普段からも「エッチ大好き」と公言しているように、俺も智子ちゃんも、一緒に暮らし始めると、毎日のようにヤッていた。
例えば、俺が疲れて帰ってきても、智子ちゃんは俺に求めてきた。
「おかえり。成一君。ご飯にする?お風呂にする?それとも、あたし?」
「いや・・・今日は疲れてるからエッチできねーって」「えーー!?」「俺を殺す気かよ、智子ちゃん・・・」「じゃあ、指でイカせて」「・・・しょうがねーなぁ」
でも、結局、俺のペニスは智子ちゃんを求めてしまう(笑)。
逆に、俺がやりたくてたまらなくなって智子ちゃんに「今日、しようぜ」と言い、智子ちゃんが「今日はイヤ」と答えても、結局、やってしまう。
自分で言うのもなんだが、俺って凄いと思う。智子ちゃんも凄い。
ただ、だんだん倦怠期がやってきて、智子ちゃんを抱くことに新鮮味を感じなくなった自分もいた。
智子ちゃんのことは好きだし、智子ちゃんとのエッチは気持ちいい。でも、違う女ともやりたいのが男の性なんだ・・・。そう、俺は勝手に思っていた。
だから、俺は何度か浮気した。
最初は、智子ちゃんへの申し訳ない気持ちでいっぱいだった。でも、本気じゃない、ただの浮気。そう思うと、罪悪感は薄くなった。
浮気相手とは、たいてい一夜限りで終わる。俺がナンパした子や逆ナンしてきた子がほとんどで、安いラブホに行った。智子ちゃんには同僚と飲むと嘘をついていた。
「お前、彼女のこと大事にしろよ」と、口裏あわせを頼んだ同僚に咎められることもあったが、「いいんだよ。智子ちゃん、気づいてないし、智子ちゃんと別れるつもりないし」と流していた。
浮気を何度も繰り返すと、罪悪感てやつは全く感じなくなってしまう。それどころか、スリルすら感じてきた。このまま智子ちゃんにばれなければ・・・と思った。
同僚に「いつか、大事なもん逃すぞ」と言われたことも気にならなかった。智子ちゃんが俺から離れていくとは思わなかった。
今にして思えば、なにを根拠にこんな自信があったのかわからないが、当時の俺は智子ちゃんに愛されてる実感があった。
俺は、浮気を止めなかった。ばれていないのをいいことに、かなり遊んだ。
さすがに智子ちゃんとのエッチの回数が減った。
「成一君・・・浮気してる?」ギクっとした。「な、なんで?してないよ」
「嘘。だんだんあたしに飽きてるでしょ」「そんなことないって」「成一君、あたしとヤッてる時、めんどくさそうだもん」
「はぁ?そんなことねーよ」「しかも・・・寝言で違う女の名前呼んだことが何回かあった。しかも、毎回違う女の名前」
(うわ・・・・マジ?・・・)
俺はあせった。智子ちゃんには浮気がばれていた。
「何で浮気するのよぉ・・・」「ごめん、悪かったよ。でも、浮気なんだからさ、本気じゃないし」
「はぁ!?何言ってんのよ、馬鹿!!」智子ちゃんに思いっきり殴られた。
「痛ってーな!あやまってんじゃねーかよ!」「馬っ鹿じゃないの?!謝って済むなら警察いらないわよ!」
「何でだよ、本気で悪いと思ってるっつってんだろ!」「最低!!逆切れしてんじゃないわよ!!成一なんかどっか行け!!」智子ちゃんの蹴りが入る
。「・・・この暴力女!!別れりゃいいんだろ!?」
智子ちゃんは泣いてた。この時の俺は、本当にどうしようもないダメ男だったと思う。
自分で勝手に浮気して、それがばれて逆切れ・・・最悪だ。
智子ちゃんを傷つけていることはわかっていた。でも、俺は自分を正当化したかった。そうでなければ自分の情けなさに耐えられなかった。
俺は智子ちゃんに愛されてると思ってた。だから、何があっても智子ちゃんがついて来ると思ってた。
俺は荷物をまとめて、智子ちゃんの部屋を出た。
俺は、逆ナンしてきた女子大生とホテルに入った。
智子ちゃんのことは考えないようにしようと思った。
「あん、そこ、ダメぇ・・・」「やん、そこ・・・ああん」「あっ、あっ、あああん、や・・・ん」
女子大生は雑誌のモデルをしてるとかで、すげーいいスタイルだった。
フェラも上手いし、感じやすいし、俺は指と舌でガンガン攻めた。
そして、「いい?入れるから」と言いながら、自分のペニスをその女のアソコに一気に入れた。
はじめは正常位で突いて、次に後ろから思いっきり攻めた。次にやった騎乗位のとき、智子ちゃんのことを思い出した。智子ちゃん、ぽっちゃり体型だったなぁ・・・あれが心地よかったなぁ・・・なんて思った。
俺にまたがって、ガンガン腰を振る女が、智子ちゃんなら良かったのに・・・と思った。
俺のペニスを挟んでくれるあの胸が大好きだった。
でも、もう終わったことなんだ。
俺は、智子ちゃんへの思いを振り切るように、激しく腰を動かし、女を言葉攻めにした。
「はぁッ・・・どうした、もっと腰振れよ」「あッ、あッ、もうダメ・・・あん」「はぁはぁ・・・もっと激しく・・・」
「ああっ、イク、イク、はぁっ・・・ああん、あうっ」大きな喘ぎ声を上げ、女はイッた。
そのあとも何度も突いた。シックスナインで女のアソコに舌を入れ、むさぼるように舐めた。俺のペニスも女に舐められ、咥えられる。
また、智子ちゃんを思い出した。
いつも「成一君、愛してるよ」って言って、俺のペニスをしゃぶる智子ちゃんが愛しかった。
おいしそうに俺の精液を飲む智子ちゃんが可愛かった。
俺は・・・智子ちゃんのことを考えながら・・・別の女の口の中でイッた。
「木村くんて思ったとおりに男っぽいっていうか、野獣って感じ。超燃えちゃった」
さっきまで俺の思うままにされていた女子大生が言った。
「ねえ、またエッチしようよ。セフレになろうよ」「・・・いいけど」
「あっ、でも、彼氏は他にいるから」「あ、そ」「木村くんの彼女っていつもこんなにイカしてもらってるなんて羨ましーい」「・・・・・」
それから、いろんな女のところを転々としたけど、いつも智子ちゃんのことを考えながらイッていた。
勝手だけど・・・俺は智子ちゃんを抱きたかった。智子ちゃんとセックスしてるときほどの幸福感は、他の女では感じられなかった。
「お前さ、彼女とやり直さないの?」同僚に言われた。「もう無理だよ」ため息混じりに言った。
もう、二度と智子ちゃんを抱けない。頭ではわかった。俺は、智子ちゃんを裏切った。傷つけた。俺は最低だ。
でも・・・智子ちゃんに会いたい。会って抱きしめたい。
もしかしたら、男と一緒にいるのかもしれない。今頃、俺じゃない、他の男とのセックスを楽しんでるのかもしれない。
他の男にあのデカイ胸をわしづかみにされる智子ちゃん、ピンク色の乳首を吸われる智子ちゃん・・・。
他の男の前で足を広げる智子ちゃん、他の男にアソコを触らす智子ちゃん、アソコを舐められ喘ぐ智子ちゃん、
アソコに指を入れられて愛液を垂らす智子ちゃん、俺以外の男のペニスをアソコに入れられてイク智子ちゃん・・・。
俺の妄想はふくらむ。
他の男のモノを咥える智子ちゃん、他の男の射精を顔に受ける智子ちゃん、
他の男の精液をおいしそうに飲みながら「愛してる」という智子ちゃん・・・。
俺は我慢できなかった。他の男に奉仕する智子ちゃんを考えると、自分のペニスが反応したが、他の男には渡したくないと思った。
俺は智子ちゃんの部屋へ走った。久しぶりの智子ちゃんのマンション・・・。
智子ちゃんはまだ帰宅していなかった。
俺は、ドアの脇に座り込んで、智子ちゃんの帰宅を待った。
「成一・・・くん?」
気がつくと、智子ちゃんが目の前に立っていた。
「智子・・・ちゃん・・・」「成一君、どうしたの・・・」
久しぶりの智子ちゃんだ。
「智子ちゃん・・・俺、智子ちゃんじゃなきゃダメだ・・・」「えっ・・・」「智子ちゃん・・・」
俺は、智子ちゃんに強引にキスした。
「ごめん。もう浮気しない」「・・・嘘」「・・・たぶん」「たぶん!?」
「あ、いや、二度としません」「本当に?」「約束します」
そこまで言うと、智子ちゃんのほうからキスしてきた。そして、ふたりで見つめあい、もう一度キスした。
その夜、智子ちゃんを久しぶりに抱いた。やっぱり安心した。
「智子ちゃん・・・俺、智子ちゃんから離れらんねーわ」
「成一君が勝手に離れたんじゃない」「だーかーら、謝ってんだろって」
そう言いながら、俺は智子ちゃんの胸に顔を埋める。
「俺と別れてる間、他の男とやった?」「え、いや、やってないよ」「ホントに?怒らないから正直に言えよ」
智子ちゃんはバツが悪そうに「うん・・・やった」と言った。
「マジかよ!!おい、誰とやったんだよ」「怒らないって言ったじゃない」「・・・気になるじゃん」「じゃあ、成一君が誰とやったか言って」「俺!?」
(俺・・・いろんな女とやったからなぁ・・・)
「女子大生とか、OLとか、そんな感じ。でも、いつも智子ちゃんの顔が浮かんできた」「・・・あたしも・・・あたしも成一君のことしか考えられなかったよ」
「で、智子ちゃん、どんな男とどんなことをしたのか言いなさい」「・・・合コンでお持ち帰りされて・・・ホテルで・・・いろいろ」
「うわ、なんかムカついてきた」俺は智子ちゃんの胸を揉みながら言った。
(俺が浮気してる間、智子ちゃんはいつもムカついてたんだよなぁ・・・)
「成一君・・・もう他の女の子としないでね」智子ちゃんが俺を抱きしめた。「行かないよ・・・」俺は智子ちゃんに長いキスをした。
そして、言った。「・・・他の男のところへなんて・・・行くなよ」
激しい夜だった。出会った日と同じくらい、いや、それ以上に激しい夜だった。
智子ちゃんを体中で愛した。俺も体中で愛された。
愛が溢れて、体がとろけそうだった。
智子ちゃんは何度も「愛してる」って言ってくれた。相変わらず、俺は「愛してる」も「好き」も言わなかった。でも、わかってくれていると思う。
果てて寝入った智子ちゃんの髪を撫でながら、「愛してる」と呟いてみた。
こんなに誰かを愛しいと思ったことはなかった。
初めて女を知った16歳のときから、いろんな女を抱いてきた。好きだと思った女もいた。
問題ばっか起こして高校を退学になって、親ともうまくいかなくて、家を飛び出した。
それからは、自分で言うのも恥ずかしいが、当たりかまわず女とヤッた。
でも、俺は智子ちゃんと出会っちまった。
これから先、何があっても、智子ちゃんと一緒にいたいと思った。
この段階で、俺はまだ「結婚」なんて考えられなかった。
自分がまだまだガキだってのはわかってたし、ただ、このまま同棲して智子ちゃんと一緒にいたかった。
しかし、智子ちゃんの体に異変が起き始めていることに、俺も、そして、智子ちゃん自身も、まだ気づいていなかった。
俺と智子ちゃんの運命を左右する・・・大事件だった。それもこれも、俺がだらしないのが原因だった。
そう―――、智子ちゃんのお腹の中には、俺の子供が・・・出来ていたんだ。
それを知るのは、もう少しあとのことになる。
(つづく)