「幾乃ちゃんは愛人が望みなんだよね……?」  
 誠一郎は微笑を浮かべ近づいてきた。  
幾乃の髪をさらさらと弄びながら  
凶相といえる顔をぐっと寄せ強引に口付けてきた。  
口内を蹂躙する舌の激しい動きに幾乃が答えようとした瞬間  
誠一郎の唇が離れた。  
「あっ」  
 幾乃の口から切ない吐息が漏れる。  
「僕、幾乃ちゃんの願いなら何でも叶えて上げるよ」  
 まさに禍々しいといった様な笑顔で幾乃のセーラーの襟を掴んだ。  
ぞわっと背中に冷たさがはしる。  
いつもと違う誠一郎に脅えているのか、  
それともこれから始まるであろう快楽の責め苦を期待しているのか  
幾乃自身にも理解ができない感覚だった。  
 
セーラーのホックがぶちぶちと外れ胸部があらわになった。  
「そうそう、これプレゼントだよ」  
 誠一郎が差し出した物はつやつやとした黒のアンティークなドレスだった。  
「高そうだな?」  
 ほどこされた刺繍を見て幾乃は思わずつぶやく。  
「高いのかな?じっと見てたら店主さんがあげますよって、  
 ただでくれたんだ、良い人もいるもんだよね」  
 自分の凶相のおかげを分かっているのかいないのか  
微笑を浮かべ、とぼけた口調で誠一郎は答えた。  
「早く着て見せてよ」  
 掴んだままだったセーラーの襟を激しく引き下ろし下まで裂いた。  
「制服これしかないのだが……」  
 幾乃はあっけにとられた表情であらわになった自分の肌を見下ろす。  
誠一郎はにやりと笑い  
「制服位、僕がまたどこかでもらって上げるよ。  
 だから早くこれを着なよ!」  
やや強い口調で幾乃を睨み付けた。  
幾乃はドレスを身に付けようと立ち上がる  
「幾乃ちゃん、体の線が綺麗だし裸に身に付けた方がいいよ」  
 誠一郎の強制としか言えない口調の勧めに幾乃は  
「分かった……」  
 と答える他なかった。  
 
スカートをぱさりと脱ぎ捨て靴下を脱ぎブラジャーの  
ホックに手をかけチラリと誠一郎に視線を向ける。  
「見ないでもらえるか?」  
「嘘つきだね。僕に全部見られたいでしょ?」  
 誠一郎は冷たい笑顔で言い放つ、その台詞に幾乃はかっと顔を赤らめた。  
勝ち目はないと本能がつげる、幾乃は視線を外しブラジャーを外した。  
ショーツに手をかけ、もう一度誠一郎に視線を向ける。  
射抜くような誠一郎の視線に全身が熱くなる、  
幾乃は諦めたようにショーツを脱ぎ捨て手早くドレスを身につけた。  
「やっぱり良く似合うね。……あれ?」  
 誠一郎は満面の笑顔で幾乃を誉めた後、不思議そうな顔で落ちていたショーツを手にとった。  
「幾乃ちゃんの下着、すごく湿ってるんだね?」  
 見られた事による興奮からショーツの中心はじっとりとぬめっていた。  
幾乃は無言でうつむき、今もなお自身が潤いを増しているのを感じていた。  
そんな幾乃に構わず誠一郎は続けて何かを取り出した。  
「ドレスにはアクセサリーが必要だよね」  
 取り出されたものは鈍い銀色の首輪だった。  
「幾乃ちゃんを生涯可愛がることを誓うよ」  
 耳元で囁き、かちゃりと首輪に鍵をかける。  
「これも似合うね、結婚指輪じゃなく愛人首輪だね」  
 冷たく重い首輪と誠一郎の言葉に、幾乃は静かに悦びを感じていた。  
 
 誠一郎は幾乃を抱きすくめ指で肩甲骨をなぞった。  
「玲雄くんには、ここに羽が見えたんだね」  
 突然の刺激と玲雄の名にビクンと震え上がる。  
その反応に、満足そうに誠一郎はフフッと笑い、  
ビスチェタイプのドレスの胸元をずり下げ露わになった胸をやわやわと揉み始めた。  
吸い付くような肌の感触と手に少し余る程度の大きさを楽しんでいた。  
「揉み心地は合格だね」  
 そう言うと硬くなり始めていた乳首を親指で強くこすりあげた。  
「あっ…!」  
 電流のような快感に幾乃は思わず声を漏らした。  
左手で首輪を弄びながら、右手は乳首への責めを続ける。  
痛いほどに硬くなった乳首に誠一郎は唇をつけ吸い上げてみた。  
「ん、あっ…。やっあぁ……」  
 指よりもさらに強い刺激に身悶えていた。  
舌で巻き込むように乳首を舐めつづけ左手でもう片方の胸を揉む  
「んっ!!」  
 突如歯を立てられ幾乃は顔をしかめる。  
「感度も合格……と」  
 顔を離すと誠一郎は笑顔で  
「次はこっちだね」  
 と下に手を伸ばしてきた。  
 
さらりとスカートを持ち上げ、柔らかな茂みを探り当て少し指で弄んだ。  
くすぐったい様な不思議な感覚に幾は少し腰を引いてしまった。  
誠一郎は強く体を引き寄せ、体をぴたりと密着させた。  
「逃がさないよ」  
 吐息を吐きかけながら囁き、愛液で溢れ返った膣内に指を挿し入れた。  
慣らすことも無く荒々しく胎内を掻き回す。  
幾乃がのけぞり体を震わせる度にぎゅりぎゅりと誠一郎の指を締め上げた。  
静まり返った部屋からは幾乃の荒い呼吸音と、  
ぐちゃぐちゃという淫猥な水音だけが響き渡る。  
「ひ…ぁ、はあぁぁ」  
 絶頂が近いのか声色がさらに艶を増し膝が震え始めた。  
誠一郎は一旦指を引き抜き、幾乃の目の前で粘つく液体を伸ばして見せた。  
「何で、こんなになったのかな?」  
 誠一郎の中指と親指の間に煌く物をさらに見せ付けるが、  
幾乃は無言で視線を外しただけだった。  
誠一郎は逆の手を再び膣内に突っ込み3本の指で激しく抽送し  
「ねぇ、幾乃ちゃん答えてよ」  
 と強い口調を幾乃に投げかけたが  
幾乃は、与えられている快感に集中し吐息さえ押し殺してしまった。  
すでに限界に高められていた体に更なる刺激、幾乃の体はすぐに震え始めたが  
誠一郎は見計らったかのように勢い良く指を引き抜いた  
「ひぁっ!」  
 幾乃は短い悲鳴のような声を漏らし、その場にぺたんと座り込んでしまった。  
絶頂を迎えたいと叫びをあげる体を持て余し、切なく潤んだ瞳で誠一郎を見つめた。  
 
「幾乃ちゃん無言でつまらなそうだから、僕帰るね」  
 冷たい瞳で幾乃を見下ろす。その言葉に幾乃は焦燥の表情を見せた。  
「ま、待ってくれ……」  
 腕を伸ばし誠一郎の服の裾を掴もうとしたが、その手は宙をかく。  
誠一郎は踵を返し部屋を出て行こうとした。  
幾乃はとっさに走り出し背中に両手で抱きつき  
「気持ち良かったからだ!誠一郎にされる事すべてに感じていた。  
 見られることも触られることも、体が熱くなってたまらない……」  
 せきをきった様に言葉を吐き出した。  
「何でも言うから…だから、帰らないでくれ!!頼む…」  
 目に涙を浮かべ哀願する幾乃からは普段の冷静さは微塵も感じられない。  
誠一郎は振り返り目の端を拭ってやりながら  
「じゃあ、これからどうして欲しいのかお願いして」  
 優しく言葉を投げかけた。  
「体中を掻き回して!!おかしくなるまで攻め立ててくれ!!」  
 赤みを帯びた肩を自分で抱きしめ幾乃は答えた。  
「いいよ。そのお願い叶えてあげるよ」  
 
誠一郎は幾乃を抱き上げると部屋の隅にあったベッドへ降ろす。  
うつ伏せになっている幾乃の腰を引き上げスカートを腰まで捲り上げると  
真っ白な尻と真っ赤に充血した秘所がさらけ出された。  
パクパクと物欲しげに蠢く入り口を軽くなでると再び指を入れ  
先ほどよりも早いストロークで出し入れする。  
「ひぁぁ……。いぃ、すごい……」  
 幾乃は高い声でうわ言をつぶやき、自らも腰を揺さぶる。  
誠一郎は目を見開き空いていた手で陰核を強く擦り上げた。  
激しく感じる部分への急な刺激に幾乃の体は仰け反りびくびくと震える。  
誠一郎はなおも指をうねらせ内壁をぐりぐりと擦りあげ陰核を強く摘んだ。  
瞬間指がちぎられるかと思うほど膣内が収縮した。  
「いっ…やあぁぁぁ…ンはぁ……」  
 悲鳴にも似た嬌声を上げ幾乃はその場に突っ伏してしまった。  
ぐったりと横たわる幾乃の、汗がにじむ乳房をやわやわと揉みながら  
「気持ちよかった?」  
 と誠一郎が尋ねると、虚ろな表情の幾乃がコクコクとうなずいた。  
それを見た誠一郎は満足気に微笑み  
「じゃあ、次は僕の番だよね」  
 と、まだ息も整わない幾乃の首輪を掴み、  
上体を無理に起こし目の前に自らの陰茎を突き付けた。  
 
意味するところを理解した幾乃は、  
緩慢な動作で唇を開き舌を差しだそうとした。  
途端に頭を掴まれ喉の奥深くに陰茎を突き入れられた。  
「かはっ」  
 幾乃は堪らずむせ返るが誠一郎はお構いなしに腰を動かし始めた。  
幾乃の表情は苦しげで口の端からは幾筋も涎れが伝う。  
ジュルジュルと止まらない唾液を見て  
「幾乃ちゃん、お腹の空いた犬みたいだね」  
 にやにや笑いながら誠一郎が幾乃を見下ろす。  
誰が見てもひどく犯されているようにしか見えないのだが、  
幾乃自身は体の苦しさとは裏腹に心が満たされているのを感じていた。  
愛しい男のモノが自分の口内で硬さを増していく、  
それだけで幾乃の快感は倍増されていった。  
 
「美味しい?幾乃ちゃん」  
 髪を掴みがくがくと激しく揺さぶられながらも誠一郎の問いかけに  
「フンフン」  
 と鼻から息を漏らしながら懸命に答える幾乃は、  
苦しさにも少し慣れ自らも巻きつけるように舌を使い奉仕する。  
「そろそろ、出すよ。全部飲んでね」  
 誠一郎は動きを早め、幾乃の頭を更に強く掴む。  
一瞬、陰茎が膨れ上がったかと思うと、  
ドクン、ドクンと口内に白濁液を注ぎ込んだ。  
脈打つものが収まるまで幾乃の頭を離さず最後の一滴まで吐き出す。  
幾乃は喉に違和感を感じながらもゴクリゴクリと誠一郎の精液を飲み干した。  
すべて、飲み干しふっと一息つくと  
「良くできたね。ご褒美をあげるよ」  
 一度出したにも関わらず勃ちあがり続ける陰茎を  
すばやく幾乃の秘所にあてがい、迷い無くすべて沈め込んだ。  
「ひっ」  
 いきなりの挿入に驚き声を上げたが、  
下半身には何の問題もなく、誠一郎のモノが奥に到達する。  
 
 最奥まで到達したのを確認すると誠一郎は激しく腰を動かし始めた。  
幾乃の苦しさなどおかまいもないと言わんばかりに前後に激しくゆさぶる。  
尻肉を鷲掴みにし自分の思うように幾乃を貫き弄んだ。  
 膣口が悲鳴をあげているのかと思うほどに  
白く泡立った愛液が大音量の水音を響かせる。  
 幾乃に覆い被さるような体勢になり  
「中に出すよ。構わないよね」  
 と誠一郎が囁いた。  
幾乃は何か言おうとしていたが返事を待たず胎内に精が吐き出された。  
その熱さを感じとった瞬間絶頂を迎えた幾乃の膣は何度も強く痙攣した。  
まるで、その精を貪るかのように思われた。  
 
 
 力なく横たわる幾乃に目もくれず誠一郎は帰り支度を始めていた。  
 ドレスの入っていた紙袋から、もうひとつ包みを出し  
「これも、プレゼントだから」  
 と幾乃に渡すとそのままドアに向かい  
「明日、学校でね……」  
 と言い残しそのまま帰ってしまった。  
 包みを開けると中には白露の制服と経口避妊薬が数シート入っていた。  
「明日…学校で……か…」  
 その言葉の意味を反芻しながら服を着替え水を汲みに部屋を出た。  
 
 空っぽの部屋には黒いドレスと碧い制服が並んで残されていた――   
 
 

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