それは、いつものように梨穂子と並んで学校から帰る、そんなある日のことだった。
「ねー、梨穂子」
「なーに、純一?」
「明日の土曜日なんだけどさ」
「うんうん」
「一つ、お願いがあるんだけどさ」
「んー。どんなこと?」
「胸でしてくれないか?」
ビンタされました。
それは男のロマンなの?(←ゆかりんボイスでの脳内再生禁止)
〜Written by yomi〜
で、その翌日。
「ねえ、梨穂子、機嫌直してくれよ」
「ふーんだ。知らないっ」
昨日からずっと梨穂子は怒っていた。その原因が何にあるかは明らかで
、あんなこと言ったら当然なのかもしれないけど。
そんな風に少し反省して梨穂子に謝ろうと家に行ってみたら、
梨穂子はまだ怒っている様子ではあったが、とりあえず部屋には入れてくれた。これなら脈アリだ。
「梨穂子が行きたがってた新宿ジャンピエールのデザートおごるからさ」
「……それでも」
「オマエ今ちょっと考えただろ」
手応えアリ。相変わらず甘いものに弱いやつだ。
「……どれだけ食べてもいいの?」
うっ、そう来たか……。太るのを気にする割にこいつは甘いものとなると際限なく食べるからなー。
少しだけ頭の中で出費を計算する。正直なところ財布にはかなり響くが、背に腹は変えられない。
「ああ、好きなだけおごるぞ」
「じゃあ……許してあげる」
「うん、僕が悪かったよ梨穂子。ごめん、いきなり町中であんなこと言って」
「分かればよろしい」
おっきな胸を反らしながら梨穂子が言う。偉ぶってるつもりなんだろうけど、中身が梨穂子では全然そう感じない。
「じゃあ、今から新宿……」
「というわけで早速、胸でしてくれるんだよね?」
「ななな何でそうなるの純一ー」
「だから、梨穂子の大っきな胸で僕のを挟んで」
「そーじゃなくって!」
怒られた。
どさくさ紛れにこう言ってみれば、夢だったパイズリをしてもらえるかと思ったが、
やっぱりダメらしい。
「どうして純一はすぐそうやってえっちな方向に持って行くのー?」
「そんなに、変かな?」
マサとはそんな話ばかりしてるし。僕くらいの男子はそんなものだと思うけど。
「変かどうかは分からないけど。もうちょっとさー、
こう、雰囲気とかムードとか考えてよー」
「ムードねぇ……。じゃあさ、例えば、夜景見ながら僕が
『この夜景も綺麗だけど、梨穂子の方がもっと綺麗だよ』って言ったら嬉しい?」
「……いいかも」
いいのかっ!!
冗談で言ったはずなのに、何かヒットしたらしい。
恥ずかしいセリフなんて言いたくないというプライドと、このまま押し切れば
憧れのパイズリが体験できるという欲望がせめぎ合い、しばらく葛藤した。
そして、結局は欲望が勝った。
「梨穂子」
真剣な顔をして、まっすぐ梨穂子の目を見て名前を呼ぶ。
「な、なに……」
「僕は今でも梨穂子が好きだ。でも、梨穂子が胸でしてくれたら僕は、
今よりもっと梨穂子のことを好きになると思うんだ」
「…………」
「…………」
失敗したか。そう思ったのは一瞬だった。
「そんなに……胸でしたいの?」
「うん」
「じゃぁ……してあげる」
「マジでっ!」
思わず飛び上がりそうになるのをなんとか抑える。
「あー、なんか笑い方が邪だよー」
梨穂子は言うが、一度OKしたからにはこっちのものだった。
服を一枚ずつ脱がしながら、ふと気になったことを尋ねてみた。
「ていうかさ、梨穂子」
「んー」
「『胸でする』って言われて、分かるんだ」
「……それは、その」
「ほれほれ、言うてみ?」
「うー」
梨穂子はしばし天井を見ながら唸っていたが、観念したのか、おすおずと話しだした。
「香苗ちゃんとか、仲がいい女の子だけだと、『彼氏とは最近どう?』とか聞かれたり、
たまーに相談に乗ってもらったりもするんだけど」
「うんうん」
「そういう時にたまに香苗ちゃんとかに、『梨穂っちはせっかくおっぱいが大きいんだから、
それでご奉仕とかしたら彼氏も喜ぶよー』って言われたりする」
「そ、そうなのか……」
女の子同士でそんな話しをするというのは、まあ薫や森島先輩なら多少は想像がつくけど、
梨穂子もしているというのは少し意外だった。
それはそうと、香苗ちゃんはグッドジョブだ。僕は心の中で感謝した。
「なんか、ひらひらしたブラだな」
ブラウスを脱がせると梨穂子の上半身に残るのはブラジャーだけだ。
露わになったブラに、正直な感想を口にする。
フリルが何段もついたピンクのブラで、なんというか、
派手というわけじゃないんだけど気合が入った感じだ。
「純一はこういう下着、好き?」
「そもそもこういうのもあるんだってのを今知ったところだけど……。
普通に可愛いと思うな。梨穂子に似合ってるんじゃないか」
「ホント? 良かったー、気に入ってくれて」
「まぁそれも脱がすわけだけどな」
言いながら、手を後ろに回してホックを外す。
最初の頃はこの外し方がよく分からなかったが、もう慣れたものだ。
「うー」
相変わらず唸っているのを無視して、露わになったおっぱいに触れる。
触れるだけじゃなくて、揉む。揉みしだく。
「んんっ……。ああん」
『大きい胸は感度が悪い』っていう話しを聞いたことがあるけど、
梨穂子はそうでもない。こうして胸を触っているだけでも結構気持ち良くなっているらしく、
声が出そうになるのを我慢しようとする。
僕はいつも『声出していいんだよ』と言ってるのだけど、
梨穂子はまだ恥ずかしいらしい。でも、そんなところも可愛い。
「んあっ……。あの、さ、純一に、ひゃうっ、お願いがあるんだけど」
「僕にできることなら」
「あのね、あんっ、ベッドまでお姫様抱っこして寝かせて欲しい」
「…………」
なにその可愛い願い。
「ダメ、かな?」
「お安いご用さ」
梨穂子の左に回りこみ、左腕を梨穂子の背中、右腕を少しかがんでいる梨穂子の膝裏に回し、そして
「よいしょっと」
一気に持ち上げる。
「これでよろしいですか、お姫様」
「うむ、くるしゅーない」
そんな軽口を叩きながらベッドの横まで運んで降ろす。
そしてさっさとトランクスごとズボンを脱いだ。
さっき梨穂子の胸を弄っていたときから、既に僕の股間の分身は充血して堅くそそり立っていた。
「じゃあ、梨穂子……」
「うぅ……本当に、するの?」
「してくれたら、僕は凄く嬉しいな」
「じゃあ……どうぞ」
そう言って梨穂子は胸の谷間に両手を入れて胸を外に押し出す。
梨穂子がそうして作ってくれたスペースに向けて腰を進める。
そして梨穂子がおっぱいを押さえていた手を離すと、
押さえていた反動で戻ってきた乳肉にペニスが包まれた。
梨穂子はさっきまでとは逆に、両胸を手で寄せてくる。
「ねえ、これで良いの?」
「もう最高。梨穂子のおっぱい、凄く気持ち良いよ」
「なんか胸だけ誉められるのって微妙……」
「あとは寄せてる力に強弱をつけて、胸を波打たせる感じで……」
「話聞いてないしー」
それでも僕の言う通りにしてくれるのが梨穂子のいいところだ。
そして実際、梨穂子のおっぱいに挟まれるのは最高だった。
口での奉仕とも、膣への挿入とも違う。
僕の分身が360度の全方向から、蕩けそうな感触に包まれる。
もっとこの甘美な感触を味わいたくて、腰が動くのが抑えられない。
まるで梨穂子のおっぱいを犯しているような錯覚を覚える。
「ああ、梨穂子にパイズリしてもらえて、幸せな気分だ……」
「そういうものなの?」
「そりゃあそうだよ。好きな女の子が、僕のために一生懸命に尽くしてくれてるんだから」
「そっか……。じゃあ、がんばる」
梨穂子が胸を寄せるのと僕が腰を突き出すのがだんだんシンクロしてきて、
それにつれて射精したい欲求が急激に高まってきた。
「あああぁぁぁっ、梨穂子っ!」
「え、何? わぁっ!」
ペニスが何度も脈うち、精液が放出される。
ほとんどは梨穂子の胸にかかったけれど、一部は顔にまで飛んだ。
「ゴメン、がまんできなかった……」
「もぉ、しょうがないなぁ。急だからびっくりしたよ……」
側にあったティッシュで胸と顔を拭いながら言われた。
「ねえ、そんなに気持ち良かったの?」
「そりゃあもう。あの独特の優しく包まれる感覚は今まで経験したことも……あ」
さっき精を放ったばかりだというのに、パイズリのことを思い出しただけで
僕の分身は再び充血して固くなった。そしてそれがばっちり梨穂子に見られている。
「次は、普通にしたい……」
僕の言葉を聞いて、梨穂子は少し呆れたようにしていたが、
結局は「もう、しょうがないなあ」と、応じてくれた。
スカートを脱がすと、その下にあったのはブラと同じくフリル満載のパンティ。
「これって、上とセットだよね?」
「そうだよー。気づいてくれたんだ」
「ねえ、梨穂子ってさ」
「ん?」
「いつもこんなに下着も気合入れてるの?」
「…………から」
「え?」
「だーかーらー、今日は純一が来るから、おしゃれしたの!」
「…………」
「…………」
「そうかそうか、僕のためか。ありがと、梨穂子」
ただ、つまり僕に下着を見せることを想定していたわけで。
そういうところが、梨穂子がいい意味でやらしいところだと思う。
本人に言うと怒るから言わないけど。
そんなやりとりをしながら、パンティを脱がす。
梨穂子の女の子の器官は愛液で多少は湿っているが、まだ十分ではなさそうだ。
「んんっ、んぁぁん」
入り口に人差し指と中指の二本を侵入させ、少しずつ奥に向けてほぐしていく。
初めての頃とは違って余計な力が入っているようなことはないが、
それでもこれをしておかないとまだ痛いらしい。
中をほぐすついでに、空いている親指でクリトリスを弄ってみる。
「ああっ、ああぁぁん、純一ぃ」
「そろそろ、いいか?」
「うん……来て…………あああああああっっ」
指で弄るのを止め、ゴムを装着して、正常位で男のシンボルを挿入する。
梨穂子が痛がることはなくなったとはいえ、相変わらず中はきつく、男根を締め付けてくる。
「動くぞ……」
最初はゆっくりと動く。動きつつ、顔をそっと近づけて梨穂子の唇に軽くキスをする。
「んんっ……純一ぃ、もっかいしてー」
「はいはいお姫様」
そう言って、再び梨穂子に口づける。そして、ゆっくりだった腰の動きを
少しずつ早めていきながら、片方の手で梨穂子のおっぱいを揉む。
「ああん、純一、いいっ…」
「胸、感じるのか?」
「胸がっていうか、ふぁん、中に入ってるときに他の所を触られると、気持ちいいの……」
そういうものなのだろうか。今度また試してみよう。そんなことを思いながら、腰の動きをさらに早める。
「あぁっ、はあん、あああっ、純一、激しっ……」
「梨穂子の中、気持ちよくって……」
「けど、奥まで当たってっ……。あああんっ」
梨穂子は明らかに嬌声を抑えられなくなっている。
おそらく絶頂が近いのだろう。僕の方ももう限界が近いのが分かる。
「梨穂子、僕、もうそろそろ…」
「良いよ、純一、来てっ……」
さらに数回腰をグラインドさせ、そして
「ああああああああああああっっっっっ」
どくん、どくん……
僕が梨穂子の中で射精するのとほぼ同時に、梨穂子もイったらしかった。
「ありがとな、梨穂子。今日は色々わがまま聞いてくれて」
「うん……」
イった余韻を味わっているのか。梨穂子はまだ心ここにあらずという感じだった。
「ねぇ、梨穂子」
「んー、なーにー」
この際だからはっきりさせておくことがある。
そして、こういう時でもないと言えないのも確かだ。
「僕が梨穂子とえっちしたいって思うのはさ、
そりゃ気持ちいいからっていうのはそうだけど、それだけじゃないよ」
「そう、なの?」
「好きな子が目の前で裸になってたら、そりゃエッチなことも考えるけど
僕のことを信じてくれてるんだって実感できるし、それに、好きな子と裸で触れ合ってるとさ、
なんか安心する。そういうのも理由かな」
「……そうなんだ」
梨穂子は黙ったまま少しの間何やら考えていたようだった。
「……私も、さ」
「うん?」
「エッチするの自体は、そんなに嫌じゃないよ」
「そうなのか? 僕がエッチしよって言うと嫌そうな顔するけど…」
「そーれーはー。純一はいつも休みになっても、エッチしようしか言わないからー。
体だけが目当てなのかなとか、えっちできれば誰でも良いんじゃないのとか
思ったりもするから……」
「…………」
「不安だったの」
「……なるほど、そういうことなら僕も悪かった」
前に雑誌で、女の子はえっちしたいって素直に言いにくいから、
こういうことは男が積極的に誘うべきだって書いてあったけど、誘いすぎても問題らしい。
「新宿、明日行こうか」
「いいの?」
「元々はそういう約束だったんだし、
それに梨穂子は甘い物食べて幸せそうにしてる時が二番目に可愛いからな」
「……一番は?」
おずおずといった風に上目使いで聞いてきた。
「今みたいにこうして僕の腕の中にいるときの、安心した顔だ」
そう言って梨穂子のほっぺに口づける。
梨穂子は何も言わなかったが、その表情は甘い物を食べているとき以上に幸せそうだった。