深夜の廃工場に雌豚どもの喘ぎ声が響く。  
雌豚―――駅前のショッピングモールで金田がひっかけた女子高生。  
春木屋特製のピーナッツをちらつかせるとノコノコ俺たちのアジトまでついてきた。  
髪が赤い女と青い女と緑の女、全部で3人いる。  
その3人に、金田、山形、甲斐が身を重ね、思い思いに腰を振っている。  
俺はその様子をぼんやりと眺めている。  
 
「くぅうぅっ、そこ、山形くん、そこいいのぉぉぉぉっっ!」  
クスリが効いてきたのか、雌豚どもの声のボリュームアップがアップした。  
…ビッチ! 俺はそう心の中で吐き捨てると、工場の隅に行き、  
割れた窓ガラスから差し込む月明かりの下でカオリにメールを打ち始めた。  
まだ起きているだろうか。こんなところは逃げ出して、早く会いに行きたい。  
 
 
「鉄雄、なにやってんの〜。メグミちゃんのマンコすげえよ。  
 チンチンつっこむたびにさ、プッププップいうんだぜ。  
 マン屁っていうの?ウヒャヒャヒャッ!」  
「もう、やめてよ、金田くん!」  
金田とメグミとかいう赤い髪の女が近づいてくる。二人とも全裸だ。  
メグミは下の毛を全部剃っていた。  
アソコにピアスを何個かつけているのか、歩くたびにチャリチャリと音が聞こえる。  
「お前もヤラせてもらえって。すんげえ、いいから。ほら、早く、ほら」  
金田がふざけて俺のズボンを強引に脱がせようとする。  
「い、いや、俺はいいって。そんな気分じゃないから」  
そんな俺のリアクションがおもしろかったのか、メグミも加わり、  
二人で俺を押さえ込んで、いいじゃんいいじゃん減るもんじゃないしと騒ぎながら  
ジーンズとパンツをずらしていく。  
 
やめろ!やめてくれ!!  
 
露わになる下半身。  
「お前、これ…」金田が言葉を失う。  
「きゃっ、小さい!鉄雄くんのアソコ、塩がかかったナメク―――」  
 
「うああああああああああぁぁぁぁっ!」  
自らの絶叫で鉄雄は目を覚ました。全身から吹き出した汗で体がベットリ濡れている。  
慌てて周りを見渡し、いまの状況を確認する。  
オリンピック開催予定のスタジアム。  
剥き出しのコンクリートと折れ曲がった鉄筋とパイプで出来た瓦礫の山。  
その頂点、玉座に腰掛ける自分。  
そして、体に宿る神の力。  
 
笑いがこみ上げる。  
そうだ、もう誰にも馬鹿にはさせない。恐れることなど何もない。  
キヨコたちがいっていたアキラとかいうガキも、理科の実験室にあるような、ただの内臓標本だった。  
目の前に並べたガラス瓶―――AKIRAを眺めながら、鉄雄はニヤリと口端をつり上げた。  
 
 
誰かが瓦礫の山を登ってくる。  
真っ赤なバイクスーツに身を包んだ少年、金田。  
「どうしたよ、揉めごとか?」  
金田が見下した口調で鉄雄に声をかける。右手には大きなレーザー銃を抱えている。  
「ああ、でも、もう済んだんだ」  
金田の挑発を無視し、鉄雄がさわやかな笑顔で答える。  
「俺はまた心配しちまったぜ。またベソかいて泣いてんじゃ…」  
「そういえば金田」  
鉄雄はそう遮ると、マントに隠れていた右腕を露わにさせる。  
 
それは、腕というよりも触手だった。  
筋肉組織に鉄屑とミミズとムカデが絡んだような極彩色の肉の塊。  
それがシュルシュルと伸び、玉座の後ろから少女を引っ張り出した。  
少女は気を失っていた。  
「この女、知ってるか?」  
 
「ケイ!」  
金田がすぐさま鉄雄の頭部にレーザー銃の照準を合わせる。  
「おっと、こいつがどうなってもいいのか」  
ケイの首に触手がキュッと巻きつく。  
「銃を捨てろ」  
 
歯噛みする金田。鋭い眼光で鉄雄を睨みつける。たっぷり1分の沈黙の後、金田はゆっくりと銃を地面に置いた。  
金田の目の前の空間が歪む。見えない力が金田を後ろに吹き飛ばして、壁に押しつけた。  
「そこでおとなしくしてろ。しっかり目を見開いてな…クッックック」  
 
触手がケイの衣服を器用に脱がしていく。  
手のひらにちょうど収まりそうな形の良い胸肉、  
程良い肉づきの下半身、恥丘を覆う薄い陰毛。  
少女から大人へと成熟途中の艶めかしい肢体を鉄雄がじっくり観察する。  
「ちくょぉぉお、てめぇ!やめろぉぉぉ!」  
金田が見えない拘束から逃れようと必死にもがく。  
 
鉄雄の左手が肥大化し、ベッドほどの大きさのグロテスクな肉床に変異する。  
その上にケイが投げ捨てられた。  
目を覚ますケイ。全裸にされていることに気づき、慌てて股間と胸を手で隠す。  
自分の置かれている状況が飲み込めない。  
「ケイ、逃げろ!」  
身を起こして金田の声が聞こえた方向を見ようとした瞬間、  
肉布団からカイワレダイコンのように無数の触手が生えてきて、  
あっという間にケイの全身を覆った。  
「いやぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!」  
唐突な悪寒に全身が総毛立つ。  
触手は人間の中指ほどの太さで、長さは不揃いだ。  
健康な舌を思わせる鮮やかなピンク色で、表皮は粘液でベトベトにぬめっている。  
 
「たっぷり舐めちゃうよぉおお、ケイちゃぁぁぁぁん!」  
鉄雄の脳内で興奮物質が急速に生成され、瞳孔が全開になる。  
目は血走り、広い額に何本も血管が浮かびあがった。  
 
ケイの右肩から首の後ろにかけての辺りを触手がニュルリと舐めあげる。  
首筋に生えたやわらかい産毛に泡立った粘液が付着する。  
「ひゃう、やっ」  
快感。嫌悪。どちらともとれる声を漏らすケイ。  
「へ〜、ケイちゃん、首筋が感じるんだ!」  
金田にもはっきり聞こえるように大きな声で鉄雄が告げる。  
「ちがうの、なんでこんなので。ふざけないで!」  
頬を赤らめ、ケイが必死に否定する。  
「じゃあ、他のところはどうかなぁ」  
仰向けになっているため形がやや崩れた双乳に、蛇がとぐろを巻くように触手が巻きついた。  
壊れた搾乳機のように高速に乳全体をもみ上げる肉触手。  
同時に、白い粘液を滴らせた先端で、小桃色の乳首を円を描くような動きで何度も刺激する。  
 
必死に声をおさえるケイ。しかし、胸肉を刺激されるたびに沸き上がる快感をおさえられず、  
自然と体が反応してしまう。  
兄の意志を継ぎ、テロ活動に身を投じ闘ってきた自分。  
数々の危機的な状況を強靱な精神で乗り切ってきた自分。  
それなのに―――  
くやしさと羞恥に耐えきれず、ケイは涙を流した。  
築き上げてきたプライドを、醜い触手に完膚なきまでに破壊されていく。  
 
足首に触手が巻きつきVの字開脚をさせられる。  
足の指が頭の横の肉床に着くほど体を折り曲げられ、息が苦しい。  
「いいなぁ、このマンコ。こんもり肉厚で」  
鉄雄がケイの股間に顔を近づけ、ソムリエのようにクンクンと臭いを嗅ぐ。  
右手の人差し指で薬指を使って、ケイの淫唇をゆっくりと開く。  
密かに膣口から溢れ出ていた女蜜で既に肉襞はたっぷりと潤っていた。  
「なんだ、濡れてんじゃん。エロエロだねぇケイちゃん。クリトリスの皮も剥けてるし」  
鉄雄が屹立した肉豆を舌先でチロチロと舐める。  
「…ん、やっ、やめて、お願い…」  
「甘酸っぱくて美味しいな〜、触手くんにも味あわせてあげないと」  
鉄雄の舌に替わり、今度は触手の先端がケイの陰核に密着した。  
その密着した部分からゾウリムシの足のような繊毛が大量に生えて、  
ガソリンスタンドの洗車機のように、ケイのクリトリスを高速で摩擦する。  
「っくぅぅぅぅ、やめぇぇっっ、いやぁぁあぁああ!」  
 
 

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