魔王領は言うにおよばず全ブラントラントに勇名を轟かせる女傑  
黒曜のアーシュラにも悩みはある。  
魔王領は戦争中で、しかも劣勢なんだから当然だろうと言うなかれ。  
アーシュラちゃんを悩ませている問題はもっと個人的な問題である。  
すなわち我らが剛士君が悩みの原因だったりする。  
総帥閣下という立場上、剛士が一人きりになる時間が無いのはいい。  
自分と二人きりになる時間が無いというのも、まあ、よくはないのだが、  
よいとしよう。  
問題はほとんどの時間をスフィアと共に過ごしていることであり、  
それ以外の時間も意図的に自分が排除されている事だろう。  
どうやらスフィアはアーシュラに対して警戒心を抱いているようで、  
剛士とアーシュラが二人きりになれそうな時に必ず邪魔に入ってくる。  
それがアーシュラの悩みであり、ストレスの原因になっている。  
「あやつ、いったい何様のつもりだ!」  
さらに腹立たしいのは、その警戒心が主に自分に向いていて他の  
女性陣に対しては比較的無防備という事だろう。  
フィラ・マレルは外交上の配慮としてスフィアといえども口を出しにくい  
相手というのは分かる。  
玉藻は剛士が苦手とし、助言を必要とする分野のエキスパートであり、  
外交は常に秘密主義を貫かねばならないので密談もやむをえない。  
セシエはそもそも情報分析に忙殺されて会議以外で剛士に会う機会が少ない。  
必然的にスフィアのガードはアーシュラに向けられることになる。  
それがアーシュラには気に入らない。  
参謀総長の立場を利用して二人きりになることは出来るが、  
軍人としてではなく一人の女として二人きりになりたいので  
剛士の日常を全面的に管理するスフィアを出し抜くことは難しい。  
「・・・やはり・・・私から動くべきか・・・。」  
剛士はまだ起きているだろうか?  
いや、よしんば寝ていたとして、それがどうだと言うのだ。  
豊かな胸の奥で決意を固める。スフィアに邪魔されないのは夜しかないのだ。  
そして、夜こそはヴァンピレラが本領を発揮する時間である  
 
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