アポロ…。  
一万二千年後にまた会おうだなんて…カッコ良過ぎよ。…アポロの癖に。  
…バカ。  
 
無機質な時計の針は、もう夜中の一時を指している。  
堕天使達との戦いから二年の時がたった。  
ディーヴァは新たに設立された国連の配下に統合され、堕天使達の残したオーバーテクノロジーの研究を行っている。  
私たちの能力も自然と薄れていき、今はそれぞれの特技を活かして、ディーヴァの各セクションでそれぞれの役目を果たしている。  
私はと言うと、未だ残るセリアンの記憶を、堕天使のオーバーテクノロジー解析に必要とされ、不動司令の指揮下で協力している。  
仕事柄、毎日思い出さずにはいられないよ…。  
 
ディーヴァから特別に割り当てられた自室。  
一人には広過ぎる部屋の片隅にある、これまた一人には大き過ぎるベッドに、頭まで潜り込む。  
誰もいない、孤独な夜…  
いつからだろう、布団を被ると自然に、手が下着に伸びてしまうようになったのは。  
 
この右手が知っているの。  
アレを覆う木綿の生地は、もうそれ以上水分を含まない事を。  
薄い胸の両頂点が、痛い程に勃起してしまっていることを。  
吐息が漏れる。  
ただ、羽毛の布団の中が熱気で蒸れていく。  
 
いつの間にか生え揃っちゃった陰毛。  
此処に触れると安心する。  
こうやって触って欲しかったんだよ?アポロ…。  
…バカ。  
 

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