パン、と空気の破裂するような音が、薄暗い室内に響いた。  
「きゃぁっ、何するの!?」  
「あんたをひっぱたいたんだよ?」  
シリンの目には憎悪が宿っている。  
女の嫉妬を身体にひしひしと感じ、あかねは思わず息を呑んだ。怖い。  
逃げなくてはと思うのに、身体は屈強な男どもに押さえつけられて動けない。  
シリンはまるで値踏みするかのようにじっとりとあかねを眺めている。  
その様は傲慢な猫が小動物をいたぶるそれ。  
「さて……どうしてくれようか。龍神の神子」  
お館様がこんな小娘にどうして執着するのだろう。ちっぽけなただの女じゃないか。  
龍神の神子――――神子、だからか。  
ならば、その身を神子でなくせば。  
神子たる資格を失えば、それでこの女はもう本当にただの女、力のない女になる。  
シリンの唇が弓形につりあがる。  
そのまま、美しく赤く塗られ、整えられた長い爪をひらめかせた。  
「きゃあ!」  
ざっくりとあかねの衣の前が引き裂かれる。  
悲鳴が心地よい。  
これからもっともっと聴くことになるだろう。泣いて懇願し、助けを求める声が。  
そしてそれが、絶望に変わっていく様が。  
 
「あっ……あぁん! はぁ……んぅ」  
むき出しになった上半身を男どもにむさぼられなぶられるあかねを、  
シリンは楽しげに見ている。  
あかねのスカートを捲り上げた。  
龍神の神子はシリンの知らない形の布をはいていたが、それをするりと下げる。  
「はぁっ……」  
「あらあら……もう感じちゃってるの? びっくりだよ、気高い神子様が  
こんなに淫乱な、はしたない女だったなんて」  
「そ……っちがっ……いやぁ!」  
ずぶりとシリンの指があかねの中に突き刺さり、あかねの声が上がる。  
「口答えするんじゃないよ! あんたなんか、お館様に目をかけてもらえるような、  
そんな価値なんかちっともないんだから……!」  
ふん、と吐き捨てると、痛みに声も出ないらしいあかねの膣に、  
無理やりもう一本指を入れようとした。  
「……っあ!」  
「龍神の神子ったって、泣くしかできないじゃないか。  
 それどころか、なんという浅ましさよ。こんなになって……」  
内をこするように指を動かすと、かすかな水音がした。  
あかねの頬が羞恥に真っ赤に染まる。  
 
「さぁ、そろそろ奪ってやろうか。何人もの男に汚されて、それでもまだ  
お綺麗な神子でいられるかしらねぇ?」  
「もういやぁっ……誰か……誰か助けて……!」  
天真くん。詩紋くん。頼久さん、友雅さん、泰明さん……!  
あかねの意識に白い光が浮かび上がり、それとともに扉が開け放たれた。  
「そこでなにをしているのです!?」  
現れた鷹通は、眼前の光景に言葉を失った。  
ぼろぼろになった布切れをまとうあかね。  
その布の間から赤い跡のついた肌が見え隠れする。  
今まさに男の手に落ちようとしていた少女は、涙に濡れた目で鷹通を見上げた。  
「たかみちさ……」  
「くっ!」  
シリンが繰り出してきた刃を小刀で受け止め、鷹通はあかねを振り返った。  
「逃げなさい!」  
その言葉どおり立ち上がろうとしたあかねだったが、  
たちまち男どもの手に引きずり倒されそうになる。  
「失礼」  
横から現れ、男たちを殴ったのは友雅だった。  
「やれやれ……可愛い肌がだいなしだ」  
そっと上着をあかねにかぶせ、優しく頬に触れた。  
 
 

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