開始のコールと共に、霞のようにその姿がかき消える。右?いない、左?いない、それではどこに?  
“リ〜〜ン” 鈴の音、上!? 仰ぎ見たエンジェルは、気づいたときにはレイアーの外に弾き出されていた。  
「 本家本元、ローリングサンダー炸裂!! “秒殺の鈴鹿”健在で〜〜〜す!! 」  
 くの一の姿をしたエンジェル“鈴鹿”と小悪魔的な魅力を持つデウス“小林 鳩子”がオーロラビジョンに映し出されると、鈴鹿の秒殺劇に止まっていた会場の時間が動き出す。  
“ウォ〜〜〜” 歓声が地鳴りのように響き、それにオスマシして余裕で答える鳩子。いつもの光景だ。  
「 さすがですね。鳩子ちゃん♪ 」  
「 うん… 」  
 王二郎は、なにかを、誰かを探すようにうろついていた林子を誘って二階立見席で観戦していたところだ。  
「 鈴鹿の武器は言うまでもなくスピード、でも少し勝負を急ぎすぎるところがある。」  
「 う、うん 」  
 話しながら自然な感じで肩を引き寄せてくる。そんなに強い力でもないにに逆らう事ができない。  
「 まあ、それは鈴鹿の弱点というより鳩子ちゃんのほうかな… 自分を認めてもらおうと背伸びしてる 」  
「 あンッ… 」  
 涼しい顔で唇を林子の白い首筋によせ、エンジェリックレイヤーだけでなくオマセな少女も分析してみせる。  
肩に置かれた手が、抵抗できないのを知ってるかのように林子の胸を弄りだした。  
 
「 僕にも経験があるからわかるなぁ… 」  
「 ふぅッ…んンッ…… 」  
 なんとか相槌を打っていた林子だが、襲ってくる感覚に自分の口を塞ぎ、漏れそうになる声を押し殺す。  
その様子を見てうっすらと笑うと、服の上から探り当てた乳首をきつくつまんだ。  
「 うぁッ 」  
 手の間から、甲高い声が漏れるが、鈴鹿のファイトに興奮冷めやまぬ会場はいまだ大歓声に包まれている。  
ましてやここは二階立見席の隅、気がつく者はいないはずだ………いないはずだが……  
いつのまにか、二階立見席は関東ブロックの強豪達の特等席になっていた。  
いまの、逃げるように去っていく影は誰の影だろう……    
「 なんだか、おもしろくなってきたな♪ 」  
 小さくなっていく足音に耳を澄ましながら、王二郎は心底楽しそうに微笑んだ。  
 
レイアーの上で二体のエンジェルが戦っている。決してレベルは高くないが王二郎は退屈はしなかった。  
その目はレイアーのエンジェルを見てはいない。王二郎は約束したわけではないが人を待っていた。  
ずいぶん待たされたがどうやら待ち人が来たようだ。真後ろにいる誰かに王二郎は微笑みかける。  
「 奇遇ですね 」  
 そう言って声を掛けてきたたのは、関東の強豪“純白のブランシェ”のデウス“斉藤 楓”だった。  
いつものように、その顔には微笑みが浮かんでいるが、緊張しているのか声はいくぶん上ずっている。  
「 レイアーの貴公子はずいぶん研究熱心なんですね 」  
「 そんなことはないですよ、楽しいからいるだけです 」  
 王二郎はそう言って楓の横顔を見る。嘘は言ってない。楽しいからここにいるのは本当だ。  
「 ブランシェの欠点もわかりますか? 」  
 楓はレイアーに目を向けたまま、そう切り出してくる。この間の足音の主は楓で間違いないようだ。  
「 それが聞きたくて覗いてたんですか? 」  
「 の、覗いてたわけじゃありません! 」  
 楓の顔からは、すでに微笑みは消えている。あるのは怒りと羞恥……それに……  
「 でも、見てたんでしょ♪ 」  
「 あ!? 」  
 不意に、王二郎の腕が蛇のように楓の腰に絡みつき、以外に強いチカラで引き寄せた。楓の見た目以上に  
大きな乳房が二人の間で押しつぶされる。  
 
王二郎は楓の白い首筋に息を吹きかけるように囁いた。  
「 こんなふうにさわってたのを… 」  
「 そんなことは…… 」  
「 楓… 」  
 その声は決して大きくはないが、逆らう事のできないチカラをもっていた。脅えるように見上げる楓の顔はまるで親に怒られる子供のように幼かった。  
「 楓、もっとさわってもいい? 」  
 お得意の、甘えるような声で楓に微笑みかける。  
その微笑にどんどん抵抗する気持ちが奪われていくのに楓は恐怖した。  
「 い、いいわけ…んッ…んンッ…… 」  
 言葉だけの抵抗も唇で遮られる。舌が挿し入れられると、後はもう…王二郎に従う事しかできない。  
震える舌を絡みとられ、唾液を流し込まれると少し躊躇ったあと‘コクリッ”と喉を鳴らして呑み込んだ。  
唇を離すと、二人の間に銀色の糸が光る。  
「 もつと静かな所にいこう♪ 」  
 逃げるのなら、これが最後のチャンスだ。だが王二郎は獲物が逃げないのを知っている。  
「 …はい… 」  
 
 王二郎は楓の手を引いて堂々と廊下を歩く。本当なら人で混んでいるはずの廊下も次の試合が  
アイスマシーン “城之内 最”の試合ということで皆早めに観客席についていて見られる心配はない。  
それでも楓は恥ずかしくて仕方がなかった。  
男とこうして手を繋ぐのも初めてなのに、これからもっと恥ずかしいことをされにいくのだ。  
顔を上げることができず、王二郎の手だけを頼りに、首輪に繋がれた犬のように付いて歩く。  
「 着いたよ♪ 」  
「 え!? ここ…ですか… 」  
 王二郎の声に、顔を上げた楓は目を疑った。  
「 刺激的でいいでしょ♪ 」  
 固まる楓の手を引き、王二郎が入っていくその場所は男子トイレだった。  
「 ま、まって 」  
「 楓… 」  
 短く名前を呼ばれただけで、楓の身体は子犬のように“ビクッ”と震える。  
それを見て王二郎は安心させるように微笑むと優しく楓の頭を撫でる。  
こんなふうに頭を撫でられたのは子供のとき以来だ。楓は昔から優等生でよく頭を撫でられた。  
奇妙な懐かしさと、同年代の異性にされる照れくささがいっぺんにやってきて、なんと言っていいのか  
わからず、ただ俯いて頭を撫でられる。  
 
「 さあ…おいで… 」  
 手を引く王二郎に今度は黙ってついていく。初めて入る男子トイレ。見慣れない小用のトイレを見ると  
改めて自分が普段入ってる場所じゃないことを実感する。  
「 こっちだよ 」  
 当然のように王二郎は一番奥の個室に楓を招き入れた。鍵を掛けると完全に密室で二人きり……  
王二郎は便器のフタを下ろし、その上に座ると、立っている楓を頭の先からつま先まで舐めるように見る。  
楓は服の上から見られているだけなのに、まるで裸を見られているかのような錯覚に襲われた。  
そんな王二郎の視線から逃げるように目を閉じるが、今度は王二郎がどこを見ているかが気になり、  
うっすらと目を開けると、意地の悪い笑みを浮かべる王二郎と目が合ってしまい頬が“カ―ッ”と熱くなる。  
「 スカートめくって 」  
「 え…… 」  
 それがあまりにも唐突だったので、楓は咄嗟には王二郎の言葉が理解できなかった。  
「 スカート、自分でめくって♪ 」  
 王二郎の声が、耳から頭に入り理解していくと同時に羞恥が身体全体に広がっていく。  
 ……めくるって……自分で……そんなこと………できるわけない……  
 許しを請うように王二郎の顔を見るが、その顔は意地の悪い笑顔を浮かべたままだ。  
「 はやく…… 」  
下唇を軽く噛み、指が白くなるまでスカートのすそを握り締めると、楓は覚悟を決めたように震える指先で  
そろそろとスカートをたくし上げる。  
徐々に楓の白くなめらかに引き締まった太股が露になっていく。  
“ゴクッ”唾を飲み込んだのはいったいどちらなのか、楓にはわからなかった。  
これ以上めくったら下着が見えてしまう。  
でも王二郎はそれを望んでいる。目を“ぎゅっ”とつぶると一気に腰までめくり上げた。  
目をつぶっている楓にはわからないが、王二郎は自分の下着を笑顔のまま見ているはずだ。  
それを思うと奮い起こした気持ちが恥ずかしさに挫けそうになり、わずかに手が下がってしまう。  
「 動かないで 」  
 王二郎の声に、楓の身体が凍りつく。  
 
「 動いちゃだめだよ 」  
 そう言ってゆっくりと顔を、楓のストライプの下着に近づけてくる。  
目をつぶっている楓にも、自分の一番秘密にしたい場所に息を感じて、王二郎の顔がどこにあるかわかった。  
いつもと変わらずしゃべる王二郎も、息の荒さで興奮しているのがわかる。  
「 少し…濡れてるね 」  
「 え!? 」  
 ハッとして、楓は自分のショーツを見た。確かにほんの少しではあるものの濡れている。  
「 楓はヤラしいなぁ まだ触ってないのに 」  
 楓は恥ずかしさに泣きたくなった。触られてもいないのに濡れてしまう自分の身体にも、ひどい事を  
言われているのに感じてしまう心にも泣きたくなる。  
「 待ちきれないみたいだから触ってあげるね♪ 」  
 長く綺麗な、王二郎の中指が“すッ――”と楓の秘裂をショーツの上から撫で上げる。  
「 ひゃンッ! 」  
 可愛らしい声とともに、楓の肢体がのけ反った。  
「 楓はほんとに敏感だね♪ 」  
 その反応に気をよくした王二郎は立ち上がると、そっと楓の頬をはさみ口づける。  
唇の温かさを感じて、うっとりと目を閉じてしまう楓だが、スカートは健気にたくし上げたまま動かない。  
「 上はぼくが脱がせてあげるよ 」  
 王二郎の指がブラウスのボタンを外していく。純白のブラのストラップが徐々に見え始め、そしてそれにも負けない白い肌が次第に露わになり始めた。  
ふんわりと盛り上がった乳房は、王二郎の視線を感じて肌を紅く染める。  
ブラウスを腕から抜き取ろうとして王二郎は少し迷った。楓がスカートから手を離さないと抜き取れない。  
「 手、離していいよ 」  
 その言葉に楓はホッとして手を離す。スカートが“フワリッ”と広がり、楓の羞恥を一つ隠してくれた。  
そんな楓に、王二郎は薄く笑いブラウスを抜き取ると、抱きしめるように背中に手をまわし慣れた手つきで  
ブラのホックを外す。“パチッ”ホックの外れる微かな音に楓の身体が“ピクリッ”と震えた。  
 
ゆっくりと王二郎が身体を離していくと、なにも着けてない楓の乳房が晒される。  
乳輪は小さく、綺麗なサクラ色、乳首は色素の沈着などまるで見られない。  
青白い血管が透けて見えそうなほどに白い乳房は、どこまでも清楚だ。楓は見られていることを痛いほど  
意識しながらも、手はスカートのすそを“ぎゅっ”と握ることしかできない。  
「 ふぅ〜〜ん やっぱり楓は着痩せするんだね 」  
 なにがやっぱりなのかはわからないが、そう言って王二郎は、そっと乳房に手を当てる。王二郎の少し冷たい手に触れられ、楓の背中を“ゾクリッ”としたものが駆け上がった。  
「 んッ…あッ……ふぁッ…… 」  
 王二郎は微妙な間隔をおいて、つよく、あるいは撫でるように優しく、楓の乳房を揉みしだく。揉みながら指先でかるく触れただけで乳首は“ピン”ととがって、つまむと楓は大きな声を出して背中を反らした。  
触れてない乳首も“ふるふる”と震えて可愛らしく勃起する。その乳首に王二郎の唇が吸いついた。  
「 んあッ! 」  
 王二郎の唇と舌に翻弄されて乳首はひどく敏感になっている。もう一つの乳首も同じように吸われると、  
楓は甘い泣き声を上げ、切なさを訴える。  
「 あッ…んンッ……うあッ…… 」  
 胸から送られてくる快楽パルスに楓が打ちのめされている間に、王二郎の手はスカートをめくり上げ、  
ショーツの脇から指を潜り込ませた。すぐに指にねっとりとした粘液がからみつく。  
「 さっきより濡れてるね 気持ちいい? 」  
 楓の耳元に囁きながら、秘裂にめりこませた指先をバイブレーターのように震わせ、さらに強い快楽を  
送り込む。  
「 ああんッ…んぅッ、んッ……んぁッ!…… 」  
王二郎の言葉に応えるように、楓の喉からエッチな声が漏れる。  
楓の視界が徐々にぼんやりと揺らぎ、頭の中をチカチカと白い閃光が走り、足元がふらつく。楓が白いもやに  
飲み込まれそうになったとき、“ぬちゅっ”と音を立て、指が秘裂から引き抜かれた。  
 
「 あ… 」  
「 もっと続けて欲しい♪ 」  
 そう言いながら、秘裂から引き抜いた指先を、まるで紅をひくように楓の唇に塗りたくる。  
ふっくらとした口唇から、わずかに自分の欲情の証が流れ込んできてエッチな言葉を口にさせた。  
「 ほ、欲しい…です… 」  
 恥かしい告白をした楓に、王二郎はにっこり微笑むと、便器にドカリッと腰を下ろす。眼鏡の奥の瞳が  
子犬のように揺れるのを見ながら、王二郎はゆっくりとチャックを下げペニスを取り出した。  
楓の目は一点に吸い寄せられる。男性器を見たのは初めてではない。父親は娘が年頃ということもあり、  
性的な事には人一倍気を使っていたが、一緒に住んでいれば脱衣所などで偶然見てしまう事もある。  
もちろんそのときは大きくなってはいないが、それでも王二郎のモノは楓の想像を超えていた。  
“ヒクヒク”と蠢く赤黒いペニスから、楓は魅入られたように目を逸らすことができななかった。  
「 じゃあ、しゃぶって 」  
 男性経験のない楓にも、それがなにを意味しているかはわかる。わかるが…やはり他人の排尿器官に  
口をつけるのは強い抵抗があった。だが王二郎は心の動きを見透かしたように、そっと楓の背中を押す。  
「 欲しくないの… 」  
 その一言に、楓は膝を折り、四つん這いの姿勢になると、ゆっくりと顔を近づけた。  
乾いた汗と残尿臭の臭い。いい匂いではないけれど、不思議と不快な感じはしない。  
おそるおそる、ペニスを小さな手でそっと握ると、王二郎を潤んだ目で見上げてくる。  
「 口つけて… 」  
 微笑む王二郎に促されて、ゆっくりと亀頭に唇をよせ“チュッ”先端の鈴口にキスをした。  
それが始まりの合図だったのかピンクの舌をのばしペロリと舐めあげる。青臭い味が口の中に広がるが、  
思っていたほどマズくない。安心したように亀頭に舌を這わせる。  
“キャンディを舐めるように”とよく言うが、楓はそれを実践していた。舌をのばし、シャフトの裏を根元  
から先端まで舐めあげたり、小さな円を描くように亀頭をこねまわしたり、一所懸命に淫らな奉仕をする。  
 
「 咥えて… 」  
 王二郎の求めに応じて、ぽってりとした口唇をはしたなく開き、根元まで呑み込んだ。  
楓の温かな口中に含まれて、牡器官は前触れのしずくを多量に分泌し、それが清浄な唾液に溶け出してゆく。  
 ちゅぷ……ちゃぷ……にゅちゅ……  
しばらく大きさを測るように動かなかった楓も、不慣れな動きながら徐々に往復を始めた。軽くすぼめられた口から、唾液にぬらつく肉柱が姿を現す。口の端からこぼれそうになる唾液を、楓がすすりあげるたびに、口内がきゅぅッと収縮し、亀頭が強く圧迫される。  
驚いたことに、完全に勃起しきっていたと思われた王二郎のペニスは、楓の口中でさらに体積を増してゆき、丸く尖った先端が喉の柔らかい部分を突き上げた。  
「 んッ!? 」  
 一瞬、えずきそうになるが、なんとか堪えて頭を振る。そんな健気な楓が可愛らしく、頭を撫でると  
“チラッ”と上目遣いで王二郎を見る。その優しげな視線に、忘れかけていた羞恥心を思い出し、  
うつむく楓の頬に朱が散った。  
ほどなくして、せわしなく出し入れされるこわばりのひくつきが性急になり、口内粘膜に放出のときが  
迫ってるのを伝える。  
「 もうすぐ出そう 口に出してもいい? 」  
「 んンッ…んむッ…… 」  
 楓が弱弱しくかぶりを振ると、王二郎は当然のように言った。  
「 わかった… じゃあ、顔に出すね♪ 」  
 ぬちゅ……楓がその言葉を理解するまえに、卑猥な音を立てて唇から引き抜かれると、煮えたぎる欲望の  
証をぶちまける。  
 
 びゅッ・びちゅッ!  
避けようのない至近距離から、楓の顔に青臭い精液が容赦なく浴びせられた。眼鏡のレンズに当ったので  
目に入ることはなかったが、射精の勢いは激しく、楓はどうすることもできず、きつく目を閉じて、このひどい仕打ちに耐えることしかできない。  
しばらくたって嵐が過ぎ去ったのを確認すると、おそるおそるまぶたを開く。目のまえには微笑む王二郎と、出したばかりとは思えない牡器官。眼鏡のフレームから垂れてきた白濁液が唇に滑り込むと、自分のより濃いエッチな味が口の中に広がった。  
王二郎は笑みを張りつかせたまま、眼鏡から精液をすくいとり、楓の口に含ませると、乳飲み子のように  
指を吸い、なめしゃぶる。そのくすぐったいような舌使いに煽られ、王二郎のペニスはすぐに昂ぶった。  
「 もっと、欲しい? 」  
「 はい… 」  
「 それじゃあ下着を脱いで、楓が上にのって 」  
 “ゴクッ”王二郎の牡器官を見て喉を鳴らすと、ふらふらと立ち上がる。スカートの中に手を入れ、震える指先でショーツを引き下ろし、右足首に絡める。  
「 おいで… 」  
 王二郎の肩につかまると、一瞬躊躇った後、はしたなく左足を上げ王二郎の膝を跨いだ。  
「 スカートめくって 」  
 いまは下になにも履いてない。そんなことをすればスカートの中が見えてしまう。  
ここまで来ても乙女の恥じらいを捨ててない。でもこの切なさを満たしてくれるのは、王二郎しかいなかった。  
下着を着けているときの倍以上の労力をかけ、そろそろとスカートをめくり上げる。  
スカートの下からは、以外に濃い恥毛をぐっしょりと濡らした秘裂が妖しく光っていた。  
 
「 自分で入れてみて 」  
 まるで暗示にかかったように腰を浮かせ、こわばりの先をぬらつく秘裂に宛がう。処女をこんなかたちで  
失うのかという思いはあったが、いまの楓は欲望の糸に操られる人形だった。  
誰も踏み入った事のない処女地に、肉の楔が繊細なヒダにメリメリと突き入れられる。  
迷いを断ち切るように、一気に  
「 あぐッ! 」  
痛みに逃げる腰を落とし、そそり立つペニスを根元まで呑み込むと息が止まるほどの激痛が襲ってくる。  
救いを求めるように、王二郎の首筋にチカライッパイ抱きついた。身体が痛みの為かブルブルと震えている。  
少し垂れ目の瞳から涙が零れ落ち、楓は下唇を噛み締めて痛みに耐えた。そんな楓を横目で見ながら、王二郎は  
汗ばんだ背中に“すッ――”と指を這わせる。  
「 ひぁッ 」  
 自分一人では決して見つけることのできない未知の快感に楓は背中を反らし、一瞬痛みを忘れて艶めかしい声をあげた。  
「 気持ちよかった? 」  
 そう言いながら王二郎が背中を撫でさすると、その度に楓の身体はビクッビクッと震える。  
「 ひッ、あ…あぁんッ……ふぁッ、あッ…んむぅッ… 」  
 断続的に襲ってくる快感の為、半開きになった唇に舌を挿し込むまれると、楓は貪るように王二郎の唾液をすすり上げた。楓が快感の悲鳴を上げると、秘裂も絡みつきながら、ペニスを締めあげてくる。  
いつの間にか、楓はたどたどしい動きながら、淫らに腰を振っていた。王二郎は目だけで笑うと、ぎこちなく動く丸いお尻を捕まえ、自らも律動を始める。  
 
「 んッ…んッ……むぅ―……んふぁッ…… 」  
 じゅむッ・じゅむッ・じゅむッ  
 王二郎の荒々しい突き込みに、楓のお尻はもじもじと蠢く。それは挿し入れられたペニスから逃れようと  
するかに見えて、その実、より深くへの侵入を求めるものだった。  
期待に応えるようにペニスを雁首のところまで引きずり出し、一気に子宮の奥にぶち込む。  
「 はひッ! 」  
 子宮口を、いやというほど突き上げられて、楓の口から甲高い悲鳴がほとばしる。  
もちろん、それは苦痛のためでなく、頭まで突き抜ける鋭い快感によるものだ。楓の声に煽られたように  
王二郎の腰使いも速くなっていく。  
「 楓、中に出すよ… 」  
 その言葉に、楓は“中に出して…”と言ってるかのように、腕にチカラを込めて王二郎をかき抱いた。  
王二郎は最後の一突きを勢いよく叩き込む。子宮口にめり込んだ亀頭が弾けるように欲望を放つ。  
「 ひッ…んッ……んあぁッ! 」  
頭の中で、まるでブランシェがハイパーモードに入るときのような輝きを見て、楓は意識を失った。  
 
                                     楓編 その一  
 
 
 

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