残暑の厳しい、日曜日の昼下がり。
きっかけは成一の一言だった。
「智子ちゃーん、見てみろよ、この女すっげぇセクシー!小顔美人ってやつ?いいよなあ・・・」
のんびり寝転がって、テレビに出てきたアイドルを見ながら成一が言った。
アイロンがけをしていた智子の手が、ぴたっと止まる。
「成一くーん・・・」
「(やべっ)いや、なんでもないよ、ははは・・・じゃ、ちょっと散歩でも行ってくるわっ!」
殺気を感じた成一は、寸前で家からの脱出に成功した。
「二度と帰ってくんなっ!」
玄関までおっかけて怒鳴った智子は、居間に戻ると、ふぅ、とため息をついた。
テレビでは先程のアイドルが映っている。
「そりゃ確かに細くて可愛いわよね・・・」
鏡に映る自分の姿と見比べながら、そうつぶやいた。
誤解の無いように言っておくと、智子は実際にはそんなに太っているわけではない。
世間的には十分、「標準」の範囲に入るだろう。
少なくとも体重は標準体重の範囲に入っているのだ。
胸のサイズは標準を大きくオーバーしていたけれども。
「わたしもあれくらい細ければ、成一君もあんな風に言わないのかな・・・」
しかし、本人がそう思っていなければ仕方が無い。
家事に手をつける気にもならず、しばしぼーっとする智子。
「小顔かあ・・・」
そういえば、ウエストは何度も挑戦して挫折しているが、顔は挑戦した事がない。
とはいえ、テレビの通販番組でやってるエステ商品を買うほど、家計に余裕も無い。
首をひねって考えていた智子だったが、やがて高校時代の友達が言っていたある方法を思い出した。
「わかった!そうよ、あれを試してみればいいんだわ!」
晴れやかな笑顔で、決意も新たに仁王立ちする智子。
「そうと決まれば、善は急げよ!」
そう宣言すると、智子は全力ダッシュで部屋を飛び出した。
取り残された太一が、「あだあだ」と言いながら指をくわえていた。
善は急げと飛び出した智子が向かったのは、向かいの榎木家である。
チャイムを鳴らすと、ややあって榎木拓也が出てきた。
Tシャツに半ズボンという、いかにも小学生らしい(?)格好だ。
「あ、智子さん。こんにちは」
「こんにちは。ちょっと上がってもいいかしら?」
「うん、いいけど・・・今、パパはいないよ」
「あれ?どうしたの?」
「仕事が忙しいらしくて・・・今日も会社に行ってるよ」
「偉いわよねえ・・・どっかの誰かさんとは大違いだわ」
うなだれる智子。
「パパに用事だったの?」
「うーん、でも拓也君でもいいの。ちょっと手伝ってほしいことがあって・・・とにかく、あがるわね」
と、強引に智子は居間に上がり、腰をおろした。
拓也が台所から麦茶とコップを二つ携えてやってくる。
「拓也君、そんなに気を使わなくていいわよ」
と言いながら、出された麦茶を一気に飲み干す智子。
それを見て、拓也がコップに麦茶を注ぎ足す。
「そういえば、実君もいないみたいね」
「うん、一加ちゃんのところに遊びに行ってる。帰ってくるのは夕方くらいかな」
「ふーん・・・」
「ところで、手伝ってほしいことって何?」
「実はね、うちの成一が小顔の子が可愛いとか言い出してね、それで私も小顔を目指そうと思って」
「はあ・・・」
話が微妙なだけに、拓也は反応ができない。
「で、昔友達に、いい方法を教えてもらったんだけど、一人じゃ出来ないのよね。そこで、拓也君に協力してもらおうと思って」
晴れやかな笑顔で訴えかける智子。
その笑顔に、拓也は思わず頷いてしまった。
「うん、僕でよければ」
「ありがとう!」
拓也を思わずぎゅっと抱きしめる智子。
拓也はびっくりして顔が赤くなっている。
「と、智子さん!?」
びっくりしてじたばたする様子に、慌てて手を離した。
「ごめんね。嬉しかったもんだから、つい・・・」
(恥ずかしがりやなんだ・・・可愛い・・・)
見れば、拓也の顔はまだ真っ赤だ。
「そ、それで、どうすればいいの?」
「そうね、とりあえず、ズボンを脱いで」
「ええっ!?」
いきなりとんでもないことを言われ、びっくりする拓也。
「フェラチオって知ってる?あれをやると頬が引き締まって、小顔になれるんですって」
突然出てきたエッチな単語に、拓也は首まで真っ赤になってしまう。
「あら、フェラチオってなんだか知ってるんだ。意外と大人なのね」
そんな拓也を見ながら、智子は微笑む。
「じゃあ、話は早いわね。ズボン脱いで」
「そ、そんな・・・そういうのは好きな人とするって・・・」
「わたしのこと、嫌い?」
「・・・」
黙って首を振る拓也。
「じゃあいいじゃない」
「で、でも・・・」
「だって、協力してくれるんでしょう?」
智子は平然と言う。
その落ち着き払った態度に、拓也は自分が何か悪い事をしているかのように感じてしまった。
「いいのよ、じゃあ拓也君が学校帰りにしてる事、お父さんに言いつけちゃうから」
「!そ、それは・・・」
拓也の抵抗心が弱まる。
「ふふふ・・・大人しく協力してくれたら、黙っておいてあげるわ」
「で、でも、恥ずかしいし・・・」
「大丈夫よ、痛くしないから・・・!」
と、次の瞬間、智子は普段からは想像もつかないような俊敏さで拓也を押し倒した。
「あっ!」
仰向けに倒れた拓也の、ちょうど腰のあたりに、智子がまたがるような格好になった。
そのまま智子は、流れるような動きで拓也の両手を、自分の手でそれぞれ押さえつけた。
拓也は腕を曲げて万歳をしているような、そんな格好になっている。
智子の豊かな胸が拓也の胸板にあたる。
智子もTシャツしか着ていない。
しかも、家にいて外出予定もなかったため、ブラをつけていなかった。
柔らかな感触が、拓也の理性を吹き飛ばそうとする。
「と、智子さん・・・」
「ふふっ、緊張してるのね・・・大丈夫よ」
優しく微笑むと、智子はそのまま拓也の唇に、自分の唇を重ねる。
「うふふ・・・拓也君のファーストキス、もらっちゃった」
実際には違うのだが、拓也はつっこまない。
というよりも、そんな事をしている余裕がなかった。
ほんの十数センチの距離に、智子の顔がある。
眼鏡越しに映る瞳は、優しく拓也を見据えていた。
髪の毛がかすかに拓也の頬をくすぐる。
そこからただよう甘い香りは、大人の女性の香りだった。
拓也は自分の心臓が、ドキドキするのが聞こえるかのようだった。
再び智子の唇が、拓也の唇に重ねられる。
「んっ・・・」
年齢のせいか、深谷しな子や槍溝愛と比べて、智子の肉厚な唇は弾力性では劣った。
だが、しっとりとしたその感覚は、彼女達には無い艶っぽさを感じさせる。
それが拓也に、「大人の女性」という印象を与えた。
智子はそのまま舌を割り入れ、舌と舌を絡ませる。
ぴちゃぴちゃという音が響き、それがより二人の感覚を刺激する。
その間に智子は手を動かし、左手だけで拓也の両手を押さえた。
そして、自由になった右手を、拓也の耳にあてがう。「あっ・・・」
そのまま耳の裏を指でなぞるように前後させる。
舌の動きとシンクロしたその動きは、本当はくすぐったいはずなのに、なぜか拓也の官能を刺激する。
背中にぞくっとした震えを感じ、身をよじるのだが、智子の唇はけして離れない。
巧みに口の中を動き回り、拓也を責める。
「んんん・・・はぅっ・・・」
智子の指は耳から首筋を伝って鎖骨へと至る。
(線が細いわね・・・まだ小学生だからかしら。女の子みたいだわ)
シャツの上から鎖骨を軽くなぜると、指は再び首筋から耳へと戻る。
「ひぁっ・・・ううぅ・・・あっ・・・」
指が耳と鎖骨との間で動くたびに、拓也は声にならない声をあげる。
その間、智子の唇はずっと拓也の口をふさいだままだ。
指が十回ほど往復した頃だろうか。
智子は拓也の耳を、優しく絡め取るかのようになでる。
そして唇を離し、反対の耳に寄せ、耳たぶをゆっくりとなめ上げた。
「あ・・・っ!」
拓也の体がびくっと震える。
もはや拓也には抵抗できるだけの気力は残されていなかった。
されるがままといった状態で、全身の力が入らない。
智子は拓也の手を押さえていた左手をゆっくりと離した。
そして、拓也の顔の横に両手をつき、そのまま覗き込むようにして顔を近づける。
「うふふ・・・もうすっかり気持ちよくなっちゃったみたいね」
智子は嬉しそうに微笑む。
一見子供っぽいのだが、その中に大人の色気を感じさせる表情。
そのギャップが余計に扇情的で、拓也にさらなる興奮を与える。
智子にとっても、拓也の反応は刺激的だった。
刺激の一つ一つに敏感に反応し、身体を震わせ、喘ぎ声を上げる。
(あー、ほんと可愛いわー。いっそこのままやっちゃおうかしら・・・)
危険日である事に気付いて思いとどまっているが、当初の目的が多少ずれつつあった。
「そんな風に気持ちよさそうにしてると、もっと気持ちよくしてあげたくなっちゃうな・・・」
くすっと笑って、智子はもう一度唇を押し当てる。
拓也は抵抗することなくそれを受け入れる。
続いて智子は、拓也のTシャツをの裾に手を入れ、乳首を軽くなでた。
「んあっ・・・!?」
突然の刺激に敏感に反応する拓也。
「気持ちいいのかな。もうこんなに硬くなってるよ」
「・・・あっ・・・んっ・・・・・・」
智子の指は、円を描くように、胸板を指でなぞり、時々軌道を変えて乳首を刺激する。
そのままシャツをめくると、乳首にそっと口付ける。
舌先でつつくように、敏感な突起を刺激する。
「と、智子さん・・・くすぐったい・・・あうっ・・・」
「じゃあ、もっと別の所ね」
と、智子は唇を離した。
「そんなに寂しそうな顔しないで」
拒否したはずなのに、心のどこかが残念がっている。
気付かぬうちに、表情に出ていたのだろうか。
指摘されて、拓也は余計に赤くなった。
その表情を見ながら、智子は身体をずらし、拓也のズボンの上に右手を置く。
「はうっ・・・!」
既に興奮の高まっている拓也には、ズボンの上からのタッチだけでも、十分な刺激になったようだ。
先ほどから激しく自己主張を続けていたそこが、さらにつっぱる。
「拓也君、そんなに可愛いのに・・・ここはすごく元気なのね」
智子は喋りながら、もう片方の手でボタンを外すと、ズボンを一気に下ろした。
「あっ!」
白いブリーフは、既に拓也のカウパー液で大量に濡れていた。
(小学生だと思ってたら・・・結構大きいのね・・・)
突き破らんばかりの勢いで、ペニスがブリーフを押し上げている。
「こんなに濡らしちゃって・・・よく我慢できたね、えらいえらい」
「と、智子さん・・・は、恥ずかしいよ・・・」
拓也は消え入りそうな声で言う。
「だーめ。協力してくれるんでしょう?拓也君。それに・・・」
手でブリーフの上をなでる。
「今まで我慢できたごほうびに、思いっきり気持ちよくしてあげるからね」
智子の手が、拓也のブリーフを下ろした。
最大限に硬く、大きくなった、拓也のペニスがあらわになる。
智子はその裏筋のあたりにそっと口付けた。
「ここはもうすっかり大人なんだね・・・」
「あっ・・・」
続いて、舌先で裏筋を根元から一気になめ上げる。
「・・・あ、ああ・・・はうっ・・・!」
そして先端まで到達すると、一気に喉の一番奥までペニスをくわえ込んだ。
「はあぁぁぁっ!!やっ、だめっ・・・あぁっ!」
(んんっ・・・おっきぃ・・・んっ・・・!)
智子は口の中でペニスを味わうかのように、ゆっくりと舌を動かす。
その動きに呼応するかのように、手で袋を刺激する。
「はっ・・・あぁ・・・あぁう・・・!」
「どう?どんな感じ?」
一度、ペニスを口から離して、智子は問い掛ける。
「はぁ、はぁ・・・どうって・・・あったかくて・・・すごく、気持ちいい・・・」
拓也は息を荒らしながら返事をする。
「良かった。じゃあ、続けるわよ」
と言って、智子はもう一度拓也のペニスをくわえ込んだ。
そして、舌先でちろちろと各所を刺激する。
さらに、上目遣いで拓也の顔を見ながら、両手で乳首を刺激する。
「はうっ・・・!す、すごっ・・・いっ・・・・・・あぁっ!」
「うふふ・・・本当は乳首が感じるんでしょう?」
口を僅かに離して、智子が尋ねる。
「そ、そんなこと・・・ない・・・」
「嘘。正直に言わなきゃダメよ」
「はぁっ・・・!」
拓也の返事を聞いて、智子は両手で乳首を強くつまんだ。
その刺激の強さに、拓也は思わず大きな声を出してしまう。
「こんなに感じてるのに・・・ね、気持ちいいんでしょ」
「・・・は、はい・・・」
「うふふ・・・最初からそう言えばいいのに・・・じゃあ、乳首とおちんちんと両方でいかせてあげるわね」
と言うと、智子は再びペニスを奥までくわえると、口を細くしてペニスを強烈にしめつける。
そしてそのまま前後へと頭を動かし始めた。
もちろん、手は止めない。
「あぁっ・・・ふあぁっ・・・やっ・・・あ、いいっ・・・」
強烈な刺激に、拓也もすぐに高まってしまう。
「と、智子さん、そんなに、されたらっ」
(いいのよ、イって、拓也君、イって!)
我慢の寸前と言った感じで、拓也が苦しげに言う。
それを聞いた智子は、さらに激しく動き、拓也を刺激する。
そして、その瞬間・・・
「で、出ちゃうっ!はぁっ・・・ああああぁっ!!」
「・・・んんっ!!」
身体を大きく弓なりにそらせて、拓也は智子の口中に激しく射精する。
そのあまりの勢いに、智子も思わずペニスを口から出してしまう。
それでも射精は止まず、智子の顔に白濁した液が降りかかった。
射精が止んでも、二人とも息を整えながら、何も言わなかった。
しばらくして、智子が眼鏡を外しながら言った。
「拓也君、元気ね〜。眼鏡にもかかっちゃった」
そしてレンズについた拓也の精液を、ぺろりとなめる。
「ん・・・これが拓也君の味なのね・・・」
「!と、智子さん、汚いよ・・・」
「そんなことないわよ。そういうところ、可愛いんだから・・・」
赤面する拓也に、智子は顔を寄せて言う。
「拓也君、ありがとう」
「そ、そんな・・・」
「今日のことは、二人だけのヒミツね」
「は、はい・・・」
そして、智子は立ち上がって、大きく伸びをした。
(小顔になったかなぁ・・・?あんまり長時間やってないし・・・でも、なんかすっきりしたからいいわ)
その顔には、晴れやかな笑顔が浮かんでいた。
「ところで、智子さん・・・」
おずおずと、と言った感じで拓也が口を開いた。
「なに?」
「最初に言ってた、その、放課後のことって・・・」
智子は、そういえば、という表情を返す。
「あ、あれ。言ってみただけ」
「え?」
愕然とする拓也。
「うーん、そんな風に言えば言う事聞いてくれるかなって」
あっけらかんと言う智子。
「その年頃なら、親に隠し事の一つや二つあると思うし・・・でも、見事に引っかかったわね、拓也君」
言われた卓也は、完全に真っ白になっていた。
「お、女の人って・・・怖い」
拓也は心底そう思ったのだった。