「さて、オマンコの方もねっちりとほぐれた所でようやく診察じゃ」
老人は節くれだっった人差し指と中指を二本揃えて葵の膣にインサートした。手首を回転させて膣を拡げながら奥へ奥へと突き進む。
「ほほっ、指二本でもうキツキツかね。往生したばかりじゃというのになんという回復力じゃ。若いというのはいいもんじゃのう」
感嘆とも揶揄ともつかぬ言葉を吐きながら老医は葵の膣内で指をVの字に拡げたり閉じたりを繰り返して狭隘な肉路の拡張を図る。
頃合良しと判断したのか、老医が傍らのパネルに触れると葵の座っている椅子が更に一段高くなった。
老医の目の前に啼き濡れた葵のヴァギナがあった。ギョロリとした眼をカッと見開き、老人は葵の膣奥をペンライトを当てながら覗き込んだ。起伏に富んだ膣洞は呆れる程に狭い。
これが本当にバージンを失ってしまった女陰なのかと疑ってしまう程の初々しい佇まいだ。だが、確かに入り口から少し奥に入った所に処女膜の欠片は残っている。
破瓜の際の出血の跡も認められる。間違いなくこの美少女はもう処女ではないのだ。しかし蜜壷の底から馥郁と立ち昇る女の香りの中には、まだ処女の残り香が色濃く漂っている。
一日おきにザーメンを注ぎ込まれるような擦れたヴァギナでは決して嗅ぐ事の出来ない芳香だ。
だが老医は全く正反対の事を口にした。
「ほう……随分と濃いザーメンを注ぎ込まれたようじゃのう。プンプンと匂いが残っておるわい」
老医の言葉に葵はうろたえた。明け方の浴室での、自涜洗浄の生々しい記憶が甦る。あんなにしっかりと洗ったつもりでもまだあの男が胎内に放った毒液は残留しているというのか。
老医は呆れたように指を引き抜くと消毒用のアルコールで指先を拭った。もうこれ以上診察する必要は無いと云わんばかりの老医の態度に葵は狼狽した。そんな彼女に向けて、老医が止めの一言を言い放つ。
「セックスの後で洗わなかったのかね? 嘆かわしい事じゃのう。若いのになかなかしっかりしたお嬢さんだと思うておったが、中出しされたまんまのオマンコで平気で医者の所に来るとはのう……」
そこまで言われては葵も反駁せざるを得なかった。
「ち、ちゃんと洗ってきましたっ」
「ほう、どんな風に?」
そう切り替えされて葵はたちまち答えに詰まった。恥ずかしい自涜洗浄の事まで告白しなくてはならないのか。
一方、老医は予想通りの葵の反応に心の中で拍手喝采をした。
(くふふふふ、おぼこい小娘じゃのう。こちらが掛けたカマにものの見事に引っ掛かってきよるわい)
「そ、その……シャワーで……」
葵が言い淀んだところで老医の目がキラリと光った。
「シャワーで上からちょっとお湯を掛けただけかね。そんな生温いやり方じゃあ男のザーメンは洗い流せんよ。
ましてや葵さんはこれだけお毛々をモジャモジャと生やしておるんじゃ。ちっとやそっとではお湯は中には入らんじゃろうて」
揶揄を織り交ぜた老医の巧みな誘導尋問に葵はあっさりと引っ掛かってしまう。
「な、中までちゃんと……」
「そうは言っても、せいぜい指でぱっくり開いてチャプチャプとしただけじゃろう? 葵さんの膣は経験が浅くてまだまだキツいからのう。そんなやり方じゃあ、奥の方までは洗えんよ」
「い、いえ……奥の方も……」
「ほう。どうやって……」
「…………」
長い沈黙が続いた。老医はどっしりと腰を落ち着けて葵の告白を待つ。
おそらくは予想通りの答えが返ってくるだろうが、肝心なのは葵の口からそれを白状させる事なのだ。そうする事によって患者の心の鎧が一枚一枚と剥がれてゆく。
そして最後は身も心も全てを医者に預けてくるのだ。
だが念には念を入れなくてはなるまい。老医は追い討ちを掛けることにした。
「大事な事を訊き忘れ取ったんじゃがのう、葵さん。もしも妊娠していたとしたらどうするつもりじゃね? 産むのかね? 堕ろすのかね?」
避けては通れない問題を突きつけられて、葵の沈黙はより深まった。
身体に宿った生命には何の罪もない。それを葵の一存で生死を決めてしまうのは命に対する冒涜だと思う。
だがそれは建前だ。
あの男が憎かった。憎い。憎い。憎い。どれだけ憎んでも憎み足りない程だった。
葵は自分の心の中にこんなどす黒い感情が隠れているとは思っても見なかった。これほどまでに人を憎んだ経験はこれまでの葵の人生の中では無かった事だ。
唯一、薫から聞かされた祖父の話には怒りを覚えた。しかしそれよりも薫への憐憫の情が余りにも大き過ぎて、花菱翁を恨んだり憎んだりするまでには至らなかったのだ。
自分に果たして子供が育てられるだろうか。しかもその子供は只の子供ではない。憎きあの男の血を引いた子供なのだ。
全くの赤の他人の子供を育てる方がまだしもマシだった。
葵の人生をぶち壊しにしたあの男は、もうこの世にいないのだ。ぶつけどころの無い憎悪をその子供に叩きつけてしまうのではないか。葵は自分で自分が恐ろしくなった。
昨今、よく耳にする児童虐待のニュース。勿論、全てのケースが当て嵌まる訳ではないだろうが、それでも大半の子供は父親と母親の愛の結晶としてこの世に生まれ出でた筈だ。そんな子供でさえ虐待にあうのだ。
とても、あの男の子供を育ててゆく自信は無い。葵は苦渋の決断をした。
「……堕ろそう……と、思い……ます……」
命の重さを噛み締めるようにして、一言一言、言葉を紡いだ。
「ふむ……」
老医は重々しげに呟いたが、内心ではそれ程堅苦しく考えていた訳ではない。こんな仕事をしていれば、堕胎など日常茶飯事だ。
早熟な子供。乱れる性と低年齢化する不順異性交遊。もう中学生が堕胎しに訪れるぐらいでは驚きもしなかった。老医は小学生に堕胎の処置をした経験も幾つかあるのだ。
老医は葵の様子から、もう一つの事態を予想していた。
レイプだ。
桜庭葵が今時の女にしては貞操観念のしっかりした患者だというのは、長年の経験で老医は見抜いていた。例え婚前交渉であったとしても、愛する男と結ばれたのならば葵の様子は不自然過ぎた。
性交してからすぐに産婦人科に来たところでどうにもなるまい。
しかも老医には相手の男の人物像さえ大体見当を付けていた。少なくとも輪姦ではないだろう。輪姦ならばもっと性器が荒れている筈だ。老医はそういった患者も何人も診てきた。
かといって通り魔的な行きずりの犯行でもあるまい。恐らくは桜庭葵を盲目的に偏愛している人間の仕業だろう。
葵の体に残された痕跡は唯一、破られた処女膜だけなのだ。歪んだ愛ではあるが、葵に対して偏執狂的な愛を抱いているが故に彼女の体にはそれらしい傷も無いのだ。
そして大事なのは、葵はレイプの事実を隠しておきたいという事実だ。誰の付き添いもなしに、おそらく誰にも相談せずにここに来たのは間違いの無い所だろう。
老人は籠の中に自ら飛び込んできた美しい小鳥の生殖器をじぃっと見つめた。この医院に閑古鳥が鳴く原因となった老医の悪癖が十数年振りに頭をもたげてきた。後悔は無い。
いや、むしろこの美しい獲物を逃す後悔の方が大きいであろう事は容易に察せられた。桜庭葵の躯はそれ程に極上の一品なのだ。心の中で舌なめずりする老医。
診察に名を借りた陵辱で葵の若い肢体を貪り尽くすのだ。
「まあ、とにもかくにも診察してみん事にはどうにもならんじゃろう。万が一にも妊娠していない可能性もある訳じゃしのう」
老医はさも妊娠している可能性が高い事を仄めかして葵の首を真綿で締め付ける。
「それで、どんな風に膣内を洗ったんじゃね?」
もう葵は老人の掌で踊る人形に過ぎなかった。老医の問診に導かれて次々と恥ずかしい体験を白状させられてしまうのだ。
「シャ、シャワーの先を……外して……膣内に……ああっ……」
恥ずかしい自涜の秘密を暴かれて、葵は顔を背けて咽び泣いた。
陵辱に必要なのは鞭ばかりではない。時には甘い飴も必要なのだ。老医はまるで頭を撫でるように、葵の恥丘の草叢をよしよしと撫で付けた。
「うむ。辛かったじゃろう。葵さん、よく言ってくれたのう」
嗚咽を零す葵には、この老医こそが自分を救い出してくれる一本の蜘蛛の糸のようにさえ感じられた。
「まあ、葵さんに限ってそんな事は無いとは思うが、ひょっとしてシャワーの先を突っ込んで洗った時におかしな気持ちにはならなかったじゃろうね?」
葵のがピクリと震えた。判り易過ぎる患者の反応に老医は目尻を下げた。
「どうなんじゃな? ん? これは妊娠しているかどうかを左右する大事な事じゃから正直に答えてもらわんとな」
何もかも観念したかのように、葵はがっくりと項垂れた。
「して……してしまいましたッ……」
喉の奥から搾り出すようにして葵が己の恥歴を吐露した。
「最初は、最初は洗うだけのつもりだったのにッ……ホースを膣内に挿れたら……おかしくなってしまって……私ッ……」
あえて慰めの言葉を掛けずに、老医は重苦しげに呟いた。
「不味い……不味いのう……」
しゃくり上げる葵は老医の次の言葉を待つ。
「『病も気から』という言葉は知っておるな? そうじゃ、古来より言われる通り、心と躯の間には密接な関係が在る。心が挫ければ病を呼び寄せ、また病に罹れば心までもが患う。妊娠にも同じ事が言えるんじゃ。
どれだけ大量に膣内で射精されようとも、この種だけは孕むまい、と女が固く念じておれば不思議と妊娠せぬものじゃよ。たとえそれが輪姦、つまり大勢の男達によってたかって嬲られたとしてもな」
老医はそこで一呼吸置いて葵の表情を伺った。
「しかしじゃな、膣内でまだザーメンが残っているうちにマン摺りをこいてしまったのはいかん。もっと自重するべきじゃった。まあ葵さんも若いからのう。
性欲を持て余して悶々とする事もあろうが、望まぬザーメンを膣内に残したままでマスターベーションをぶっこいてしまったのは正しく若気の至りじゃて」
老医はもう一度葵の顔をジロリと睨みつけた。
「先刻、わしは『病も気から』と言うたな? まさにそれよ。いいかな、女がマスをかくというのは男が欲しいからじゃ。
オマンコの奥にチンポをぶち込んで欲しいからじゃ。その深層心理には、オナニーで思い浮かべる男の赤ん坊を産みたいという女性の本能があるのじゃ。
つまり、女がオナニーする時は心の底では妊娠を欲しておるのじゃ。孕みたがっておるのじゃ。判るかな?」
「は……はい……」
「つまり、ムラムラして盛りがついておる時には孕みやすいのじゃ。その点は人間も犬猫も何も変わりゃあせん。勿論、普通にオナニーするのは良い。全く御構い無しじゃ。
人の3倍もマスをかこうが誰も何にも文句も言えやせん。しかし、しかしじゃよ。もしも膣の中にザーメンが残った状態でオナニーをしたとする。葵さん。どうなると思う?」
「……に……妊娠……」
「御名答。その通りじゃ。男の精子がまだ生きておる間にそれを溜め込んだ女がオナニーをすると極めて妊娠しやすくなるのじゃ。身体の方じゃ、そのザーメンを誰が出したのかまでは判りゃせん。
だが女が恋焦がれる理想の男を想いながらオナニーをすると躯の方の受け入れ態勢が整ってしまう。こうして極めて妊娠しやすい状態に陥ってしまうのじゃ」
葵は老医の言うことを無言で聞いていた。葵とて通り一遍の性教育は受けて来ている。勿論、老医の言う話など初耳だ。
しかし、葵には自分がそうした事に疎いという自覚があった。それ故に専門家にそう断言されてはそれを疑うという事を思いつきもしなかった。
彼女の美点でもあり欠点でもある、すぐに他人を信用してしまう性格が災いしたのだ。
「葵さん。お前さんは今、極めて危険な状態なんじゃ。妊娠を望まぬのならば尚の事よ。すぐにでも膣の中を詳しく調べて、しかるべき処置をせねばならん」
葵は一時の欲望に身を任せた己の不甲斐無さを嘆きながら老医の言葉に肯かざるを得ない。彼の言葉が全くの出鱈目であるとも知らず、無垢を穢された躯を葵は自ら老獪に捧げたのだ。
老医はあらためて葵の膣を指で寛げて中を覗き込んだ。葵は瞼を固く閉じてじっと堪えている。
いくら診察のためとはいえ、いくら自分が納得して股を開いているとはいえ、華も恥らううら若き乙女が己の恥部を余すところ無く開帳されて女の肉の構造を奥の奥まで覗き込まれているのだ。
平常心でいられる筈も無い。ぐっとアームレストを握り締めた掌にはびっしょりと汗を掻いている。掌だけではない。まるで頭から水でも浴びたかのように、葵の全身は汗みずくだった。
しかし葵の狭隘な肉路の奥を観察するのは決して容易な事ではなかった。
あれだけの巨根に処女を散らされてからたった一日半が経過しただけで、葵の膣はヒーメン以外は殆ど元の佇まいを取り戻していたのだ。
破瓜の直後、あの男の剛直に強引に拡張されて虚ろに穿たれた孔からザーメンを漏らしていた時の惨状からすれば、如何に葵が若いとはいえその回復力は驚異的ですらある。
「ううむ、これでは良く見えんのう……」」
思うように観察出来ない不自由さに呟きを零しながら、老医は背後のキャビネットから大小様々な金属製の嘴を持ち出してきた。クスコー氏膣鏡である。
「やはりコレかのう」
一体、自分の躯は何で何をされるのか。全く情報を与えられない葵がそっと瞼を開けて老医の方を伺う。
老医が取り上げた一本の嘴がキラリと光った。SSサイズの極小膣鏡である。葵の狭隘な肉路にはSサイズでも大きいと老医は判断したのだ。
滑りを良くする為と敏感な粘膜を保護する目的で膣鏡の外側に医療用のジェルクリームをたっぷりと塗す。手馴れた医師の手付きを薄く開けた瞼の隙間から不安に慄く眼差しで見詰める葵。
「おお、わしとした事が忘れておったわい」
シャーッという音を立てて老医が葵の上半身と下半身を腰の括れで遮断するようにカーテンを閉めた。白い幕の向こうから老医の声が聞こえた。
「これから葵さんは女の生き恥を曝すのじゃ。せめてお前さんがその目でこれから行われる事が見えないようにしてやるのが、わしのせめてもの情けじゃ」
老医はカーテンの向こうで葵を慮る台詞を吐きながら、机の引き出しからハンディカムを取り出した。
「ちょっと辛いかもしれんが我慢するのじゃぞ」
葵がぐっと身構えた。
「これこれ、身体から力を抜くんじゃ」
どうしても緊張で身体が強張ってしまうが、心を落ち着けて、リラックスして身体の力を抜くように努力する葵。
老医が寛げた肉の亀裂に金属製の嘴を挿入した。老医が膣鏡をぬるま湯で暖めていたので、金属特有のヒヤリとした感触を葵は覚えずに済んだ。
キリキリ……キリキリ……金属が軋む音がした。葵は股間に違和感を覚えた。老医がインサートした器具が軋みの音とともに徐々に葵の胎内で広がってゆくのだ。
「せっ、先生ッ?」
「うむ、大丈夫じゃ」
ハンディカムの液晶ファインダーを覗きながら老医は答えた。
「もうちょっとの我慢じゃ」
「むっ、無理ですっ、先生ッ……これ以上はッ……あひっ……」
「何を情けない事を云っておるんじゃ。お前さんが咥え込んだというデカ魔羅に比べればこれ位何でも無い筈じゃて」
「そっ、そんなッ……」
金属の嘴で歪に膣を抉じ開けられて、女の蜜壷の底を露呈させてしまう葵。老医は更にネジを締めて嘴を大きく拡げる。
「無理ぃっ……裂けちゃうッ……」
気息奄々の葵を叱咤激励する老医。
「何、子供を産むときには此処はもっと拡がるんじゃ。これ位屁でもないわ」
とうとうこの膣鏡ではこれ以上拡がらないという大きさにまで開ききってしまう。
「オツユを採取するぞい」
蜜壷の奥に溜まった粘液を採取しようと、老医は細長い匙を葵の膣奥に滑り込ませる。その先端が子宮口に触れた。勿論老医の故意である。
「かはぁッ!!」
腰を浮かせて仰け反る葵。
「おお、すまんすまん」
そんな患者の反応の一部始終までをも撮影して愉しむ老医。
「おや、どうやら葵さんはボルチオも感じるようじゃのう。オツユの分泌が凄い事になってきよったわい」
匙の先端がもう一度子宮口を突付いた。
「あっ、かはっ、はおッ……」
息が止まりそうなほどの野太い快感が腹の底から突き上げてくる間隔に葵は目を白黒させた。これが老医の云うボルチオの快感なのか。薄れてゆく意識の中で葵は思う。
「おっ……あおッ……ほおッ……」
慎み深い葵の、薔薇の花びらのような唇から獣じみた喘ぎ声が零れた。
「ううむ、これだけ子宮で感じるというのは、やはり孕んでおるのかもしれんのう」
もう老医のいい加減な言葉も葵の耳に届いてはいない。
「おうおう、ようやっと本気汁が湧いてきよったわい」
蜜壷の奥に摩り下ろしたとろろのように白く濁って泡立った粘り汁が溜まってくる。
老医はそれを細い匙の先で一すくい採取した。ツゥーッと糸を引く分泌物が銀色に輝いた。
「ひひひ、年増女顔負けのコッテリ汁じゃ。女は顔では判らんのう」
辱めの言葉を呟きながら老医が膣鏡のネジを緩めてゆく。じわじわと元の佇まいを取り戻してゆく葵のヴァギナ。
「あっ、ああっ……」
葵の口から物欲しげな溜息が漏れた。
(も、もっと……止めないで……)
息が上がっていなければ、間違いなく叫んでしまっていただろう。葵はカーテンの向こうに恨めしげな視線を向けた。