黒沢典子が目を開くと、そこは暗い部屋だった。  
霞む目をこすろうと手を動かそうとしたが、動かない。足も動かせない。  
どうやら、椅子に座らされ、後ろ手に縛られ、足も椅子の脚に縛り付けられているようだ。  
ここはどこ?どうして私は縛られているの?なにがなんだかわからない。  
「目が覚めた?黒沢さん」  
声がする方に視線を向けると、薄暗い中に人影が見えた。  
絢辻詞だった。  
「あ、絢辻……さん?」  
「おはよう、黒沢さん」  
絢辻はニコリと笑った。  
「ここは、どこ?これはどういうことなの?」  
「あら、まだ寝ぼけているみたいね、黒沢さん。ここはあなたの教室よ」  
そう言われて周りを見渡すと、部屋の後ろには机がズラリと並び、前には黒板と教卓が見えた。  
確かにここは教室だ。だが、部屋は薄暗く、窓から見えるのは夜の暗闇だけだ。  
だが、どうして夜の教室で椅子に縛りつけられているのか、状況が全く飲み込めない。  
「混乱しているみたいね。フフフ……」  
こんな状況で微笑んでいる絢辻を見て、混乱している典子でも、これが彼女の仕業だとわかった。  
「あなたが私をここへ?」  
「そうよ」  
「一体何を考えているの?私を眠らせて、椅子へ縛り付けたの?これは拉致監禁で、立派な犯罪よ!」  
「ええ、そうね」  
強い口調で非難しても、絢辻は顔色一つ変えない。  
その冷静さに、典子は恐怖を覚えた。  
「……私をどうする気なの……」  
それを聞いた絢辻は、ゆっくりと近づき、典子を見下ろした。  
「人の恋人にちょっかい出しちゃう悪い子に、ちょっとお仕置きしてあげようかと思って」  
そういった絢辻は、口元こそ笑みを浮かべていたが、目は笑っていなかった。  
 
「私の恋人にキスしちゃうなんて、あなたも相当大胆よね」  
「そ、それは……」  
「誰かが言ってたけど、そんな大胆なあなたをほおっておいたら、橘君が押し倒されてやられちゃうかもって思って」  
「そ、そんなことするはずないっ!」  
絢辻のいやらしい言葉を典子は大声で否定した。  
「どうかしら?そうならないように『対策』をとる必要があると、私は思うわ」  
絢辻はそう冷たく言い放つと、典子のスカートのベルトに手をかけた。  
「な、何をするのっ!」  
「人の恋人に盛っちゃうような悪い子のアソコがどうなってるのか、まずは観察させてもらうわ」  
何を言っているんだろう?典子には意味がよくわからなかった。  
ただ、絢辻の真剣な表情から、言っていることが冗談ではないことが伝わってきた。  
ベルトとホックを外されたスカートは、典子の体から離れた。  
絢辻は典子のお尻と椅子の間に挟まれたそれを乱暴に抜き取った。  
「きゃあっ!」  
スカートを剥ぎ取られた典子は悲鳴を上げた。  
薄暗いのでしっかりとは見えないはずだが、下半身はパンティ姿にされてしまった。  
しかも、手を後ろ手に縛られ、足を開いたまま固定されているため、薄い布一枚で守られた秘部を隠すこともできない。  
絢辻は典子の顔を覗き込むと、典子の口に人差し指を当てた。  
「シーッ。管理人さんにバレたらどうするの?私も困るし、あなただってそんな恥ずかしい格好、見られたくないでしょう?」  
そう言うと、ポケットから何かを取り出した。  
筒状のそれは、絢辻が手で捻ると光を発した。懐中電灯だ。  
その光は、典子の白い太ももを舐めるように照らした後、股間に当たった。  
「悪い子のパンツはどんなのかしら……あら、無地のピンクって、ちょっと大人しすぎない?」  
「いやっ……」  
同性であっても、パンティをまじまじと見つめられ、評論されることはとても恥ずかしかった。  
男性経験の無い典子にとっては、他人にパンティを見られるなど初めての経験なので、人一倍の羞恥と屈辱を感じていた。  
 
「恥ずかしいの?……って、そんなわけないわよね。男の子に自分から抱きついて、キスしちゃうような淫乱な女が……」  
「違う!」  
思わず大声を上げてしまった典子の口を、絢辻が左の手のひらで塞いだ。  
「違わないでしょ。橘君に胸押し付けて、キスしたわよね」  
耳元で囁く声には、怒りの感情が感じられた。  
そして、絢辻の右手は典子の腰に伸び、パンティの端をつかんだ。  
「んっ、んん〜」  
何をされるのかを理解した典子は必死に体を動かそうとし、抵抗の声を出そうとしたが、椅子がガタガタ揺れる程度だった。  
「私をコケにするために、橘君にあんなことするなんて……許せない!」  
パンティは乱暴に引っ張られ、足首まで下ろされた。典子の下半身を守るものは無くなった。  
絢辻は典子の前に立った。その手には懐中電灯が握られている。  
「あなた達の作戦は、結果的には大成功だったわね。この私を本気で怒らせたんだもの。  
でもね、私を怒らせたらどうなるかってことまでは考えてなかったみたいね」  
懐中電灯が光を発し、その光が何も守るものが無くなった典子の股間に当てられた。  
「いやっ!いやぁぁぁっ!」  
薄暗い中で、スポットライトが当たったように典子の秘部が照らしだされた。  
黒い茂みは少し濃いめだが、手入れがされていた。  
脚が肩幅まで開かれて固定されているために、茂みの奥のぴったりと閉じたヒダまでが見えてしまっていた。  
典子は誰にも見せたことのない大事な部分を見られてしまった羞恥に、叫び、涙した。  
「そんな大声出したら管理人さん来ちゃうよ。そんなに管理人さんに見てもらいたいなら、私はそれでもいいけど」  
そう言われて、典子は黙るしか無かった。  
「結構毛が濃いのね。でも、しっかり手入れしてるみたい。彼氏もいないのにね」  
「う、うるさい……黙ってよ……」  
「橘君に見られてもいいように、整えてたわけ?」  
「そ、そんなこと……」  
「淫乱」  
絢辻は典子の反論など聞こうともしなかった。典子もこの状況で理路整然と反論などできそうもなかった。  
「橘君に万が一にも手が出せないように、あなたのアソコを、誰にも見せられないくらい恥ずかしい格好にしてあげるわ」  
絢辻は鞄からカミソリとシェービングクリームを取り出した。  
典子の恥毛を剃り上げてしまうつもりらしい。  
絢辻は典子の前にしゃがむと、秘部にシェービングクリームを塗った。  
「や、やだ……やめてよ……」  
震える声で懇願する典子を無視して、絢辻はカミソリを当てた。  
「やだ……そんなの……」  
下半身を見られて、評論された挙句に、下の毛を剃られる……そんな羞恥に、まだ男性経験の無い女子高生が耐えられるわけがなかった。  
必死で股を閉じようとするも、体を揺らすことしかできない。  
「ちょっと動かないでくれる?剃るだけじゃ済まなくなるかもよ。別に私はどっちだっていいけど」  
絢辻の言葉に、典子は大人しくするしかなかった。  
シャリシャリとカミソリの音が静かな教室に響く。  
秘部を見られることも、秘部に触れられることも、恥毛を剃られることも、プライドの高い典子にとっては耐え難い羞恥行為だった。  
溢れ出る涙がこらえきれず、頬を伝った。  
 
数分後……  
典子の恥毛は完全に剃られ、幼い秘裂を守るものは何もなくなってしまった。  
そんな哀れな姿を、絢辻はデジタルカメラで撮影していった。  
「この写真は人質よ。今日あったことを誰かにバラすようなことがあったら、この写真を学校中……いいえ、インターネットで世界中の人達に見てもらうから」  
典子はもう頷くことしかできなかった。  
「あとは……はい、ビデオモードにしたから、さっき教えた通りに喋りなさい」  
「あ……絢辻さんは……」  
俯きながら、小声で呟く典子に、絢辻は苛立っているようだった。  
「上向いて、もっとハキハキしゃべって。でないと、このまま帰るわよ。つるつるのアソコ丸出しで一晩過ごして、明日の朝、クラスメイトに縄をほどいてもらうのね」  
「そんなのいやっ、言わないでっ」  
「ならもっと頑張りなさい」  
羞恥と屈辱にまみれ、涙すらも枯れて、力なく俯いていた典子に、絢辻は冷たい声で命令した。  
典子は唇を噛んだ。しかし、言う通りにしなければ、下半身を晒したまま、明日の朝、クラスメイトが登校するのを待つことになる。こんな姿を見られたら、もう学校にはいられない……  
典子は命令に従うしか無かった。  
「あ、絢辻さんは、生徒会長に相応しい、素敵な人です……私のような、い、淫乱では、とても生徒会長は務まりません……私は、生徒会長選挙を辞退いたします……」  
「よくできました」  
満面の笑みを見せる絢辻に、典子は恐怖を覚えた。  
そして、この女に対抗しようと思った事を、心から後悔した。  
 
 

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