「榎木君?」  
七海の問いかけにやはり拓也の返事は返ってこなかった。  
変わりに小さな寝息だけが聞こえてくる。  
(完全に寝ちゃったみたいだね・・・)  
七海は少し残念だった。  
自分も布団に入ると独り今日の一日を振り返った。  
 
 
「ねえ榎木君、今日僕んちに泊まりに来ない? 明日の昼までお母さんが留守で  
僕一人だから、ゆっくりゲームでもしないかな?」  
こんな時、拓也の返事は決まって真っすぐなものではなかったが、  
この時は意外と快い返事が返ってきたのだった。  
「ええっ、いいの? 僕のパパ今日は早く帰るって言ってたから実のことは大丈夫  
だと思うし」  
「じゃあ決まりだね」  
 
二人は七海の母が用意していった夕食をとると居間でテレビゲームに夢中になった。  
(榎木君ってやっぱりいいなぁ)  
「ああっ、ほら竹中君、やられちゃってるよ」  
「えっ!! あっ、 駄目だ〜」  
珍しく実の世話から開放されて屈託のない笑いを見せる拓也に、  
七海はときどきゲームを忘れて魅入ってしまうのだった。  
 
時計の針が10時を回る頃、二人の口数も次第に減ってきた。  
「ねえ榎木君、お風呂沸いてるけど入ってきたらどお?」  
その一言を発するのには少なからず心臓がどきどきした。  
といっても拓也と一緒に入ろうなどということは全く考えなかった。  
なぜなら、自分が拓也の前で裸になるという事が余りにも恥かしいからだ。  
「ああ、そうだね。じゃあ先に入ってもいいかな」  
一方、拓也の言葉は何の躊躇もないものだった。  
七海は拓也を浴室へと案内した。  
「じゃあごゆっくり」  
そう微笑んだ七海に対して拓也は  
「竹中君、覗かないでね」  
それは単なる拓也のユーモアにすぎなかったが、七海は全てを見透かされたと感じ、  
思わず飛び上がった。  
「なっ、な、な、何いってるんだよ榎木君!! そ、そんなエッチなこと!」  
色白な七海の顔は一気に紅潮した。尋常でない七海のリアクションにも拓也は驚く  
様子はなく、にっこり笑いながらドアをゆっくりと閉めた。  
 
七海は自分のとった言動があまりに不自然なことに気づき、いっそう恥かしくなって  
一目散にその場を離れた。  
居間に戻ると、ゲーム機と御菓子のくずを片付け、掃除機をかけた。  
頭の中ではさっきの出来事が何度も繰り返し再現され、心臓が高鳴った。  
(僕、覗いたりなんかしない・・・ でも・・・)  
掃除機のスイッチが入ったまま、七海の動きは止まっていた。  
(あの榎木君が、お風呂に・・・入ってるんだ・・・)  
いつからだろう、七海は拓也の顔、声、しぐさの全てを美しいと感じ、  
拓也の体のことをあれこれ想像する事が密かな愉しみになっていたのだった。  
そして、同じ男の子にそのような感情をもつことが一般的でない事も、  
そういったことがいわゆる性の現れであるということも、まったく知らなかった。  
しかし、そういう想像をすることが恥かしい事ということは本能的に感じていた。  
(榎木君が今・・・)  
その事実をかみしめると、拓也の入浴している姿が何時にもまして強く脳裏に  
浮かんできた。  
想像する以上の事は何も知らない七海は、ただ頭の中にある拓也の体を  
見つめるばかりだった。  
どのくらいたっただろう、急に掃除機の音が耳に飛び込んできて我に帰った。  
「いけない、いけない。早く片つけなきゃ」  
 
隣の畳の部屋に布団を敷き終えたところへ、パジャマ姿の拓也がタオルで頭を  
拭いながら戻ってきた。  
「や、やぁ、早かったね」  
「そうかな? けっこうゆっくり入っちゃって、あー気持ちよかった」  
七海は懸命に拓也の顔から眼をそらそうとしたが、拓也の体から立ち登る湯気と  
石鹸の匂いは否応なく七海を包み込んだ。  
「そ、そう。じゃあ僕入ってくるから、榎木君こっちの布団ね、休んでてよ」  
「うん、ありがとう」  
七海は逃げるように浴室に走った。  
 
(僕、さっきからおかしなことばかり言って、榎木君に絶対変に思われてるよ。  
落ち着かなきゃ)  
衣服を脱いで風呂場に入ると、その思いとは逆にますます七海の頭の中は混乱  
し始めた。  
たった今しがた拓也が体を洗い流した場所に、同じ姿で自分が座っていることに  
何とも言えない興奮を感じた。  
七海の妄想はますます強くなっていった。  
 
(榎木君が裸でここに・・・)  
七海は想像の中の拓也に自分を重ね合わせながら肌を泡で撫でていった。  
(榎木君のここってどんななんだろう)  
七海は自分の中心部にも手を這わせた。わずかに生長の兆しを見せはじめたその  
部分になんだかいつもよりくすぐったい感じを覚えたが、とくに気には止まらな  
かった。  
体を洗い終わると、まだ全く澄み切ったままのお湯につかり眼を閉じた。  
(榎木君が浸かった湯。なんだか榎木くんに包まれてるみたい・・・)  
何時までもこのままじっとしていたと思った。  
(榎木君とづっと一緒にいたい。でも、明日には帰っちゃうんだ。残念だな・・・)  
七海はふと、この後拓也と隣り合って床に着くとのだという、当たり前の予定が  
気になりだした。  
(そっか、榎木君と二人きりで寝ることになるんだ・・・)  
七海は布団に入って同じ天井を見ながら拓也と会話する自分を想像していた。  
落ち着き始めていた胸が再び高鳴りだすのを感じた。  
「冷たっ!」  
七海の肩に天井から滴が一つ落ちてきた。  
 
脱衣室を出ると、かすかにテレビの音が聞こえていた。  
(やっぱりまだ起きてくれてたんだ)  
しかし畳の部屋に戻ると、拓也はうつ伏せになって眠っていた。  
「榎木君?」  
返事は無かった。七海は思わずくすっと笑った。何でもきちんとしている拓也がテレビを  
消し忘れてそのまま眠ってしまっているのが可笑しかった。  
(きっと弟君の世話や家のことで毎日疲れてるんだろうな。榎木君は勉強も  
きちんとやってるみたいだし)  
七海はテレビを切って電灯の明かりを小さくすると歯を磨いた。  
戸締りを確かめて再び部屋に戻ると、拓也は同じ格好で寝ていた。  
もう一度名前を呼んでみたが、やはり返事は無かった。  
(すこし残念だな。もっとおしゃべりしたかったのに)  
七海は布団に入った。  
 
眼を瞑っていると、いつの間にか横で寝ている拓也の寝息に意識が集中した。  
また耳なれない時計の振り子の音と、自分の部屋のベッドとは違う敷布団の感触が  
相まって、なかなか気持ちが落ち着かなかった。  
突然、時計の鐘がなり全身の神経に響く感じがした。  
(もう1時なんだ。ちっとも眠れやしない)  
その時、隣で拓也の布団が動く音がした。  
横を見ると拓也は寝返りをうち仰向けになっていた。掛け布団が乱れ、  
体の片側半分があらわになっていた。  
七海が拓也の布団を整えようと起き上がると、すっかり闇になれた目に  
拓也の寝顔が飛び込んできた。  
まだ湿り気を含んだ前髪が無造作に額を覆い、小さく開いた口からは  
かすかに白い歯が漏れていた。  
初めて見る拓也の無防備な表情に七海はどきりとした。  
(榎木・・・くん・・・)  
七海はごくりと唾を飲み込んだ。拓也の表情に吸い込まれるように  
七海の顔は拓也に接近していった。  
拓也の暖かい吐息が七海の顔にかかる。  
(はみがき粉の匂い・・・)  
七海は拓也の唇を凝視していた。  
七海はこの時初めてキスというものの意味が分かるような気がした。  
(だめだ、そんな事して榎木君が目を覚ましたら大変だ)  
七海はようやく顔を離した。  
拓也の掛け布団へと手を伸ばすと、再びどきりとした。  
紺色のパジャマが乱れ、腹部に白い肌がのぞいていた。  
掛け布団の端を掴んだまま、七海の目は拓也のお腹に釘付けになっていた。  
 
(もう少し・・・見てみたい・・・)  
七海の鼓動は次第に早くなってきた。  
(大丈夫、ぐっすり寝てるから起きないよ)  
実際、拓也のゆっくりした寝息は眠りの深さを示していたが、  
七海は必死に自分にそう言い聞かせた。  
七海は整えるはずだった掛け布団をゆっくり反対側へ動かす。  
ズボンのお腹の部分からは、下着と思われる薄い色の布が僅かにはみ出ていた。  
自分が目にしているのもの前に七海の理性はあまりにも無力だった。七海はもう後戻り  
できない事を感じた。  
七海は静かに拓也の下半身の横に移動すると、拓也の股の中心に目を移した。  
(榎木君の・・・おち○ち○・・・見たい・・・)  
その卑わいな言葉をつぶやくといっそう興奮を覚え、体中が熱くなった。  
乱れる呼吸を必死に整えながら、身を乗り出し、ゆっくりと両手を拓也の  
腰に伸ばした。  
 
ズボンの両端に手が届くと更に息苦しくなる気がした。  
震える手でゆっくりズボンを下げていく。  
拓也の体温に混ざり、真新しい衣服と石鹸の匂いを鼻に感じた。  
ズボンにつれるように下着が下がりだすと、七海の鼓動は  
一気に激しくなった。  
(榎木君・・・)  
だんだんと目に入ってくる拓也の下腹部は、もはや普段他人の目に決して  
触れることの無い特別な部分だった。  
七海はこの時自分の体に起こっている異変に気が付き始めていた。  
七海のまだ幼いペニスは固さと大きさを増していき、おしっことは違う  
何かが出口を求めて待っているような、  
むず痒い感覚が起こっていた。  
さらに下着を降ろしていくと、腰の両側に足の付け根を示す斜めの谷が見え始める。  
拓也のあまりにいやらしい姿に、七海の興奮は最高潮に達しようとしていた。  
 
ズボンの両端に手が届くと更に息苦しくなる気がした。  
震える手でゆっくりズボンを下げていく。  
拓也の体温に混ざり、真新しい衣服と石鹸の匂いを鼻に感じた。  
ズボンにつれるように下着が下がりだすと、七海の鼓動は  
一気に激しくなった。  
(榎木君・・・)  
だんだんと目に入ってくる拓也の下腹部は、もはや普段他人の目に決して  
触れることの無い特別な部分だった。  
七海はこの時自分の体に起こっている異変に気が付き始めていた。  
七海のまだ幼いペニスは固さと大きさを増していき、おしっことは違う  
何かが出口を求めて待っているような、  
むず痒い感覚が起こっていた。  
さらに下着を降ろしていくと、腰の両側に足の付け根を示す斜めの谷が見え始める。  
拓也のあまりにいやらしい姿に、七海の興奮は最高潮に達しようとしていた。  
そして、いよいよ拓也の最も恥かしい部分がさらけ出されようとする時、ペニスの  
むず痒い感覚は一転して強烈な快感へ上りつめようとした。  
七海はついに拓也の衣服をひと思いにずり下げた。  
 
「あぁっ・・・」  
七海の目に飛び込んだ、余りに刺激的なそれは、直接彼のペニスにうち響いた。  
「びゅっ びゅるっ びくん びくん びくん・・・」  
ペニスが激しく痙攣し、そのたびに快感の余り目が回った。痙攣は何度も続き、  
次第に下着が濡れていくのを感じた。  
七海は懸命に拓也と自分の同じ部分に意識を集中しようとしたが、  
そのまま気を失っていた。  
 
 
気が付くとまぶたに淡い朝の光を感じた。  
慌てて上体を起こすと七海は自分の布団の中にいる事に気づいた。  
隣には綺麗に畳まれた布団だけがあった。  
(夢・・・だったのかな・・・)  
そこへ足音がして普段着姿の拓也が入ってきた。  
「竹中くん、おはよう」  
「お、おはよう」  
「ごめんね、僕そろそろ家に戻らないと」  
「う、うん」  
起き上がろうとする七海を制して拓也は言った。  
「あ、いいよ、ゆっくり寝てて」  
「う、うん」  
「色々ありがとう。じゃあ、また明日学校で会おうね」  
「・・うん、さようなら」  
まだぼんやりした頭で遠ざかる拓也の足音を追い玄関のドアが閉まるのを聞いた。  
七海ははっとして布団をはね除けた。  
パジャマの上から股間に手を当てると、下着は湿っていた。  
 
完  
 

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