―ある晴れた土の曜日―
女王陛下の私室に一人の客人がいた。
「陛下の入れてくれたカプチーノはいつ飲んでも最高ですよ」
「やだ、オスカー様ったら。二人きりでここにいるときは名前で読んでください」
女王陛下―アンジェリーク・リモージュは顔を赤らめ、
恥ずかしそうに目の前にいる男性―炎の守護聖、オスカーに告げた。
「あ、そうか、すまない、いつものくせで…」
オスカーは照れ臭そうに頭をかく。
二人の関係はここでは秘事であった。
彼女の親友であり、補佐官のロザリアでさえ知らぬ事だった。
「アンジェリーク…」
「オスカー様…」
一週間の内、土の曜日だけが彼女と彼が愛を囁ける日だった。
それ以外の日では彼と彼女は女王と守護聖―つまり、主従関係にあるのだ。そんな二人が恋仲になることは絶対に禁事なのである。
「アンジェ…」オスカーは真向いに座るアンジェの頬に手を触れた。
「隣にこいよ」
アンジェは顔を赤らめながらオスカーの隣に腰掛ける。
二人はしばらく寄り添い、そして見つめあう。
「俺の、俺だけのアンジェリーク…」
オスカーは確かめるようにそう呟くと彼女の肩を抱き寄せた。
オスカーはアンジェの髪を一撫でし、自らの唇を可憐な少女の小さな唇に近付けた。
二つの唇が触れようとしたその時…
トントンッ
扉をノックする音が部屋に響き渡った。二人はビクッとし思わず体を互いに離した。
「陛下、いらっしゃいます?」
―ロザリアだ!!
「どうしましょう、オスカー様!とりあえず、どこかに隠れて!!」
「どこかと言われても…」オスカーは慌てて周りを見渡す。
洋服タンスはかさばるドレスだらけで長身の男性が隠れられそうにもないし、ベッドでは膨らみでわかりそうだ。
テーブルの下もちょっと…。
「陛下!…変ねぇ、いらっしゃないのかしら…」ロザリアの扉を叩く間隔が徐々に早くなる。
「こうなったら…、オスカー様、ごめんなさいっ!」
「え?…おゎっ!?」
急にオスカーの視界が暗闇に閉ざされる。
「うぅ…」
「オスカー様、しばらくの間、我慢して下さいね。…ロザリア!開いてるわよ」
アンジェがそう言うと扉を開ける音がしたと同時に聞き覚えのある声が部屋に響いた。
「もう、心配するじゃない、アンジェリーク!」
「ごめんね、少しうとうとしていて…」女性二人の会話が始まった。
「ふぅ、どうやらバレていないようだ。…しかし、ここは…」
かなり狭い場所らしい。しかも暗い。
オスカーは身動きができないまま、目が慣れるのを待った。
次第に周りが姿を現し始めた。そこに現れたのは…
「!!」
オスカーのすぐ目の前にあるのは紛れもなく愛しい少女の秘所である。
下着は着けてはいるものの、それは甘い香をはなっていた。
オスカーの鼻先に触れるか触れないかのところにそれはある。
オスカーの自身が急激に反応を示し始めた。
「仕方がないとはいえ、こんな場所に…!」オスカーは歯を食い縛った。
オスカーは気を紛らわせようと二人の会話に耳を傾けた。
「早くロザリアを帰らすんだ、アンジェ…!!」
しかし二人の話に花が咲いたらしく、なかなか終る気配がない。
アンジェが足を動かす度に甘い誘惑の香がオスカーの鼻をくすぐる。
まさかアンジェのロングフレアスカートの中にオスカーがいるとは思わないロザリアは色々な話の種をアンジェに提供する。
アンジェもまさかオスカーが苦しんでいるとは思わず、それを快く受け取る。
一方オスカーは…
「俺は、よく、頑張ったよな…?」
はち切れんばかりに成長した自身に問い掛ける。
「もうっ…、限界だ…!!」
オスカーはそう悟と迷いもなくアンジェの秘所に抱きつく。
「きゃっ!?」アンジェが反応する。
「どうしたの、アンジェ?」
「ううん、な、なんでもないの…」
しかし、彼女の瞳は潤み始め、顔は赤くなり始めていた。
オスカーは彼女の丸い双丘を鷲掴みにし、そのお餅のような感触を味わいながら、
秘所をまもる小さな谷間を下着ごしに甘噛みするように唇を動かす。
「…っ、…んっ」アンジェの口から吐息が漏れる。
「どうしたのよ、顔が真っ赤よ?」
ロザリアが心配そうに彼女の顔を覗き込む。
「だ、大丈夫よ…っ、で…マルセルがど、うしたの…っ?」
「え、えぇ。それでね…」ロザリアは話の続きをする。
オスカーはそれを聞きながら「大丈夫だと?…それなら…」
と、今まで双丘を揉んでいた手を今度は内股へと移動させ、
秘所の谷間に沿って指を這わせる。
「ひぅっ」アンジェは身悶えたがロザリアに悟られぬよう必死で平然を装う。
そんなアンジェを尻目に、オスカーの攻撃は次第にエスカレートする。
割れ目に沿わせていた指を今度は強く押し、最も敏感なヶ所を探る。
それは既に充血し大きくなっていたせいかすぐ見つかった。
オスカーは手で割れ目を広げ、下着ごしだが露になった真珠を舐める。
しばらく猫がミルクを舐めるように執拗に舐めていたかと思うと今度は舌を左右に激しく動かし真珠を転がす。
「あっ!…っ、〜っ!!」
アンジェの吐息が荒くなる。目尻には涙が浮かび、額にはうっすらと汗が浮かぶ。
「ホントに大丈夫なの?熱があるんじゃない?医者を呼びましょうか!?」
ロザリアはアンジェの額に手を添える。オスカーの攻撃はとまらない。
オスカーは秘所を隠していた布を横へずらし、直接真珠に舌をあて、舐めて転がし、舌先で何回もつく。
「んぁっ!んっ…」
アンジェの膝はガクガクと、今にも崩れ落ちそうである。
オスカーは余っている手を既にぬるぬると充分に湿り気を帯びる泉へと伸ばし、中指を挿入する。
泉の中で卑猥な音を立てながら中指は自由に動き回る。
届く限り奥まで入れ、中をかき回す。
それに飽きると今度は襞の上部を掘るように擦る。泉の中で指は自由に伸縮運動を繰り返す。
一方舌は相変わらず真珠を愛でる。
それに唇も加わり真珠をくわえたり、息を吹き掛けたり、優しく吸ってみたり…。
ありとあらゆる方法で愛しい少女の真珠を愛でる。
「あぅっ…!ふっ…、ごめんっ、ロザリ、ア…。はぁっ、ちょっと、気分…が悪いからっ、んっ、はっ、少、し寝るね…。寝れっ…ば、平気っ…だから…。あぁっ」
アンジェは下を向き、息を荒げ苦しそうにロザリアに告げる。
「…わかったわ。それじゃあ、帰るけど、寝ても治らなかったら医者を呼びますからね。ホントに、医者が嫌いだなんて、いつになっても子供なんだから。ちゃんと寝てるのよ?」
「う…んっ、ごめんね…、んっ…」
ロザリアはそう言うと部屋をで、静かに扉を閉めた。
その音を聞いた途端、中からオスカーが飛び出してきた。
「オスカー様、ひどっ…」オスカーを不平を言おうとするアンジェの口を自らの口で塞いだ。
オスカーの舌をアンジェは自らの舌で受けとめた。
二人は舌を互いの口の中で蠢かし合う。アンジェの全身の力が抜けたのを確認すると、オスカーはアンジェの舌を解放した。
うっとりしている彼女を彼は抱き抱え、ベッドへ連れていき、優しく寝かせた。
「ん…、オスカー様…」
オスカーはアンジェの金の髪を愛しむ様に撫で、彼女の唇に唇を重ねる。
今度は先程とは違う優しいバード・キス。
そして、手を自然に彼女の内腿へと移動させる。
「やん…。…あっ…」アンジェの口から自然と淫らな声が漏れる。
まだ少し恥ずかしいのか、声を漏らさない様にしている感がする。
オスカーはアンジェの耳にふっと息を吹き掛ける。
「もう、我慢しなくていーんだぜ…」そう呟くと同時に手を内股から秘所へ移し、いやらしく蠢かす。
「あぁっ、んあ…、…や、やぁ…」
いつしかオスカーの指は真珠を見付けそこを重点的に秘所をまさぐる。
下着は泉からあふれ出る愛液で湿り気を帯びる。
オスカーは慣れた手つきで下着を脱がせる。今までずっと彼を誘惑し続けていた泉と真珠がとうとう姿を現す。
「お願い、オスカー様…、もう、いじわるしないで…」
甘く切ない吐息を漏らしながらアンジェは瞳を潤ませオスカーを見つめる。
オスカーはアンジェの耳たぶを甘噛みし、中指を泉に挿入させる。
泉からは卑猥な音が漏れる。
その音はオスカーの指の動きと連動し、さらにアンジェの羞恥心と性的欲求を煽る。
「…ん?どうしてほしいんだ…?」オスカーは意地悪く囁く。
「はっ、はぁっ、…ん、も、もう、我慢…できませ…ん…っ、あぁっ」
「…全く、仕方のないお嬢ちゃんだな…。…なんてな、実は俺もさ。とっくに我慢の限界を超えている…」
オスカーがズボンのチャックを下ろすと彼自身が元気よく『待ってました!』と言わんばかりに飛び出す。
オスカーは自身を掴み、アンジェの泉へとあてがう。
そしてゆっくりと侵入していく。
自分の中にオスカーが入っていく甘苦しい感覚とぞくぞくするような快感にアンジェは震える。
「はっ…、ああぁ!!」
オスカーがすべて納まるとアンジェはあまりの快感にのけぞる。
オスカーはアンジェを抱き締め、唇を奪いながら腰を動かし始める。
彼女もずっと待っていたのか、襞がいつも以上に彼に絡み付く。
入り口はきつく締めつけてくる。
「くっ…」上り詰めてくる熱い快感を必死で堪えながらオスカーは腰を振る。
強弱を付けたり回してみたり、時には奥まで届かせるように深く、時には入り口付近を攻めるように浅く腰を動かす。
「あっあっあっ!あぁっ、んっ、んーっ!!」
アンジェは我を忘れ声を荒げる。
自然と腰も動かし、少しでも多く快感を得ようと体全体が反応する。
オスカーは乱暴に彼女のブラウスのボタンを外し、小振りの双丘を露にする。
その双丘の先端にある突起を見つけると獣のようにむしゃぶりつく。
「あぁっ!や、ぁっ!だめぇっ!ああぁっ!!」
そんなアンジェの訴えを無視し、オスカーは突起を弄ぶ。
舌で転がし強く吸い、甘噛みする。
「オスカー様ぁっ、あっあっ、あぁっ、はぁっ!」
「んっ、くっ…、ア、アンジェ、少し、足を動かしてくれ…っ」
アンジェは快感で朦朧としている意識のなか、必死でオスカーの言うとおりに動く。
そして気付くと四つんばいにされ、オスカーは後ろから彼女に覆い被さり
胸を鷲掴みにしながら腰を今まで以上に激しく動かす。
部屋中に卑猥な粘着音と肌と肌がぶつかる音とが響きわたる。
オスカーの指は執拗に突起を弄んでいた。
「あぁっ、あぁっ、あぁんっ!そ、そんなにされたらっ、私っ、あぁっ!」
アンジェは頭を振り腰を動かす。絶頂へ向け、体が快感を貪り始める。
「まだっ…、だめだっ…」
オスカーは突起を転がすのを止めると前触れもなく秘所へと手を伸ばす。
「あぁっ!!」アンジェの体が反応する。
オスカーの指は充血しきった真珠を捕え、人差し指と親指で摘み、激しく擦る。
「ああぁぁっ!! だめぇっ!! いくっ、いっちゃうぅ〜!!」
アンジェが仰け反る。襞が暴れ回る彼を押さえ込もうとしてるがごとく、キューっと締まる。
「はぁっ、ア、アンジェ…!!」
「あああぁぁぁっ!!」
いつもより激しい情事だったせいか、二人同時に果てた後、すぐには声を発することはできなかった。
しばらくした後、隣で息を整えている少女を抱き締め、彼は優しく口付けた。
彼女は彼の愛を感じ「好き…」と呟く。
「たまにはこーゆーのもいいなぁ…」そんなアンジェを尻目にオスカーはそう呟いた。
「もう!オスカー様ったら!」アンジェは枕をオスカーの顔に押しつけた。
「わっ、ぷ!」オスカーは手をバタバタと動かす。
「でも、ロザリアには悪いことしちゃったな…。しかもあんなに心配かけちゃって…」
アンジェは申し訳なさそうに呟く。
「…まぁ、確かにロザリアがあの時来なかったらこんな事にはならなかったなぁ…。心底心配もしてくれた、か…」
次の日ロザリアの私室に真っ白なバラの花束が届いた。
花束にはカードが添えられており、ロザリアは手にとって見てみた。
『二つの意味で、ありがとう! オスカー』
と書かれていた。
「二つの意味…??」ロザリアは首を傾げた後、急に駆け出し、
『とうとうオスカーが狂ってしまった』と光の守護聖に報告した。
その日、オスカーを除いた守護聖緊急会議が開かれたのは言うまでもない。終