ここは以前、静寂を保っていた洋館だった、だが今は夜になると軽快なヒップホップの曲と  
下品な男と女の甲高い笑い声が琥珀色の明かり共に外に漏れ、眠らぬ不夜城の様相を徹していた  
少し離れた小部屋にも稀に明かりが一つ灯る事もあるが、派手な洋館の明かりに比べれば月とスッポンであった  
この貧相な明かりに私がたたずみ、書を走らす、私の名前は花菱薫  
これから書くことは私の一つのミスがもたらした物語である  
 
いったい何時からこうなったのだろう?、夜の帷が降りてくる頃、彼らはやってくる  
彼ら…4人連れの褐色の肌をした異国人、彼らが車で館に着くと待ってましたばかりに館から派手な装いの彼女達が出向かえる  
一際目立って裸体が透けて見えるほど薄いランジェリーにガウンで羽織って着飾ってるのは  
一番背の高い神楽崎雅というこの館をほぼ仕切ってる女性で  
まるで桶屋のおかみのごとく仕切りながらも、自らも彼ら達の奉仕に精を出す  
ハーイ♪と彼女達で一番最初挨拶をし、ほぼ同時に彼ら達にキスをする  
その手付きはほぼベテランの領域だ、私が初めて出会った頃の型物の気配は微塵もない  
彼女達は彼らとピッタリと肩を密着しながら館に入る  
 
雅さんは4人連れの中で一番年が若いのが好みだそうだ  
いわゆるショタというものだが、何故私がそれを知ってるかと言うと  
実は雅さんと彼…名前はルイス言うが、そのルイスとのSEXの現場を目撃してしまったからだ  
私は決して覗き見した訳ではない、偶然だがわざとかも知れない  
雅さんは私を召使いのごとく酒を持ってきてと指図し、部屋に酒を持ってくると  
そこにはまさに雅さんとルイスが全裸で前戯の真っ最中であった  
かっての書斎部屋は机と本棚に代わり無理やりダブルベッドが置かれ、電話機だけが当時の名残を残すのみである  
ベットの脇には無造作に二人の衣服…いや雅さんだけがランジェリーのみであった  
雅さんは館の中ではいつもこのランジェリー姿だが  
中がほとんど見える程過激な物で、その姿で闊歩してる今の雅さんは羞恥心ゼロである  
酒と汗と精液の匂いが入り乱れる何とも形容しがたいこの部屋で、二人はベットで互いに性器の愛撫をしてる  
チュポッ、チュポッと威勢のいい音を互いに立てて、まるで獣が餌を貪ってるかのようである  
やがて雅さんが下になりルイスを両手で包み込み、まるで母親が子供に授乳をするかのようにルイスの顔に乳房を寄せる  
ルイスが思いっきり雅さんの乳首を吸う  
雅さんは「アァ〜ン、オォ〜、オォ〜、ヤァ〜」と軽快な英語風のあえぎ声をやや小声で叫ぶ  
雅さんの乳房はまさに完熟の果実という表現がぴったりとくるほど見事な形状を誇っており  
ルイスの肌と同じくらい褐色に染め上がった大粒の乳首と相いまって、男の性欲をいかにも高揚させると言わんばかりであった  
ルイスが満足そうに乳房の賞味を終えると、右腕が雅さんの秘所に忍びより、クチャクチャと卑猥な音を立てる  
そしてややぎこちないそぶりで雅さんの秘所とルイスの秘所が密着を始める  
ルイスの顔は幼さがあり、察するにどう見ても小学生のようだが  
その幼さとは裏腹にルイスの秘所はもはや立派な成人の形態その物であり  
褐色の肌と相まって見事なまでの堂々とした形となっていた  
この若さでほぼ完成形に近い大きさなのだから、成人となった暁には一体どれほどの大きさになっていようか?  
やはり赤道直下の豊富な大自然で鍛え上げられた人種は違うと思わざるを得ない。  
 
二人は性交の最中、私を見つけても何もリアクションは無い  
ルイスはともかくとして雅さんも動じないとは、以前の雅さんを知る私としてはにわかには信じがたい光景である  
が、しかし事実なのだ  
雅さんだけでない、妙子ちゃんもティナも、そして幼い頃結婚を誓い合った最愛の人であった葵ちゃんですら同様である  
今やこの館の女性住人全員が性の奴隷として変貌してしまったのである  
二人の秘所同士の密着の味わいも一区切りついて、ようやく雅さんが酒を持って現れた私に気づいた  
「ん?、ああチビの薫殿?、ああそこ、そこにテキーラ置いてちょうだい」  
「いや・・・あの・・・チビって?・・・」  
「もういいわ戻っても、ん?、何つっ立ったままなの?」  
「いや、あの、チビってどういう意味なの?・・・」  
「粗末なおチビさんのおちんちんの薫殿だからチビの薫殿じゃない」  
「・・・」  
「セックスがそんなに珍しいの?、ふふふ、チビの薫殿には一生縁が無いものね♪」  
「・・・」  
「ずっと見ててもいいのよ、そこでオナニーしたら?、うふふ、ああ、そんな度胸もないものね」  
「・・・」  
「粗末なおチビさんのおちんちんじゃねえ〜、ほんとにだらしないわね」  
「・・・・・・」  
「初めて合った時からだらしないと思ってたけど、ほんと、おちんちんの小さい人は何やっても駄目ねえ」  
「はあ・・・」  
「葵様が呆れるのも当然だわ、ま、居られるだけども有り難いと思いなさい  
「はい・・・」  
「いいわ、お部屋に戻ってオナニーしてらっしゃい、おチビなおちんおちんの薫殿!!!」  
「は、はい・・・」  
「あ、かえる時ここのゴミ持っててね、あと、私と愛しいルイスちゃんの服を綺麗に畳んでおいてね」  
雅さんの口のきつさは相変わらずだが、下ネタが加わった事で更にきつさは倍増した  
男の尊厳ですら軽蔑する口調だ  
いや、この口調は他の3人ですら程度の差はあれ同じようなものであった  
二人の服を畳み、おびただしい数の空き瓶と空き缶、散乱した食べ物などゴミを集めて部屋を出た時  
二人の吐息が上下運動と共に次第に荒くなって「オオ〜、オオ〜」とあえぎ声のトーンが次第に高くなってきた  
「ハァ、ハァ、ハァ」とルイスの息が切れ、ますます二人の動きは活発になる  
「オオオッ、オオオ〜ッ!!!」ルイスが小声で雄叫びを上げ  
雅さんが「カムッ、カムオッ〜」とルイスと同じように雄叫びを上げる  
やがて「ンハァァァ」と吐息がもれ、密着した二人の秘所から結ばれた証と言わんばかりの  
粘度の高い白色の濁り液がこぼれ出た  
二人はそれを確かめたのかどうかは定かではないが、満足そうにチュッチュッと口付けを交わし  
余韻を味わうかのごとく私の持ってきた酒と煙草を変わりばんこに口にした  
 
この様な乱痴気騒ぎが夜更けの館の部屋の彼方此方で響き渡る  
私はいつもの通りに廊下越しにそれを見届けた後、虚しさを感じながらゴミを台所に持って行くのであった。  
 
 

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