉄拳がとぶことはあっても、心から拒絶するような、  
例えばいまみたくこの指先を熱が押し返すような、自分を受け付けないようなことはなかったのだ。  
 
いや、あってはならなかった。  
 
アポロ自身ほとんど自覚はないが、最初はメンバーのなかで先にであったからとか、単なる阿呆姫の破天荒ぷりに対する僅かばかりの興味だとかで、  
ちゃっかりシルビアの近くをウロチョロしていたが、最近はそうやっている内に自分のポジションとして自負しているのか、いないのか、  
そこに別な人物が納まることに不服すら感じていた。  
 
最も、彼は未だ子供であるからシルビアの様に意識してまわりに冷やかされたりすることは極力少ないが。  
 
(もっかい…)  
 
ぬぐ、と今度は思い切って中指の付け根まで、蜜滴る花園へと押し入る。  
シルビアが声を出せずに喉をそったのが見えたが、相変わらず押し返してくるそれに反発するように、出し入れを繰り返した。  
 
「は、あっ、…」  
 
搾り出された彼女の声は、いちいち短くてまるで発生練習だが、いつも怒鳴ってくるあの声とは全部ちがった。  
 
自分の足首の間から顔を出すシルビアは、だらし無く口を開けて、かわりに長いまつげが食い込むほどに眼をつむっている。  
 
眉は八の字にしかめられ、何とも頼りない。  
 
すでに抵抗すら無い彼女は真っ暗な視界で、想像にアポロを見つめる。  
 
シルビアはこの感覚に身に覚えがあった。  
最も生まれてこのかたこんな痴体をあらわにすることなんて、無かったはずだがどこかこの行為に意欲すら沸き、すべてを預けてしまいたいような気持ちになってきている。  
 
一方、アポロも花園を目の前にして、その荒し方をまるで心得ていたかのように彼女の唄に合わせて起用に指を働かせていた。  
 
二人の過去星の記憶がそうさせているのか、それとも若い二人の憂きだった好奇心なのか?それの答えを知るほどの経験値には生憎この二人には無い。  
 
アポロは一旦動きをとめ、ゆっくり指を引き抜くと内側からまるで引き止められるように内壁がすぼまったように思えた。  
 

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