「ねぇ……郁子ほんとに行かなきゃダメ?」  
 
 制服を着込んだ良子が少し恥ずかしそうに言う。ジャージ姿のままの郁子が呆れたように良子を見る。  
 
「当たり前でしょ? せっかくの修学旅行のこのチャンスじゃない。もっと北野くんと仲良くなってし 
かるべきじゃない?!」  
「で……でも……」  
「幾乃ちゃんが玲雄くんといい感じになったり番長さんが卒業したりで油断しちゃって…… 
キスからまったく進んでないんだから!」  
「でも私たち高校生だし……」  
「今時の高校生としておかしいって言ってるの!」  
 
 そういいながら良子の手に小さな正方形の包装された袋を渡す。  
 
「え…こ、これって?」  
「北野くんの方がどうみても純だからね。良子がちゃんとリードするのよ?」  
「ってこれ…」  
「使い方はまぁわかるでしょ?」  
「なんとなく……」  
 
 コンドームを郁子から受け取り真っ赤な顔をする良子。  
 
「という事で押し倒してしまいなさい。」  
「ちょ、ちょっと郁子…」  
「ほら北野くん来たわよ」  
「あ……」  
 
 そういって郁子は茂みの方に隠れる。良子を見つけて誠一郎が近寄ってくる。  
こちらもまた制服姿であった。  
 
「あ、良子ちゃん待った?」  
「う、ううん」  
「あれ?何持ってるの?」  
「え?! あっあの、な、なんでもないよ?」  
「?」  
 
 慌ててコンドームを後ろ手に隠す。  
 
「き、北野くん。これから夜の町を散歩してみない?」  
「え? でももう消灯時間に…」  
「ちょっとくらいきっと大丈夫だよ」  
「そ、そうかな……そうだね…せっかくの修学旅行だしね」  
 
 誠一郎は赤くなりながらもその提案を受け入れた。  
郁子と良子のたくらみなど考えに及びもしない誠一郎であったが良子と2人だけになるということだけ 
ですでにドキドキして紅潮してしまっていたのであった。  
 
「北野くん行こ?」  
「う……うん」  
 
 そういって2人が夜の街へと抜け出していった。  
 
「よし…行ったか……」  
「お前もご苦労だな……」  
「!!」  
 
 いつの間にか郁子の背後に竹久がたっていた。  
 
「い、いつのまに?」  
「北野さんがそういう隠し事できるようなタイプじゃねーだろ?   
思いっきりそわそわしながら制服に着替えて出て行ったからな」  
「う……それはわかるわ…で、でも今回は邪魔しないであげてよ?!」  
「つか邪魔してるつもりはねーよ。前の時だって黒田がいなけりゃ後ついて行かなかったしな」  
「そ、そう……」  
 
 竹久が自分と同じジャージ姿であるのを見て実際に邪魔するつもりも無い事を知ってホッとする郁子。  
 
「で……ばか女ばっかり気にかけてお前はどうなんだ?」  
「え? わ、私? 私はそんな…相手もいないし…」  
 
 急に話が変わり素っ頓狂な声を出す。郁子は北野ファミリーと目されてしまっており、声をかけてく 
る人も滅多にいない状況ではあった。なかなか煮え切らない良子に対し業を煮やしてただけであり、郁 
子自身はそれほど恋人が欲しいという思いはなかった。  
 
「私は…あ……」  
 
 突然抱きしめてくる竹久に驚く。  
 
「せっかくの修学旅行だろ?」  
「そんな意味じゃ……」  
「それとも俺じゃ厭か?」  
 
 実際金髪で眉を剃ったりして不良然とした態度を取る竹久であったが、元が童顔で今は眉も剃ってお 
らず、どこが厭というところは別になかった。それよりも長くみんなでいる分、郁子の中でも悪い印象 
よりもむしろいい印象の方がある。元よりにらんだりしないときの竹久の瞳はけっこう澄んだ目をして 
るように見えて郁子は思いもよらぬ展開とその瞳にどぎまぎしてしまった。  
 
「厭か?」  
「ん……厭じゃないかも……」  
 
 そういいながら迫る竹久への許可を出してしまう自分に目を伏せ顔を赤らめる。  
竹久はその顔を自分に向けさせキスをした。  
 
「ん……む……」  
 
 唇と唇が触れ合う。目を閉じている郁子の感覚がすべて唇に集中する。 
竹久くんの唇……。そうなんだか昂揚感とも浮揚感とも判然としない感覚に意識が混濁する。 
鼓動の音が内耳を激しくうちならす。  
 
「ん……ん…っ!」  
 
 舌が郁子の唇を押し開き進入してくる。唇の内側や歯をそっとなめつつついには郁子の舌まで伸びて 
くる。郁子もおずおずと竹久の舌を出迎え、舌を絡める。  
 
ちゅ……ちゅぱ……くちゅ…  
 
 キスの音してる……。キスの音を聞くにあたりさらに浮遊感は増し、現実遊離の感覚が郁子の中で広 
がる。竹久はキスをしながらやおら手を郁子の胸に延ばしてくる。半袖の体操着の上からゆっくりと触る。  
体操着の生地の厚さがちょうど胸の柔らかさとあいまって心地良い感覚として竹久の手から脳へと伝達される。  
 
「んむ……んぁ…」  
 
 キスの合間から徐々に吐息が漏れ出す郁子に竹久の興奮もエスカレートしていく。  
 
「あ……」  
 
 体操着をめくると薄い青のスポーツブラが見えた。その上からやさしく揉む。  
体操着のときよりも肌のぬくもりがより鮮明になる。ゆっくりとブラをずりあげると郁子の胸があらわ 
になる。大きくはないものの形の良い乳房に上を向いた乳首がかわいらしく自己主張をしていた。 
そっと乳首の先をさするよういなでる。  
 
「んはぁっ」  
 
 びくんと体を震わした反動でキスしてる唇が離れ、甘美の声が発せられた。  
キスしてる唇が離れたのを幸いにとでも言わんばかりに竹久は敏感な乳首に舌をそわせていった。 
少し隆起しかけてきてる乳首の先をなめさする。  
 
「あ……んっ」  
 
 指先とはまた違う温もりと感触にさらに郁子の乳首は固く完全に隆起する。  
しばらく舐めさすっていた乳首を今度はおもむろにくわえる。  
 
はむ……ちゅぅぅぅ  
 
 ほおをすぼめ乳首を吸う。元より張った感じだった乳首が更に吸われ、まるで胸全体に快感が広がっ 
たかのように刺激が伝わる。  
もう片方の胸もぐにぐにと揉みしだかれ、郁子は立っているのがやっとという風に近くの庭石に身を預けた。  
郁子の体が安定したのをいいことにさらに胸を攻める竹久。  
感じて息を荒げる郁子の表情を上目遣いに盗み見て口を離してつぶやく。  
 
「感じやすいんだな」  
「んは…そんな事……」  
「そうかな?」  
「あ…そこは……」  
 
 ジャージの中に手をすべりこませて郁子の秘部に手を伸ばす。  
パンツに覆われているそこはすでに熱くなっており、ともすれば熱気がそのまま湿り気にかわりそうな 
感触であった。  
ゆっくりパンツの上からその熱い部分をさする。  
 
「ん……あっ……はぁん……」  
 
 秘部をまさぐる手をつかんではいるがその手は払いのけようとはしていなかった。 
そこの熱気と郁子の吐息にすでにこれいじょうにないくらいに竹久の股間も勃起してジャージの上から 
その隆起も容易に見て取れた。  
 
「いいか?」  
「……」  
 
 無言のままこくりと頷く郁子を見て竹久はジャージをパンツもろとも脱ぐ。  
その隆起にまじまじと見入ってしまう郁子。脈うって天をさすその隆起に自然と自分の秘裂の奥がさら 
に潤むのを感じる。勃起したペニスを隠そうともせず竹久は近づき郁子のジャージにも手を掛ける。  
 
「あ…」  
 
 ジャージとパンツを片足あげて抜き取らせ全部脱がせるのもおっくうとばかりに庭石に身を預ける郁 
子に覆い被さる。  
 
「……ゴムは?」  
「良子に渡したのしか……」  
「自分の分用意してなかったのかよ……」  
「だってこんなことになるって…」  
「ったく…」  
 
 真っ赤になってうつむく郁子に苦笑しながら竹久は郁子の足を割って亀頭を秘唇に押し当てた。  
 
「あん…ふぁ……」  
 
 ゆっくりと亀頭が郁子の秘裂を押し分け進んでいく。  
 
「あああぁん……んは」  
「ん……」  
「中に……出さないでね…」  
「ん…わかってるって……」  
 
 そういって郁子の奥まで固く熱く脈打ってる物を沈める。  
ぎゅうと収縮する郁子の中にペニスに芯があったらとろけてしまうんじゃないかという錯覚にとらわれる。  
 
「すげぇ…んっ…」  
「あ……あっ……私も……」  
 
 徐々に早くなる抽送に快楽の並も徐々にヒートアップしていく。  
 
「んはっ……いっちゃいそう……わ、わたし…」  
「…俺も…も、もう……」  
「あっ竹久くぅんっ!」  
「んっ……はぁっ」  
 
 激しいピストンを数回繰り返し竹久はペニスを抜くと同時に射精をはじめる。  
激しい律動を繰り返すペニスから放たれた精液は郁子の腹部から顔にかけて飛び散る。  
 
「ちょっと……竹久くん……顔や服にかけないでよぉ……」  
「あ…悪りぃ…」  
 
 ちょっと申し訳なさそうにする竹久にまぁしょうがないか私も気持ちよかったしと苦笑を浮かべる。 
ポケットに入ってるハンカチを取り出して体や服にかかった精液をぬぐう。  
 
「竹久くんのも拭いたげるね……」  
「あ…っ」  
 
 そういいながら木綿のハンカチで精液まみれになってしまってるペニスをやさしくぬぐう。 
ハンカチとペニスの間にぬぐった精液が糸を引く。  
そのやらしい光景と触られてることで再び硬度をとりもどしていく。  
 
「竹久くん……また固くなってきてる……」  
「あ…平山…」  
 
 郁子が竹久の前にひざまずきまじまじと自分の手の中にあるペニスに見入る。  
「あ、…た、竹久くん…口でしてあげよっか?」  
 
 今度は竹久の方が庭石に腰掛けさせ。ペニスに顔を近づける。舌先をつきだしてペニスをなめる。 
びくんとする竹久を気にもとめず舌をペニスにからめていく。郁子の小さな口では亀頭をくわえ込むの 
が精一杯で、歯を当てないようにしながら頬張り、口の中の粘膜で竹久の亀頭をこするように刺激する。いったばかりの竹久のペニスは性臭が強くその臭いがさらに郁子の鼻腔の中で興奮をあおり立てる。 
すでに堅さをとりもどし郁子の口の中で脈打っているペニスに丹念に唾液をなすりつけていく。  
 
「……っん」  
「…ちゅぷ。…ろう?きもひひひ?」  
「うっ………あ、ああ」  
 
 亀頭の先をくわえたまま上目遣いで見つめてそう聞いてくる郁子と視線があった竹久は自分の亀頭を 
くわえながらしゃべる少女とそのペニスから伝わる刺激のリンクにたまらない快感を感じた。 
郁子の頭をなでる。その黒髪の細いそして短いストレートのかみの感触もとても心地よかった。 
郁子もなでられてるの気をよくしてさらに舌先をペニスに集中していく。片方の手はペニスをつかみ、 
もう片方の手は自身の秘部に手をそわしていく。クリを指先でこねる。 
「私……竹久君の…くわえながら自分の触ってる……こんな外で……」 
そう思う背徳感がさらに自分の指を舌を止められない物にしていく。クリをこねる動きから割れ目の襞 
をこする動きに変えていくと自分でも聞こえるほどくちゅくちゅと音がでてしまう。  
そっと上目遣いで竹久をみる。察したかのように竹久が答える。  
 
「ん……おまえ、自分で触ってるんだな?音聞こえてるぜ?」  
 
 その言葉にかーっと体が熱くなり顔も紅潮してしまう。手を止めたいのだが、自分で止めることがで 
きなかった。  
 
「ぷはっ……手がとまんないよぉ…竹久君…音…聞かないで…」  
 
 くわえていたペニスを離し竹久に懇願するかのように告げる。その涙目にしながら快感におぼれる様 
は卑猥であったがかわいくもあり竹久もたまらなくなっていた。  
 
「いいぜ。手が動かないようにすりゃいいんだろ?」  
「あ……」  
 
 そういうと竹久は庭石から立ち上がり郁子に庭石に手をつかせて尻を向けさせる。  
 
「や……こんな格好……」  
「ちゃんと庭石に手をつけてな」  
 
 恥ずかしげに腰を揺するがそれはさらに扇情促す結果となる。尻の谷間にひっそりと熱く息づく秘裂 
が外灯のほのかな明かりにぬれてる部分を反射させる。  
 腰をつかんでペニスを郁子の秘部にあてがう。さっきの感触がよみがえる。ゆっくりと中に入れてい 
くとさっきよりも熱く感じられ体位が違うせいかこすれるところも微妙に違っていた。  
 
「くっ……」  
「んっ……あ……ああっ」  
「んっおい。声押さえないと誰かにみつかるじゃねぇか」  
「んは……ご、ごめん……で、でも……」  
 
 腰を突き出すようにして郁子の中を味わっていく。竹久の腰の動きに耐えるように庭石についた手を 
つっぱる。竹久の雁が郁子の中をこするようにえぐるようにこすりつけられていく。  
 
「あぁぁ…んっ…くっ……んふぅ」  
「はぁはぁ……んっ」  
 
 竹久の腰の動きが次第に早くなり、郁子の尻に打ち付けるような音が出始める。そのころには郁子は 
すでに腕をたててることができずに庭石に伏せる形になって竹久の動きを受け入れる格好になっていた。  
 
「ん……はぁん……あああああっ…私もう……もぉ……だめ……イクっ」  
 
 そういって竹久の動きに耐えきれなくなった郁子は体を硬直させる。同時に竹久のペニスが今までに 
ないくらいの力で締め付けられる。  
 
「んあ……っ」  
 
 その締め付けを味わうかのようにさらに抽送を繰り返す。  
 
「ああああっ竹久君っも、もうだめ…!あ……あ……」  
 
 いったばかりの敏感な郁子の体をさらに竹久の強張りが刺激を繰り返す。  
 
「あ、あ、だめっだめ……んぐぅ…」  
「はぁはぁ……俺もいくよ……んっ」  
「あ、だめだめっ!いっちゃうまたいっちゃう……っ!」  
 
 さらにひときわ激しく出し入れを繰り返した後、ペニスを引き抜き今度は郁子にかからぬようにして 
精液を迸らせる。  
 
「はぁはぁ……」  
「ん……汗だく……またお風呂に入らなくちゃ……」  
 
 汗まみれの混濁した意識の中ぼうとっとそんなことをつぶやいた郁子だった。  
 
 
 
 翌日、修学旅行三日目の朝。碧空高校の生徒が朝食をとるために大食堂に向かう。  
 
「う……腰痛いわ……久しぶりだったし、竹久君はげしすぎだし…」  
 
 よろよろと郁子が食堂に向かう。みると不機嫌そうにしている良子がすでに座っている。 
ああ、うまくいかなかったんだなとわかる。  
 
「良子おはよう…」  
「おはよ…」  
「どうしたの不機嫌そうな顔であの後何があったの?」  
「なにがあったのかじゃないわよっ!あのあと散々だったんだから」  
「え?散々って?」  
「昨日の昼間にちょっかい出してきた余所の学校の生徒が人数集めて北野君探しててさ……」  
「え?!」  
「こんな時にはたいていお約束のように出てくる幾乃や竹久君とかも結局今回こないし… 
いたのは何故かぶらぶらしてたらしい荻須君くらいで」  
「ははは…そりゃ…ねぇ。そんな都合…よく…」  
 
 幾乃はともかく竹久は自分と一緒にいたということはとりあえず言わずに苦笑する。  
 
「……じゃ…あれ使わなかったの?」  
「あ…う…うん」  
 
 真っ赤になって応える良子。  
 
「あ、あのさ……じゃさ…返してくれないかな……」  
「え?」  
「それ……」  
「う……うん。…って郁子?」  
「……いや……ははは…」  
「郁子ぉ〜????」  
 
 向けられる詮索のまなざしをかわしつつ、今夜のことを思いめぐらす郁子であった。  
 

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