いつものように悲愴な空気を漂わせた永泉が、あかねの元へとやってきた。
それに対応するのもすでに慣れたもので、側にいた女房たちもいそいそと下がっていった。
「神子、ご機嫌は如何ですか」
「私は平気ですけど…」
陰鬱な面持ちの永泉を見上げて答える。
「でもどうしたんですか? こんな朝早くから」
「神子、申し訳ありません。私がこのような穢れた想いを胸に抱えるなど…八葉にあるまじき…」
どうやら永泉は懺悔をしているようなのだが、言われた当人であるあかねにはさっぱり検討もつかない。
首を傾げて、それでも黙って相手の話すままにさせておいたが、やがて流れが変わってきたのが何となくわかった。
「それでも私はこの想いを消すことができず…一時はこの身もろとも世を儚もうとしたのですが…」
「はあ…」
「けれど今の私は八葉という任についている身。私が去ったところで影響はないでしょうが、
それでも神子の仕事に支障をきたすことがあるやもしれません」
「ええ…」
「私は悩みました。けれどこうも思ったのです。龍神の加護をその身に受ける神子ならば、
あるいは私のこの浅ましい想いも浄化することができるのではないかと」
「……」
「そういう訳ですので神子、よろしくおねがいします」
そう言うなり、永泉がガバリと覆い被さってきた。
自然な流れであかねも押し倒される。
「えっ、ええーっ!」
驚きに声を上げても、それを聞きつけてやってくる者は誰もいない。
「ちょっ、永泉さっ、落ち着い…」
「神子こそ気をお鎮め下さい」
宥めるようにあかねの頬を撫でるのと逆の掌は、すでに胸の頂を包み込んでいた。
「神子…、ずっと触れたかったのです…」
うっとりとした表情で何度も何度も天辺の突起を撫でさすられると、あかねの意志に反してそこはだんだんと尖ってきた。
あかねの息遣いも不規則なものへと変化していく。
「えいせんさんっ、だめぇ…」
「そのような甘い声で私などの名を…」
永泉はべつのことに気をやられているようだった。
あかねの訴えには気付きもしない。
そうしている間にも、永泉の手は止まることがなかった。
徐々に大胆になってくる手の動きは身に纏う布を乱していき、あかねの上半身は露わにされていた。
「ああ…神子、なんて美しい…」
感嘆したように呟くと、永泉はピンと尖った乳首にその顔を寄せた。
敏感にされた部分に吐息がかかり、あかねはふるりと身を震わせた。
左の突起をぬめった感触が包み込む。
目線をそちらに下げると、永泉がしゃぶりついていた。
「やッ、そんなぁ…」
「ハァ…神子…神子のココはこんなにも甘い…」
至福の表情でチュパチュパと音を立てて吸い上げていく。
「あッ…ああッ、ん…」
「こちらばかりで寂しい思いをさせて申し訳ありません」
そう言って、右の乳首も指先でこねくり回される。
両の突起を襲う異なった感覚に、あかねはすでに息も絶え絶えだった。
「もっ…やめ…はなしてぇ…」
絞り出すように言うと、予想に反して永泉はあっさりと離れた。
自分で望んだことながら先ほどまで愛撫を受けていた箇所に物足りなさを感じてしまい、
無意識に恨めしそうな目をして相手を見上げてしまう。
そんなあかねに微笑みを返し、
「それでは、神子に私の想いを受け止めていただきますね」
永泉はそう言った。
「やっ、そんなとこ…」
「ああ、神子のお味…夢のようです…」
あかねは身を覆う布を全て剥がされ、すっかり裸にされてしまっていた。
その肌は快楽のためか、じんわりと汗ばんでいる。
永泉はというと、左右に大きく開かれたあかねの太股の間に身を挟み、
そこへ屈み込んで熱心に股間部分に舌を這わせていた。
止めどなく溢れ出てくるあかねの露を一滴も漏らすまいと、器用に舌先を行き来させていた。
そこから響く水音が耳に届くたび、あかねは羞恥に体を震わせ、
そしてさらに大量の液を溢れさせるのだった。
「あっ…もう…もう…」
耐えきれなくなったあかねがねだるような声を出すと、
舌先がふっくらと色づいたクリトリスを抉るように押し潰した。
「アアーーッ!」
「まるで野苺のような…」
永泉は呟いて、最後にその突起をチュッと吸い上げて顔を上げた。
「あ…えいせんさん…?」
赤く上気したあかねの顔を見下ろし、にっこりと微笑んだ。
「神子…私の想いを…」
「きゃ、あ…ぅん…んッ」
いつの間にか取り出したのか、その柔らかな風貌からは想像できない立派なものが、
あかねの膣口に真っ直ぐに突き立てられた。
唾液とも愛液ともつかぬ液でぐじゅぐじゅに湿らされていたそこは、
さほどの抵抗も見せずにズブズブと飲み込んでいく。
あかねはどうすることもできず、身を仰け反らせた。
「神子…ッ、私などが…私などがッ!」
「アッ、んん…ッ」
永泉の叫びと共に欲望の抜き入れが何度も繰り返される。
ペニスが引き抜かれようとする度、あかねの膣口は逃がさないとばかりに中を締め付けた。
永泉の微かな呻き声があかねの耳にダイレクトに伝わり、否が応でも興奮は高まる。
一際大きな動きで最奥まで突き入れられ、あかねは絶頂を迎えた。
「ひゃ…アアーーッッ」
「ッ、神子…!」
じんわりと中に温かいものが広がっていくのを感じた。
はあはあと荒く呼吸を繰り返すあかねの乱れた髪を永泉の細い指がかきあげた。
「えいせんさん…こんなの…」
言い掛けたあかねに、永泉は晴れ晴れとした笑顔を向けた。
「はい。私の想いはまだまだこのようなものではありません」
爽やかにそう告げる永泉の分身が、あかねの胎内で再びむくむくと育っていった。
「えっえいせんさぁん…」
あかねが泣きそうな声を上げても、
「本日は存分に私の想いを身にうけてくださいね」
永泉の腰の動きが止まることはなかったのだった。