「くそっなんで俺が……」
白瀧が何度目かの悪態をつく。その背中には酔いつぶれた菱田春華がいた。
「うーん………」
元同僚という理由だけで歓迎会で飲み過ぎた春華を押しつけられはしたものの
2次会まで残ったメンツで彼女の家を知る者がいなかったのだ。
とりあえず話の流れで聞いた町内までつくと白瀧は春華を揺すり起こす。
「おいっ。寝てないでせめて家はどこなのか教えろ」
「う〜〜ん……」
力無く腕を上げてある方向を指さす。
「くっ……本当にあっちなんだろうな?」
返事がないまま。しょうがなく指さした方を歩く。
「なっ……こ、ここは……」
白瀧が愕然とする。指さされた方向に歩き続け、行き着いた場所は
ラブホテル街であった。
「おいっ春華! 起きろっ! お前の家はほんとにこっち側だったのか?!」
「うっ……ここは……あれ? 白瀧先生?」
「すっとぼけやがって……」
「あれ私……飲んでて眠くなって……って、ここ……」
春華が周りを見回す。
「きゃぁあっ!」
「うぉあっ!」
突然暴れ出す春華にさしもの白瀧もよろめく。
「白瀧先生! 見損ないました!」
「は?」
「酩酊した私にも落ち度があるとは思いますが、酔いつぶれた私を
こんな不埒な場所に引っ張り込もうとするなんて!」
「なっ……ちがっ……」
「それは私はうら若いですし、白瀧先生も今は独り身ですから法的には問題ないかも
しれませんがこういうのは双方の合意の元でが筋ではないですか?!」
「くっ……」
一応まばらながら人の目がある往来で叫び出す春華に苦虫をかみつぶした表情に
なる。こんなときに春華の“アレ”がでなくてもと思うが、これ以上騒がれると本当に
事件沙汰にされかれないと白瀧は判断した。
「ちぃっ」
「え? あっ」
瞬時に回り込み口を押さえつつ抱きかかえ一番近くのホテル入ってしまう。とりあえ
ず中で事情を説明して誤解を解いてしまわないと家の場所すら教えてもらえそうに
なかった。
「なんだって俺がこんな目に……」
部屋に入ってからようやく春華への拘束をほどく。
「春華……よく聞け。俺はな……」
「酷いです。こんな無理矢理だなんて……私だって心の準備が……」
「じゃなくてっ! 俺の話を聞けっ」
「女性はもっとムードを大切にするんですよ?」
「だぁーかーらっ!」
「でも……男やもめで娘さんをがんばって育てるのに必死で今までそれどころじゃ
なかったのは私だってわからないでもありません……」
「はぁ?」
「これからは酔いの勢いとかで無理矢理とかはやめてくださいね。今回だけです」
「いや今回だけって……ぬぁっ?!」
春華がブラウスのボタンをゆっくり外していく。
「ちょ……おい春華!?」
「なんだかぼぉっとしちゃいます……まだよってるみたいですね私……」
そう言って微笑む春華の顔は確かに赤みがかって目は潤んでいた。
その笑顔にどきりとする。
「春華……」
よろよろと白瀧に近寄りその胸に倒れ込んだ春華はそのまま白瀧を見上げつつ、
すうっと目を閉じる。
「まったく……どうなってもしらんからな……」
そうぶっきらぼうにつぶやいて春華の唇にそっと口づけをしながら強く抱きしめたので
あった。互いの体の体が熱く感じられたのは酒のせいかもしれない。
そうでないかもしれない。どちらでも関係なかった。
絡め合う舌がことさら熱く感じられる。
ちゅく……はむ……ちゅぷ……れろ……
優しい絹のような肌触りの髪がうなじにまわした手をはらりとはしる。
そのまま空いた手で腰を抱き春華をベッドに寝かせた。
「えと……あの……優しく……してくださいね」
「ああ。わかったよ……」
そういいながらブラウスに手を掛ける。ボタンを外す毎に露わになる胸は白くシミ一つ
なかった。余り大きくはない胸を包む白いブラジャーがさらけ出される。地味目のス
カートのジッパーも外し春華を下着姿にする。スレンダーな肢体を目の当たりにして
生唾を飲む白瀧。
「そんなに見ないで下さい……」
「あ、いや……すまん」
「んっ……」
見ほれてしまっていた自分に気づいて照れ隠しに胸に手を伸ばす。ブラ越しに乳房
をもみしだくと春華の体がビクンと反応する。ずっと娘への指導と自分の鍛錬で昇華
していた性欲がたぎり始めていた。ひさびさに感じる性衝動が春華を組み敷きたい
欲望を高める。
「きゃっ」
ブラをむしり取るように外すと大きくはないが形の良い乳房こぼれる。その頭頂に
あるつんと上向いた乳首を口に含んで両方の乳房を揉みしだく。
「あ……んはっ……せ、せんせ……」
春華は突然の刺激に耐えるようにシーツを掴む。
ちゅぷ……ちゅぱっ……ちゅぅぅぅ……
「んんっ……!」
固くなってる乳首を強く吸うと体をよじるりながら出てきそうになる声を必死に押さえ
る春華。その仕草に更なる獣欲がわき上がる。片方手を下に持っていく。柔らかい
木綿の手触りから伝わるその部位の熱さは湿り気を帯びて指にその感触を伝える。
そのままゆっくりと秘唇にそってこねるように撫でる。
「ひあ……っ。そ、そこは……」
「そこはなんだ……?」
「恥ずかしいです……」
「なんでだ? 濡れてるからか?」
「やっ。い、言わないでください……」
「ほぅ……」
いつもペースを狂わされる相手が妙にこちらのペースで事が運べることに荷虐心が
加速する。すでにショーツ越しからでも存在を主張しはじめてるクリトリスを強めに
なでさする。
「んはっ……」
「もう固くなってるな……クリトリス……」
「そんな……はぁんっ……あっ……あ、あ、あっ!」
リズミカルにクリトリスをトントントンと叩くとその刺激に合わせて春華がそれに
合わせて短い喘ぎを奏でる。そしてぎゅむっと今度はその突起を押しつぶすように
しながらこねる。
「んはぁ……あっ、あっ……わ、私もぉ……」
「クリトリスだけでいってしまいそうか?」
「あ……はい……もう………んんっ! あっ! い、いきますっ!!」
細い体がこわばりながらぴんと体を伸ばして弓ぞらせて、びくんびくんと体を
ひくつかせている。ショーツのクロッチ部分に更に粘度のたかい液が滲む。
やがて体全体が弛緩し、ベッドにどさりと横たわる。その瞳は涙で潤んでいた。
「はぁはぁ……」
「……………」
白瀧がおもむろに脱ぎ始める。春華は首をあげる余力すらないように動けず目線
だけ白瀧に向ける。歳を感じさせない鍛え上げられた肉体と反り返るペニスを隠すこ
となく見せつけるように春華の前に晒す。
「あ………んむ……」
再び春華に覆い被さりキスをする。そして秘部に手を持っていく。
「ぷはぁっ……ちょ、ちょっと待ってください……そこはまだ……んはぁっ!」
ショーツの脇から指を入れると指で作った隙間からとろりと先ほどの絶頂であふれ
た液がこぼれる。それをかまう様子もなく白瀧の指がまだ敏感な春華の秘唇をなぞる。
「んんっんく………かはっ!」
淫液が白瀧の指にからまりくちゅくちゅとやらしい音を立てる。
「あ……あっ……また……イクッ」
二度目の絶頂に達して体を硬直させる。
「はぁはぁ……もぉだめ……ごめんなさい……」
「俺はまだなんだがな……」
「ひぁっ」
すっかり愛液で濡れそぼったショーツを脱がして、
そのまま春華の両足を持って広げる。
「あ……やめ…やだっ」
濡れた陰裂が薄暗い部屋の照明すらも反射して妖しく光り、ぬめっている。
「先生! こ、こんな格好……」
一所懸命足を閉じようとするが、あらがえるわけもなく。見られてしまってるそこが
更に熱くなっていく。それでも抵抗していたのだが。
「あ……」
これ以上にないくらい熱いはずのそこよりも更に熱い物があてがわれると
その抵抗が一気に硬直に変わる。固くて熱いペニスが春華の秘唇にその脈動を
伝えている。
「んぁっ」
ぐっと力を入れると抵抗なくぬるりと亀頭をくわえ込んでいく。
「ふあぁぁぁぁっ」
「う……」
白瀧がずぶぶぶと入り込んでいく男根をつつむ柔肉の快感にうめく。
「あ、だめ! だめ! また………っ」
そういうやいなやきゅんきゅんと白瀧の屹立を締め付ける。三度目のエクスタシーに
春華の目がうつろになり、体も脱力する。白瀧は休ませてやったほうがいいかもと
少し思ったがこの状態でやめれるほど白瀧も枯れてはいなかった。
「くぅ……春華……すまんな。このまま動くぞ……」
「んは……ぁん……んっ」
微弱な反応になっている春華の中をゆっくりかき回し始める。
ずっちゅずっちゅ……くちゅ……
3度のエクスタシーで濡れそぼったそこは熱く淫液がペニスからまり濡音を
部屋いっぱいにあふれさせていた。そして白瀧の腰の動きが徐々に早く力強く
なっていく。
「あっ……あっ……」
細い腰を打ち付けるようにストロークを続ける白瀧。
「くっ……いきそうだ……」
「んっ……大丈夫ですから……中で……」
「え? ああ……」
「私も……また……あぁぁっ」
「んぁっ! いくぞっ?!」
どくんっ! びゅっ! びゅくんびゅくん……びゅるるっ……!
「んぁ……ああああぁぁぁぁぁっ…」
脈打ちながら放たれる精液を感じながら絶頂を迎えた春華の意識が混濁していく。
「ん……春華……気を失ったか……無理もないか……」
白瀧はティッシュで春華の秘部を拭いてやった後毛布をかぶせて自分も横になった。
ぱちくり。
「あれ……私……」
春華が目を覚ます。状況が飲み込めずに周りを見渡す。横には白瀧が眠っていた。
徐々に昨日の事を思い出し始める。
「あ………あ…ああっ! 白瀧先生!」
「ん…あ……目が覚めたのか……」
「目がさめたのかじゃありません! 先生、き、きのう中に……」
「んあっ?」
「中に……出しちゃいましたよね?」
「え? だってそれはお前がっ」
「妊娠しちゃったらどうするんですか?」
「なんだと? 安全日じゃなかったのか!?」
「むしろ危険です……」
「じゃ、な、なんで……」
「……………」
「っ?」
突如、姿勢を正して白瀧に向き直る春華。三つ指をついて深々と頭をさげる。
「菱田春華、ふつつか者ですが末永くよろしくお願いします」
「はぁっ?」
「責任はとってもらいます」
「なんで!? まだ決まったワケじゃないだろ?」
「あら。中で出したってことはそれ相応の覚悟ってことだったのでは?」
「ぐ……」
「おいやですか?」
「……む」
ある意味、春華の特技(アレ)は健在だったことを思い知らされる白瀧だった。
後に幾乃が言う。
「だが父よ。新しい母の天然ぷりと父の格闘センスが遺伝すれば、
子は誠一郎を倒しうるかもしれんぞ」