改めて、自分の股の間の惨状を見せ付けられて葵は目を背けた。鏡に映って二つに増えた葵の恥部が羞恥心さえも二倍に増幅しているかのようだ。  
 浴室での薫の乳房襲撃の衝撃から一時間余りも経過して、ようやく人心地ついた葵は中断させられたヴァギナ封印の解除にノロノロと取り掛かり始めた。  
 綺麗に敷いた夜具の上に二つ折りにしたバスタオルを二枚重ね、その上に腰を下ろして葵の持っている手鏡のうちの一つを草叢のすぐ前に置いた。  
この手鏡は持ち手の角度が変えられるように作られており、立ち鏡としても使えるようになっているのだ。  
 鏡面に映し出された自分の恥毛。万事において慎ましくお淑やかに育てられた葵がこんな風にして自分の股間を覗き見るのは初めての経験だった。  
濃過ぎる陰毛の事はいつも心の何処かに引っ掛かってはいたのだが、こんな風に股座を凝視するのは怖いような気がしてこれまでそうした機会を得なかったのだ。  
 (いっ、いやらしい……)  
 こんな淫らがましいモノを今まで股の間に付けてきたのか。自分の躯の事なのに、自分が何も知らなかったという事実をまざまざと突きつけられて愕然とする葵。  
 クリトリスの存在にしてもそうだ。自分の体にあんな敏感な部分があるなどとはあの男に教えられるまで露ほども知らなかった。それが今はどうだ。目を閉じていてもはっきりとその部分が脈打っているのが判る。  
それどころかムズムズと疼くような痒みさえも伴って痛いほどに大きく腫れている様子さえも手に取る様に判るのだ。  
 それにも増して目を覆いたくなるのは肛門の惨めな佇まいだ。入浴時に洗う指先の感覚で毛が生えているのは判ってはいたがこれ程みっともない姿だとは思っても見なかった。まさにみっともないとしか言い様が無い。  
放射線状にくっきりと刻まれた彫りの深いアナル皺の周囲に、小菊を縁取るように和毛がそよいでいる。腋も脛もそれほど毛深い訳ではない葵だったが、こと股間に関しては異常に濃かった。  
 もっともどんな肛門がみっともなくないのかは葵には判らなかったが、自分のソコが他人と比べても酷い様子なのだろうという事を自覚しない訳にはいかなかった。見なければ良かったと悔やんだが後の祭りである。  
しかもそんな肛門の中心には前の孔から飛び出したコードが繋がっているのである。いくら自分の手で挿入した事とはいえ、その惨めさ、情けなさには目を伏せずにはいられない。  
 まず最初にしなければならないのは、後ろの孔に挿し込んだコントローラーを引き抜く事だった。  
カモフラージュした陰毛を掻き分けてコードを探し出す。マニキュアを塗っていないのにも関わらず桜貝のような淡いピンク色に輝く爪の先をそれに引っ掛けてクイッと引いてみる。  
 「くうッ……」  
 前の孔と後ろの孔が同時に圧迫される。  
 だが。  
 (ぬ、抜けない……)  
 葵は焦った。前の孔は陰毛で封印されているのだから抜けないのは当然だ。何故、後ろの孔から挿入したものが抜けないのか。  
 葵は腰を浮かせて座ってみた。用を足すときのポーズだ。まさか自分の部屋で息むような事態になろうとは考えたこともなかった。  
 目を閉じて、下腹部に力を込める。コードを指で引っ張って排泄をアシストするのも忘れてはいない。  
 「……ッ……」  
 今までに数えられる程しか経験したことの無い便秘の苦しみにも似ている。すぐ其処に大便はあるののは判るのだが、どう踏ん張っても顔を出してくれない状況に今の葵も陥っていた。  
 
 深く挿れ過ぎてしまったのか。肛門の内側に居座ってびくともしない玩具のコントローラーを葵は心底恨んだ。  
挿れる時にはさんざんあれだけ梃子摺らせてくれたのに、今度は一転して排泄を拒むわがままに絶望的な気持ちになってしまう。  
 半固形物と只の固形物との違いが上手く排泄できない理由なのだろうか。  
腸に消化物が溜まっていればそれがコントローラーを押し出してくれる事も期待できたのだが、流石に葵も今日は食事が喉を通らなかったのだ。  
 (……この姿勢がいけないのかしら……)  
 和式の便器を跨ぐ時と同様に、バランスを取るために前方に向かってやや猫背になりながら踏ん張る所為で腹部が圧迫される。  
半固形物の本物の大便ならその形を自由自在に変えて出てくる状況でも硬いプラスチック製のコントローラーでは勝手が違うのかもしれない。  
 そう考えた葵は壁際に移動してその場で再びしゃがみこんだ。片手を壁について上体を伸ばした姿勢を取る。さっきよりは出てきそうな気がした。  
 「……ンッ……うんッ……」  
 時ならぬ息みが葵の部屋に響いた。肛門の真下に置いた手鏡をチラチラと見ながら踏ん張る葵。  
グイグイとコントローラーと繋がったコードを引っ張るのだが、万が一にも切れてしまうのではないかという恐怖に駆られ、思い切って指先に力を入れる事が出来ない。  
 切羽詰った葵はピンと立てた中指を裏菊の中心にそっと添えた。  
 「くはッ……おっ……」  
 葵は自らのアヌスに中指の先を埋め込んだ。ヌプヌプと腸粘膜の肉路を突き進む白魚のような葵の指。  
 浴室での慌ただしい挿入の時には気付かなかった様々な感覚が葵の頭の中を駆け巡った。  
 しっとりとぬめる粘膜に指先を包み込まれると、内部が熱く火照っているのが判った。  
奥は蕩けそうに柔らかい癖に、入り口の付近では指が鬱血してしまうぐらいにキュンキュンと締め付けてくる。自分の肛門に自分の指が食い千切られてしまいそうだ。  
 一方、肛門の方では外部から入ってきた腸温よりやや低めの温度を持つ細い異物をはっきりと認識していた。括約筋が半ば反射的に異物を押し返そうと蠕動した。  
 「あっ……」  
 指先から疾る快感の電流と肛門から拡がる愉悦の波紋が全く同時に脳に到達すると、我を忘れてしまうほどの悦びが葵の躯の芯を貫いた。  
 未知の快楽に耽溺してしまいそうになる自分を必死に叱咤して、葵は指先を更に奥に進めた。  
 その指先が異物を捉えた。  
 あった。あのコントローラーに間違いは無かった。  
 葵の中指は殆ど根元まで沈み込んでいる。つまり葵の必死の踏ん張りにも関わらず、異物は殆ど動いていなかったのだ。  
 恥辱に頬を染めた葵が、肛門の中の指を蠢かした。アヌスを内側から揉み解して狭隘な腸路を少しでも拡張しようというのだ。  
 クチュクチュクチュクチュと何の液体が発しているのか判らぬ湿った音を響かせながら、葵は必死に肛門をマッサージした。  
その甲斐があったのか、じわじわと中の異物が入り口に近付いてきているような気がする。いや、間違いない。  
今朝の太便と比べれば余りにも細過ぎるとさえ思える葵の中指がゆっくりとした歩みで徐々に外界に姿をを現し始めたのだ。  
 排泄運動に弾みが付いたのか、その後は一気呵成だった。ムリムリと吐き出されてくるコードを巻き付けられたコントローラーの様子が鏡に映っている。  
 カコン、と音を立てて手鏡の上に落ちた異物は透明な腸液にヌラヌラと妖しく輝いていた。  
 葵は出し終わると布団に突っ伏して声を殺して咽び泣いた。今までの人生の中でこれほどまでに惨めな一日があっただろうか。  
昨日まで、自分がどれだけ幸せだったのかという事を思い知らされた。たった一晩にして、自分は全てを失ってしまったのだ。  
 だが、どれだけ泣いていてもしょうがなかった。手を動かさなければ縛めは解けないのだ。葵は再び夜具の上のタオルに腰を落とすと睫毛を濡らしながら陰毛の結び目に指先を伸ばした。  
 
 ……それから数時間後。窓から差し込む月明かりの中で全身の肌を汗みどろにしながら、葵はようやく最後の結び目を解く事に成功した。困難な道程だった。  
絶えず膣奥から送られてくるローターの刺激に耐えつつ、溢れ出す愛液に指先を滑らせながら一本一本絡まった恥毛を丁寧に解きほどいていく作業は途中で何度断念しようかと思わせた。一日振りの縦溝の解放であった。  
 癖の付いてしまった陰毛を左右に掻き分けて女の縦溝を露わにする。24時間前に陵辱の限りを尽くされたクレヴァスはまるで昨日の出来事が夢だったかのように清楚な佇まいを取り戻している。若い女体が持つ回復力の成せる技だ。  
 夢見る乙女の瞼のようにひっそりと閉じられた左右の大陰唇。深い切れ込みの亀裂はたった一日で色素が沈着する筈も無く、ラヴィアがはみ出している様子も無い。  
昨日までと何ら変わるところの無いとしか思えぬ葵の秘裂だったが、それがもう元通りの姿を取り戻せ無い事を知っているのは最早この世の中に葵一人だけであった。  
 まるでタンポンの紐のようにクレヴァスの奥から一本のコードが伸びている。日中の間、葵を悩ませ、責め続けた元凶がその奥に潜んでいるのだ。  
 指先にコードを絡めて、葵はあの男が残した忘れ形見と決別するべくそれを引いた。  
 「ひィッ!!」  
 葵は仰け反るとそのまま仰向けに布団の上に倒れた。男の執念がピンクローターに乗り移っているのか。  
淫猥な卵は葵の膣奥にしっかりと根付いたかのように、軽く引いただけでは動く気配も見せてはくれない。肉襞がしっかりと卵を絡め取っているのだ。  
 ピンと張り詰める一本の線。葵は更に力を込めてコードを引いたが、知らず知らずのうちに腰が浮き上がってしまう。まるで折角咥え込んだ玩具を手放したくなくて下半身が駄々を捏ねているかのようであった。  
葵が力任せにグイグイとコードを引くのに合わせて腰がカクカクと突き出される。まるで釣り人と餌を咥えた魚の争いを見ているかのような滑稽な一人芝居だが、幸いな事にギャラリーは誰一人いない。  
 「はっ、はひっ、あンッ、ああんッ、あんっ、あんッ……」  
 甘く蕩けた淫らな掛け声に合わせて腰を使う葵。いつの間にか彼女を苦しめた玩具を取り出すという本来の目的はどこかに霧散してしまい、今は只ひたすらに快楽を貪る浅ましい牝に堕ちたとしか思えぬ葵の痴態であった。  
 「うんッ……くうッ!!」  
 葵の背中が引き絞られた弓のようにしなった。後頭部と肩、そして足の爪先だけで支えられた葵の肢体がプルプルと痙攣した。  
 緊張の一瞬の後。  
 チュポンッ!!  
 まるで矢が放たれるようにして薄いグリーンの卵が宙に飛び出した。あられもなく腰を前後にグラインドさせた葵は一際高く腰を突き上げて唇から漏れそうになるはしたない言葉を飲み込んだ。  
 糸が切れた操り人形のようにがっくりと四肢を布団の上に投げ出す葵。ハァッハァッと吐く荒い息に、頂上の尖りを勃起させた胸の膨らみが激しく上下する。ほぼ丸一日暖め続けたプラスチック製の卵を手繰り寄せる葵。  
 ヴィーっと小さな音を響かせながら振動するピンクローター。自らの淫液にまみれてぬらぬらと輝くそれは湯気が立ち昇りそうな程に暖められていた。  
 自分が産み落とした卵の淫らさに頬を焦がす葵。窓からの月明かりに目を凝らしてみれば、まるで糊のような半固形物の白い滓がいたる所に付着していた。  
あの男の精液ではない。つい昨日までは間違いなく純潔を守り通してきた葵の膣奥に溜まっていた恥垢だった。  
二十年近い年月をかけてじっくりと熟成された桜庭葵謹製のカマンベールチーズが強い発酵臭をプンプンと漂わせている。  
 いたたまれない恥ずかしさに身を焦がしながら葵は立ち上がろうとした。  
 「っ!!」  
 膝がガクガクと笑った。その場にぺたんと尻餅をついてしまう葵。下半身がフニャフニャだった。腰が抜けているのだ。情けない思いに心を曇らせて、壁に手を付きながらよろよろと立ち上がる葵。  
音を立てずに襖を開けて廊下に出る。おぼつかない足取りで葵が向かうのは深夜の浴室だった。  
 
 
 灯りを点けずに葵は浴室に入った。こんな時間まで誰かが起きているとは思っていないが、煌々と明るくするのは流石に気が引ける。だがそれは葵が自分を納得させるために自分に吐いた嘘に過ぎない。  
本当の理由は別にあった。他の誰よりも薫に気付かれたくなかったのだ。  
 時計の針は午前3時を回っている。それでも窓から差し込んでくる月明かりのお陰で浴室の中の様子は充分に判る。いつもの習慣で湯船から冷めた湯を手桶に掬って肩からそれを浴びる。  
 そして壁の方に近づくと手に取ったシャワーからお湯を出す。暫くの間、刺激の少ないぬるま湯になるように指先で温度を確かめる。水と湯の蛇口を交互に捻りながら調整すると、がに股に膝を開いてしゃがんだ。  
 勢い良く迸る水流の先を股の間に向けた。シャワーのノズルを前後に動かしてざっと愛液を洗い流す葵。  
 シャワーを止めると、今度は手に取った石鹸を使って掌で泡を立てる。手の平一杯の泡の山をみて充分だと判断したのか、葵はそれを股間の草叢に盛り付けた。  
一瞬の間だけ、葵の躯から黒い物が消えて純白の裸身が月明かりに浮かび上がった。  
 いつもの数倍の時間を掛けて、股の間で指先を動かす葵。モシャモシャと泡と陰毛が奏でるハーモニーが深夜の浴室でエコーした。  
 鏡の中に青白く浮かび上がる葵の頬が紅く染まっている。母親から教えられた通りに股間を洗う葵の心の中は、もう一昨日の出来事になってしまった、あの処女としての最後の入浴の時とは同じではいられなかった。  
唇を噛み締め、内側から湧き上がってくる何かを堪えているかのような葵の表情。  
 鏡に映る自分の表情に気付いたのか、これではいけないとでも言うように頭を左右に振ると、再びシャワーから迸らせた水流で股の間の泡を洗い流していた。  
浴びているのはぬるま湯の筈なのに、いつしか葵の頬は上気していた。  
 柔らかな恥丘にあてがった指を逆さまのVの字に開くと、ピンク色の肉裂を開陳された。シャワーの湯を桃色媚肉に直接当てた瞬間、葵は背筋を弓形にたわませて仰け反った。  
包皮を脱ぎ捨てて根元までズルリと剥き出しになったクリトリスを水流が直撃したのだ。  
 葵はそこが恐ろしく敏感な器官だと知った。もう一度、弱めたシャワーを寛げた肉裂に向けた。  
腰がビクンと動き、丸い双臀がプリプリと弾んだ。徐々に水の勢いを強めてクリトリスを刺激に慣らしてゆく。葵は恐る恐る細い指先を尖核に伸ばしてみる。  
 「くッ……うんっ……」  
 ここまでなら大丈夫、というタッチの感触を文字通り手探りで見出す。  
 片手で陰核にシャワーを当て、もう片方の手でそれを磨く葵。瞼を硬く閉じて人差し指の腹で恥豆をクリクリと転がしながら根元にこびり付いた恥垢をこそぎ落とす。  
表面をくすませていた垢が剥がれ落ち、月光に照らし出された肉の宝玉が瑪瑙色にキラキラと輝いた。キュッキュッ、キュッキュッと指先で磨き込まれる度に充血して勃起肥大してゆく葵の陰核。  
 唇から漏れる吐息が熱い。ボウッとピンク色の霞がかかったような頭の奥で、こんな事をしては駄目だと言う理性の声が遠くに聞こえたが、指の動きは止められなかった。  
 「んっ……うんッ……あんっ、ああんッ、あんッ……」  
 もう行き着くところまで行かなければ気が狂ってしまいそうだった。剥き身の雌芯を嬲りながら葵は腰をくねらせた。  
 (いいッ……気持ちイイっ……)  
 それを認めてしまう事は自らの身を淫獄に堕とす事だと判っていた。判ってはいたが、認めざるを得なかった。  
 もうすぐ夜が明けようかという時刻。暗い浴室の片隅で罪悪感に苛まれながら葵は初めてのクリトリスオナニーに耽溺していた。しかし葵には自慰の経験が圧倒的に不足していた。  
浴衣の上から乳首を転がし、ショーツ越しにスリットをなぞるだけの幼いマスターベーション。  
葵はこれまでオナニーでアクメを迎えた事が殆ど無かった。どういう風に自分の躯を愛撫したらどういう風に悦び、何処を弄れば絶頂を迎える事が出来るのか。  
同じ年頃の少女達なら誰でも知っている自分の躯の秘密に対して、葵は余りにも知らなさ過ぎたのだ。  
ほんの数回のアクメでさえ、たまたま偶然に達したに過ぎなかったのだ。それは出会い頭の事故のような僅かな確率でしかない。  
 
 単調な愛撫はそれでも葵の内側に充分な官能の悦びを蓄えていく。しかし溜まりに溜まったそれを発散させる術を知らぬ葵はひたすらに悶々と指を動かすだけだ。  
モヤモヤとした物足りなさを抱えながらも、葵はオナニーを中断せざるを得なかった。  
 蛇口をひねって湯を止めた葵は、シャワーのヘッドを手で掴むとぐっと力を入れて捻り始めた。シャワーの先がクルクルと回り出し、ホース部分の先端から取り外された。ホースの口元部分を見つめる葵。  
直径は3センチ程。指先であらためてその先端を摘んで太さを確かめる。大丈夫だ、とでも言うように葵が小さく肯いた。  
 もう一度蛇口をひねって、ホースの先からほんの少しづつ湯が出てくるように調整する。暫く手を止めて湯が湧き出す様子をじっと見ていた葵は意を決して、ホースの先を股の間に潜らせた。  
 膝立ちになって大きく脚を拡げる。再び指で媚粘膜を開帳すると、ホースの先を膣孔にあてがう。  
 「んっ……くぅッ……」  
 入らない。如何に回復力に優れた若い女性の膣とはいえ、一度は直径6センチもあるモノで貫かれたのだ。ホースの先端はあの男の持ち物と比べれば半分の直径でしかない。入らない筈が無い。  
先の尖ったペニスと角張ったホース先端の金属部品の違いの所為か、或いは異物を自分の指でインサートすることによる本能的な躊躇いが葵の手を引き止めているのか。  
 それでも下半身は焦らされるのに我慢が出来ないのか、腰が円を描くようにクイクイと淫らにくねってホースの先を咥え込もうとする。  
 葵が細い顎を突き上げるのと同時に、下半身の空腰が何かに貫かれたかのように止まった。足の指が虚空を掴むようにキュッと縮こまった。  
 「ああっ……はぁッ……」  
 肺の中の空気を搾り出すようにして、悩ましく半開きになっている唇から熱い息を吐く。腰がゆるゆると小さな円を描きながらゆっくりと落ちてくる。ホースのインサートに成功したのだ。  
 医学的にこれが膣洗浄としての効果があるのかどうかは判らなかったが、犯された葵にとってはこうでもしなければ時間とともにますます着床の危険が高くなるような気がして耐えられなかったのだ。  
 葵は頤を突き上げて瞼を閉じたまま、手探りで蛇口の位置を求めた。ようやく探し当てたそれを指先でしっかり握ると、ゆっくりと水の勢いを強くしてゆく。  
 いくら男のモノに拡張されたとはいえ、まだ固さの残る膣は奥行きも浅く肉路も狭い。あっと言う間に蜜壷から溢れ出した湯が浴室のタイルの上に滴り落ちる。  
 かなり勢うの激しくなった水流が膣の底を叩いた。あの男にペニスの先で子宮を叩かれた時の感覚が甦ってくる。縊り出されるようにキリキリと尖る肉裂上端に芽吹くクリトリス。  
 葵はホースの先を一層奥に突っ込んだ。  
 「ひぃッ!」  
 膣の中で跳ね返った水流がクリトリスの裏側に位置するGスポットを直撃した。  
充血した淫核は真っ赤な瑪瑙色に輝き、張り詰めた表面を針の先で一刺しすればパンと弾けてしまうのではないのかと心配してしまう程に膨張している。  
葵は自分の割れ目から何かが噴き出したのを自覚した。失禁か。潮吹きか。或いは両方同時かもしれなかった。  
 しかし、幸いにもホースの水流が葵の噴いたものと一緒になってそれを誤魔化してくれた。  
 葵は股の間に咥え込んだホースをゆっくりと前後させ始めた。その行為はもう膣を洗う為にしているのか、膣を愛液で汚すオナニーなのかの区別が付かない。  
 
 「あっ、ああっ、あんっ、ああんっ、はあっ、はっ、はあッ……」  
 息を荒げながら葵は突っ伏した。神に捧げる供物のように高く掲げられたヒップの狭間でホースが前後に揺れた。  
 「いいっ……気持ちいいッ……薫様ッ、もっと、もっと強くッ……」  
 愛する人の名を口走りながら、葵は手の動きを一層早めた。お湯割の愛液が夜明け前の浴室に飛び散る。腰がはしたなく前後に揺れた。  
 「駄目ッ、駄目ですっ、薫様っ……いくっ、いっちゃうッ……葵ッ、いくッ、いくっ……いくゥッ!!」  
 生臭い吐息とともに葵が鬨の声を上げた。ガクガクと振られる腰に付いて行けずに、虚空にお湯を撒き散らしながらホースの先端が弾け飛んだ。  
アクメに絞り込まれた膣が内部の湯を水鉄砲のように噴き出した。銀色の弧を描きながら宙を舞った水飛沫は5メートルも先の浴室の対面の壁に当たって弾けた。  
 この二日間で男と葵に散々苛められたアナルも括約筋で繋がった膣の動きに連動してキューッと引き絞られた。  
おちょぼ口を突き出したようなその様子は海岸のフジツボか、熟練の和菓子職人の手になる栗きんとんを思わせた。  
 ようやく東の空が白み始めてきた。窓から差し込んでくる朝日の中で、葵の膣はアクメの余韻に浸ってピクピクと痙攣していた。  
 
続く  
 

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