「葵さん。非常に危険な状態じゃ」
「……えっ……?」
一体誰が何を言っているのか判らなかった。暫しの沈黙の後、自分が産婦人科に診察に訪れていたのだとようやく思い出した。
いつの間にか声の主と葵を隔てていたカーテンは隅に寄せられて、そこにはあの老医が難しそうな顔をして俯いている。
まるで水でも被ったかのような汗に全身が濡れている。お尻の下の辺りは殊に酷く、汗以外の何かでヌルヌルとしている。
理性が戻ってきたお陰で、自分がどれ位恥ずかしい姿を曝しているのかを嫌でも認識させられる。
「き、危険、と言いますと……」
「うむ。今すぐに膣を洗浄せんことには、着床するのは時間の問題じゃろう」
葵は息を呑んだ。
「せっ、先生、お願いします!」
単純な手口に易々と引っ掛かってしまう葵。
「……うむ、あいわかった。それでは洗浄の準備をしてくるからの。辛いだろうが、もう暫くそのままで待っておるのじゃぞ」
そう言い残して老医はその場を離れた。彼に騙されているとも知らぬ葵はようやく見えてきたひとすじの希望にすがりついて心を落ち着かせる。
暫くして戻ってきた老医はその手に大きなプラスチック製の丸いチューブを抱えていた。直径は5センチ程度。長さは30センチぐらいだろうか。
先端には細いノズルのようなものが付いている。これで膣を洗浄するのだろうか。何もかもが始めての葵にとっては全てが未知の領域だ。
「そ、それで洗浄を?」
不安に駆られた葵は思い切って老医に尋ねてみた。
「いやいや、コレはその準備の為に使うんじゃよ」
「準備?」
「左様。このシリコンで葵さんのオマンコの型を取るのじゃ」
「型?……と申しますと……」
「ほれ。歯医者でも粘土みたいなモノを噛まされて歯型を取った事があるじゃろう。あれと同じじゃよ。
オマンコの形は歯型以上に十人十色、千差万別じゃからのう。こうして型を取って葵さんのオマンコの構造をしっかり把握しとかんと洗浄が上手くいかんのじゃよ」
自分の性器の型を取る。椅子に座ったままで気を失ってしまいそうな恥辱だ。葵は内股を引き攣らせた。
「なに、大丈夫じゃて。コイツはちゃんと医療用に開発されたモノだでの。敏感な粘膜にも刺激がないようになっとる。安心せい」
葵の不安はそんなところにあるのではない。見当外れな老医の応えに葵は首を振った。
「おおっと。コイツを忘れるところじゃった」
葵の反応などお構い無しに老医は胸ポケットからピンク色の小さなチューブを取り出すと蓋を開けて中の薬品を自分の掌の上にひねり出した。
チューブの色に良く似たピンク色の軟膏が老医の掌の上にうず高く盛り上げられてゆく。
「コイツを塗っておかんとの、型を抜くときに随分と痛い思いをするのでな」
老医は軟膏を塗り拡げた指先をいきなり葵の膣にインサートした。
「ひあああッ!」
四肢を突っ張らせて突然の刺激に仰け反る葵。
「ほっほっほっほっほっほっほ、ちと冷たいかもしれんが我慢せぇよ」
老医の指は縦横無尽に葵の蜜壷の内側を皺々の指先で撫で回す。葵は白い喉を仰け反らせて悶え狂った。再び全身の毛穴から汗がどっと噴き出してきた。
「ううむ、奥の方は深くて届かんのう」
如何にも困ったというように老医が呟いた。
「おお、これがあったわ」
老医は先ほど葵に見せたペニスの模造標本に目を向けた。
林立するピンク色の肉柱のなかから最も標準的な大きさのモノを摘み上げるとその亀頭から茎胴にまd満遍なく軟膏を塗りつける。
葵は老医の意図を悟った。模造男根で軟膏を膣奥に塗るつもりなのだ。
「せっ……先生っ、そんな物を使うのは堪忍して下さいっ!」
葵の訴えは白いカーテンに遮られた。再び老医がカーテンを閉めたのだ。
「我慢じゃ我慢じゃ」
葵に言い聞かせるように老医は繰り返した。
細い老医の指と入れ替わるように野太いモノが葵のヴァギナに押し入ってきた。
陵辱から一昼夜が経過した葵の膣は殆ど元の狭さにまで回復しており、あの男のペニスに比べれば明らかに小さい筈の標準的な模造ペニスがとてつもない太茎に感じられる。
「くっ……くうッ……」
とは言え一度は貫通された膣肉だ。徐々にではあるが男根模型を奥深くへと呑みこんでゆく。
「ほっほっほっほっほっほっほ、どうじゃね。ロストバージンを思い出すかな?」
呑気な事を言いながらも、老医の手は模造ペニスを押し込むのを止めようとしない。
「ひひひひひ、挿っていく挿っていく……ほほっ、此処で行き止まりかの」
奥底を確かめるように、老医はインサートした模造男根をグリグリと捻じ込んだ。贋物の亀頭が葵の子宮を叩いた。
「ひィッ!!」
ボルチオの感覚を刺激されて葵は悶絶した。膀胱に僅かに残っていた小便が虚空に金色の放物線を描いた。
「ふふふふふ、しっかりクリームを馴染ませんとなあ……そおれそれそれそれそれそれ〜」
老医の手が握った模造ペニスを前後に激しく動かし始めた。
「あひっ、嫌ッ、嫌っ、動かさないでッ!!」
カーテンの向こうで叫ぶ葵などお構いなしに老医は模造男根を操った。ジュピジュピと白濁した愛液が周囲に飛び散る。
「これこれ。これはちゃんとした医療活動じゃ。感じておってどうする」
「かっ……感じていませ……んッ!!」
「何を言うておるか。これだけグチョグチョにしておいてしらばっくれるのも大概にしときなさい」
ズボズボと抜き挿しされる模造男根の幹胴には、納豆のように糸を引く白い膣汁がネチャネチャとこびり付いている。
「嫌ッ、嫌ぁッ、嫌っ……」
なんというふしだらな躯なのか。葵はこれ程己の肉体が疎ましいと思った事はなかった。
「これではクリームがシャビシャビに薄まってしまうわ。全く躾けの行き届いとらんオマンコじゃの。
ワシの指と云い、紛い物のチンポと云い、何にでもはしたなく喰い付きおって」
老医の言葉に只々恥じ入るばかりの葵の腰の奥で湧き上がってくるあの感覚。
(ああっ……来るッ……来ちゃうッ……アレが来ちゃうッ!)
葵にもようやく絶頂の前触れとも言うべき感覚が判るようになってきていた。老医の前で恥を曝さなくてはならないのか。
襲い来る衝動を前に葵は唇を噛み締めた。声を上げてはならない。かくなるうえは、せめて慎ましくアクメを極めることだけが葵の矜持を保つ唯一の方法なのだ。
だが、葵の悲壮な決意は杞憂に終わった。不意に老医はその手を止めて模造ペニスをズボッと引き抜いたのだ。
(そっ、そんなッ……)
まさか止めを刺してくれとはいえなかった。不完全燃焼のまま、葵の躯の中で燻る狂おしき官能。
膣の奥を太いモノで貫かれたかった。瞼の裏に浮かんだのはあの男の顔だった。
葵は愕然とした。何故あの男の事を思い出してしまうのだ。せめて、せめて薫の顔を思い浮かべるべきではないのか。
女にとって初めての男というのはかくも特別なものなのか。十数年の思慕よりも、たった一夜の陵辱が女を縛り付けるのか。葵は女の肉体の罪深さに慄いた。
「さて、そろそろオマンコの型を取らせて貰うとするかのう」
老医の手には先程の太いチューブが握られているが、カーテンの向こうの葵にその姿が見えないのはせめてもの幸せだった。
口は悪いが穏やかだった老医の表情には淫猥な笑みが浮かび、恥獄に堕ちた葵を虎視眈々と狙っている。
「それじゃあ行くよ、葵さん」
表情とは裏腹な猫撫声で恥辱の宴の開幕を告げる老医。手にした容器を大きく振って内部をよく攪拌する。
ノズルの先端の封を切ると素早く指で押さえて葵の股間に近付き、そのまま膣孔にノズルをあてがった。
「そりゃあッ!!」
掛け声と同時に指で押さえていたノズルを開放する。
「はうッ!!」
内部で圧力を高められた薬液が物凄い勢いで葵の膣の中に流れ込む。あの男のペニスが膣内で射精をした時にも勝るとも劣らぬ衝撃が葵の股間を貫いた。
「いやあああああッ!! 入ってくるううッ!!」
円らな瞳がカッと見開かれた。時間にすればほんの一秒足らずの一瞬の出来事であったが、葵には永遠に続くかとも思われる責め苦だった。
狭隘な蜜壷は許容量を越えた薬液を溢れ返らせて漆黒のジャングルを真っ白なシリコンで塗り潰してゆく。
吹き零れたシリコンは草叢では防ぎ切れずにアヌスの周囲にも流れ込んだ。流石に肛門の内側への浸入はかろうじて防いだが、排泄の為の出口は完全に分厚いシリコンで塞がれてしまった。
「ふふ、ちょっと手元が狂ったがこれなら何とかなるじゃろうて」
ノズルの先端をヴァギナに突き刺したままで老医は容器から手を放した。その眺めはまるで葵の股間から野太い剛直がそそり勃っているかのような有様だ。
老医は細い指先でシリコンの表面をつついてみた。
「完全に硬化してしまうと抜くのが厄介じゃからのう。生乾きの状態でズボッと抜くのが一番良いんじゃよ」
指先でシリコンの硬化具合を見ながら引き抜くタイミングを見計らう老医。
一方の葵はと云えば、化学反応を起こして硬化しながら発熱するシリコンに膣を内側からジリジリと炙られるような責めを必死で堪えていた。
しかもシリコンは硬化するに従って徐々に膨張してきているような気がする。
このままどこまでも膨れ上がって股が裂けてしまうのではないか。恐怖に駆られた葵は老医に訴えた。
「あの、先生……内側でどんどん膨らんでいるような気がするんですけど……」
「ふむ。ならばそろそろ頃合じゃろう」
老医は葵の股座の間に自分の椅子を引き寄せてどっかりと腰を下ろした。
「ちぃと痛いかもしれんが我慢するんじゃぞ」
老医は指先でゆっくりとシリコンを引き剥がしにかかった。まず、溢れ出して股間を覆いつくした外縁部からペリペリと剥がしてゆく。
「痛ッ!」
プチッという音がしたのと同時に葵が悲鳴を上げた。シリコンに取り込まれた陰毛が根元から抜けたのだ。
「おお、こりゃすまん」
大してすまなさそうな声色で老医は応えた。
その後も何本もの陰毛との別れを繰り返して、ようやく葵のアヌスが顔を出した。こじんまりとした菊紋は久し振りに味わう空気の美味さに小皺をピクピクとさせて歓んでいた。
そしてそれから小一時間も掛けて、数十本のアンダーヘアの犠牲を伴ってようやく大陰唇からシリコンを引き剥がすのに成功した。
陰毛が引き抜かれる痛みの所為で葵の目尻には涙が滲んでいた。
「さあて、これからが最後の難関じゃて」
老医は呟くと、両手で突き刺さったままのシリコンの容器をギュッと握った。
「股から力を抜くんじゃ……いくぞ、葵さん。踏ん張るんじゃぞ」
「はっ、はいっ」
老医はその細腕に渾身の力を込めて容器を引いた。
「そりゃあ!」
「はおおおおッ!!」
葵の股間に激痛が奔った。まるで蜜壷そのものがズッポリと抜けてしまうのではないかと思われるほどの力が造りの小さい葵の女陰一点に集中するのだ。
「せっ……先生ッ……もっと、優しくっ……」
喘ぎ声の合間から乞う葵の声はまさに閨房での睦み事のそれだ。
「こ、壊れてしまいますッ、先生っ!」
老医は久し振りに下半身の血が沸騰するように滾るのを感じた。久しく絶えていた勃起の予兆に胸が膨らむ。老医が最後に勃起したのはもう十年以上も前の事になるのだ。
葵の膣と老医の綱引きは一向に勝負がつかなかった。流れる汗を拭いながら老医は暫く間を置いて深く深呼吸した。そして、
「せりゃああッ!!」
と裂帛の気合を込めてシリコンの塊を引いた。老医は痩躯ではあったが、その全体重を引き手に掛けたのだ。
「ああああああっ!!裂けてッ、裂けてしまいますッ!!」
白いシリコンが徐々に葵の女陰から顔を覗かせ始めた。しかし入り口よりも内側の方が広い葵の膣の構造は容易には中のものを吐き出そうとはしない。
出産の予行演習のような痛みが葵の全身を貫いた。
「あううッ!!ああっ、あああッ!!ああああああああああ〜ッ!!」
葵が一際大きな悲鳴を上げた瞬間だった。
ズブオオオオオオオオッ!!
凄まじい音と共に、勢い余った老医が後ろに吹っ飛んだ。そのまま後転するかのように床の上でもんどりうって倒れると、
老いさらばえた身体をしたたかに机に打ち付けてようやく止まった。その手にはしっかりとシリコンの塊が握られている。
ゲホゲホと咳き込みながら老医が立ち上がった。幸いな事に、何処も怪我をしていないようだ。
一方の葵はと云えば、まるで股の間からヴァギナごと抜けてしまったかのような喪失感に囚われていた。唇が空気を貪る度に胸元が激しく上下した。
葵の目の前に白い塊が突きつけられる。葵がたった今産み落としたばかりのヴァギナの複製だった。
老医がこびり付いた愛液を脱脂綿で拭うと、葵の膣の内側を微に入り細を穿つように模った不気味なシリコンが姿を現した。
「ほれ。これがお前さんの内側じゃ。上出来じゃわい」
おそらく、殆どの女性が見ることも叶わぬ己の膣の内側を見せつけられる恥辱の体験に眩暈すら覚える葵。
「ひひ、余禄といっては何じゃが、可愛らしい尻の孔もほれ、この通りじゃ」
老医の指差す部分に目を凝らせば、己の肛門を反転させた小さい尖りが視界に入った。排泄の為の孔の佇まいが手に取るように判ってしまう。
中央の頂上に向かって放射線状に拡がった小皺がキュッと絞り込まれている様子はまるで上品な和菓子の様でもある。
シリコンに毟り取られた和毛がその周囲に数本生えているのが痛々しかった。
一生、明るい所に出る機会など無いと思われていた秘め所を曝け出される恥辱に葵は顔を真っ赤にした。
「ふふふ、入り口はこんなに狭いのに一歩中に入ればこの広さじゃ。男泣かせな造りじゃの」
女の聖地を品評される辱めが更に葵を打ちのめす。
「ほれ、ここがプックリと盛り上がって、ちっちゃなツブツブがびっちりと並んでおるじゃろう。ここが葵さんのGスポットじゃ」
次から次へと白日の下に曝されてゆく葵の躯の秘密。
「これはカズノコ天井と言うてな、昔から名器とされておる逸品じゃ。全くそんな可愛らしい顔をしておいてとんでもない道具を股の間に隠しておったのう」
それが彼女の咎であるかのような老医の言葉に、葵は躯を震わせて恥じ入るしかなかった。
「オマケに此処じゃ。ほれ、判るか? この部分に襞々が集まっておるじゃろう。
ここは丁度彼氏のペニスの裏筋があたる部分じゃ。ここがこんなにでこぼこしておっては彼氏も堪らんじゃろう。
彼氏がすぐに果ててしまうからといって責めてはいかんぞ。全ては葵さんのオマンコが良過ぎるからじゃ。本当に男泣かせなお宝じゃ、くわっくわっくわっ」
頭の天辺から湯気が出るのではないかと思うほどの恥辱。葵はこれ以上、自分のヴァギナの複製を見ている事に耐えられなくなって顔を背けた。
それはまるで、自分の心に内側に眠っている浅ましい牝の本能を見せつけられているかのようにさえ思えたのだ。
「これ、目を逸らしてはならん。此処からが大事な所じゃ」
散々自分が寄り道をして本題に入らなかった申し訳なさを微塵も滲ませずに葵を注意する老医。
葵は仕方なく、ふたたび目を開いた。
「ここじゃ。ここが葵さんの子宮口じゃ。判るかな?」
老医の指が膣の奥のチョコンと突き出した突起を指し示した。
「精子はこの中に吸い込まれていったのじゃ。頬って置けばもう間も無く着床するじゃろう。
もしも妊娠したくなければこの奥に洗浄液を注入すれば着床は免れるという訳じゃ……もう一度、最後に確認するが、本当に洗浄してしまうんじゃな?」
「……はい……お願いします……」
「……うむ、判った。それでは洗浄するとしようかのう」
老医が再びカーテンを引いて、その姿を隠した。葵は目を閉じて、深呼吸を繰り返し、心を落ち着けようと努力した。
カーテンの向こうでは、老医が白衣の下のズボンを脱ぎ捨て、パンツを下ろしているところだった。
白髪交じりのジャングルからは雄々しい屹立がグンと頭をもたげていた。十数年ぶりの勃起だった。
一体、何時以来の事だろうか。そうだ。あれは確か同級生にレイプされた女子高生の膣を洗浄した時だったと老医は思い出していた。
あの時はすぐ傍に女子高生の母親が付き添っていたために欲望を果たす訳にも行かず、なす術もなく萎れてゆく自分のペニスを見殺しにする事しか出来なかったが今は違う。
恐らく、この昂ぶりが自分の人生最後の大勃起になるだろう。その最後の勃起をこの美少女に突き立てるのだ。男の最期に相応しい墓場だ。
自分の中の男の性は、この桜庭葵という少女の膣の中でフィナーレを迎えるのだ。これ以上の大団円は望むべくもなかった。
薬用のジェルを自分の勃起に塗りつける。青年の頃と何ら変わらぬ力強いエレクトだ。葵の持つ気品、慎ましさ、たおやかさがそれを可能にしたのだ。老医は心の中で葵に深々と頭を垂れた。
「では器具を入れるぞ」
「はっ、はいっ!」
老医はペニスの先端を葵の股の間にあてがい、膣孔に狙いを定めた。敏感な亀頭と粘膜が接触する愉悦。
ゆっくりと腰を押し出す。流石にあれだけのシリコンを引き抜かれたばかりの膣はまだ元通りの姿を取り戻してはいない。
だが、その方が老医にとっては都合が良かった。あまりに締め付けが強くては、この最期の勃起が途中で果ててしまう恐れがあったからだ。
そして何よりも患者に気付かれる恐れもある。いかに経験の浅い葵とはいえ、敏感な膣粘膜はインサートされた物の正体を見破ってしまうかもしれない。
しかし、あんな太いモノを引きずり出されて半ば麻痺した蜜壷ではそこまでは判別するのは不可能だろう。老医は確信しながらエレクトしたペニスを奥に送り込んだ。
(ううっ……こりゃあ堪らんわい!)
老医は天井を見上げて快感を堪えた。何と言う心地良さだろう。指で触っただけでは判らないリアルな挿入の感覚に老医は酔い痴れた。
しとどに濡れた膣肉が火傷をしそうなくらいに熱く火照り、十数年間もお預けを食わされてきて女の肉に飢えまくった老いたペニスを上下左右から柔らかく包み込むようにして迎え入れてくれるのだ。
老医はまるで下半身が蕩けて葵と一体となってしまうかのような陶酔をしかと味わった。無尽蔵に溢れてくる愛液が結合部から吹き零れて椅子を派手に汚した。
根元まで埋め込んだ剛直が葵の最奥にまで到達すると老医は感動に打ち震えた。
腰を引くと新たな快感が老医を待ち構えていた。膣の内側の複雑な隆起がペニスのいたる所を刺激して止まない。
それどころか薄い肉襞が老茎に絡み付いて行かないでくれと、引きとめようとするのだ。
老医の名器診断は間違いではなかった。極上の逸品だ。老医は曲がった腰を折れんばかりに激しく打ち込んだ。
「せっ、先生ッ!! 何をっ!?」
流石に葵が異変を察したようだ。だが老医はもう腰を止めるつもりはなかった。
「静かにせんか! い、今は洗浄器具をお主のオマンコに馴染ませておる所じゃッ!!」
「でっ、でもっ!」
「五月蝿いッ!!」
老医の手が荒々しくカーテンを開けた。葵の眼に信じられない光景が飛び込んできた。
信頼していた筈の老医が、事もあろうに白衣を着たままで下半身を露出させ、股間でいきり勃った肉棒を自分のヴァギナに突き立てているではないか。
これは一体何かの悪夢なのか。陵辱の残滓を消す積もりで訪れた病院で、新たな陵辱に曝されているのだ。
「嫌あああああああああッ!! 先生ッ、先生っ、抜いて下さいッ!!」
皮肉な事に老医を拒もうとする葵の膣は反射的にインサートされた肉塊を程好い心地良さで締め付けてしまう。
「むうっ、締まるッ、締まるぞッ!! その調子じゃっ!! もっと締め付けい!!」
拘束された四肢を震わせて全身で老医のペニスから逃れようとのたうちまわる葵。
「ひひひひひっ、そうじゃ、もっと嫌がるんじゃ!! 女の躯は上手い事出来ておるわっ!! 拒もうとすればするほどチンポを締め付けてきよるわい! それそれそれそれい!!」
柔和な笑みの仮面をかなぐり捨てて破廉恥産婦人科医の本性を露わにする老医。その顔はイヤらしく歪み、悪鬼の形相と成り果てていた。
「ふひひひひひっ、昨日男を識ったばかりじゃというのに、もう一人前にオマンコの締め方を知っておるわい!
どうじゃ、ワシのチンポの味は? それそれそれそれえ! どうじゃどうじゃどうじゃあッ!!
お主のオマンコの事はワシには全てお見通しよ!! ほれほれほれほれ、此処をこうされると堪らんのじゃろう? うひひひひひひひっ!!」
Gスポットを激しく擦り上げられて子宮口を小突かれるうちに、生涯二本目のペニスに早くも馴染み始めてしまった葵の膣は悲鳴とともに歓喜の涙を零し始めた。
愛液はますます粘りを増してヌッチャヌッチャと納豆のような糸を引き始める。
心ではこんなにも拒んでいるのに、どうして躯の方は自分を裏切り続けるのか。精神と肉体の間の信頼関係はもはや砂上の楼閣に過ぎない。
葵が畏れているのは、そんな躯に心までもが引っ張られていってしまうのではないかという危機感だった。いや、実はもう心さえもが淫獄の底に突き落とされてしまっているのではないか。
そんな事は無いと心の中で必死で否定する葵だったが、老医の年季の入った巧みな腰使いの前に思わず甘い吐息を漏らしそうになってしまう自分がいる事も認めない訳にはいかなかった。
身体が拘束されているのは不幸中の幸いとしか言い様が無かった。もしも四肢がこの瞬間に解き放たれていたならば、奔放な腰使いで老いたペニスを貪っていたのかもしれない。
葵は自分の躯の罪深さに改めて慄いた。
様々な思いが葵の心の中で交錯している間に、老医は人生最期の絶頂を迎えようとしていた。
「出すッ……出すぞッ! わしの最期の精液ッ、有り難く受け取れいッ!!」
腰をカクカクと震わせながら老医が吠えた。葵の顔から血の気が引いた。
「そっ、それだけはっ、それだけは……ああっ、ああああああああ〜ッ!!」
熱い飛沫が胎内で弾けたのが判った。老人とは思えぬ勢いの良い迸りが子宮に叩きつけられた。
永らく休眠状態だった老医の精嚢が最期の最期に造り出した精液はこの歳の老人にしては驚くほどの量だった。
葵の蜜壷はたちまちのうちに注ぎ込まれたものを溢れかえらせてしまう。老医の射精と時を同じくして葵もアクメを極めた。
声を上げなかったのは葵に残されたせめてもの矜持だったのか。
だが、葵の胎内で緩やかに萎えてゆく老医の男根から最後の一滴まで絞りつくそうとするかのような膣の蠕動は隠しようも無かった。
たった三日の間に二人の男に精を注ぎ込まれたショックに葵は只、愕然とするばかりであった。
続くかも