「着きましたよ、陛下。先に中へどうぞ。」
「ありがとう、お邪魔します。」
ランディが開けた扉をくぐってアンジェリークは邸の中へ入っていく。
今いるのはランディの自宅である風の守護聖の邸。
アンジェリークが女王になってから習慣になったお泊まりの日だ。
中に入るといるはずの使用人達はおらず、静かな空間に赤の強いオ
レンジの光がさし込んでいる。
「誰もいない。」
「明日から休日ですから、みんなにゆっくり休んでもらうために
早めに終わらせたんですよ。」
「…ねぇランディ、そろそろ敬語と陛下はストップしてくれる?
今はプライベートな時間で…一人の女の子に戻ってるから。」
確かに今のアンジェリークは私服。ピンク地に黒チェックのミニスカート、
黒のミーソックスがよくに合う、ごく普通の女の子の姿。
彼女から言わない限り誰も女王だとは気づかないくらいだ。
二人っきりでもたまに敬語を使うランディを少し恨めしげに睨むアンジェリーク。
そんな彼女に歩み寄ってランディは腕の中に包み込む。
「ごめんごめん、さっきまで外にいたからついね。」
「でも今は二人だから…」
「そうだね、どこから見ても今のアンジェは可愛い女の子だよ。
私服よく似合ってる。」
頭を撫でながら可愛いと言われて、アンジェリークはますますランディに甘える。
いつもと同じことなのだが、この時のランディは今宵いつもと違う事が
起こる事など露ほども知らない。
食事を済ませて順番にシャワーに入り、先にシャワーから上がったランディは
リビングのソファーで冒険小説を読みながらくつろいでいた。
シャワーから出たアンジェリークはリビングに来てソファーの背後から彼に近づく。
「だーれだ?」
「わっ。…こんなことするのはアンジェしかいないだろ。」
「えへへっ。ランディが本に夢中になってるから気づいてないみたいだもん。」
掴んでいたランディの手が離れて、彼女は彼の隣りに座る。
ぶかぶかになった彼のワイシャツと黒いニーソックス姿のアンジェリークに
ランディの視線はくぎ付けになる。
「そんなにじっと見て、どうしたの?私、どこか変?」
「いや、その、可愛いなと思ってつい見とれて。」
「ふふっ、ありがとう。ランディに可愛いって言われて嬉しいv」
心から嬉しそうな笑顔のアンジェリークが可愛らしいので、
ランディは必死に押し倒したい衝動を抑えている。
あらかじめ用意していたオレンジジュースを飲んで気を紛らわせているつもりだ。
「そういえばちょっと思ったけど、シャワー浴びたのになんでニーソックス履いてるの?」
「えっ、これって変に見える?」
「いや、変じゃないけどさ。なんでかと思って。」
変どころか似合っていて、ランディが襟から見える胸の谷間と一緒にチラチラ見てしまうくらいだ。
でももう少ししたら寝室に行って眠るつもりだから、どのみちニーソックスは脱ぐことになる。
ランディが疑問に思うのはそのせいだ。
「えーっと、正直言うとね、今夜のための…準備なの、これ。」
「準備…っ。」
そこまで言うとアンジェリークは瞳を閉じながらランディの唇を奪う。
何度も角度を変えて触れる彼女の唇の柔らかさにランディも応える。
ひとしきり堪能して、唇を離した彼女から耳元で甘く、大胆発言が飛び出る。
「今夜は、私が気持ち良いこと…してあげるね。」
「アンジェ…何もここまでしなくてもいいんじゃないか?」
どこかから持ってきたロープによってランディの腕は後ろに縛られてしまっている。
「だって、こうしないと最後までするのは難しいって、あの子たちが言ってたのよ。
ランディが途中で『もう十分だから』って止めるかもしれないから。」
「あの子たちって、向こうの宇宙のアンジェリークとレイチェルかい?」
「そう。今日のお昼に女の子だけのお茶会をして、いろいろ教えてくれたのよ。
こういう事はあの子たちの方が詳しいから。」
(そういえば俺とアンジェ以外のカップルは、みんな相手が大人の男だからな。
詳しいのもおかしくないかな。…っ!!?)
ランディが向こうの宇宙の二人とロザリアのそれぞれの恋人の顔を浮かべて
妙に納得していたら、アンジェリークは彼の目の前でワイシャツのボタンを外し出した。
「なっ・ア・アンジェ!何してるんだよっ」
「何って、これからすることの準備中よ。これから気持ちいいことするための。」
「だからって、君がそこまでしなくても」
「いいの、私の体を見て良いのはあなただけだから。」
くすっと笑いながら彼女はボタンを全て外し、その中の下着を彼に見せる。
下着もレースやリボンの可愛い黒で、彼女の肌の白さを引きたてる。
愛しい彼女の白い柔肌が露になるさまにランディはすっかり魅入ってしまっている。
顔の赤い彼の視線を感じながらアンジェリークは肩紐を外したブラのホックを外して、
形の良い乳房を晒していく。その次にショーツまで下げて足から脱ぎとってします。
乳房と、髪と同じ金の草叢を見て、ランディは生唾を飲み込む。
愛し合っているから彼女の裸を見るのは初めてじゃないが、いつでも彼は見とれてしまう。
「…アンジェの体、すごくきれいだ。」
「ふふっ、嬉しいv」
ワイシャツとニーソックスのみにして、ランディの近くへ行くと、彼の前で膝立ちして見上げる。
シャンプーの香りと、間近で見る彼女の表情と胸の谷間。
純情なランディは言うまでもなくドキドキしていて、
視覚だけで体に変化が出ていることに気づいている。
「本当はまだ、私からするのは恥ずかしいの。
でもね、ランディと恋人になってから心も体もいっぱい愛されて、すごく幸せだから。
今度は私からランディを愛したいの。ランディとしか…経験したことないけど。」
ほんのり赤くさせながら素直に話すアンジェリーク。一生懸命に
これから頑張ろうとする彼女が愛しくてたまらなくなる。
「ありがとう、俺にここまでしてくれて。幸せ者だな、俺って。
こんなに可愛い女の子に愛されているんだから。」
「ふふっ。…もっと、幸せになって。」
深く唇を重ねて、彼女の手が彼の股の膨らんでいるところを優しく撫で始めた。
ワイシャツからはだけた彼の乳首を吸っていた唇が足の付け根に辿りつく。
唇でチャックの持ち手を咥えて下げてから、彼の青いジーンズと下着を足元まで下げてしまう。
そこにはそそり立つ熱の塊が上に向かって反りかえっていた。
「すごく大きい…」
「そんなに見られるのは恥ずかしいよ。アンジェの体を見ただけで
こんなになったんだから。やらしいだろ?」
「見てるとドキドキするけど…私でこうなって、嬉しい。」
足の間に入って、彼の熱の塊を手で優しく撫でる。彼女から少しでも触れられただけで、
ランディの熱さや大きさが増していく。先端から丁寧に舌で舐めていき、
彼女の小さな舌は少しずつ下がって管や柔らかい袋のようなのまでゆっくりと舌で愛撫していく。
「ランディ…どう?私、ちゃんと気持ち良くしてる?」
「あぁ…っ…アンジェの優しい触り方…気持ち良いよ。」
「よかった。もうちょっと頑張るね。」
片方の手でゆっくり管を上下に擦りながら先端を口の中に含んでいく。
舌を使いつつ時々ちゅっと吸ってみる。
「っ…うっ…あっ…いいよ…アンジェリーク」
いつもランディからアンジェリークを愛する方が多いので、少しぎこちない
アンジェリークの愛撫はランディを昂ぶらせる。
明るい場所でランディの塊を見て触れているアンジェリークも、
彼の感じている声と熱で次第に体が火照っていく。
口に入れるところまで彼の塊を受け入れながら、自ら花弁に触れてみる。
疼いてる花弁は溢れ出した蜜でしっとり濡れている。
指先で上下に撫でてから蜜壷の中を抜き差ししていく。
口の中のランディの塊に舌が絡みついて、徐々に限界へ近づける。
「んんっ…んぅ…」
「やばい…アンジェ…っ…口、良すぎる。」
塊でいっぱいのアンジェリークの口はギリギリまで上げて深く下げてを何度も繰り返し、
ランディは体中の熱がそこに集中しているようにも感じた。
「もう…だめそうだ…くっ!!」
根元に口が辿りついた時、ランディは口の中に白い欲望を放出した。
アンジェリークは突然のそれにむせながら、口の中に出た全てを飲み干す。
「飲むことないのに…」
「いいの、だって…こうしたかった…から。」
(アンジェ…にこっと笑いながら言うのは反則だよ。)
「ランディ…あのね…ランディのまだ元気そうだから…」
「うん、いいよ。もっとアンジェを感じたい。
その前に、そろそろロープをほどいてくれる?
終わるまで、手出ししないから。」
「…うん。」
ロープをほどいてから、ランディの首元に抱きつくアンジェは座ってる彼の上に跨ぐ。
唇を重ねる間にゆっくりと自分の花弁を近づける。先端と触れ合っただけで
蜜が流れてくる蜜壷の中に、ランディの熱を招き入れる。
「あっ!…っ、大きい…あっ、あん」
「っ…いつもより熱い…アンジェの中」
少しの自慰だけで濡れていた蜜壷はすんなりと熱の塊を受け入れてしまう。
最奥まで辿り付くとアンジェリークはすぐに腰を上下に動かす。
「あっ・あぁ!ランディの…熱いよ…あっ…あん」
「君の中…すごくとろとろだね。」
「はぁん…あっ…どう…しよう。…私ばっかり、気持ちよく…なっちゃう。」
「俺も…っ…気持ちいいよ。俺の上で…乱れてるアンジェが…色っぽいから…」
ランディは耳元で囁いてから、首筋に赤い痕をつける。
繋がって動いてる間にアンジェリークのワイシャツは両肩を露にするほど乱れている。
彼女の体の感触や仕草と同じくらい、その姿はランディの理性を破壊している。
彼は唇を彼女の胸元まで移動させ、彼女と連動で揺れる乳房の先端を舌先で愛撫する。
アンジェリークが敏感に気づくと、締め付けがいっそう強くなる。
「やっ・だめ…手出ししないって、言ったじゃない…」
「今使ってるのは口だけだよ。アンジェの胸が可愛かったから、つい。」
「あっ・やぁん!!」
「っ…すごく吸いついてる…。」
「だめっ…胸、弱いのに…あぁ…だめ、きちゃいそう…。」
「いいよ…。俺も…そろそろっ。」
限界に近い二人は腰の動きを早くしていく。手を使わないランディは
アンジェリークのタイミングに合わせて腰を突き上げることに集中し、
互いに相手の熱さを感じ合う。
「ランディ…大好き…ああっ、あっ、やぁん…私…私…
もう…だめ…あっ・あぁぁぁぁぁぁーーー!!!」
「アンジェ…っ・うぅ・くっ!!!」
アンジェリークが背を仰け反らせてすぐに、
ランディの2度目の放出が彼女の中にたっぷりと注がれた。
二人が肩で息をしている中、体が緩んで疲れてしまったアンジェリークは
ランディと繋がったまま抱きついている。彼はそんな彼女に愛しさをこめてぎゅっと抱きしめた。
「はぁ…はぁ…これじゃ…普段と、変わらないかも…」
「そんなこと…ないさ。あんなに一生懸命頑張ってて、可愛かったよ。」
「本当…?ランディは気持ち良かった?…私、幸せにしてた?」
「あぁ、すごく気持ちよくて、これ以上ないくらい幸せだったよ。」
「…よかったvv」
優しく微笑みながらランディが言うと、不安そうだったアンジェリークの表情は、
ふんわりと可愛い笑顔になっていく。
(俺もう、尻に敷かれるのは確定かな。こんなに可愛い笑顔をされたら、敵わない)
「どうかしたの?」
「俺って幸せだなって。こんなに一生懸命で、一途で、可愛い女の子と
恋人同士になれたことが。」
ふわふわの金色の髪を撫でて、ランディはアンジェリークの頬と唇に何度もキスをする。
「せっかくシャワー浴びたのに、汗だくになっちゃったね。
少し休んだら、一緒に入ろうか。」
「うん…vv」
「アンジェ、俺もアンジェが大好きだよ。」
いつもと愛し合う形が違う夜。
でも、恋人の愛情を体中で感じて幸せだと思った夜。
今度向こうの宇宙のアンジェリークとレイチェルに会う時に一応礼を言おうか、
ランディは密かに悩んでいたとか。
END