「こ、ココは‥」
光の鎖で全身を拘束されたシルヴィアが目覚める。
「そう、アトランディア」
「お兄様!?」
兄が逆さ向きに立ってるのではなく、
この世界では自らが逆さ吊りであることに気付くのにそう時間はかからなかった。
「おまえはベクターで亜空間ゲートに飛び込もうと‥」
「違う、私はお兄様を連れ戻そうと」
「おまえが来たいと望んだ、だからココにいるんだよ、シルヴィ」
シリウスが指を上げると、シルヴィアの左手が意志とは無関係に彼の前に差し出された。
パンッと甲高い音をたててリストバンドがはじけ飛ぶ。
「綺麗な翅だ」
「さ、さわらないで!」
強い語調に一瞬、ビクッと手を引くシリウスだったが口元に不敵な笑みを浮かべると
再びその指を剥き出しになった翅に近づける。
「じゃあ、こうしよう、私の責めに」
「はぁっ!」
シリウスの指が翅にそっと触れると、シルヴィアの全身が電気ショックを受けたように反り返った。
「気をやらずに我慢できたなら、翅無しどもの元へ帰してあげるよ」
「そんな、お兄、さ、‥!や‥」
リストバンドは人間に堕天使の翅を見られぬためだけではなく、
強烈な性感帯である翅を外界の刺激から保護するものでもあった。
年頃になるまで風にさえ触れず守られて来たソレの敏感さは他のどの性感帯も比にならない。
シルヴィアは彼女のもっとも敏感な部分を憧れていた兄にさらけ出し、もてあそばれようとしているのだった。
「大丈夫、シルヴィは強い子だから‥」
ゆらめく翅のうち、もっとも幼く見える一本に狙いが定められる。
「きっと望み通り、仲間達の元へ帰れるさ」
「やんっ!‥はぁ、はぁ、だぁ、駄目!っ!」
シリウスの人差し指がなでるように、とは言っても触れるか触れないか程度の往復運動を行うと、
それの動きの波と寸分も違うことなく、シルヴィアの体が敏感すぎる反応を示す。
「そうだ、5分、翅無しどもの時間で我慢できたなら・・」
「んん‥、ん!ん!」
シルヴィアは翅の毛並みと順方向に撫でられると、恍惚の表情で身を震わせ、
「はぁ、やっ!やっ!‥あぁんっ!」
逆方向に撫でられると全身をくねらせて息絶え絶えに乱れた。
「受容体の少ない幼い翅でこんなでは、先が思いやられるんじゃないか?ん?」
「やぁ、‥助けて、あ、アポロォ!」
「!」
彼女が叫んだその聞き慣れた名に、穏やかだったシリウスの表情が途端に鬼の形相を帯びる。
「汚らわしいその名を!この期に及んでっ!」
「痛っ!たぁい!‥」
思わず強くつかんだ翅を慌てて離すと、ふたたび優しく微笑みかける
「私としたことが‥あのような獣のことなど、もう‥」
「はぁ、はぁ」
「しかし、汚らわしい名を口にしたいけない子には、お仕置きしなければ‥な」
自らの右腕を差し出すと、シリウスの翅が怒張した男根のようにそそり立つ。
「シルヴィのはしたない姿がいけないんだよ‥お兄様の翅がこんなになってるのは」
火照りきった顔を思わず背けるシルヴィア。
「翅同士を絡ませ、まぐわせるとどうなるか‥わかるかい?」
何かを察知したのか、彼女の膝頭がガクガクと震えはじめる。
「今なら許してあげるよ‥愚かな翅なしと我々は共に生きられないんだ」
シリウスの翅がゆっくりあてがわれる。
「や‥!」
「転ぶ、ひとこと、転ぶと言うんだ!」
「んはぁ、シ、シルヴィア、勝ちます‥」
「ありえない!」
怒りにまかせ、乱暴に翅同士が差し込み合わされる。
「!ーっ、あっ!ーーっ!」
「はっ、はぁ、どうだい?くっ!はぁっ!」
飛びそうな意識の中、シルヴィアは自らを責める兄の余裕の表情に絶望する。
「ふふ、お兄様は禁を守ってきたおまえとは違って‥毎晩、翅を鍛えていたからなっ!」
ズグッ!ズグッ!容赦なく翅が組み合わされる。
翅に通った敏感な神経、全てがあまさず刺激されるのだった。
「んあっ!あ!あ!あ!」
白いのどを晒し、だらしなく開いた口から涎をしたたり落とすシルヴィア。
「アリシア王家の血を受け継ぐ者が、まさか愛する兄の前で!くっ!」
「めぇ!らめ!やっ!」
「はぁ、そんなにはしたない声をあげ‥」
「っ!っ!っ!っ!」
「そんなにいやらしく身をよじらせるなんて!」
何を思ったか、シリウスがその腕の動きを突然止める。
しかし、それによって、あろうことか、シルヴィア自らも腕を往復運動させている事実が白日の下に晒される。
「自分が、何をしているのか、わかってるのかい?シルヴィ!?」
「やぁ、違っ!やぁ、見ないで!」
むさぼるように自らの腕の翅をシリウスのそれと交差させるシルヴィア。
「私は幻滅したよ!愛する妹がこんなに淫猥な‥」
「はっ!はぁ!やぁ、私!ちがっ‥んっ!」
「何が違うんだ?ん?」
頃合いと見て、拘束されているシルヴィアの右腕の光の鎖を解くシリウス。
全身を波打たせる中、自由を得たシルヴィアの右手は無意識か自らのショートパンツの中に即座に滑り込む。
「んはぁ、くぅ、イ‥、んん!」
「慣れた手つきじゃないか?お兄様は知ってたよ!おまえが毎晩、毎晩‥」
天地逆さまの互いの唇が合わされ、シリウスの舌がシルヴィアの口の中に躍り込む。
「んーーーっ!んーーっ!」
翅の交接、手淫、あこがれの兄とのディープキス‥最後のダメ押しを待ちながら登りつめるシルヴィア。
ふと唇が解き放たれ、唾液の糸が橋を作ると、その向こうのシリウスが言い放つ。
「イケよ!この、汚らわしいメス犬めっ!」
瞬間、弓なりに体を反らせたシルヴィアの体がビクン、ビクンと激しく波打つ。
見計らって彼女の全身の拘束を完全に解くシリウス。
その場に突っ伏したまま、シルヴィアの腰だけが尺取り虫のように卑猥にグラインド運動を繰り返す。
パンツに突っ込まれたままの右手がいまだ痙攣に合わせて刺激を続ける様は、
もはや王家の姫とは呼べなかった。