「純一〜、私、甘神様に取り憑かれてるんだって〜。どうしよう〜」
「…は? 何? アマガミサマ?」
「だから〜、甘神様。取り憑かれてるんだって。どうしよう〜」
「…待て待て梨穂子。情報が全く増えてないから。前知識が無い僕にもわかるように解説してくれ」
「え〜と、『どうしよう』って言うのは、どうしたらいいか悩んでるって意味で…」
「そこを解説するなよ!」
こんなんが僕の彼女である。
学校からの帰り道、こうして梨穂子が隣を歩いているのも日常となっていた。
でも、梨穂子のこういう唐突な振りは、いつまでも慣れてこない。
「そうじゃなくて、その前の、『アマガミサマ』だっけか? そのアマガミサマとはなんぴとたるや?」
「な、何で古典口調なの?」
「ええい、うるさしや! ただとくとく答えよ!」
「え〜? うーんと、な食いそ」
「食料関係でないことぐらいわかるよ!」
「もう、純一文句ばっかり」
「…お前が僕の彼女じゃなかったら、暴力に訴えるところだ」
「わ、じゅ、純一…そんないきなり彼女だなんて…恥ずかしいよ〜…」
赤らめた頬に両手を当てる梨穂子。
なんだよ梨穂子は可愛いなぁ。ズレてるけど。
「話を戻そう。で、アマガミサマってのは何なんだよ? 幽霊?」
「あ、ううん。幽霊じゃなくて、神様なんだって」
「あぁ、貧乏神とか疫病神みたいなものか」
「そう。でね、私はそういう神様の中で、甘神様に取り憑かれてるんだって。どうしよ」
「ストップ。まだどうしよう〜に至るのは早い。その甘神様に取り憑かれると、具体的にどうなるんだよ?」
「もうね、甘いものが食べたくて食べたくてしょうがなくなるんだって! どうしよう〜どうしよう〜」
喚きながら梨穂子は、クラスメートに貰ったのであろうラッピングされた袋から、
クッキーを取り出して食べ始めていた。
「……」
「ん? どうしたの純一?」
「ごめん、ちょっと、ぞっとし…じゃなくて、眩暈がしただけ」
「えぇ!? 大丈夫? ちゃんとお昼ごはん食べた? クッキー食べる?」
「いや、大丈夫。僕もあえてツッコミはしない。取りあえず梨穂子、詳しい話を聞かせてくれ」
梨穂子の話によると、最近梨穂子のクラスでタロットカードが流行っているらしい。
梨穂子も興味があったのでクラスメートに占ってもらった結果、
あんた甘神様に取り憑かれてるわよ、とどこぞのカリスマ占い師ばりに進言されたということだ。
「何でタロットカードで取り憑かれてる神様がわかるんだよ。西洋の占いなのに甘神様とか和風の神様だし」
「細かいことはいいの〜! とにかく、その神様に取り憑かれてるせいで、私は甘いものを無性に
欲しくなっちゃうんだって。太るよ〜怖いよ〜」
怯える梨穂子の手には、空っぽの袋が握り締められている。さっきまで、10枚は入っていたはずだが…。
ちなみに僕は1枚も食べていない。
「…確かに怖い」
「ね? 怖いよね?」
「憑依というより病気だ」
「へ?」
「いや、なんでもない。それより、取り憑かれてるなら、祓ってもらえばいいんじゃないのか?」
「…はらう?」
「そう。梨穂子が甘いものを食べちゃうのが、その甘神様のせいだって言うなら、お祓いしてもらえば治るんじゃないのか?」
多分、治らないけど。何とかに付ける薬ないから。
「なるほど〜、そっかぁ、そうすればいいんだ〜」
「そうそう。ほら、対処法みたいなの、聞いてるんだろ?」
「…対処法?」
「え? いや、だから、その占った友達に、こうしたらいいよみたいなアドバイス、貰ってるだろ?」
「貰ってないよ?」
「…何でだよ! 『あなた取り憑かれてますよ』で終わり!? 今日の占いカウントダウンで
『今日の12位は牡羊座です。じゃあ今日も元気にいってらっしゃい♪』 ってやっちゃうぐらい
救いようの無い気持ちになるだけじゃないか!」
「え、今日牡羊座最下位なの? ショックだなぁ」
「そこじゃない! …はぁ。もう、何となく梨穂子がからかわれただけなんだって事はよくわか…」
待 て よ ?
僕の紳士レーダーが反応した。これは、使える、と。
「梨穂子よ」
「ど、どうしたの? 何か菩薩様みたいな顔になってるよ?」
「ふふ…私、知ってますよ…甘神様の祓い方」
「ええ? 本当!? 教えて教えて!」
「いや、口で説明するよりも、実践した方が早い。取りあえず僕の家に来てもらえるか?」
「うん、行く行く!」
そんなわけで我が家マイルーム。
今日は美也もまだ帰ってこないはずだ。
「それでそれで純一、どうすればいいの、ねぇねぇ」
「待て待て慌てるな。そうだな、先ずはそこのベッドに仰向けに寝てくれ」
「うん!」
悪霊退散〜、と言いながらベッドにダイブする梨穂子。さり気に甘神様は悪霊に格下げされている。
その何も疑わない様子に少し罪悪感もあるが、僕は自分に課された任務を全うしなければならない。
紳士協定とはそういうものなのだ。許せよ、梨穂子。
「よし、じゃあ今からお祓いをするから、目をつぶって、身体の力を抜いてくれ」
「うん」
梨穂子が目を閉じたのを確認し、僕もベッドに上がった。梨穂子と向かい合う形で四つん這いになり、
顔を梨穂子に近づける。そして大きく口を開けて、はむり、と梨穂子の左耳をくわえこんだ。
「はひゃあっ!! な、ななななな、じゅ、じゅん、なにして…」
「ダメだろ梨穂子、目を開けちゃ」
「いいいいきなり耳を噛まれたら誰だって驚くよ! 純一のエッチ!」
「違うぞ梨穂子。これはお祓いの為の準備なんだよ」
「え、準備?」
「そう、梨穂子の身体のどこに甘神様が取り憑いているのかを確かめてるんだ」
「ど、どういう事?」
「甘神様は小さな神様なんだ。だから、先ずどこに取り憑いているかを探さないといけないんだ」
「それとさっきの行動とどう関係が…」
「まぁ聞けよ。探そうにも、甘神様は目に見えない。でもな、調べる方法はある。
甘神様は甘味の神様。すなわち、取り憑かれた部位は、甘くなっているんだ!!」
「ええ〜!?」
「だから、梨穂子の身体で甘くなっている部分を舐めて確かようってわけだ。わかったか?」
「う、うん…。ん〜、でも、やっぱりちょっといやらしいような…」
「何を言うんだ! 僕は梨穂子が甘神様のせいで延々と菓子をむさぼるクッキーモンスターのように
ならないようにこうして善意で協力してやっているというのに、その行為をいやらしいだなんて
あーあ、あーあーあ、ショックだなー。きっと梨穂子は僕をいつもそういう目で…」
「ご、ごめんごめ〜ん。…わかったよぉ、我慢するから、早く甘神様見つけてね…」
「わかればいいんだ。後、あんまり声出しちゃダメだぞ。甘神様が驚いて別の部分に逃げちゃうからな」
「う…うん」
「じゃあ目をつぶってくれ」
「うん…」
計画通り! 梨穂子は可愛いなぁワハハハハ。
滞りなく儀式再開。仕切り直しに、もう一度梨穂子の左の耳たぶを唇で挟む。
「んあ…っ」
梨穂子の身体はまだ硬いままだが、さっきのように目を見開いて抵抗するようなことはしない。
声も出さないように必死に唇を引き締めている。…やばい、めちゃくちゃやらしい。
耳の縁をなぞるように、舌を這わせると、びくり、と梨穂子の首がのけ反る。
顔を真っ赤にして、両手で口を抑える様が、いじらしくて、扇情的だ。
「んー、こっちの耳にはいないみたいだな」
今度は逆の耳を丹念に舐め回す。
「あ…ひゃ…く、くすぐったいよぉ」
「うーん、どうやら耳にはいないみたいだな。じゃあ次は…」
べろん、と梨穂子の頬をこめかみに向けて大きく舐める。
「ひへっ!?」
「この味は! …嘘をついている味だぜ…桜井梨穂子」
「え? う、嘘って?」
「…いや、何でもない」
ジャンプネタは梨穂子には通用しなかった。まぁ、嘘つきは僕の方だ。
その後も、頬から、額、瞼、鼻と順々に舐めた。
目を閉じているせいで、どこを舐められるか予測できない梨穂子は、僕が舐める場所を変える度に
ひゃっ、とか、はうっ、と小さく声を漏らした。
「おい梨穂子、変な声出すなよ。何だかやらしいことしてるみたいじゃないか」
「だ、だってぇ〜…」
「だってじゃない。まったく、じゃあ、そんな変な声を出せないよう塞がせてもらおう」
「え…じゅ、んっ! んんん…っ」
梨穂子の唇を僕の口で塞ぐ。梨穂子が驚いて口を閉じてしまう前に、口内に舌を割り込ませた。
「ふ!? んんん! …ん…ふぁ……は…ぁ」
舌で梨穂子の歯を一本一本、表面から裏側まで丁寧になぞる。
歯が終わったら、頬の内側、そして最後に梨穂子の舌に僕の舌を絡ませていく。
「あ…んん…ふぅ…」
最初は僕にされるがままだったが、梨穂子も段々ノッてきたのか、おずおずと舌を動かし出した。
お互いの舌がぐちゃぐちゃと重なり合い、絡み合う。
気分が高揚して来たのか、梨穂子が僕の背中に手を回して更に強く唇を押し付けてくる。
僕も梨穂子の髪を撫でながら、頭を抱きしめ、より濃密な口付けを交わす。
「んむ…じゅ…じゅんい…ち……いき、できな…よ」
「…いいよ…しなくて…」
「そ…むり…だよぉ…」
そろそろ、いいかな。
唇を重ね合わせたまま、僕はそっと梨穂子の制服のボタンを外し始めた。
「……!! な、なにし…んん…」
「服…脱がしてる…」
「…んちゅ…ん…じゃ、なくて…!!」
突き飛ばされた。勢いに乗せろ作戦、失敗。
「危ないなぁ、何すんだよ」
「な、何で服、脱がすの?」
「決まってるだろ。甘神様を探すんだよ」
「え…?」
「残念ながら、梨穂子の顔に甘神様はいないらしい。だったら他の場所を探すしかないだろ」
「で、でも…だって…それは…」
「ここまできてやめてどうする。一生甘神様に取り憑かれてていいのか。
マシュマロみたいにぷくぷく太って糖尿病になって死んでいいのか」
「う〜、それはいやだけど…」
「じゃあ脱ぐしかないじゃない? 今なんじゃない? 脱ぐは一時の恥、憑くは一生の終わりだぞ」
「もう言動もキャラもおかしいよ…」
「僕は梨穂子が好きだから、彼氏として心配しているんだよ(キリッ」
「す…好き…彼氏…」
梨穂子はこういう言葉に弱いのだ。
しかしそれをこういう使い方ばかりすると、人として最低のゴミ屑になりかねないので、注意だ。
「わかった…絶対、甘神様、見つけてね」
「もちろん! 必ず、必ず見つけ出してみせるとも!」
「じゃあ、脱ぐけど…恥ずかしいから…あっち、向いてて」
「ラジャ!!」
それは見事な敬礼をして、僕は梨穂子に背を向けた。
脱ぐところを見たい気持ちは山々だが、ここは素直に従うべきだろう。
「それと…電気、消してもらっていい?」
「何で!?」
ここは素直に従わない。
「そ、そんなのわかるでしょ〜!?」
「ダメだよ! そんなせっかく…じゃなくて、ほらほらあれだ、甘神様が隠れちゃうから!」
「あ、何かまた新しい設定…」
「甘神様は明るくないと出てこれないんだよ。だから部屋を暗くするなんてご法度! もっての他!」
「…はい」
「当然布団をかけたりしてもダメだぞ」
「う〜、…もう何でもいいよぉ…」
どうにか切り抜けた。まぁ、何か怪しまれている気もするけど…。
僕の背後で、しゅるしゅると布ズレの音が聞こえてくる。
カチッという音は、スカートのホックを外したのか、それともブラジャーか…。
背後の様子を想像するだけでも、これはこれで…。
「い、いいよ…純一」
合図に振り返ると、さっきと同じように目をつぶった梨穂子が、ベッドに横たわっている。
しかし、その身体を隠すのは、薄いピンクのショーツとブラジャーだけだ。
梨穂子の顔を見ると、羞恥からか首まで真っ赤になっている。
瞳と唇は強く閉じられ、僕からの『口撃』に備えているらしい。
手は下着を隠すように胸と股間にそれぞれ当てられているが、梨穂子の手の大きさでは
その布地をあまり隠せていない。逆に隠そうとする事でその存在感が際立っているぐらいだ。
今までも梨穂子と身体を重ねた事はあるけど、こんな風に明るいところでこんな姿を
まじまじと見たのは初めてかもしれない。エッチ目的だと電気消されちゃうしなぁ。
「ぐ〜ぅれいとっ!」
「あ、あんまり見ないでね…」
「見ない見ない」
「…」
「……」
「………」
「…………」
「じゅ、純一」
「……え? 何?」
「見てる、よね?」
「いやいや何言ってるんだ、見てるんじゃない。観察してるんだ」
「一緒だよ〜!」
「違う。観察して甘神様のいそうな場所の目星を付けてるんだ」
「そ、そうなんだ…。で、目星、付いた?」
「いいや、全然。やっぱり地道に確かめるしかないな」
「見られ損だぁ…。その、確かめるって…舐めるんだよね?」
「やらしい言い方をするな。味を見るんだ」
「そっちの方がやらし…ひゃあああ!!」
油断大敵。隙を突いて梨穂子の首筋に噛み付いた。とは言え、もちろん甘噛み程度だ。
「く…首は…や…ぁ…ダメぇ…!」
「りゃめれもあじをりゃしりゃめなりゃ」
「ふぁう! く、口付けたまま、しゃべ、ないでぇ」
「ああ、りょみぇんりょみぇん」
「あっ! …は、も、もう、わざと、やってる…」
首を堪能した後は、梨穂子に唇をつけたまま、左肩へとスライドさせる。
梨穂子の首から肩にかけて、なめくじが這ったような唾液の筋ができた。
「んんっ…!」
梨穂子がぶるりと身震いして肩をすぼめる。
「寒い?」
「う、ううん…肩、舐められると、変な感じになって…」
「ほほう、変な感じとはどんな感じかね」
「んっ! あっ! そんな舐めちゃ…やだぁ…」
梨穂子の肩から腕に向けて、曲線を描くように舌先を滑らせる。
そのまま二の腕までくると、軽く口づけながら、手先に向かって唇を進め、
手のひらと手の甲を満遍なく舐めた。
梨穂子は、ひゃう、とか言いながらくすぐったそうに身を捩っている。
「梨穂子の手、汗かいてる。ちょっとしょっぱいし、緊張してる?」
「だ、だって、こんなの、緊張って言うか恥ずかしいって言うか…普通、変だよ…」
「変でもやるしかないんだよ」
手の指を親指から順番に口に含む。もちろん、含んだ指を舐めとる作業も忘れてはいけない。
そんな1本ずつ丁寧にやんなくても、という梨穂子の意見を無視して、
結局、両方の肩、腕、手と舐め切った。
「うう…両腕が純一の涎まみれになってるよぉ…」
「仕方ないだろ。でもここにも甘神様はいないな。次は…よし、梨穂子、バンザイしてくれ」
「え…バンザイって………え! も、もしかして」
「…脇が、まだだろ」
「だだだだだだめだめだめだよ絶対! そそそそんなとこ絶対絶対」
「何だよ、ちゃんと手入れしてないとか?」
「バカァッ! もう信じらんない!! ちゃんと毎日手入れし…じゃなくて、も、もう〜最低〜!!」
「ごめんごめん、謝るから。でもほら、そこもちゃんと確かめないと、さ」
「でもでもでも」
「一瞬! 一舐め! 左右各ワンチャンス! 僕も目を瞑る! 絶対見ない! これでどうだ!!!」
「…絶対?」
「絶対絶対!! 純一、嘘つかない」
「…一瞬?」
「高速! 神速! 亜光速!」
「…む〜、うん、じゃあ…うん、一回、一瞬、だけ」
僕はこの日をサラダ記念日としよう。
恐らく後にも先にも、女性の脇を舐められるのはこの時だけとなる気がする。
この一回の、一瞬のチャンスを、決して逃してはならない。
僕は目をつぶると、梨穂子の脇に顔を近づけてスタンバイする。
「いいぞ、梨穂子」
「目、つぶった?」
「つぶったぞ」
「じゃ、じゃあ、せーのぉ!!」
梨穂子が両腕を開く。同時に、脇の窪みにがっと顔面を貼り付け、素早くかつ豪胆に舐めすくった。
「ひいゃあっっ!」
エデンの園は、開かれたときよりも早くその空間を閉じられた。
しかし、僕の舌に、いや脳髄に、梨穂子の脇の味は確かにインプットされた。
本当の感動とは、こういうものなのだと知った。
「か…甘美だ」
「え!? 甘かったの!?」
「あ! 違う違う。ごめん、ここにも居ないみたいだから、反対の脇味(わきみ)を下さい」
「脇味ってのは、どうかな〜…」
同じ要領で、反対の脇も味わう。脳内インプット完了!
涙があふれそうだった。
「純一、何で泣いてるの?」
というか泣いていた。
「ご、ごめん…ここにも甘神様がいないから、悲しくて…」
「そ、そうなんだ…こっちこそ、何だかごめんね?」
「いや、気にするな。そしてありがとう。よし、こうなれば、残りも一気にやるぞ」
紳士チャージが満タンになった僕は、俄然やる気になった。
ハイテンションで梨穂子の胸の谷間に顔を埋めると、舌を出したまま、猛烈な勢いで首を振った。
ブラジャーに収まりきっていない胸部を一気に舐める、ワイパー戦法だ。
「ちょ、ちょっと純一…ひゃ、ふわっ!」
「OK! ここにはいない! じゃあ今度はここだ!」
今度はブラジャーとショーツの間、つまり梨穂子が気にするお腹周りと腰だ。
ここは範囲が広いので、無駄のない責め方に変える。
まず、ブラジャーのベルト直下の高さにある、右のわき腹に舌をあてる。
そこから左のわき腹まで舌で直線を引くように、お腹の上を横断させる。
「ふん…んん…」
梨穂子がくすぐったいような、むず痒いような声を上げて身をくねらせる。
次に、また右のわき腹に舌を戻す。しかし、高さはさっきよりも舌一つ分下げておく。
そしてまた反対のわき腹へと真っ直ぐに線を引く。
これを繰り返すことによって、梨穂子の腹周辺をくまなく舐めとる事ができるのだ!
名づけて、ロードローラー戦法!
「ん…あ…なん…か、純一の舌…あったかくて…ヘンな…の…」
「梨穂子の肌は、冷たいくて…柔らかいよ…」
「ね、ねぇ…純一…あんまり、お腹、見ないで…」
「え?何で?」
「………太ってる…から」
「…バカ。全然太ってないよ」
「う、うそだよ」
「うそじゃないよ」
梨穂子のおヘソに舌が到着したので、穴の中を軽くほじくるように吸い上げる。
「あっ…」
「可愛いおヘソだよ」
「ば、ばかぁ…」
「梨穂子は今ぐらいが丁度いいんだって」
しゃべっている間に、梨穂子のショーツに辿り着いた。
ここは、まぁ後でのお楽しみということで、魅惑の三角形を飛び越え、
白くて柔らい太ももに、がぶり、とかぶりつく。
「ふひゃっ!」
「うまうま…」
「た、食べちゃダメ〜」
「うまうまうまうま…」
「は…あう…」
太ももから、足先までじっくりとうまうまする。
足先に辿り着いたら、足の指も手と同じように一本ずつちうちうする。
さっきから僕はどんどんバカになってる気がする。
「んん…じゅ、純一…足の指なんて、良く舐めれるね…」
「ん? まぁ…あみゃぎゃみしゃまをしゃがすたむぇだからな」
「良く足の指舐めながらしゃべれるね…」
呆れてため息を吐く梨穂子だが、別段嫌がる素振りでもない。
足をしゃぶられるのが実は気持ちいいのだろうか。うーん、意外な発見だ。
もう片方の足も舐め回し、もはや梨穂子の今露出されている肌で、僕の舌が入っていない部分は
無くなっていた。残るは…
「梨穂子、ちょっと転がすよ」
「へ? わぁ!」
ごろん、と梨穂子を180度回転させてうつ伏せにする。
間髪を入れずに首の後ろに舌を這わせていく。
「〜〜〜〜〜〜っ!!」
「…首、弱いんだっけ?」
「じゅっ…おねが…んんっ! は、激しく…しない…でっ」
「うん、じゃあ、優しく」
「ふっ…あ…そんな…ゆっくりも…だ、めぇ…」
「わがままだなぁ、梨穂子は」
「ち…違うよぉ…純一が…いじわるするから…て、純一…甘神様を、捜してるんだよね?」
「え。あ、ああ、もちろんサ☆」
危ない、忘れてた。
「よし、首周りはいないようですので、続けます」
「突然敬語になった…」
「きっにしない〜きっにしない〜♪」
歌いながら、素早くブラジャーのホックを右手でつまんで外す。
紳士のたしなみ、高速ブラ外しだ。
「…え? あれ? 今…」
「きっにしない〜きっにしない〜♪」
「ちょ…純一! ぶ、ブラジャー外したでしょ!」
「きっにしない〜きっにしない〜ブッラがない〜〜♪」
「もぉ〜、歌ってないで人の話を…ひんっ!」
梨穂子の背中を舌先でれろれろとくすぐる。
ちょうどさっきまでブラジャーがあったラインだ。
「ひぁ…あ…んあ…、また…そ…やって…ごまか…す、はぁう!」
「ごめん。でも、ちゃんと甘神様、見つけるからさ」
「う…うん……ちゃんと、ね……あっ…」
梨穂子はまだ僕の甘神様の話を信じているのだろうか。
それとも、もうわかっていて、信じているふりをしているのだろうか。
前者でも後者でも、そんな梨穂子が愛しくて仕方ない。
背中を舐め切った僕は、背中の刺激に神経を集中している梨穂子の隙を突き、
ショーツに両手の親指を掛けると、一気にずり下ろした。
「だ、だめっ! だめぇっ!!」
梨穂子が必死に止めようとしたが、時既に遅し。
ショーツから開放された大きくて丸いお尻が、僕の眼前にぷりっと曝されていた。
眼福眼福眼福眼福眼福眼福眼福眼福眼福!!!
「やだぁっ! お、お願い見ないでぇ…純一ぃ…ぐすっ…見ちゃダメぇ…やだぁ…」
「梨穂子…お前、ホンといい尻持ってるよ」
「ぜんっぜん嬉しくない〜!」
「ではでは…いただきます…」
かぷっ、とお尻の一番柔らかそうな部分に噛り付き、そのまま吸い上げる。
「やっ…だめぇ…」
冷たくて、滑らかで、柔らかい。特別な味なんかしない。他と変わらない肌の一部だ。
それでもここは、特別な場所だ。格別の味だ。
お尻を舐める。その行為の高揚感や背徳感は一種の麻薬のようだ。
一度味わえばどこまでものめり込む魔の領域。
梨穂子の抵抗や羞恥が大きい程に、もっとお尻を独占し、征服し、蹂躙したいという欲もまた大きくなる。
その魅惑の形、色をしっかりと目に焼き付けながら、丹念に、執念に、余すとこなく舐め回す。
そして、最後は臀部をモーゼよろしく二つにわけている、その割れ目の奥に
「純一、私、そこに甘神様がいるなら、もう諦めるから」
とても冷たい声だった。これは最後通牒だ。…怖い。
顔が見えないから余計に怖い。
「す、すみません」
「あと、お尻について語りすぎだから」
「すみません」
「私、まだ純一の事嫌いになりたくないし、別れたくないから」
「すみませんでした本当に」
平謝りだ。調子に乗りすぎてしまった。反省。
僕はお尻への執着を諦め、さっさと脚の裏側を舐める。
脚フェチの皆さんには申し訳ないぐらい、簡素な舐めっぷりだ。
これ以上梨穂子の機嫌を損ねるわけにもいかないので、
執拗な脚裏舐め描写は森島先輩ルートで補完して頂くということで、容赦されたい。
「さて、これで裏側は完全制圧したわけだけど」(※一部地域を除く)
「だからそういう言い方は…。でも、いなかったんだよね? 甘神様」
「ああ。だから、あと確認できる場所は…」
「…」
「…いい、ですか?」
敬語だった。色々な意味合いで下手に出ております。
「…いい…よ」
「ホンとに?」
「うん…。純一だったら、いい…」
覗き込むと、梨穂子はもう真っ赤っかだ。
この状況も、今の台詞を言うのもすごく恥ずかしかったんだろう。
「可愛いよ…梨穂子」
「あ…」
梨穂子の身体を再び仰向けにして、キスをする。
儀式とかお祓いじゃなくて、ちゃんとした恋人同士のキスだ。
「ん…」
「もうすぐ…終わるから…」
「うん…」
唇を離して、梨穂子の胸の位置まで顔を下げる。目の前には梨穂子のおっぱいが2つ。
寒いからか、興奮なのか、乳首がツンと尖っている。思わずかぶりつく…のを我慢して、
まずは乳輪周りから責めにかかる。
ちなみに僕は、おっぱいを乳輪周り、乳輪、乳首の3段階に分類している。至極どうでもいいけど。
まずは乳輪周りだけに集中し、乳輪から内側には手…いや、舌を出さず、外堀を舐めまくる。
梨穂子の胸は大きいので、乳輪周りだけでも結構な面積だ。
「ふ…んあ…」
梨穂子の乳房を上から下から舐めすくう。
柔らかい…。この感触をどう表せばいいかわからないけど、もうふにふにでぐにぐにでむちむちだ。
舐めてるうちにどんどん柔らかくなっていくような気もする。いや、それはないだろうけど。
「柔らかい…梨穂子のおっぱい」
「い、言わなくていいよ、そんなこと」
「言いたいんだよ」
「もう…純一、変な事ばっかり言うんだから」
「梨穂子にしか言わないよ」
「…えへへ」
梨穂子は単じゅn…可愛いなぁ。
両方の外堀を埋めたので、次は乳輪へと侵入する。
「はぅ…! あ…はぁ……」
自論ではあるが、乳輪責めで大事なのは、乳首に触れないように気をつけることだ。
そうすることで、女性は触れられなくてうずうずするし、男も焦らしている気分でむらむらする。
ただし、Mっ気のある男性にはお薦めできない。
そんなわけで、細心の注意を払いながら乳首を中心に舌で円を描く。
そして三周、四周としたところで、不意打ちで乳首を舌でピンッと弾いた。
「あああぁぁッ!!」
びくびくっと梨穂子の腰が跳ねた。間髪入れずに何度も舌先で乳首をこねる。
焦らした分、今度は徹底的に責めるのだ。
「あっ! あっ!! んんんッ!! だっ! ダメぇ…!!」
甘い嬌声が幾度も上がる。
もし本当に甘神様がいるなら、梨穂子の声に取り憑いているんじゃないかと思えるような、
甘ったるく、蕩けるような喘ぎだ。
もっと梨穂子の声が聞きたくて、更に激しく舌を動かす。時にはちゅうっと吸い上げたり、
かりっと歯を立てたりして、梨穂子の乳首を集中口撃する。
「うあああッ! らめっ! らめぇ!! じゅ、じゅんいっ!! ひやぁっ!」
「気持ちいいの? 梨穂子」
「ちっちがッ! あうう!! かんじゃ…やぁぁ…あぁっ!」
「痛いの? 気持ちいいの?」
「そ、そんなの言えな…ひんっ! やっ!! あ、頭…ヘンにな…んんっ!!」
「わかった、それじゃあ、身体に聞いてやる」
今時エロ本でも言わない台詞を吐きつつ、梨穂子の股間に手をやる。
案の定、そこはちょっと触っただけでもわかるぐらい、ぐっしょりと濡れていた。
「エッロいなぁ、梨穂子は」
「じゅ、純一が、悪いんだから…」
「いやいや、儀式だって言ってるのに感じちゃってるなんて、もう変態だよ梨穂子さんは」
「!!」
梨穂子がこの世の終わりみたいな顔をした。…そんなに僕に変態って言われるのはショックなのか。
気を取り直して、梨穂子が呆けている隙に顔の位置をスライドする。目指すは当然…
「あっ! ダメッ!」
梨穂子が僕の企みに気づいて、脚を閉じた。だが時既に遅し。
梨穂子の太ももは、僕の頭をロックしただけで、閉じ切る事はできなかった。
そして僕の視線は、梨穂子の股の間をしっかりとロックオンしていた。
しかし梨穂子は尚も僕を引き剥がそうと、喚きながら両手で僕の頭を押してくる。
「ダメェ! ダメダメ! 見ないで見ないでお願いダメダメお願いやだやだやだ」
「ここまで来てやめられないよ!!」
「ええ〜…」
股間に向かって僕は叫んだ。もうここには紳士の皮すら被っていない、ただのオスがいるだけだ。
だがわかって欲しい、ここまで何レス使ったと思ってるんだ。
ただでさえ長いのに、ここでやめれば、僕はエロパロ板に二度と現れることはできない。
「わかってくれ梨穂子、後はここを確かめるだけなんだ」
「う〜、でも〜、う〜…」
「わかってくれなくても、ここを確かめるんだ」
「う〜〜〜〜〜!!」
梨穂子が涙目で抗議(割と本気)をしてくるが、無視して、両手で大陰唇を押し開いた。
「んあぁっ!」
「あ! 甘栗、発見!!」
「指を指さないで!」
思わず指差し確認までしてしまっていた。僕は猛烈に感動している。
そのまま猛烈な勢いで甘栗…いや、陰核を舐める。摩擦で燃えてしまいそうなスピードだ。
「あ…あああっ! うぁあ! ああああああ!」
舌でグリグリと陰核を押し潰し、舌先で転がし、唇で挟み、掃除機のように吸い上げる。
「ああああ…うぁ! んんんんんんあ!!」
梨穂子の身体がぴくぴくと小刻みに震える。
顔を林檎のように赤くして、目を強く閉じ、その様は、快楽に溺れない様に必死に耐えているようだ。
その目には涙をうっすらと浮かべ、両手はシーツをぎゅっと握り締めている。
梨穂子は可愛いなぁ。梨穂子は本当に可愛い。可愛い、僕の彼女だ。だからもっと、愛してやりたい。
トロトロと愛液が溢れ出ている梨穂子の膣に口を付け、流れ出る液体をずずっと音を出しながら吸った。
「あふぁ! ああああ! だめだよぉ! ああ…ッ!」
「ん…梨穂子…甘いよ」
「…ぁえ?」
「梨穂子のここ、すっごく甘い味がする。蜂蜜みたいだ。多分、ここにいるんだよ」
「…もしかして、甘神様?」
「そう。でも、うん、もうちょっと確かめてみよう」
「ひぁぁぁぁ! 舌…入れちゃ…だ……あぁ…やぁ…」
「うん、甘い甘い。すっごく甘い。これは間違いないな」
もちろん全然甘くなんかない。形容しがたいが、きっとこれは、梨穂子の味だ。
「じゃあ、甘神様をお祓いをするから…」
「ん…」
わかってんだかわかってないんだか、梨穂子は目をとろんとさせて曖昧に頷いた。
僕は素早く腰を上げると、ズボンとパンツを素早く脱ぎ捨てた。…待たせたな、息子よ。
とっくに限界まで膨らんでいた僕のイチモツは、解放された喜びを表すように、
天高く雄々しく堂々と伸び上がっていた。
「梨穂子…」
「純一…」
梨穂子の膣の入口にペニスをあてがう。ぬるぬるした暖かい愛液が、先端を濡らした。
「大好きだよ」
それは、僕が言ったのか、梨穂子が言ったのか、それとも同時だったのか。
とにかく、その言葉を合図に、僕のペニスは梨穂子の子宮口を目指して、
ぐちゅり、と一気に刺し貫いた。
「あああああああぁぁぁぁあああ!!!」
梨穂子の声が部屋中に響く。その耳をつんざくような叫び声すら、ただただ愛おしい。
僕の全てが梨穂子の中に包まれ、どくどくと脈打っていることがわかる。
じっとしていても、梨穂子の膣襞が蠢き、僕を絶頂へと導いてしまいそうだ。
その快楽を振り払うように、しかし、それ以上の快楽を求める為に、
僕は腰をゆっくりと、大きく動かし始めた。
「ぅぅぁあああっ! ぁぁぁぁあっ! んんんんんんッッ!」
腰が往復する度に、梨穂子が大きく反応する。その声に僕の興奮度は更に増していき、
徐々に腰の動きも速くなって行く。
「梨穂子…! 梨穂子…ッ!」
「あああああ! 純一! 純一ィ!!」
パン、パンと肉と肉のぶつかり合う音がリズミカルに刻まれる。
梨穂子の膣内は僕のペニスをしっかりと咥え込み、ぎちぎちと締め上げてくる。
もう…限界が近い。
「んんあああ! 好きィっ! ああ!! 純一、大好き…ッ!!」
「僕も…ッ! 梨穂子…愛してるッ!!」
「うんッ! 私も…あぁ! ダメェ!! もう…っ! もう……ッ!!」
「いいよ梨穂子…ッ。僕も…もう…ッ! くッ!」
「あっ! あっ!! あああああああああああああああああああああああああああ!!」
梨穂子の背中が弓なりに反る。僕は最後の一突きを思いっきり奥までねじ込み、
子宮口にぴったりと鈴口を密着させたまま、精子を放出した。何度も、何度も。最後の一滴まで。
永久に続くような、長い長い射精だった。
「…はぁ…はぁ…りほ…こ…」
「じゅんい…ち…」
繋がったまま、梨穂子に口付ける。その時の梨穂子の唇は、気のせいか甘い味がした。
…
……
………
「う〜っ、中に出したぁ〜…」
「だから…これはお祓いだったんだってば…」
「違うよ〜! こんなお祓い絶対おかしいもん! いくら私だってだまされないんだからね!」
「ほ、ほら、甘神様は甘くする神様だろ? だから…」
「だから? なに?」
「うう…だから、その、甘神様は苦いモノが苦手…とかなんとか」
「…」
「…お後がよろしいようで」
「なるほど〜! 言われてみれば確かにそうだね〜!」
「…へ?」
「うんうん、そうだよね。さすが純一だよ〜。ごめんね、疑ったりして、えへへ」
「う、うん、いやいや…あはは…」
人は、罪悪感で死ねるのかもしれない。
すまない梨穂子、僕もただ変態神に取り憑かれているだけなんだ…。
いや、多分、僕そのものが変態神なんだ。
「でも、今日多分安全日じゃないから…その〜…」
「うっ…」
今更になってとんでもないことをしちゃったという後悔と自責の念がじわじわとやってくる。
あ、変態神の子供って、変態神子じゃないか…あはは…。
…お後がよろしいようで。
「な〜んちゃって、嘘」
「え?」
「多分、大丈夫だよ。多分、だけど」
「……」
「でも、反省しなきゃダメだよ」
「はい…もう、心から反省しました」
「よろしい。じゃあ、後でケーキおごってね、純一」
「…梨穂子、お前、まだ憑かれてるぞ」
今度こそ本当に、お後がよろしいようで。
〜終〜