「・・・よし!」  
 誰もいないほこりだらけの古びた教室…。  
 ここの中で、大量の雑誌が入っているダンボールの前に立つ僕、橘純一は、私立高校に通うごく普通の男の子。しいて違うところを言えば、女の子に対して独創的な興味を持っているってところかな。言うならば変態。  
 僕はある一大決意をした。昨日行われた学園祭である女の子と誓いを立て、今までの自分を断ち切る覚悟を決めたのだ。それがこのダンボールの中に入っているお宝本。  
「僕はもう迷わない。ここで汚らわしい過去と決別するんだ」  
 僕の学校は誰も管理されてない開かずの教室がある。ここでグラビア雑誌や18禁の本が置かれていた。親友梅原とはよくお宝本を交換しあっていた。そのお宝本を今日焼却処分するのだ。本当に大切なものを見つけたからだ。  
「これをゴミ収集所へもっていこう。そして梅原に言うんだ。念願成就できたと」  
 念願…、女の子とクリスマスを過ごすこと…。  
 今年のクリスマスは学園祭の実行委員を務めた。でも、ある女の子と一緒にいたから僕はがんばれた。そして、クリスマスツリーの下で晴れて恋人同士となった。  
 そんなわけで、さっそく下校してゴミ収集場へ向かおうとした、そのときだった。  
 
「へえ〜、なるほどね…」  
 僕はどきっとした。僕の背後から音程の低い女子の声がした。聞き覚えのある声だった。僕は隠していたお宝本がばれたのを恐れた。ゆっくりと振り向くと腕を組みながらこちらをにらみつける女の子が立っていた。そう、それは僕の恋人だった。  
「あ、絢辻さん…」  
 長い黒髪に大きな胸、白く透き通った太もも…。気は強いけど普段はおとなしくて成績優秀な優等生、僕のクラスの委員長を務める。名前は絢辻詞。  
「妙にきょろきょろとしていたから、何かあると思ってついてきたら、エッチな本を隠し読みしてたの?」  
 するどい目つきでにらまれる詞。ここは正直に言ったほうがよさそうだ。  
「ごめん、絢辻さん! 学校の管理人さんも誰も気づかないからちょうどいいなと思ったんだ! で、でも僕は君という人と出会えたからこの本とも卒業しようと決めて捨てに行こうとしたんだ! そしたら、絢辻さんがここにきて…」  
 そう説明しても絢辻さんは微動だにもしなかった。僕は覚悟を強調した。  
「も、もし疑うなら、この本を捨てさせてくれよ…! 学校に言ったって構わない! 処罰はなんでも受けるから!!」  
 すると彼女は呆れのため息をつけた。  
「ま、管理の行き届かなかった学校のミスでもあるから。だまっといてあげるわ」  
「あ、ありがとう」  
 僕はほっと安堵の息をつけた。  
 
「まったく、呆れてものも言えないわね」  
 呆れて言う彼女の言葉に僕はははは・・・とにがわらうしかなかった。  
「それにしても、うちの学校にこんな場所があったなんて・・・」  
「僕は入学してすぐにこの教室を見つけたんだ。かなりほこりかぶってたから、  
きっと誰も気づいてないんだろうなと思ったんだ。自分だけの空間を手に入れたような安心する場所を見つけたんだ」  
「まったく、学校がこんな管理能力じゃだらしない生徒も増えて当然ね」  
「はは、そうだね」  
 すると絢辻さんはさりげに僕のネクタイをつかんだ。  
「橘君が言えることじゃないでしょ?」  
「は、はい…」  
 彼女のこの行為に身震いする恐怖を感じた。  
 彼女、絢辻詞は成績こそ優秀だが、気が強く巧みなテクニックで相手を翻弄するすごく打算的な性格なのだ。  
いわゆる腹黒。でもそれは、正々堂々とした信念でわが道を歩む精進精神でもあるのだ。ときにはネコ被ったりして相手をほめたりもする。  
分かりやすく言えばツンデレってやつかな? わかんないけど…。  
「それにしてもいい景色ね…」  
 絢辻さんは窓の景色を見た。そこには、輝日東の街を見渡せるくらいの風景がそびえていた。この教室は屋上のちょうど真下にある。  
この教室には屋上に続く階段が中にある。その蓋はタイルに擬態するよう塗られていたため、もう使用しないことに決めてたようだ。  
 ゆっくり近づく彼女を追うように僕は隣に立って一緒に眺めた。  
 時間はまだ昼上がりかけたばかり。でも今日の学校は学園祭の片づけのみで半日で終わった。そのかえる途中だったのだ。  
「屋上で眺めるよりちょっとスリル感は欠けるけど」  
「その分ここはあたたかいからいいわね」  
 すると絢辻さんは  
「ねえ、橘くん」  
 といって僕の左肩に顔をつけた。  
 
「あのときはありがとう」  
「え? あのとき?」  
「ほら、輝日東のホテルで…」  
「ああ、輝日市長に創設際の運営の継続交渉をしたあのとき?」  
「うん、あたしあのとき正直不安だったの 高校生が行政長に直接交渉に出向くなんて無謀行為だと思ったから」  
「…確かに誰も考えないことだよね」  
「でも、橘くんがそばにいてくれたからがんばれた。あなたの存在が大きな支えになってくれた あなたの中に学校のみんなの希望と喜びが収まっているように見えたから」  
「絢辻さん…」  
 絢辻さんはくすっと笑った。  
「だからありがとう」  
 僕は照れ笑いした。肩に当たる彼女の顔の感触が僕の胸の鼓動を早くする…。ゆえに気づかなかった。  
「あのときの分のお礼はしなきゃね…あなたの好みのやり方で」  
「え? 僕の好みって…」  
「そ れ は…」  
 絢辻さんの口調が低くなった。次の瞬間彼女は僕のズボンをつかんだ。  
「こうするため…よ!!」  
 ズル  
 絢辻さんは僕のズボンを一気に下ろした。  
「あっ!!」  
 
いつの間にかベルトがはずれていて、、脱げたズボンから男根があらわになった。  
「あ、絢辻さん何を・・・うぐっ!!」  
 すると彼女は僕の背後に回り、右手で口をふさいだ。  
「騒いだらここにお宝本があるのがばれちゃうわよ?」  
 その言葉が僕を静止する。すると彼女の左手は僕のイチモツをつかんだ。  
「…!!」  
「あらあら、こんなにおったてちゃって 頭の中であたしに何をしたのかしら?」  
 そういうと彼女の手は僕の先端を優しくなではじめた。一瞬、ぴくっと快感が走った。  
「……!!」  
「ふふっ、どうやらこれがお望みのようね」  
 彼女の手は、今度は僕の睾丸袋に移した。そこからなでられる快感が僕を悶えさせた。  
「お次は…ゆっくりと…」  
 彼女の手は僕の黒棒をなぞる。でも、それどころじゃない。こんなところみられたらわいせつ行為だ。僕はなんとか力を振り絞って口をふさぐ彼女の手を離した。  
「ぷはぁ! はぁはぁ…絢辻さんまって! これじゃあわいせつ行為だよ!」  
 すると彼女の手は僕の黒棒をにぎりしめた。  
「あ、ああっ!!」  
「よくいうわよ! 一年生の女の子にスカートのポケットを突っ込んだりして!」  
 僕はドキッとした。妹美也の同級生の七咲のポケットに手を突っ込んだことを思い出した。もちろん、それは七咲本人の承諾を得た上でのことだった。だが、そのときは今のようなことになるなんて思いもしなかった。まさかの因果応報になるとは…。  
「そ、それは誰から…」  
「妹さん、美也ちゃんよ だからこうしてあたしが満足してあげてるじゃない」  
「だ、だからといって…窓際ですることはないだろ…うぐっ!!」  
 僕は再びふさがれた。  
 
「この教室は目の前の木の葉に隠れてるからその心配はないわよ」  
 だからといって、遠くから誰かが見てるかも分からない。急いでズボンを履かないと…  
「!!」  
 でもかなわなかった。強く握り締められた男根は、上下にさすられることで快感を増していき、僕の理性を奪っていく…。  
「……!」  
「ふふっ 熱くなってきたわね でもまだだめよ いったらキンタマつぶすわよ!」  
 もはや僕の体は快感に蝕まれてしまった。そしてついに絶頂はおとずれた。  
「!! …!!」  
 僕は彼女の脅しによって、必死に耐えていた。羞恥心と絶頂で体が熱くなってくる。  
「ふふ そろそろいいころね さあ思いっきり出しちゃいなさい!」  
 彼女の手はそれまで上下に揉んだ男根を、激しいスピードでさすりだす。そして、脱力間に襲われた。  
 どびゅうううう どくっどくっ・・・・  
先端から出た白濁液は目の前の床と窓に飛び散ってしまった。  
「はぁ…はぁ…はぁ…」  
 僕は脱力して床に倒れた。それをみた絢辻さんは見下しながらあざけり笑った。  
「あーあなっさけないわね〜 どうどうと出しちゃって」  
 僕は絶頂のあまりに素っ頓狂になって叫んだ。  
「馬鹿かお前 バッカじゃねえのか! またはアホか!? なんてことするんだよ!??」  
 こればかりは、僕は涙目になりながら絢辻さんをにらみつける。こんな屈辱行為、いくら身を任せたとはいえ許せるものじゃないから。  
「人の部屋をかぎだめしたり、学校にお宝本を持ってくる人を満足させるにはこのくらいがちょうどいいんじゃない」  
 僕はその言葉に言い返す言葉はなかったが…  
「だからといって窓際でどうどうとすることじゃ…」  
 しかし、絢辻さんはこれが狙いだった。  
 
「不安なの…」  
「え?」  
 絢辻さんの目は次第に黒くなっていく…。  
「あなたが他の女の子と一緒になるのを見るのが怖いの・・」  
「あ、絢辻さん…」  
 思い当たる節はある。今日はたまたま片付けに来ていた梨穂子と会いあいさつを交わしていた。それを絢辻さんはみていた。が、ほんの数秒のあいさつが彼女を不安がらせたようだ。  
「だから、橘くんのものが欲しいの…あたし…」  
 そういうと、彼女の顔は僕の男根に近づく。男根はさっき出したばっかりだけど、まだ大きく突き立っていた。  
「ふふっ、まだこんなに大きくなっちゃって まだまだ物足りないようね」  
「な、何を・・ああっ!!」  
 絢辻さんは大きく口を開けた。ぱくっと僕の男根を加える。這うように僕のペニスを吸い付いた。  
 ぐちゅ・・・じゅる・・・ちゅる…  
「ん…ふっ…ん…」  
  前後に動く彼女の顔はものすごい吸いついついて、僕に快感を与える。  
「はぁ…はぁ…絢辻・・・さん」  
 その快感は先ほどのものとはくらぶべくもないものだった。  
「うっ…! で、でる…!」  
「え? もう? 以外に早いわね」  
絢辻さんは、舌で先端を舐め、右手で黒棒をなぞりながら言った。あまりの吸い付き立ったので、僕の絶頂感は瞬く間に達し、彼女の口内で果ててしまった。  
 どびゅっ!  
「んうっ!!」  
 僕の精液は勢いよく彼女の口内に発射した。すると彼女は一滴もこぼすまいと巧みな口腔使いで精液をすべて飲み干してしまった。  
「まっずい… 橘君ちゃんと朝ごはん食べてるの…?」  
 絢辻さんはそういいながらも手で口の周りについた精液をふき取った。  
 しかし、僕の男根はまだ大きく立ったままだ。  
 
「なに? あんなにたくさん出しといてまだ出す気なの? 精力絶倫ね」  
 絢辻さんは荒い息をする僕の男根を見て呆れていた。が、彼女はすぐに立ち上がった。  
「まあいいわ ちょうどいいタイミングね」  
 すると彼女は上着を脱ぎ捨て、セーターとシャツを脱いだ。  
「え? ちょ、ちょっと絢辻さん!?」  
 僕はあわてて彼女を止めようとした。  
「ま、ままま待ってよ! こんな真昼間っから…うわっ!!」  
 絢辻さんは脱いだ制服を僕の顔に投げつけた。あわてて制服をどけると、すでに彼女は脱ぎ終えていた。  
 白くまぶしい絢辻さんの裸…。それは僕に対する愛情表現ということをあらわしているようにも見えた。  
「橘君…あたしを抱いて! お願い…!」  
「うん…!」  
 僕はうなずいた。この意味に戸惑いも羞恥心もなかった。分かっていることはただ一つ、僕を愛してるということ。僕も彼女を愛している。  
 僕は立ち上がって、白くやわらかい彼女の裸を抱きしめた。  
「橘君も裸になって… なんだか変態に襲われているようで恥ずかしいわ」  
「あ、そうだね…」  
 確かに上着だけじゃ変態に見える(実際そうだけど)し強姦みえる。僕は上着をすべて脱ぎ捨てて彼女を強く抱きしめた。高鳴る鼓動…、僕はそれに身を任せて彼女を押し倒した。唇を重ね、激しく吸い付く愛の行動に出た。  
 ぐちゅちゅるん…れるれるれる…  
 絢辻さんの右手が再び男根をしごいた。  
「入れて… 橘君だけじゃずるいわよ…」  
 彼女は目を潤ませて僕に懇願した。僕は男根を彼女の花弁に当てた…。  
「はあっ…あああっーーー!!」  
 彼女のあえぎ声と共にゆっくりと膣に入り込んでいく。よほど痛いのだろう。  
 
「大丈夫…?」  
 絢辻さんはけなげな笑顔を見せていつもの口調でいった。  
「ふふ…感じるわ…中に入ってるのがわかるわ…」  
 すると絢辻さんは膣をきつく締め上げた。  
「しっかりとおなかの中をしめとかないとね…!」  
 締め上げると同時に快感がこみあがってきた。  
「くうっ…んん!!」  
 僕はその快感をこらえながらも再び熱い口付けをかわした。むさぼるように口内をなめ取りつつすい付き合う…。この上ない最高のひとときを感じ取っていた。  
 しかし、ここで思わぬ出来事が…。  
「ぷはぁ!! で、出る…!!」  
「はぁ! え!? ちょっと…」  
 とうとう締め上げられる快感に耐え切れず、あっという間に精液を発射してしまった。  
「ん…はああああーーーーっ!!」  
 僕は脱力感に見舞われると同時に罪悪感がこみあがっていった…。  
 僕はやってしまった…。いくら絢辻さんも望んでいたこととはいえ、早すぎる高校生に中だしをしてしまうなんて…。  
「責任とりなさいよね!! この唐辺木!!」  
 と、絢辻さんに怒られてきんたまをけられてしまった。  
 絶体絶命のピンチだ。このままでは絢辻さんは妊娠してしまって、学校や僕や彼女の家族間に問題が起きてしまう。青ざめる狭心感が襲い掛かった。   
 が、ひそかに告げた美也とそれを知った絢辻さんの姉縁さんの上手い計らいによって避妊薬を飲み、どうにか事なきを得た。  
 その結果、僕たちは同棲で暮らすことになったのだ。  
 
「ほら! いつまで寝てるのよ!」  
 ゴスっ  
「いた!」  
 激痛で目が覚めると、そこにはフライパンと箸にはままれたたまごやきをもつエプロン姿の彼女の姿があった。  
「朝ごはんできたわよ 朝は一緒に食べる約束でしょ?」  
「あ、うん…」  
「なら私が実習で早いときはどうなるかわかるわよね?」  
「う…」  
 すると詞はいたずらの笑みをうかべて言った。  
「ほーら あなたの大好きなたまごやきまで作ってあるのよ?」  
「わかったよ 起きるよ…」  
「ふふっ そうやってあたしと暮らす幸せよよくかみしめてよね♪」  
「はいはい」  
 僕はそういって体を起こし大きく背伸びした。詞は背を向けて台所へと向かう。その背中は幸せ一杯の喜びに満ちているようにも見えた。  
 
―あの日のあの教室であたしは彼の愛を享受した  
 
―あれからのあたしの体は異常なし   
 
―あの出来事がなければ今の生活はできなかった  
 
―口では言えないけど、いつも思ってる ありがとう と…  
 
 
 そして2人の起きた出来事は時を経て隣町の高校生へと受け継がれていく。  
のだが、それはまたの機会ということにしておこう。  
 
了  
 

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