「愛と! 勇気と! 希望の名の下に・・・・」
聖なる光の柱が乱舞し、翼を型取った冠(クラウン)、左肩を覆う緑の肩当、腕を覆う純金の腕輪が光輝く。
魔法のアイテムが3つの光に属する感情を受けて発動し、魔法の王国の王女チャチャを伝説の戦姫へと変身させていった。
「マジカルプリンセス・・・・・ホーリアップ!!」
光の力宿す聖なる弓を振りかぶり、高らかに伝説の御名を宣言する。
マジカルプリンセス・・・・
腰まで伸びる美しい黄金の髪を飾るウイング・クラウン。
袖の無い青の胴衣とその下を彩る純白の衣、左肩を覆う緑の肩当から赤いマントが風にたなびく。
胴衣と同色の丈の短いスカートから除く細くすらりと伸びた足に白地に赤い縁のブーツが履かれている。
ウイングクリス・・・不死鳥の剣と呼ばれる聖剣を構えながら戦姫は油断なく敵の方を見つめた。
「ホホホホ・・・・現れたわね。マジカルプリンセス」
その伝説の聖姫と対峙するのは女性型の妖魔。
美しいと言えるだろう。しかし成熟した女性の豊満な肉体と妖艶な色気を振りまくその妖魔の美しさはマジカルプリンセスの健康的な清らかさとは対照的なものだった。
「・・・・・っ!?」
その女妖魔の瞳を見た途端、チャチャの背筋に言いようのない怖気の様なものが奔る。
これまでも魔族の多くが自身では決して持ち得ない光の美しさをもつマジカルプリンセスに見惚れ、なかには求愛までしてきた者までいたがそれとは明らかに異質だった。
「フフフ・・・・」
獲物を見定めるような蛇の様な粘ついた視線がマジカルプリンセスの足先から頭の頂点までを舐めるように眺め、その不気味さに思わず一歩下がる。
それをかばうようにチャチャの前に出るしいねとリーヤに冷たい視線を向け女は宣告した。
「健気な子達だね・・・・だが今はお前たちは邪魔だね・・・・少し眠ってな」
「「な?」」
キラリ・・・・
真紅の魔眼が輝きを放ち、同時に二人の少年の眼が焦点を失うとあっけなく崩れ落ちた。
「リーヤ! しいねちゃん!」
「安心して・・・・その子たちには単に眠ってもらってるだけよ」
慌てるチャチャに女妖魔は笑って声を掛ける。
「優しい娘(こ)・・・・けれど、その子たちの心配をしている場合なのかしら?」
「ど、どういう意味ですか?」
ニヤニヤニヤニヤ・・・・
女妖魔の笑いがプリンセスの不安を増幅する。
―――― 一気に勝負を決めないと ――――
どこか不気味さと嫌な予感が消えず、聖剣 ウイングクリスを握った手を胸の前で逆の手と交差させて構えた。
不死鳥の剣が光を放ち――――そしてマジカルプリンセスは崩れ落ちる。
――――え・・・・?―――――
「な・・・・なにが?」
「ふふふ、残念ね・・・・貴方はもう私の罠に絡め取られているの」
両手と両膝を地面について力の入らない全身を必死に鼓舞するプリンセスに妖魔が笑いながら近づいていく。
「こ、来ないで!・・・・何を・・・・い、一体私に何をしたの?」
ウイングクリスを取り落とし、起き上がることも出来ない。それでもプリンセスは凛としたブラウンの瞳が妖魔を鋭く見据える。
「いい目ね・・・・ゾクゾクするわ。」
「あっ!」
背後に回った妖魔に蒼と白の2重の布地で構成された丈の短いスカートの上から形の良いお尻をなで上げマジカルプリンセスは背中を仰け反らせる。
「な、なにを・・・・・うっ!」
「可愛いお尻。それに細い腰ねぇ・・・・」
スリスリと細い指先がプリンセスの腰をスカートの上から優しくいやらしく撫でさすり、チャチャの背筋を悪寒にも似た奇妙な電流が駆け上がる。
「あっ・・・うんっ・・・・・や、やめて!」
「ふふふ、あらあら随分と感度がいいのね。ほんと目をつけてたとおり・・・・可愛い娘(こ)。」
細腰からお尻に掛けてゆっくりと撫でる手を休めず、妖魔はその可愛い耳朶に吐息を吹きかけ、チャチャは思わずその白い喉を反らせた。
そのままプリンセスの細い身体を抱き寄せ、岩の上に腰掛けた自分の足の間へと座らせる。
「あ、貴方はいったいなにを!?」
妖魔とは言え同性である女の予想外の行為に慌てるチャチャを妖艶な笑みを浮かべたまま、逃がさないように両腕でその細い身体を抱き締め、耳元で囁いた。
「私はね・・・・貴方みたいな綺麗で可愛い娘(こ)が大好きなの」
ゆっくりとその細い指先が頬から首筋にかけてゆっくりと撫で、逆側の手もまた触れるか触れないかのタッチで短いスカートから伸びる健康的なマジカルプリンセスの美脚を撫でさする。
「うっ・・・・くっ・・・・」
女ならではの繊細なタッチで、ゆっくりとチャチャの体の中に未だ目覚めずに眠っていた性感が揺り起こし、感じたことのない奇妙な感覚にチャチャは戸惑った。
マジカルプリンセスとはチャチャの肉体を伝説のアイテムの力でマジカルクィーン ジョアンの力に耐えられるように強化、成長した姿。
本来、2次成長を迎えたばかりで性の目覚めを知らないチャチャの肉体は、聖なる力によって女性としてはまだ途上とは言え、成熟したモノへと変化しており、それが女妖魔のテクニックによって覚醒し始めていた。
「ふふふ・・・・まだまだ女の悦びを知らないのね。いいわ。たっぷり教えてあげる」
女妖魔は白く細い首筋に唇と舌を這わせながら、未知の感覚に震え、戸惑う少女の懊悩する美しい顔を横から覗き見て笑う。
まだ膨らみ始めたばかりのしかし形良い胸を蒼い聖衣の上からそっと手を重ねるとゆっくりとまだ固さの残るそこを愛撫して行った。
太ももをさする逆の手も未だ眠る性感を引き出しながらジワジワとその付け根に向けて這い上がっていく。
「うっ・・・・ふっ・・・・あっ、な、なにこれ・・・・なんなの?」
無邪気・・・・悪く言えば能天気な変身前のチャチャより、聡明で知的な印象の強いマジカルプリンセスだが性への知識や経験は変身前と何ら変わらない。
熱にうなされた様にぼんやりと霞む意識を少しでもハッキリさせようと唯一自由になる首から上を必死に振って足掻く、美しい金の髪がその動きに合わせ大きく揺れた。
「力を抜いて・・・・感覚に身を委ねて・・・・」
あくまで緩やかな淫撫と耳元への囁く甘美な誘惑で少女の警戒と恐怖を徐々に薄れさせ取り去りながら、チロチロとその小さな耳を長い舌でくすぐり、優しく甘噛みする。
「だ・・・・めっ・・・・はぁ・・・・」
いやらしさを感じない優しいタッチ、それにより引き出される甘美な感覚がチャチャの抵抗と理性をゆっくりと崩し去ってゆき、拒絶の言葉にも力が篭らない。
「そろそろ堪らなくなってきた? 少し頂こうかしら?」
「はぁ・・・・はぁ・・・・?」
小さく呟くとそっと細いおとがいに指をかけ自分のほうを向かせる。
血を塗ったような真紅の唇を細い舌が舐め濡らすと、焦点の合わない視線でこちらを見上げるマジカルプリンセスの僅かに開いた薄い桜色の唇に重ねた。
「んっ・・・・」
妖艶な美女に肩を抱き寄せられ唇と声を奪われるキスも知らない少女の口からくぐもった吐息が漏れる。
「ん゛っ!!」
ビクン
不意に口内から自分の中の力が相手へと吸い上げられていくのを感じ取り身体が震える。
――――わ、わたしが・・・・私の力がす、吸われちゃ・・・・う――――
王家の血筋として受け継いできた魔力、マジカルプリンセスとしての強大な聖の力・・・・それが相手に徐々に奪われていく。
それに気付いたチャチャが目を見開き、唇を塞がれたまま小さく首を振って逃れようとするがおとがいに添えられた手は外れず重ねられた唇も吸い付いたように離れない。
「んんっ・・・・やっ・・・・ん・・・・ううん!!」
それどころかチャチャの桜色の唇を割って侵入してきた舌が口腔内を舐めくすぐり、その細い舌先がチャチャの歯の裏まで1枚1枚丹念になぞる。
「ん・・・・ん・・・・ちゅ・・・・」
縮こまった舌が絡め取られ、相手の口内に強引に連れ去られると、そこを舞台に湿った唾音を響かせ淫らなダンスの相手を勤めさせられた。
「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」
――――私・・・・女の人にキスされちゃった・・・・――――
「はぁ〜、なんて美味しい唇と魔力・・・・」
長い長い口虐からようやく唇を解放され、足りなくなった酸素を求め乱れた呼吸を行なうマジカルプリンセスを眺め、自らの口の周りを濡らす少女の唾液を恍惚の表情で舐めとる。
「ふふふ・・・・大魔王の命令で貴方を篭絡して捧げる筈だったんだけど、やめたわ・・・・」
女の意外な言葉にぼんやりとした目を向けるチャチャに艶然とした笑みを浮かべ、妖魔は囁く。
「こんな美味しくて可愛い子いないもの・・・・貴方は私のものよ。一生飼ってあげる」
「はぁ・・・・はぁ・・・・だ、誰が・・・・」
自由にならない身体、奪われた力、快楽に蕩ける意識・・・・それでもマジカルプリンセスとしての誇りと使命を胸に取り戻し、チャチャは鋭い視線を宿敵に向けるた。
「ほんと、強くて可愛い子・・・・けど、もう貴方は私からは逃げられないのよ・・・・」
女はニイッと深い笑みを浮かべるとチャチャの肩を抱いたまま、空いた手で蒼い胴衣の上から少女のほっそりしたお腹を円を描くように撫でる。
「さっきから何で貴方の身体が動かないと思う?」
「え・・・・? そ、それは貴方の術で・・・・」
お腹を撫でる手を止めず意味深に尋ねる女に不安を隠せないままチャチャが答える様を眺めると、女は愉快そうに笑った。
「ええ、そうね。でもねマジカルプリンセスの貴方の動きを直接封じてしまうような魔力なんて大魔王でさえ持ってないわよ」
魔族の闇の力とマジカルプリンセスの振るう聖なる力は対極に位置する。
直接打撃や魔力をぶつけ合うならともかく、呪術や麻痺、魅了の様な力はよほど力の差がなければ効かない。
「で、でも現に・・・・」
「それはね・・・・貴方の可愛いお腹の中に私の分身がいるから・・・・」
「え・・・・?」
そっと愛おしそうにチャチャの腹を撫でる女妖魔の言葉と姿に聖女は愕然とする。
「な、何を言って・・・・」
「貴方が朝方食べたご飯の中にね。混入しておいたのよ。ふふふ、変身前の貴方ってほんと簡単に引っかかるんだもの・・・・」
告げられた事実にチャチャの顔が真っ青になった。
ホーリアップ前のチャチャはよく言えば純真、悪く言えば単純。これまで何度も敵の罠や策略にかかってきた。
その度に持ち前の幸運や敵の甘さに救われてきたわけだが・・・・・今度は・・・・
「そ、そんな・・・・」
それが事実なら自分は体の中から魔族に操られている事になる・・・・そんな状態でどうやって抵抗すればいいというのか?
「教えてあげる。わたしの名前はね・・・・パラサイドのイヴ」
ゾッとするような声で女妖魔が笑う。
「パ、パラサイド・・・・?」
「そう・・・・パラサイドってのはね」
女妖魔の口が裂けるほどに開き、中からウネウネと不気味な線虫の様な虫達が蠢き、それが一斉にチャチャのほうを見て笑ったような気がした。
『寄生虫のことよ』
「い・・・・」
大口を開いたまま言葉を紡ぐ女妖魔・・・・違う。女妖魔に寄生した虫たちに背筋をこれまで感じた事も無いような怖気と不気味さが駆け上り・・・・
「いやああああああああぁぁぁぁっ!!!!」
堪らず絶叫した。
ゾッとする・・・・まさか、そんな、嘘だ・・・・アレがあんな物がじ、自分の中に・・・・
ドクン・・・・
おぞましさに自由にならない身体で暴れ、抗おうとした時だった。不意に鼓動が大きく跳ね上がり、身体が一気に熱を帯びる。
「な・・・・・っ?」
性の意味さえほとんど知らない少女の腰の奥深くが熱く重く疼いた。
濡れた桜色の唇から甘く切なく乱れた吐息が止め処も無くあふれ、未だ発展途上の胸の膨らみの頂点が固く尖り蒼い戦衣を押し上げる。
「はぁ・・・・はぁ・・・・な、なに・・・・これ?」
――――身体が・・・・熱い――――
不可解な感覚に脳が痺れ、背筋を駆け上がる鮮烈な刺激に全身がが震える。
「ふふふ・・・・幾ら貴方でも体の中に直接媚液を注がれちゃ堪らないでしょ?」
「び・・・えき?」
鼓動がどんどん早くなり、熱い血流が全身を駆け巡った。
意識が霞み、声が甘く揺らぎ、瞳に宿る強い輝きが潤んでボヤける。
「あらあら・・・・そんなことも知らないなんて・・・・いいわ教えてあげる。」
「は・・・・んっ」
耳元に甘い臭いのする吐息を吹き込まれ、それだけで白い喉を反らせてチャチャは喘いでしまう。
「ここのね・・・・可愛い私の分身が・・・・」
「あうっ!」
そっと指先でおへその下あたりをマジカルプリンセスの蒼の胴衣の上からそっと押し込まれ、それだけで迸った淫悦に身体をくの字に折り曲げ悶える。
「プリンセスの可愛いお腹の中で、貴方をと〜〜ってもエッチにするお薬を吐き出してるのよ」
「そ・・・・そん・・・・な・・・・あっ・・・・」
細く白い首筋に血のように赤い舌と唇をそっと這わせ、白い袖口の隙間から侵入し、指先でゆるやかに脇の下をくすぐった。
「気にしないの・・・・いいのよ気持ちよくなって・・・・」
「あっ・・・・はぁ・・・・でも・・・・ああっ・・・・」
暗示のようにゆっくりと囁かれる甘美な誘惑の言葉、可愛い耳たぶがその唇に甘噛みされる。
媚液に犯された性に対してあまりに無防備な少女の身体はゆっくりと嬲られながら、内に燻る甘美な灯火が静かにその炎を大きく燃え上がらせていく。
「はぁ・・・・やっ・・・・こ、こんな・・・・あ、ああっ・・・・こんなの・・・・うっ・・・・」
「ふふふ、なんて素直に反応するの? 可愛い子・・・・こんなに快楽に毒されてない子なんて今時珍しいわ」
純粋培養といってもいいほどの少女が魔法によって急成長した姿がいまのマジカルプリンセスだ。
何も知らない故に、何色にも染まっていない純白が故に、恐ろしいほどの速度で浸透していく快楽という名の猛毒。
性的快楽の存在さえ知らない無地のキャンバスが妖魔の手によって淫らに塗り替えられていく。
「今ならどんな色にだって染め上げられそう・・・・快楽以外何も考えられなくいHな子にしてあげようかしら? その純粋な心のまま、その一番奥に私を絶対の存在として刻み込んであげようかしら?」
「あっ・・・・あっ・・・・わたし・・・・わたし・・・・」
「真っ白なその心を闇の絶望に染め上げようかしら? 赤児も笑って殺すような残虐な狂戦士にしてあげようかしら?・・・・ふふふ」
湧き上がる何も知らない子を自分の好きな色に染め上げる邪悪な愉悦と欲望、それを感じ取りチャチャの心が恐怖に染まる。
こわい・・・・こわい・・・・こわい・・・・
だけど、今も快楽の炎に焦がされる身体は言う事を聞いてくれない。それどころかその甘美な感覚に期待する自分が居る。
「まぁいいわ。時間はたっぷりあるんだもの・・・・いまは・・・・」
すっとその細い手がマジカルプリンセスの頬に当てられその脅えて揺れる瞳を覗き込む。
「今は楽しみましょう? 安心して壊したりしないわ」
クスクスと笑う美しい顔があまりにも恐ろしい。
なのに逃げられない。真紅に輝く瞳から目を離せない・・・・再び重ねられる唇、先ほどにも増して湧き上がる淫悦・・・・吸われる唇、奪われる魔力、嬲られる口内。
快楽に潤む瞳は静かに閉じられ、絡み合う二つの影がゆっくりと草の絨毯の敷き詰められた草原に倒れこんだ。
「はぁ・・・・はぁ・・・・あ、ああっ・・・・」
女性が心地よいと感じる責めと場所を知り尽くした「女」ならではの繊細な手技に指技。
愛撫と淫撫の間(はざま)を行き交いながら、マジカルプリンセスの恐怖も緊張も戸惑いも何もかも取り去り、解きほぐしただひたすらに快楽に酔わせる。
「どうして・・・・私・・・・こんな・・・・ううん・・・・」
紅潮した頬、僅かに開いた口から漏れる熱く乱れた吐息、潤んで焦点の合わない瞳が蒼空を見上げる。
草と土と太陽の香りに包みこまれ身を焦がす快楽に体を捩る。眠気を誘う微風が頬と金の髪を撫でて行き、小鳥の囀りさえ心地良い。
時間も環境さえも利用し巧みに心の抵抗を取り去っていく。
この老獪な妖魔の前ではマジカルプリンセスさえ、無知な小娘に過ぎない。
「気持ちいいでしょう? 素直にその感覚に身を任せなさい。私がまだまだ貴方の知らない境地(ところ)に連れて行ってあげる」
「はぁ・・・・知らない・・・・ところ・・・・って?」
蒼い戦衣の上から小振りな胸の膨らみが女の手の平に収まりゆっくりと円を描くように愛撫される。
首筋、耳元、頬に額に眼瞼の上に振るキスの雨、ゆっくりと太ももの間がさすられその手が上に・・・・短いスカートに隠された大切な場所を目指し上がっていく。
「そっ!・・・・ん・・・・ちゅ・・・・綺麗な肌・・・・」
妖魔の腕の中でゆっくりと緩められていく真紅のマント・・・・緩んだ衣服と肌の間に細い手と舌が徐々に侵入し、染みひとつ無い白い肌の上に咲く桜色のキス跡、淫魔の征服跡が徐々に面積を増していく。
「やっ・・・・くすぐった・・・・んっ・・・・違・・・・う?・・・・な、なんなの・・・・これ?」
身の内から湧き上がる未知の感覚に翻弄され、戸惑いながらも必死に抗おうと細い首を左右に振る。
「ふふふ・・・・それはね快楽って言うのよ。」
「か・・・・かいら・・・く・・・・?あ、ああっ!!」
「ほんと・・・・何も知らないのね」
媚液によってわずかな刺激を快楽へと増幅され、しかしその未知の感覚の正体さえ知らない姫君に妖魔は囁いた。
胸や太ももを愛撫する手を大きく・・・・小さく・・・・早く・・・・遅く動かしながらその感覚を無垢な体に教え込んでいく。
「んんっ!」
ついに青と白のスカートの奥。誰の目にも、手にも触れた事の無い箇所に到達した指にチャチャの全身が電流に打ち抜かれたかのように震えた。
クチュクチュクチュ・・・・
「ふふふ・・・・濡れてるのね? エッチなプリンセス様・・・・」
「あっ・・・・あぁ・・・・ぬ、ぬれ・・・・て?・・・・・」
「あらあら、そこから教えなきゃ駄目なの? 仕方のないお姫様ね」
嫣然とした笑みを唇の端に貼り付け、するりと白い下着の中に指を滑り込ませる。
クチュリ・・・・
「あうんっ!!」
白い喉を逸らせ甘く濡れた声で鳴く姫君の紅潮した顔を見下ろし、妖魔はわざと高らかに淫らな水音を響かせながら指を下着の中で蠢かせた。
「どう聞こえるでしょ?・・・・この音がね。プリンセス・・・・貴方を気持ちよくしてあげてる証。貴方が私に気持ちよくなってくれた証・・・・」
快楽に霞む意識が女の囁く声に逆らえない。甘美に燃え崩れる身体が女の責めに抗えない。
性に対し無知な身体が開花し狂わされていく・・・・
何も知らなかった清らかな心が闇に染められていく・・・・
何も知らなかった無垢な魂が淫らに堕とされていく・・・・
細く冷たい指が熱く蒸れた下着の中で、ゆっくりと濡れた秘唇を秘芯と一緒にマジカルプリンセスの心と身体も掻き乱す。
「いや・・・・いやぁ・・・・怖い・・・・怖いの」
僅かに残った理性の警鐘に従い力なく否定の言葉を紡ぎ首を振る・・・・黄金色の髪が陽の光を映しながら緩やかに舞った。
クチュクチュクチュ・・・・
下着の中の女の指が傷つけないように、痛めないように、どこまでも優しく繊細な動きで・・・・しかし一片の容赦も慈悲さえそこには無い
「強情な姫様ね・・・・いいわ。もう貴方の体もほぐれて来たし・・・・そろそろ優しくしてあげるだけも飽きたし・・・・いいわね・・・・?」
「はぁ・・・・はぁ・・・・え?」
ゾクッ・・・・
告がれらた言葉の意味を心が魂が悟り、背筋を冷たいものが駆け抜ける。
「やっ・・・・い、いや・・・・いや・・・・」
「怖がらないで・・・・大丈夫よ」
脅え震えながら首を振る少女を見下ろし冷たい眼がニィッと哂う。
「教えてあげるわ・・・・女の私がどうやって貴方を抱くのか・・・・」
チャチャの下着の中に潜り込んでいた指がスッと静かに動き・・・・女性器の中でももっとも敏感な秘芯に触れた。
「ああっ!!」
女の細く冷たい人差し指と親指に優しく摘まみ出された小さな突起がゆっくりと男性器にするように上下に扱かれ、その度に媚液に狂わされた体に凄まじい法悦が迸る。
「あっ! やっ! 駄・・・・目・・・・そ、そこ・・・・駄目ぇっ!!」
「敏感な子・・・・ふふふ、でも本番はこれからよ・・・・さあ起きなさい私の可愛い分身」
ズクン!!
快楽に溺れるマジカルプリンセスの体の中で何かが蠢いた。
「あっ!あっ!な、何・・・・? い、いったい何・・・・なの?」
熱い血流が自身の魔力が緩やかに一点に集中してゆく。
女妖魔に摘み出され今も上下に扱かれている敏感な秘芯へと・・・・
「判るみたいね・・・・そうよ私の魔力と貴方のお腹の中の虫の力でお姫さまは今から・・・・」
ゆっくりと指の動きが大きく早くなり、そこに集中する血流と魔力もどんどん大きくなる。
「男の子になっちゃうのよ・・・・」
「あ、はぁ・・・・やっ・・・・・・・・え?」
押し寄せる感覚と違和感に忘我の域にあったチャチャの意識が紡がれた言葉の意味を理解できずに一瞬空白になった。
そして・・・・
「え? あ? うああああぁぁぁっ!!」
何かが下半身で弾け飛ぶような感覚に溜まらず高い声を上げ女妖魔の腕の中で背中を仰け反らせる。
「あ、はっ・・・・な、に・・・・い、いまの・・・・?」
「うわぁ・・・・可愛い顔に似合わず立派なのね・・・・」
「・・・・え?」
襲い掛かった衝撃に呆然としていたチャチャが妖魔の意味不明な言葉にその視線の先を追って硬直した。
「あっ・・・・う、うそ・・・・こんな事って・・・・」
可憐な顔を蒼白に染めて、怯えた視線を自分の秘唇から生える存在に注ぐ。
本来なら女性である自分にあるはずの無いモノ、しかしたしかに蒼紺のミニスカートを押し上げてテントを張り、自己を主張するのは・・・・知識としてしか知らない男性の象徴。
「私と貴方のお腹の中の分身の魔力を共鳴させれば、貴方の可愛いクリちゃんもこの通り・・・・イヤらしい、いい臭いを出しちゃって・・・・」
「い、いや・・・そ、そんな!あ、あああああっ!!」
だが、そんな事実に悲嘆する暇さえ無慈悲な妖魔は与えない。
キュッと男性器と見紛うばかり大きく反り返った桜色の秘芯を女の手に掴まれ背を仰け反らせる。冷たいその手の感触に敏感なソレがヒクヒクと震えた。
「今までずっと包皮に包まれてたからね・・・・堪らないでしょ? 私はこうやって気に入った女の子を美味しくイタだいちゃうの」
「やっ!あっ!いや・・・・いやぁ・・・・!」
敏感な神経の塊である女性器のソレは男性器等と比べるべくも無い性感の塊だ。
それを握られ扱かれては一溜まりも無い。腰が跳ね上がり、背中を女の胸に打ちつけで全身を仰け反らせる。
今までとは桁の違う淫悦に金に輝く髪を振り乱し、マジカルプリンセスは涙と汗を飛び散らせた悶え叫んだ。
「感じる? 切ない? ふふふ嫌らしい男の子になっちゃったわね。プリンセス・・・・いえプリンスちゃんかしら?」
「そ、そんな・・・こ、こんなの知らない・・・・はぁ・・・・知らないよ。あああ〜〜〜〜っ!!」
男性器と女性器では肉体に与える快感の種類があまりに違う。
女としての快楽にさえ未熟な身体が、男としての快楽も同時に与えられ、魔法王国の姫君は押し寄せる異種の二つの快感に何処までも何処までも翻弄された。
「悔しい? 悲しい? 光の戦士の頂点に立つ貴方が、低級な魔物の私にこんな醜いものを生やされて、男の子と女の子の両方の快楽に翻弄されて・・・・ウフフフ」
美しい存在(もの)をどこまでも堕とし、穢してゆく昏い愉悦に顔を笑みの形に歪める。
「もっともっと貴方を感じさせて、いっぱいいっぱいエッチにしてからいじめてあ・げ・る♪」
囁くとゆっくりとその指先をマジカルプリンセスに生やした男性器に這わし、その先端の敏感な部分を指先でさする。
先ほどの怒涛のような責めから一変して緩やかに背筋をくすぐりながら駆け上がってくる快美の痺れ。
「・・・・ん・・・・くっ・・・ぅん・・・・っ・・・・」
自由に動かない身体で必死に身を捩り、汗の滲む額を苦悶に歪めながら短い間隔で喘ぎ悶えた。。
そんなチャチャの表情を上目遣いに眺め、女は怪しく光る唇から真紅の舌を伸ばすと、さする様にくすぐる様にその先端を舐め始める。
「チュ・・・・素敵、そしてエッチなお姫様・・・・ンチュ・・・・この綺麗なスカートの下から、こんなにいやらしいモノを勃たせて・・・・」
「い、いや・・・・言わないで・・・・そ、そんな・・・・そんな・・・・わたしは・・・・エッチな子じゃ・・・・」
「ンチュ・・・・美味しい。濃くて甘くて・・・・可愛い男の子の味・・・・ン・・・・ふふふお姫様なのにねぇ・・・・」
屈辱の囁きにうわ言のように途切れ途切れに言葉を紡ぎ、小さく首を振ることでしか拒絶の姿勢を示せない。
じわじわと腰の奥が重くなり、太ももと腰が時折痙攣するかの様にに震え、湧き上がる何かを堪えるように閉じられた瞼と長い睫毛が切なげに揺れる。
「ち、違う・・・・違います・・・・私は・・・・わたしは・・・・」
「ふふふ・・・・本当に強情な子・・・・じゃあ貰ってあげるわ・・・・そろそろ・・・・」
女がすっと体を離し、草原にマジカルプリンセスを横たえる。
「はっ・・・・はっ・・・・はっ・・・・」
ようやく快楽から解放され息も絶え絶えに大の字になって虚ろな瞳を青空に向けるチャチャ・・・・そのスカートを押し上げる反り返った秘芯が荒い呼吸にあわせて揺れる。
「それじゃ・・・・頂きま〜す♪」
マジカルプリンセスの腰に跨り、狙いを定めていた女の腰がなんの躊躇いもなく勢いよく落ちた。
ヌプリッ・・・・ぬめった泥地に何かを突き込んだ様な湿った粘着音の様なものが当たりに響く。
ビクン!!
同時にマジカルプリンセスの細い身体が仰け反った。口がパクパクと開閉し、声にならない掠れた声が漏れた。
潤んだ瞳は見開かれ、その端から涙が静かに零れ落ち草地を濡らす。
「うふ、うふふふ・・・・どう? プリンセス様・・・・女の身で、女を抱いてみた気分は?」
「あっ・・・・かっ・・・・」
マジカルプリンセスの上にまたがった女が見下ろして嗤う・・・・言葉にならなかった。
下半身から湧き上がったあまりに異質で異様な感覚に打ちのめされ、自分の何か大切なものが汚されてしまった予感に涙が止まらない。
「悲しいの? そうね貴方くらいよ。処女の癖に童貞を失った淫乱なプリンセス様は・・・・ん・・・・」
「あ、ああっ・・・・だめ・・・・あ、ああ・・・・こ、こんなの違・・・・あ・・・・間違って・・・・る」
「いいわ。貴方みたいな素敵な子が羞恥と快楽に悶える顔って・・・・んん・・・・大好きなの。もっともっと苛めてあげる。見せて貴方のはしたなく悶える姿。聞かせて貴方の・・・・甘くて切ない喘ぎ声」
自分の上でゆっくりと腰を動かし始める女、動かないはずの腰がバネのように跳ね上がった。
下半身から吹き上がる鮮烈な感覚が背筋を駆け上がり、脳を灼き、意識を焦がし、理性を溶かしていく。
「あっ、ああっ、腰が・・・・アソコが・・・・と、溶け・・・・溶けちゃ・・・・あ、あああっ!!」
「いい? 気持ちいい? 貴方はね私に抱かれたの。犯されたの。大魔王を倒した伝説のプリンセス様が、低級な寄生淫虫の、そのまたメス奴隷にされた私にね・・・・」
「そ、そんな・・・・あっ・・・・そん・・・・なぁ・・・・」
悲しみの涙が溢れそれが快楽の涙へと変わる。
悲痛な声が漏れ、すぐに甘美な喘ぎ声に変わった。
堕ちる自分に悲しむ事が出来ない、恥辱に震えることも、怒りに燃える事もなにもかもが鮮烈な快楽に押し流され、呑み込まれ消えていく。
「ふふふ・・・・いい事を教えてあげる。私はね今受胎期なの・・・・そこに貴方の中にいる虫の力で吐き出される貴方の精を受ければ・・・・ふふふ」
「な・・・・に? ど、どういう・・・・事?」
腰の奥から湧き上がる堪えようもない未知の感覚。
マジカルプリンセスもチャチャも女性なら知るはずもない知るべきではない感覚に一瞬怯え・・・・すぐに快楽に蕩けてしまう。
「簡単よ・・・・貴方の赤ちゃんが私の中に宿るの・・・・」
「ん・・・・あ、赤ちゃん・・・・?そ、そん・・・・ああっ!」
「ふふふ素敵。貴方の強大な光の力が宿った私の子・・・・魔族の子・・・・どんな子かしら。貴方みたいな可愛い子だったらその子も可愛がってあげるわ。」
ゾットした信じられない。考えられない。
いやだ・・・・いやだ・・・・いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだあぁ!!
「い、いやあああああああああっ!!!!!!」
絶叫した。自分の心が砕かれるのはまだいい。自分の尊厳が落されるのもある意味自業自得だ。
だけど・・・・だけど・・・・
何も知らずに生を受ける自分の子まで穢される、弄ばれる、たとえそれが自分の意を無視した半魔族の子だとしても・・・・
「いや、いや、いやあああああああああああああああああああ!!」
「ふふふ、優しい子ね。怒りでも屈辱でも正義感でもなくて・・・・・愛情で快楽の呪縛を跳ね除けるなんて・・・・いいわ」
そっと繋がったままプリンセスの涙に濡れた頬に顔を近づけ、そっと涙を舐め取る。
「安心して・・・・愛してあげる。貴方も貴方の子も・・・・未来永劫ね・・・・」
真紅の唇に桜色の唇がふさがれ、マジカルプリンセスの瞳から焦点が霞んで消えた。
『さあ、一緒に堕ちましょう』
ズクン・・・・
注ぎ込まれる淫魔の魔力、体内で淫虫が暴れ騒ぎ、女性同士の腰の打ち合う肉音と淫らな水音が激しくなる。
腰の疼きは暴風雨と化し、奥底から湧き上がる何かが出口を求めて荒れ狂った。
そして・・・・破局はあまりにもあっけなく訪れる
「んんんん〜〜〜〜〜〜ぷはっぁ!」
自分の中から白い濁流と化して迸る聖なる力と精。跳ね上がった身体が唇を振り払う。
爆発的な放出の快楽、射精の悦び、全てを圧するその感覚の前に心も誇りも魂も何もかもが一瞬で砕け散った。
「あ、ああ、ああああああああああああああああぁぁ〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
一射では終わらない・・・・自分の中からどんどんと大切なものが性の解放とともに流れ消えていく。
自分が堕ちる先に口を開いて待っている無明の闇、退廃と背徳の地獄が垣間見えた。
なのに抗えない逃げられない。マジカルプリンセスの力の源である愛が歪められ、勇気が砕かれ、希望が潰えていく・・・・
『いらっしゃい、マジカルプリンセス・・・・快楽と絶望の世界へ』
その言葉を最後に光の戦姫の意識は闇に堕ちた。
その後彼女の姿を見たものは誰もいない。