「はぁ」 
と、小さな声をあげて少女がのけぞった。初めて異性の眼に肌をさらして羞恥に震えているところを、いきなり胸の頂を吸われた。そうされると感じるということは知識では知っていたが、実際に自分の体に走った電流は思ったよりもずっと大きかった。 
「あはぁ」 
抑えても体がのけぞり、声が漏れる。電流、というよりそれは波だ。少年が口に含んだ乳首を転がすたびに、そこを中心として大きな波が体を駆け巡る。ざらざらした舌で舐めとられて体をよじり、乳うんごと吸い上げられてのけぞる。 
(だめぇ) 
波に揺さぶられる小船のように少女は性感の波に揺さぶられた。こんなに感じるなどということがあるのだろうか。 
(初めてなのに) 
経験の浅いうちはあまり感じない。友達はそういっていた。本にもそう書いてあった。しかし自分の体を翻弄している未知のこの感覚は性感に違いなかった。少年はいつのまにか片手を少女のあいた胸にあて、もみしだいていた。この歳にしては大きな張り詰めた乳房をもみたてられるたびに彼女は声をあげて体をくねらせた。 
(恥ずかしい) 
太ももの奥にある女の部分が恥ずかしいほど火照っていた。少年から性感を与えられるたびに無意識にその部分をぎゅっとすぼめる。少女は気づいていなかったが、もじもじと大腿をすり合わせる様は紛れも無い女のしぐさだった。 
 
 
 
 
 
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(萌乃香、感じやすいんだ) 
少年にしたところで、セックスの経験は一度しかない。かおりと初めて愛し合った後は、忙しくてお互い時間が無かったのだ。だから女の子の体についてはまだ耳学問の域を出ていない。それでも、今目の前で雪のように白い体を震わせながら声をあげる幼馴染がどれほど感じているかはわかった。 
彼女の乳首ははかないほど淡い。その淡い乳首を口に含み、舌で慈しむ。そのたびに彼女は声を漏らし、背中をそらせて快感を表現する。懸命に声を漏らすまいとしているのが見て取れるが、それも体を流れる性感の並みの前にはもろくも崩れ去っているようだった。 
愛らしい乳首は少年の舌による愛撫を受けて、いじらしくも固くしこっていた。そして固くしこってもまた、それは柔らかさ感じさせる不思議さがあった。 
乳首を愛撫しながら、右手であいた乳房をもむ。それは少年がただ一人知っているかおりの乳房の感触とはまったく違っていた。かおりの乳房は小ぶりな中にも若さいっぱいに弾けるような手触りがある。それでいて柔らかいといった感じだった。ところが幼馴染のそれは反対で、これが同じ歳の子かと思うほど大きく柔らかい。それでいてはちきれるような張りがある。好対照といっていいだろう。 
随分長い間乳首を愛した後、少年は顔をいったん話すと今度は乳房の付け根のあたりに舌を這わせ始めた。これまでと違った感覚に再び少女が体をよじる。白い肌にブラジャーの痕が赤い線となって浮かび上がっているその線に沿って二度三度と舌を這わすとそのたびに幼馴染が体を震わせた。 
そのまま片手で乳房の柔らかさを確かめるようにもみながら唇をわき腹に這わす。少女が切なげな声をあげた。 
 
 
 
 
 
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(ああ) 
さっきからすでに少女の頭の中は夢のようにぼんやりとしてしまっている。初めてだというのに彼の指や下が非と動きするだけで体にさざが走り、声が漏れた。恥ずかしい気持ちは当の昔に波にさらわれて、何も考えられずに性感に心が揺さぶられた。 
(味の助君) 
整った思考を組み立てられない中で、ただ一ついとおしい少年の名前だけが繰り返し心の中に浮かび上がり、そして悩ましい舌が送り込む漣の中に消えていく。それの繰り返しだった。 
「萌乃香」 
心の声が通じたのか、少年が声をかけてくれる。 
「ああ、味の助君」 
ようやく応えて、そして改めて、自分のあられもない姿に気がついた。夏服の前はすっかりはだけられ、スカートはめくれあがっている。そして、少年はまさに最後の布切れに手をかけていた。 
(ああ、とうとう) 
彼に見られる。恥ずかしさと、ようやく自分の全てをさらすのだという喜びの混じった複雑な思いが彼女の中に満ち溢れた。 
パンティーが下ろされ、片足を抜き取られると、少年が膝に手をあて、そしてゆっくりと両側に開いた。 
「ああ」 
 
 
 
 
 
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ゆっくりと脚を割る。そのむっちりとした太腿の奥を早く見たいという気持ちが抑えられない。だが、もし彼女が拒んだら直ぐに脚を閉じることができるよう、軽く力を加えて開いた。やがて、雪のように白い内腿の奥が姿をあらわした。 
女の花びらを目にするのは生まれて二度目である。ふっくらと膨らんだ肉のあわいにわずかに襞が顔を出していた。その部分が濡れているのがわかる。むっとするキツイ匂いがしたが臭いとは思わなかった。大きく吸い込んでその匂いを確かめる。生々しい匂いだった。つられるように舌を伸ばした。 
 
 
 
 
 
 
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大きく脚を割られながら、体が恥ずかしさで震えだしそうだった。やがて一番恥ずかしい部分に冷たい空気が触れる。もう、何も隠すことはできなかった。一番好きな人に何もかもさらしているのだ。 
(ああ) 
心の中で絶望の声をあげる。羞恥と幸福感で心が千切れてしまいそうだった。幼馴染の男の子が大きく息を吸い込む。匂いを確かめられているのだ。許しを願おうとしたそのときに、その部分に未知の感覚が走った。 
「あふぅっ」 
ねっとりした感覚が女の部分に浴びせられた。それが、これまで知らなかった感覚を呼ぶ。乳房を愛されたときよりももっと怖い感覚だった。少年が舌でその部分を探るたびにその新しい感覚が脊椎を駆け上り首筋にぶつかって上半身に広がっていく。乳首が痛かった。 
「あ、あ、あ、あふぅ。味の助く、あぁ、は、あん」 
(感じる!) 
これ以上ないほど、自分が感じていることを意識した。 
(そんなところ) 
彼の舌がその部分にもぐりこんできた。 
「くん」 
その部分をもぐりこんだ舌が、あふれる愛液をすくい出すように何度も動いた。傍から見れば、岩肌から湧き出る清水を犬が飲んでいるようであった。だが、清水を溢れ出させているのは岩ではなく少女自身の柔らかい肉である。 
(だめ) 
腰全体が甘くしびれるような感覚に包まれる。彼が舌を少し動かすだけで体がはねた。声はもう、とめられない。 
(私、味見されてる) 
料理人である少年が自分のその部分に舌を這わせているという事実がひどく少女を狼狽させ、同時に狂わせた。もう少し大人であったら、それは征服されることに対する倒錯した喜びだと自分でわかったかもしれない。 
(どうしよう) 
怖いほど感じた。初めてで、こんなに感じるものなのだろうか。恐ろしいことに彼女が恐る恐る認めている「性感」は次第に高まっていた。このままだと、 
(いってしまう) 
と、思った。それは恐ろしい予感だった。処女なのに、絶頂などに追いやられていいのだろうか。女にとってエクスタシーはとても素敵な贈り物だと、本には書いてあった。だが、少女は生まれて初めて体を愛されているのだ。それなのに絶頂を感じるなどというのは恐ろしいことではないのか。 
恐怖と性感の間を嵐の中の小船のように翻弄されている間に、もう、どうしようもなく性感は高まっている。 
「あふ、あ、味の助君!」 
腰をもじつかせながら耐える。それもはかない抵抗だった。 
(だめ、いっちゃう) 
そう思ったときに、少年が恥ずかしげに隠れていた真珠をひとなめした。 
「きゃふう!」 
腰から体の中を波が広がっていった。頭のなかがフラッシュをたかれたように白くなった。そして腰、というよりもう少し前のほうで何かが弾けた。 
 
 
 
 
 
 
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目の前に小さな木の芽が覗いているのを見つけたとき、少年は無意識にそこに舌を這わせた。 
そのとたん、少女がきゅうっと柔らかい太腿で彼を締め付けて体を震わせた。 
「きゃふう!」 
と、言う声が聞こえた瞬間、ぴゅっと顔に液体がかかった。 
(あっ) 
声をあげるまもなく、ぴゅっ、ぴゅっと液体を浴びせられた。やがて彼女の体から力が抜けた。 
(萌乃香…) 
びしょびしょに濡れた顔で呆然と幼馴染の白い体を見た。 
 
 
 
 
 
 
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頭に満ちていた白い波が引いていくと、意識が戻ってきた。 
(あ、私…) 
潮を吹いてしまった。 
あのたった一冊読んだ教科書に書いてあった。まれに絶頂に達すると尿道から「潮」を吹く女性がいると。普通の女性でもGスポットを刺激すると潮を吹くことがあると。でも、初めてクンニされてバージンが潮を吹くなんてことがあるんだろうか。 
ふと下に目をやるとびしょびしょに顔をぬらした少年と目があった。少年も呆然としている。高揚していた気持ちが急にさめた。たぎるように熱かった体中の血を抜かれたような気分だった。 
「ごめんなさい…」 
逃げ出したかった。 
 
 
 
 
 
 
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「萌乃香…」 
幼馴染の白い体の向こうに、情けなさそうな顔が見えた。泣きそうというのとも違う、少し絶望したような、悲しげな表情。 
「ごめんなさい」 
そう、小さな声でつぶやく。 
体を起こすと、弱々しい動きで脚を閉じ、横を向いた。 
「ごめんなさい」 
今度は泣きそうな声になっている。 
「あの、萌乃香」 
肩に触れると小さく震えている。返事が無い。 
「えと、大丈夫?」 
ほかになんと言っていいのかわからなくてそう聞いた。相変わらず少女は縮こまるように向こうを向いたまま返事をしない。 
「萌乃香、その、勘違いしてるでしょ」 
まだ黙っている。 
「えーと、その、恥ずかしがらなくていいんだよ。あの…」 
かなり言いにくい事だったが、少年は勇気を振り絞って先を続けた。 
「おしっこじゃないんだよ。」 
ぴくり、と少女が肩を震わせた。少年が続ける。 
「あのさ、すごく感じると女の子って、今みたいになることがあるんだって。潮吹きって言うんだ。だから、恥ずかしがるようなことじゃなくてさ。ね、大丈夫だからさ。」 
「潮吹き?」 
ようやく少女が向こうを向いたまま返事をした。 
 
 
 
 
 
 
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(味の助君…潮吹きなんて言葉しってるんだ) 
意外だった。料理一筋だと思っていた幼馴染がこんな言葉を知っているとは。自分だって恥ずかしい思いをして買った本で初めて知ったのだ。 
(でも、男の子だし。やっぱり興味あるんだ) 
まだ少し曇った頭でそんなことを考えている間も、少年は後ろからやさしい声をかけてくれる。 
「萌乃香、大丈夫?」 
「う、うん。大丈夫。ごめんね。変なことになっちゃって。」 
「変じゃないってば。」 
そういって少年が腰のあたりにやさしく手をかけるそれだけで体がぴくりと震えた。ついさっきの大波のような感覚を思い出す。 
「ねえ。本当に変じゃない?…あふん…」 
答えが返ってくる前に腰からわき腹のあたりをさすられて声が漏れる。体の中をまた甘いさざなみが走る。 
「変じゃないってば」 
ささやくように言うと、そのまま後ろから少年が体を寄せてくる。耳の後ろを舌でちろちろと愛し、わき腹にあてられていた手が胸のふくらみをすくい取る。 
「あん…あ…ん…」 
胸をやさしく愛され、耳たぶを加えられて少女は声をとめられなくなってきた。 
「萌乃香、かわいいよ?」 
耳元でそうささやかれ、心と体が同時に喜びの声をあげた。胸がうれしさでいっぱいになり、苦しさすら感じた。恥ずかしいところがきゅんとなる。少年の方を向いて眼を見詰め合う。 
「キスして」 
いとしい顔が近づいてくる。唇を吸い上げられた。舌を伸ばすと絡めとられる。 
「ん…んん…ん」 
唇を吸われながら胸をもみしだかれた。いったん引いた性感はいまや再び体中を揺さぶっている。切なくてしがみついた。 
 
 
 
 
 
 
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少女の真っ白な体が絡みついてくる。唇を吸いながら胸をもむと声を漏らして体を震わせる。体が震えるたびに柔らかい肉の感触を嫌というほど感じた。下半身が痛いほど固くなっていた。 
(もう、いいかな) 
そう思って小さな声を漏らしている少女の下半身に脚を滑り込ませる。体勢を変えながら両足の間に陣取った。キスを中断して眼を見つめる。 
「萌乃香、いくよ?」 
とろんとした顔で少女がこちらを見上げ。こくんとうなずいた。石のように硬くなっているそれを手にして翳りの部分にもぐりこませる。先のほうに粘膜が感じられた。少女は目を閉じ、体を固くしてそのときを待っている。入り口を探る。すこし苦心してようやく見つかった。息を吸い込んで腰にためをつくる。 
「あっちょっとまって!」 
ぐいと腰を突き出したのと、少女が突然上に逃げたのがほとんど同時だった。処女膜を貫くはずだった一振りは空振りに終わる。 
「どうしたの?」 
いやな記憶がよみがえる。また強引過ぎたのだろうか。少年の懸念などそしらぬ少女はあわてた顔で幼馴染に話し掛ける。 
「ご、ごめん。大事なこと忘れてたの」 
「何?」 
「あの、えーと」 
今度は顔が真っ赤になった。しどろもどろで要領をえない返事が返ってくる。 
「えーと、味の助君。こっちに来てくれる?」 
そういって自分の横に少年用のスペースを空ける。少女の脚の間に陣取って居た少年は仕方なく横に体をずらした。少女が起き上がってフルフルと揺れる胸を片腕で隠す。眼をそらしながら話をつづける。 
「ね、寝てくれる?」 
「あの、萌乃香」 
戸惑う少年を促して仰向けにすると、ようやく眼を合わせて言葉をつなげた。 
「あのね。私、味の助君のために一所懸命。勉強したんだ。ちょっとだけ、眼を瞑ってくれる?」 
「う、うん」 
少女の真剣さに押されて眼を閉じる。少女が体をずらす音が聞こえた。やがてぎんぎんに固くなったその部分がおずおずとつかまれた。 
「萌乃香…」 
「こんなことするの、味の助君だけなんだからね」 
その部分が、暖かい粘膜に包まれた。 
 

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