風の音や虫の声が五月蠅いくらい静かで穏やかな夜…。
寮ら少し離れた小高い丘の上、アポロはここからの眺めが大のお気に入りだった。
闇夜の中更に黒く染まる森や、キラキラと輝く町並み、それに負けないくらい満天の星空。
時折吹き抜ける風は、月光の中青々と生え揃った雑草と、アポロのザックリと切られた赤い髪を小刻みに揺らし、その毛先は意外な程に長い睫毛を撫でた。
突然、風の中に甘い香りが混ざった。まだ成熟しきらぬ少女特有のものである。
シルヴィアの匂いのそれに似ているが、もう少し艶やかさが感じられる。
突然の来客に少し驚くと、アポロは上体を起こすと身体を捻った。
予想通り、銀髪の少女―リーナが車椅子の上で優しく微笑んでいた。
「ふぅん…良い眺めね。」
ガラスのように澄んだ声がアポロの鼓膜をくすぐる。
「…リーナ、いつの間に?」
いくらぼうっとしていたとは言え、自分に近付く存在にアポロが気付かない訳が無かった。
「うふふ…ねぇ、隣りに行っても良いかしら?」
アポロの問いには答えず、リーナは首を傾げ囁いた。
「ここは誰にも秘密にしてたんだけどな。ま、こっちのが景色が良く見えるしな」
「ありがと」
気恥ずかしそうに鼻の頭を指で擦るアポロにリーナは微笑むと、車椅子を静かにアポロの隣りに並べた。
「それにしてもどうしたんだ?こんな時間に」
アポロが不思議そうな目でリーナを見つめる。
「あら、私が夜中に出歩いちゃおかしい?」
アポロはリーナの問いに、むしろその方がリーナらしいなと感じたが、口にはしなかった。
「まぁいいや。そういやさ、リーナって普段何食ってるんだ?もの食ってるとこみたことねぇし…血だけじゃ腹減るだろ?」
不思議だった。もし食事がたまに摂取する血液だけだとすれば、それはアポロには考えられないことである。
「そう、今日はそのことでアポロにちょっと用があるの」
妖しく微笑むリーナの口許に長い犬歯が光った。
「また吸血か?まぁ別に嫌じゃねぇけど…」
事実アポロはリーナに吸血されることに抵抗は無かった。寧ろ気持ちいいとすら感じてしまい、そのことに対する羞恥心を感じていた。
「ふふ、それはもちろんなんだけど、私にはもっと好物があるの」
なんだやっぱりリーナも食事を取るんだ。アポロの頭に渦巻く疑問がパッと解消された。
「なんだ、そんなことかよ!好物ってなんだ?鼠か?蛇か?俺が掴まえてきてやるぜ」
思わず立ち上がると、アポロはぐいと腕まくりする。
「ありがと。でも、私のもう一つの好物はやっぱりあなたの中にあるの」
唇に人差し指を当てると輝く瞳でアポロを見上げた。
「俺、の、中?」
アポロには皆目検討がつかない。と、リーナ指が唇から離れると優しくアポロの股間を包み込んだ。
「っつ!リーナ!?」
腰の辺りから頭に、ジン、と痺れが伝わる。
「私の好物はここにあるの」
磁器のように透き通ったリーナの肌は上気して、少し汗ばんでいるようにも見える。
「リーナ、お前…くっ!」
酷く細いリーナの指先が、ごわついたズボンの上からアポロのペニスを撫で回す。
「流石のアポロももう分かったでしょう?私の好物…」
朱のさしたリーナの表情からはいつものような理性が感じられない。
「リーナ、まてっ…っう!」
リーナの指先に弄ばれ、アポロのペニスは堅く反り返っている。
リーナは馴れた手つきでアポロのズボンと下着をずり下げた。
蒸れたような男の匂いがリーナの鼻腔を満たした。
「この匂い♪」
もうアポロには抵抗の気配は微塵も感じられない。
リーナは、目の前に反り返るペニスに手を伸ばして見た。
「……凄い…」
太さ、堅さ、そして熱さ。いづれもリーナを満足させるに十分な物だった。
「アポロ、気持ちいいかしら?」
リーナはペニスに優しく触れた手を、ゆっくりと上下させながら、上目遣いにアポロに尋ねる。
「お、おぅ…キモ、ち、いい」
頬を真っ赤に染めるアポロを盗み見ながら、均等なペースでアポロのペニスを責め続ける。
尖端からは透明な粘液が竿を伝いながら零れ落ち、リーナの柔らかな手のひらとの間で、ニチャニチャとイヤらしい水音を立てた。
「それじゃあ、いただきます…♪」
リーナは一度ゴクリと唾を飲むと、一気に熱いペニスを口腔へと導き入れた。
「えっ!?…っくはぁっ!」
性に鈍いアポロでもやはり時折自慰行為に及ぶが、これ程の快感は初めてだった。
自らのペニスを咥えるリーナの表情が余りにも淫らで、アポロはつい見入ってしまった。
何本かの前髪は汗ばんだ肌に張り付き、薄く開かれた瞼には、長く生え揃った睫毛と共にうっすらと涙がたたえられている。
窄められた頬、突き出した唇。零れた唾液は自らの体液と混じり合い、幾筋もの線を描き、星の光を僅かに反射し光る。
余りにも美しく、淫らだった。
「んふっ、ほっへも、んっ、ほいひい♪」
予想以上であった。アポロのこの年齢では考えられない程のペニスだった。
唯一、カリが心持ち小さい気がするが、それはそれで愛しくも思えた。そのカリが喉を擦る度に、リーナの中のある感情が膨らみつつあった。
(わたし、興奮してる…の?)
長くプラーナ吸収の為に飲精を繰り返していた。
だが今は明らかに性的な興奮を感じていた。
それは薄い下着の下、痛い程に勃起した乳首や、愛液が飽和し不快感を与えるレースのショーツが物語っていた。
そうこうしているうちに、アポロは限界に近付いて来た。経験の無いアポロには刺激が強過ぎるのだ。
「リーナ!俺、もう!…っ!」
リーナの口腔でビクビクとペニスが跳ね始める。ときたま、甘い精の匂いが混じり始める
「んふぅ…はひてもひいわよ」
リーナは、知らず自らの膨らみやらぬ胸を揉みしだきながら、アポロの射精を促した。
足は内股に強く閉じられ、陰核を圧迫する。少しでも快感を得たいのだ。
「だめだ!リーナっ!!…いくっ…っ!!!」
一瞬、ペニスが膨張したと思った瞬間、それこそ音が聞こえそうないで、リーナの口腔へと精が放たれた。
「んくっ、んくっ、んくっ」
リーナは喉を鳴らしてアポロの精を飲み続けた。
それでも飲み込みきれず、口許から零れた精が頬伝い落ち、リーナの胸を汚した。
二度三度亀頭をなめ回し掃除した後リーナは優しく微笑んだ。
「っ!リーナ、すまない!」
リーナの服を酷く汚してしまったことに気付くと、額に汗を浮かべたアポロは、すまなさそうに俯き目を逸らせた。
「いいわ。気にしなくて。とってもおいしかったわ、あなたの精液…♪それに凄い量だし…」
リーナは悪戯っぽく笑うと、未だ堅くいきり立つペニスに濡れた唇で口付けた。
「あんなに沢山出したのに、凄いわね…。これ、まだできるわよね…?」
リーナわ熱い視線をアポロに送りながら、白い指先で唾液と精液でグチャグチャの亀頭を弄り回した。