「せんぱーい、もう一軒…もう一軒いきましょ〜」  
 
「本条〜弱いんだからいい加減にしとけよ、お前…もうべろんべろんじゃねーか…」  
 
 千鳥足の酔っ払いと、それを介抱する男と言う週末の繁華街ではよく見られる二人組み。  
酔っ払いのほうが突然しゃがみ込むと吐き出し始める。冬の街角に白い湯気がもうもうと立ち昇る。  
 
「あ〜、ほら見ろよ…まぁ辛いのは分かるが身体に良くねぇぞ…」  
 
 酔っ払いの背中を擦ってやりながら先輩と呼ばれた男がボヤく。  
新米弁護士の後輩・本条 薫は初めて担当を受け持った裁判で上手く被告の弁護が出来ず、ほぼ  
検察の言い分が通ってしまった事に落ち込んでいたのだ。  
男にも覚えがあるので付き合ってやってるが酒に逃げられても困る。  
割り切って貰わないとこの仕事は続けられない。  
 
 吐いて少しは楽になったのか、薫が立ち上がる。  
 
「沢木先輩…もう一軒だけ付き合ってくださいよ…」  
 
「酒はもう止めとけって…そうだ、吉原に連れてってやるよ。こういう時は女抱けばすっきりするもんだ」  
 
 なおも酒に逃げようとする後輩に、沢木が妥協案を示す。  
 
「よ、吉原って…もしかしてソープですかっ!?」  
 
「おお、すげーいい娘がいるとこに連れてってやるからよ、思いっきり抜いてもらってこいや」  
 
 薫の了解も取らずに沢木は勝手に話を進めるとさっそく携帯で予約を取るため、電話をはじめる。  
 
「……だけど……お、空いてる?……うん、頼むわ。………これから行くから」  
 
(そ、ソープって…本番有りなんだよな? あっ、く、臭くないか? 俺っ!)  
 
 思いもかけない突然の話に焦る薫。  
そう、両親もおらず、苦学生で労働と学業を両立させてきた薫は25のこれまで女性と付き合った事も  
なかったのだ。  
幼い頃には許婚などという存在もいたほどの家柄に生まれついた彼だったが、花菱家頭首たる祖父の  
虐待に耐えかねて家を出ている。  
10年にも及ぶ不況で今では花菱グループも、その相手の桜庭グループも解体されており今はもうない。  
 
(あの子…葵ちゃんだっけ…元気にしてるのかな…)  
 
 もし、自分が花菱家に残っていれば結婚していたかもしれない娘を久しぶりに思い出す。  
政略的な婚約話だったが、凄くいい子だった。自分が家に残っていれば二つのグループの結びつきも  
強まり、今でも二つのグループは存続していたのだろうか?  
何万人もの人間に影響を与えてしまったかもしれない自分の決断に薫は今でも自信を持てずにいた。  
 
「本条〜お前ついてるぞ、超人気の娘だけど運良く空いてたぜ」  
 
 欝になっているのか、際限なく気分が落ち込んで行く。  
そんな薫をどうやら予約が出来たらしく、上機嫌の沢木が引っ張っていくような形でタクシーを捕まえると  
二人で吉原へと繰り出した。  
 
 
 
「本条、俺のお気に入りの娘だけど、今回はお前に譲ってやるから感謝しろよ?」  
 
「はぁ…どうも」  
 
 正直、自分の筆下ろしの相手くらい自分で選びたかったがシステムもよくわからないし、沢木に全てを  
任せて薫は待合室のソファーに腰を降ろす。  
 
「苗字で予約とっといたけどいいよな? …お、俺の指名の子が来たみたいだ。お前も楽しんでこいよっ」  
 
 ご指名の姫に連れられて先に沢木が個室の中に消えていく。  
しばらく待っていると、やがて薫にも迎えの姫が来る。  
 
「あの…本条さま…ですか? お待たせ致しました。こちらへどうぞ」  
 
 ソープ嬢という言葉からは想像だにしていなかった日本人形のような気品ある美貌、清潔そうに  
切りそろえられたショートボブに薫の心臓がドキリと跳ねる。  
 
「沢木様の御紹介なんですね。御贔屓頂き、ありがとうございます」  
 
(うわっ、めちゃくちゃ可愛いじゃないか…こんな娘と出来るのかっ!?)  
 
 紹介してくれた沢木に感謝しつつ、おしゃべりしながら姫の後ろをついていく。  
姫の身体から漂う石鹸の香りに快楽中枢を刺激され、この後の期待感にズボンの中は既に勃起状態だ。  
 
(あれ…でもどっかでこの娘と会った事なかったっけ? なんか見覚えがあるような…)  
 
 曲がりくねった廊下を歩き、奥まった部屋に案内される。  
 
「いらっしゃいませ、お客様のお相手を勤めさせて頂きます、あおいと申します。  
本日は御指名ありがとうございました」  
 
 薫を部屋の中に招き入れると姫は、深々と頭を下げて挨拶をする。  
かつて旧家で厳しく躾けられた薫の目から見ても完璧な挨拶に、思わず薫も頭を下げる。  
 
「い、いえっ、こちらこそよろしくお願いしますっ」  
 
 そんな薫の世慣れぬ反応に、あおいはくすりと微笑むと、薫の背広を脱がせてハンガーに掛けてくれる。  
まるで新妻のようなもてなしぶりに薫も思わず鼻の下を伸ばす。  
 
(可愛いなぁ…あおいちゃん、かぁ……んっ? あおいって…)  
 
 自分に微笑みかけるあおいに昔出会った葵の面影が重なる。  
 
「お客様、こういうお店は初めてですか? いっぱいサービスさせて頂きますね」  
 
「ね、ねぇ…あおいちゃんって…もしかして、桜庭 葵ちゃん?」  
 
 あおいがビクリと身体を震わせて、オドオドした眼で薫を見上げる。  
 
「えっ…お客様…どうして…」  
 
「や、やっぱりそうだったんだ…まさか桜庭倒産の借金とかで…ご、ごめん。俺のせいだっ!!」  
 
 他人事だった桜庭デパート倒産のニュースが急に現実的な罪悪感を持って薫の胸を締め付けて、  
思わず葵の前で土下座する  
 
「葵ちゃんっ、俺だよっ! 花菱薫だよっ! 俺のせいで葵ちゃんがこんな事になってるなんて…  
全然知らなかった…ごめん、謝って済む事じゃないけど、本当にごめんよっ!」  
 
「薫…さま? 花菱薫さま…」  
 
 しばらく巳を竦ませて呆然と薫の謝罪を聞いていた葵だったが、跪くと薫の手にそっと触れる。  
 
「顔を上げてください…私がこんな仕事をしているのは、決して薫さまのせいなんかじゃないんです」  
 
 そして葵は語り始める。長引く不況で高級呉服屋など流行らなくなった事。  
構造改革を成さねばならなかったのに、事業に必須な女性の視点から発言出来る有能な人材の  
雅さんを自分のわがままで傍に置き続けてしまった事。  
末期には父母が相次いで倒れてしまい、混乱の中あっけなく200年の桜庭の歴史が幕を閉じた事。  
父母の医療代の為、この業界で働き始めた事。その父母も今は亡くなった事…  
 
「でも…一つだけ教えて頂きたいんです。薫さまは葵がお嫌いで花菱の家を出てしまわれたのですか?」  
 
 真剣な瞳で問う葵に、薫もこれまで誰にも話したことのなかった秘密を打ち明ける。  
母親の事。自分を虐待した祖父の事。そんな花菱の家が許せず、これまで一人で生きてきた事…  
 
「でも俺は自分の事しか考えてなかった…俺の我侭のせいで葵ちゃんにこんなつらい思いをさせていた  
なんて…」  
 
「いいえ…私は嫌われていたわけではなかったんですね…それだけ教えていただければ葵は大丈夫  
です…それに私、このお仕事、結構気に入ってるんですよ? みんな優しくしてくださいますし…」  
 
「葵ちゃん…」  
 
 薫を元気付けるように葵は微笑む。  
それは薫の母親のような、苦しみの中でも人を思いやれる心の持ち主だけが浮かべられる菩薩の如き  
微笑みだった。  
 
「あっ、いけないっ! もうこんなに時間が経っちゃってますっ! どうしましょう…」  
 
「あ…いや、いいよ。葵ちゃん、休んでなよ」  
 
「そんな…お金を頂いてるんだからそういう訳には参りませんっ。  
薫さま、準備をし直してきますので服を脱いだらお越しください」  
 
 慌しくバスルームに駆け込む葵のお尻を目で追いかけていると、あんな重い話をした直後だというのに  
薫の息子が再び自己主張を始める。  
 
(俺ってこんなに節操なしだったのか…でもあの葵ちゃんがしてくれるのかぁ…  
ここはお言葉に甘えちゃおうかな…)  
 
「葵ちゃん、入るよ…」  
 
 薫がいそいそと服を脱ぎ、タオルを腰に巻いてバスルームに入ると、バスタオルを纏っただけの葵が  
出迎える。  
着痩せするタイプなのか、予想以上にむっちりと脂の乗った葵の太股や胸元に目が釘付けになる。  
 
「じゃあまずは背中をお流ししますので、そこに座って頂けますか?」  
 
「う、うん…」  
 
 バスタオルから零れ落ちる白い肌にドキドキしながら、薫は椅子に座る。  
 
「あ…」  
 
 薫の背中を見た葵が思わず驚きの声を上げる。虐待による傷跡で裂傷や痣だらけだったのだ。  
 
「ごめんね。気分の悪くなるような身体だよね…」  
 
「いいえ…そんな事はありません。どうかこの一時だけでも、葵に薫さまを慰めさせてください…」  
 
自嘲気味に謝る薫の耳元で囁くように葵が答える。  
と同時に薫は背中に柔らかい感触が当たっている事に気付く。  
 
(う、うわぁ〜、葵ちゃんの胸が当たってるよ〜、しかもこの感触は生で当たってるっ!  
 今、俺の後ろに裸の葵ちゃんがいるんだっ!)  
 
「薫さま…いやらしい女だと、葵を軽蔑しないでくださいね…」  
 
「うぁっ…」  
 
 葵は大量のローションを背中に垂らすと、肌同士を密着させて擦り合わせる。  
マシュマロのような感触の乳房が柔らかく潰れて、自分の背中に押し当てられる感覚に思わず薫は  
快楽の声を出してしまう。  
 
「ハァ…ハァ…あぁ…」  
 
 葵も快感を感じているのか、小さな喘ぎ声を上げながら乳房を円の軌道で運動させる。  
瞬く間に薫の背中を泡塗れにすると、今度は立ち上がって腕を取り、薫にお尻を向ける格好で  
股に挟んで擦り付け始める。  
 
「失礼しますね…んっ、んぅっ」  
 
 その淫卑な光景を前に、薫の視神経は揺れ動く葵の尻に釘付けになり、腕の神経は葵の媚肉の  
感触を感じ取ろうと全身の神経をそこに集中させたかのように鋭敏になる。  
もう片方の腕も同じように泡塗れにされると、葵は正面に回りこみ薫の胸に抱きつく。  
 
「薫さまぁ、気持ちいいですかっ? んっんっ」  
 
「う…あぁ…気持ち…いいよっ」  
 
 薫の脇の下に腕を差し込むと、葵は上下に動く。  
とても娼婦の物とは思えない純情そうなピンク色の乳首が泡の中に見え隠れして、薫は思わず生唾を  
飲み込む。  
とうの昔に腹と一体化するほど反り返った一物を、葵の柔らかい体が擦りあげる度に力が抜けて  
倒れこみそうになる。  
 
「あは…薫さまの、大きくなってます…嬉しい…」  
 
「あ、葵ちゃん…くっ、うぅ…射精るっ!!」  
 
 射精しそうになった瞬間、ぴたりと葵の動きが止まる。  
 
「薫さま? もうちょっと我慢してくださいね…葵、もっと薫さまに御奉仕して差し上げたいんです…」  
 
 薫の耳たぶを甘噛みしながら、耳元で色っぽく囁かれるとそれだけで薫は射精しそうになるが、葵の  
”もっと凄い御奉仕”を期待してなんとか堪える。  
 
「ではマットにうつ伏せで横になって頂けますか?」  
 
 葵の指示に従い、マットの上でうつ伏せになると葵が薫の尻を持ち上げ、股の間から手を差し込んで  
肉棒を握り締める。  
 
「え、あ、葵ちゃんっ!?」  
 
「うふふ…いきますよ?」  
 
 細い指で薫の肉棒をピストンしながら、玉袋を口で吸い上げる。  
男の最大の急所である睾丸を優しく口中で転がされるという未知の体験に、薫は思わず尻を高々と  
上げて女の子のように喘ぎ声を上げてしまう。  
 
「あっ! うああああぁっ!」  
 
「んっ もご…んふぅ…」  
 
 薫が脚を広げて肉棒への刺激を堪能している事を確かめると、葵は益々大胆に指を使いながら眼前で  
無防備に晒されている尻の窄まりをちろちろと舐め上げる。  
 
「あああああああっ! 葵ちゃんっ! 葵ちゃんっ!」  
 
「薫しゃまぁ…気持ちいいれすか…?」  
 
 薫からは見えないが葵の表情はとろんと蕩けており、アナル舐めへの嫌悪感など一切見えない。  
肉棒の根元を握って射精しにくくしながら、ズボズボと柔らかな舌を薫のアナルに送り込む。  
薫の肉棒がパンパンに張り詰め、痙攣しはじめる。  
 
「あ、葵ちゃん、で、射精ちゃうよ〜っ!!」  
 
「あんっ、待ってぇ。葵の得意技でイッて貰いたいんですっ」  
 
 再びの寸止め。またお預けされた口惜しさに、薫は息も絶え絶えに情けなく射精を懇願する。  
 
「あああ…葵ちゃ〜ん。もう駄目だよ…射精したいっ、射精させてよっ」  
 
 そんな薫の下に身体を潜りこませると葵はローションでヌメヌメの肉体を120%利用して、  
信じられないほどのスピードで薫の肉体とマットの間を前後にすべる。  
 
「ううっ、す、凄い…」  
 
「薫さまぁ…ハァ…ハァ…射精してぇ…」  
 
 ウナギのように身体をくねらせる葵の肉体の柔らかさと、肌のすべらかな感触にとっくに限界を  
迎えていた薫の肉棒が遂に弾ける。  
 
「うわぁっ! 凄い…あっ、ああ…」  
 
「あん…薫さまの…熱いです…」  
 
 生まれて初めて女性に全てを曝け出して、絶頂を迎えた開放感に薫は酔い痴れる。  
いつまでも続くかと思われた爆発的な射精が止まると、葵が優しくシャワーで汚れを落としてくれる。  
 
(凄い…ハマっちゃいそうだな…)  
 
「薫さま…気持ち良かったですか?」  
 
「うん…凄かったよ…気持ち良かった〜」  
 
 マットに寝そべりながら率直な感想を口にすると、葵は頬を染めながら嬉しそうに微笑む。  
ザーメンとローションでベトベトになっている肉棒を洗われていると、精液を全て出し切ったと思っていた  
薫の肉棒が再び反応をし始める。  
週に一回オナニーをするかしないかという淡白な人間だと、自分では思っていた薫は思わぬ肉体の  
反応に狼狽する。  
 
「あ…ご、ごめんっ」  
 
「いいえ、嬉しいです。葵とまたしたいって思ってくれてるんですよね…」  
 
 再び勃起しはじめた薫の肉棒を葵は口に咥え込む。  
射精したばかりでまだ敏感な亀頭をゆっくりと丁寧にねぶってやると、硬度と大きさを取り戻していく。  
 
「ああ…葵ちゃん、また袋のほうも…」  
 
「クス、ここ、お好きなんですか?」  
 
 生まれて初めて味わう口内の暖かさに陶然としている薫の要請に答えて、今度は指で優しく睾丸を  
揉み解す。  
舌でカリの周りをなぞってやったり、頬の裏側で擦ってやると完全に復活した肉棒から口を外し、裏筋に  
キスをすると顔を離してしまう。  
 
「あ…」  
 
 暖かな口内からの卒業を寂しがる薫に、葵はどこから取り出したのか、コンドームを見せる。  
 
「今度は…葵の膣内で射精してください…」  
 
「うん、…うんっ!」  
 
 いよいよ童貞喪失出来ると先走り液を垂らす肉棒にゴムを装着させると、葵は騎乗位の体勢で  
薫の上に乗っかかり、既にトロトロと花蜜を溢れさせている陰唇を薫の肉茎に擦り付けて俗に言う  
マンズリを始める。  
 
「あん…はぁんっ…ああんっ…」  
 
「うぅ…くっ…」  
 
 ここまで来てまたお預けなどされてなるかと、亀頭が膣穴らしい感触を感じた瞬間、腰を突き出す  
薫だったが、そのたびに葵が腰を僅かに捻ると花びらが軟体動物のようにぬめって突き上げを避ける。  
夢中になって女の秘穴に入りたがるペニスと媚肉の淫らな攻防戦。  
 
「あはっ…はぁ…ああんっ…」  
 
「くっ…ハァハァ…」  
 
(うふふ…薫さま、可愛い…)  
 
 一心不乱にセックスに夢中になる薫につい、先ほどの薫の痴態を思い出して葵は意地悪をしてしまう。  
どうも童貞らしい薫の稚拙な腰使いを余裕を持ってあしらい、期待感に胸を高鳴らせる。  
 
 
 
ピピピッ ピピピッ  
 
 だがそこで時間終了を告げる電子音が無常にも響く。  
 
「えっ!? ご、ごめんなさい、薫さまっ…これでお仕舞い、です…」  
 
「だぁぁぁっ! そ、そんな…」  
 
 童貞喪失直前での無常の宣告に薫がガックリと肩を下ろし、薫の息子も無念の悔し涙を流す。  
あまりのショックにたちまちの内にあれほど張り詰めていた肉棒が萎え、ゴムがふやけてしまった。  
 
「あの…今日はこれで上がりなのでもし宜しければ私の部屋で続き、しませんか?」  
 
「えっ!? いいのっ!?」  
 
「はい、薫さまさえ宜しければ…この先のコンビニエンスストアで、少し待っていて頂けますか?」  
 
 葵の魅惑的な提案に一も二もなく頷く薫。軽くシャワーを浴びると、ロビーで待っていた沢木をお礼と  
称してタクシーに乗らせて帰し、近くのコンビニで葵を待った。  
 
「お待たせしました、薫さま」  
 
 少々小腹が減ったので、おにぎりやカップラーメン、チューハイなどを買い求めてそわそわと  
雑誌などを読んでいると、私服に着替えた葵に声を掛けられる。  
 
 可愛らしいワンピースの上にコートを身に纏った葵に既に風俗嬢の面影など微塵もなく、二人は  
恋人同士のように寄り添うと連れ立って家路に着いた。  
 
 
 
「今日は薫さまがいてくださるから、安心して帰れますね」  
 
 街灯もまばらにしかない寂しい道を行く。  
おしゃべりしながらの移動はあっという間に目的地に着いてしまう。  
かつて薫が住んでいたアパートもかくやと思われるほどのボロアパートの、サビの浮いた階段を  
上がると二階の部屋の中に二人は入る。  
 
「お邪魔しま〜す」  
 
「はい。狭い所ですがどうぞ、お上がりください」  
 
 言葉通り、玄関に入るとすぐにキッチンがあり、その向こうの6畳一間が今の葵の生活空間の全てだった。  
家具等は小さな箪笥と、化粧台、電気ヒーター、花が一輪活けてあるちゃぶ台だけで、衝立に掛かっている  
桜色の着物だけが部屋の中に場違いな華やかさを放っている。  
 
「薫さま、今お茶を入れますので暖房を入れて待っていて頂けますか?」  
 
「あ、カップラーメンとか買ってきたからお湯沸かして二人で食べようよ。お腹空いてるでしょ?」  
 
「残り物で宜しければ煮物とかありますよ。  
薫さま、カップラーメンとかばかり食べてるんじゃないですか? 駄目ですよ〜栄養が偏っちゃいますっ」  
 
 まるで恋人同士のような掛け合い。  
既に肌を合わせているせいだろうか、10数年ぶりの再会を果たした婚約者たちは急速にその距離を  
縮めていく。  
 
「この煮物おいしいなぁ。葵ちゃん、料理も上手いんだね」  
 
「…いっぱい練習しましたから。薫さまのお口に合えば、嬉しいです」  
 
 コンビニで買った軽食や、葵の用意した夜食を二人で仲良く食べ終わると、TVもないこの部屋で  
やる事は一つしか残ってない。二人の視線が絡み合うと薫が葵を押し倒す。  
 
「あ、葵ちゃん」  
 
「あん…待ってください、今、お布団を敷きますから…あっ」  
 
「もう待てないよ…」  
 
 服の上から胸を揉みながら、ワンピースの背中にあるホックを苦労して外すと葵は観念したのか、  
自ら服を脱いでくれる。  
その間に薫は勝手に押入れを開けると一組しかない布団を引っ張り出して、服を脱ぎ散らかす。  
葵もワンピースをきちんと畳んでから、生まれたままの姿になると電灯を消して布団の中に潜り込んだ。  
 
「葵ちゃん…」  
 
「あ…ふぅ…」  
 
 まずは愛撫の基本とばかりに、薫の手から零れ落ちるほどのボリュームを持つ乳房を餅を捏ねるように  
愛撫する。  
先ほどのマットプレイでも存分に味わったその素晴らしい弾力と感触を堪能しながら、赤ん坊に  
返ったように無心に乳首を吸う。  
 
「ああっ…それだめぇ…おっぱい溶けちゃうっ!」  
 
 ただでさえ敏感だったのに、ソープのお仕事でもっとも刺激されやすい乳首はいまや葵の最大の  
弱点の一つなのだ。  
こうして本格的な愛撫を受けると身体の力が抜けて全身が性感帯のように敏感になってしまう。  
 
「ああんっ、薫さまぁ…気持ちいいですっ、葵、溶けちゃいますっ!」  
 
 窓から差し込む月明かりのスポットライトに照らされて、薫の腕の中で葵の裸身が舞い踊る。  
 
「あ、葵ちゃん…綺麗だよ…」  
 
「ほ、ほんとですか? 薫さまぁ…いやらしい葵を嫌いにならないでくださいっ!」  
 
「エッチな葵ちゃんは凄く可愛いよっ! 嫌いになんてなる訳ないよっ!」  
 
「あはぁっ! 薫さまっ! 薫さまぁっ!!」  
 
 自分の手で初めて女を啼かせている事に自信を得たのか、益々薫の愛撫が激しさを増す。  
葵の秘所に手を伸ばすとそこはすでに熱くぬかるんでいた。  
 
「葵ちゃん…もう入れても…あっ!!」  
 
「ハァ…ハァ…薫さま…どうかなさいましたか?」  
 
 調子に乗ってキスマークが付いてしまうほどに葵の乳房を虐めていた薫が突然固まってしまう。  
 
「コンドームが…ない…葵ちゃん、持ってない?」  
 
「私も…家にはないです…」  
 
「ああ〜〜! くっそ〜〜!!」  
 
 ここまで来て、またコンビニまで買いに戻らなきゃいけないのかと自分のマヌケぶりを呪う薫に、葵が  
遠慮がちに声をかける。  
 
「あの…薫さま。私、今日は安全日ですから…薫さまが嫌じゃなければ…その」  
 
「えっ!? な、生でいいって事っ!?」  
 
「はい…あの、いつもはコンドームを付けて頂いていますし、毎月検査もしてもらっていますから  
病気とかは多分大丈夫だと思います…」  
 
「あ、ありがとう…葵ちゃんっ!」  
 
 恥じらいながら生のセックスをせがむ葵に思わず感激して、薫は抱きつく。最高の初体験を予感  
しながら正常位で肉棒を秘裂へと宛がう。  
 
「い、いくよ…葵ちゃんっ!」  
 
「はい…きてぇ…薫さまぁっ!」  
 
ズルッ ズルッ  
 
「あれ…あれっ?」  
 
 だが、童貞のお約束とばかりに秘裂に宛がった肉棒が滑って中々挿入出来ない。  
よく聞く話なので散々にイメージトレーニングを普段から積んできたのに、そんなものは何の役にも  
立たなかった。もはや、見栄を張ってもしょうがないだろう。薫は全てを打ち明ける事にした。  
 
「葵ちゃん…もう、気付いてると思うけど…俺、童貞だから…教えて欲しいんだ…」  
 
「薫さま…葵みたいな淫売な女が初めての相手でいいんですか?  
 薫さまの大切な人に上げなくてもいいんですか?」  
 
 葵の潤んだ瞳に見つめられながらの告白は不思議と屈辱感などなく、むしろとても素直な気持ちで  
いつの間にか葵を好きになっている自分を自覚出来た。  
 
「葵ちゃんは淫売なんかじゃないし、今、俺の一番大事な人は葵ちゃんだよ…  
葵ちゃんに俺の童貞、貰って欲しいんだっ!」  
 
「ほんとですか…? 薫さまの大切な童貞おちんちん、葵が食べちゃってもいいんですかっ?  
 私なんかが相手で後悔しませんかっ!?」  
 
「うんっ! 葵ちゃんがいいんだっ! 葵ちゃんに童貞捧げたいんだっ!  
 もう葵ちゃん以外には考えられないんだっ!」  
 
 薫の告白を聞いて童貞を奪うという行為に興奮しているのか、上気した表情で葵は薫の一物を  
自分の蕩けきった膣口に導くと角度を調整する。  
 
「ああ…ここですっ…このまま押し込んでっ!  
 葵のおまんこの中で薫さまの童貞捨ててきてくださいっ!! あああっ!!」  
 
「葵ちゃん、好きだよ。…いくよっ!!」  
 
 思い切り葵の中に突き入れると、まるでバターに熱したナイフを入れるように肉棒が膣道を  
切り開いていく。  
根元まで押し込むと同時に亀頭がこつんと子宮口に当たる。  
まるで薫専用と言わんばかりのフィット感と暖かさに、薫が思わず満足そうな唸り声を上げる。  
 
「ううっ…」  
 
「ああっ! 薫さまぁっ!! 葵、イキますっ!! ああっ! 来ちゃうっ! イクうううううっ!!」  
 
 だが葵の反応はそれ以上だった。  
薫の童貞を奪ったという精神的な満足感の為か、挿入の瞬間絶頂に達して、思いきり潮を噴きながら  
薫の肉棒を締め付け、媚肉の洗礼を与える。  
この時、薫が射精しなかったのは奇跡と言ってもいいだろう。  
 
「はあぁぁぁぁっ! はあっ、んっ! 薫さまのが…あ…ん、入ってます…んぅ…」  
 
「うあぁっ! あ、葵ちゃんっ!」  
 
 ねっとりと纏わりつくような媚肉が肉棒に絡みつき、胎内に納まった肉棒をもう逃さぬとばかりに  
ぎゅうぎゅうと情熱的に締め付ける。  
 
 口の端からよだれを垂らしながら絶頂を噛み締めている葵とは逆に、薫は必死になって射精を堪える。  
”三擦り半”もしない内に射精してしまうなど、さすがに男のプライドが許さないが、この状態で一擦りでも  
されてしまえばたちまちの内に射精してしまうだろう。  
仰け反る葵の身体を抱きしめて、サラサラの葵の髪の毛を撫でながら葵の胎内の蠕動が収まるのを待つ。  
 
 
「あ、葵…ちゃん…ハァ…ハァ…」  
 
「はぁ…ん…薫さま…ああっ! ああんっ!」  
 
 
 だが、経験不足の薫には想像だにせぬ事に、絶頂を極めている今の葵にとっては髪の毛への愛撫すら  
絶頂感を持続させるには充分な刺激なのだ。  
結果として薫は自らの行為でより長く、快楽という名の地獄を味わう事となった…  
 
 
 
 
「か、薫さま…そんなに見ないでください…恥ずかしいです…」  
 
 頬に張り付く髪を払ってやりながら、薫はようやくオルガスムスが収まったらしい葵と見詰め合う。  
貞淑そうな葵の態度とは裏腹に、媚肉は今も男の精を吐き出させようといやらしく蠢いている。  
そんなギャップにクラクラしながらも薫は潤んだ葵の瞳に吸いつけられるように眼が離せない。  
 
「薫さま…今、凄く優しい目をしてます…」  
 
「葵ちゃんが凄く綺麗だからだよ…」  
 
 そんな歯の浮くような台詞も、可愛らしく恥らう葵の様子を見ていると容易く口から出てしまう。  
 
「薫さま…葵にキスしてください…葵も薫さまにファーストキスを、捧げたいんです…」  
 
「えっ!? 葵ちゃん、ファーストキスって…」  
 
「はい…キスだけは好きな人としようって…今まで守ってきたんです…おかしいですよね、  
今まで数え切れないくらいのおちんちんを咥えてきたような女が…」  
 
「そ、そんな事ないよっ! そんな大切にしてきた唇を俺に…すごく嬉しいよ」  
 
「薫さまぁ…」  
 
 見つめ合いながら二人の唇がゆっくりと近づき、重なる。  
最初は軽く、そして貪りあうかのように深く舌を絡めあう。  
先ほど飲んだチューハイのせいか、初めてのキスは俗説通りレモンの味がした。  
まるで一つに溶け合うかのような一体感に、二人はお互いをきつく抱きしめあいながら酔い痴れる。  
 
「あっ! やあっ…んんっ!! ああ…んっ!!」  
 
プシュッ ピュッピュッ  
 
 感極まったのか、また潮を噴いてしまい葵は身体中を薔薇色に染める。  
気にするなというように再びキスをしてやると、薫の頭を抱きかかえてむしゃぶりつくように薫の顔中に  
キスの雨を降らせる。  
 
「ああ…嬉しいです…こんな幸せなセックス、初めてです…今まで辛かったけど…生きてきて良かった…  
ありがとうございます…薫さまぁっ!」  
 
 ぽろぽろと涙を零しながら健気な言葉を口にする葵に堪らず薫は抽送を開始するが、ミッシミッシと  
薫の動きに逐一反応を返すようなボロアパートの反応に葵が悲鳴をあげる。  
 
「あんっ、や、やああっ! か、薫さまっ! ゆっくり…もっとゆっくりお願いしますっ!」  
 
「ご、ごめんっ」  
 
 慌てて動くのを止めるとギシッギシッとしばらく建物が軋み声を上げて、ようやく止まる。  
二人は思わず顔を見合わせてクスリと笑う。  
 
「葵は薫さまが葵の中に居てくださるだけで、充分気持ちいいです…薫さまは動かないとお辛いでしょうか?」  
 
「ううん。実を言うと俺もこのまま動かなくても射精しちゃいそうなんだ…」  
 
「ふふ、じゃあずっとこのまま、二人で抱き合っていたいです…」  
 
「うん…そうだね…俺もそうしたいよ…」  
 
 薫は膣奥まで肉棒を押し進めると、もう一度キスをして葵を抱きしめた。  
 
 
 
「薫さま…あったかぁい…はぁん…」  
 
 薫の胸板に顔を擦りつけながら甘えるように葵が囁く。  
外では雨が降りはじめたのか、雨音が聞こえる中、時間を切り取ったようにアパートの中は静かだ。  
葵の小さな手と薫の手が重なり合い、布団の中のじんわりとした暖かな幸福感に、二人は心身ともに  
蕩けそうになる。このたった一畳の空間さえあれば他には何も要らなかった。  
 
「あぁ…もっと葵に体重をかけてください…んぅ…」  
 
 葵の両足が蛸のように薫の腰に絡みつき、より一層強く引き寄せると乳房が柔軟にたわんで、薫の  
胸板の間で押し潰れる。  
見詰め合い、時折思い出したかのようにキスを交わしながら、このままずっとこの時間が続けばいいのに  
と二人だけの甘い時間を堪能する。  
 
「へへへ…葵ちゃんの中…ヒクヒク動いてるよ…凄い締め付けてくる…」  
 
「あんっ! い、言わないでください…んむぅ…」  
 
ちゅっ、むちゅ、ずず、れろ…  
 
「んぅ、んっ、ふぅっ」  
 
 柔らかな舌先がチロチロと相手の舌とじゃれ合い、交換した唾液を嚥下する。  
敏感な粘膜同士が軟体動物のようにくねって交尾するように絡まり合う。  
深く繋がりながらキスを交わすだけで、切なく高まっていく情欲にお互いへの愛おしさが募っていく。  
 
「ハァハァ…薫さま…薫さま…大好きです…薫さま…」  
 
「俺も葵ちゃんが大好きだよ…」  
 
 自分の感情を伝えるように彼女の子宮口を亀頭でグリグリと擦ると、たっぷりと膣内に溜まった愛液が  
グチュグチュと淫卑な音を立てる。  
 
「あんっ! ず、ずるいです…エイッ」  
 
 お返しとばかりに葵が媚肉を締めあげるとまるで生き物のように肉襞が蠢き、亀頭にしゃぶりつく。  
切なそうに肉棒に縋りつく媚肉がビクビクと痙攣すると葵のお腹もひくひくと引き攣る。  
 
「ううっ…ハァ…ハァ…」  
 
「ああんっ! ああっ! も…だめぇっ!」  
 
 自爆めいた行為に二人の愛欲の高まりが極限に達する。  
アパートを揺るがすほどの撃ちつけを一撃、二撃、葵の子宮口に食らわせると遂に二人のオーガズムが  
ピークを迎える。  
 
「で、射精るっ! 葵ちゃんっ 膣内に射精すよっ!」  
 
「はいっ! 膣内にくださいっ! ああっ 葵もイキますっ! またイクぅっ!!」  
 
ドクンッ ドクンッ  
 
 風俗店からずっと我慢していた薫の白濁液が、呑み込まれるように葵の子宮に吸い上げられる。  
魂が抜けるような強烈な射精の快感に、思わず葵にしがみつく。  
射精が止まりそうになるたびに、葵の媚肉が薫の陰茎を扱いて新たに精液を搾り出すのだ。  
 
「あああんっ! また射精てるっ! 薫さまの赤ちゃん出来ちゃう…んっ!!」  
 
「うあぁっ! 射精るっ! 射精る射精るっ! あ、葵ちゃんっ!」  
 
「あぅっ! またイキますっ!! あはぁんっ! 熱いよぉ…」  
 
 葵もまた、生まれて初めて好きな男のザーメンを胎内に受け入れてオーガズムを迎える。  
ザーメンを引き金に得られるこの絶頂は薫の精が打ち止めになるまで続くのだ。  
お行儀よくイクたびに何度も絶頂の言葉を口に出してはアクメを貪る。  
二人は絶頂のサイクル機関と化して頭の中が真っ白になるまでイキ続けた。  
 
「…ありがとう、葵ちゃん。凄く可愛かったよ…」  
 
「薫さまもとっても素敵でした…」  
 
 恍惚とした表情を浮かべている葵の頭を腕枕に乗せてやりながら優しく撫でる。  
 
「薫さま…あの、お願いがあるのですが…。今晩はこのまま葵と一緒に寝て頂けませんか?  
 私、朝御飯とか作りますから…」  
 
「うん、もちろんだよ」  
 
「明日は駅までお見送りしますね…あ、ご迷惑でしょうか?」  
 
 弾んだ声で遠慮がちにおねだりをする葵に、薫は今日ずっと育ててきた言葉をぶつける。  
 
「迷惑なんてこと、ないよ。…それより、葵ちゃんっ!」  
 
「は、はい。なんでしょうか?」  
 
「その…お、俺と結婚して欲しいんだっ! もう婚約者じゃないけど、駄目かな?」  
 
「や、やだ。薫さまったら…からかわないでください…」  
 
「からかってなんてないよっ、俺は本気で…」  
 
 葵は薫の腕の中でくるりと寝転がると背中を向ける。小さな背中が少し震えている。  
 
「だってっ! だって葵は売春婦なんですよっ! もう、薫さまのお嫁さんになれるような体じゃないんです…  
薫さまのお知り合いともセックスしてるんです…そんな女を妻にしたら薫さまが恥をかいてしまいます…」  
 
「そ、そんなの…誰にも文句なんて言わせないよっ、これからは葵ちゃんは俺が守るからお店は辞めて欲しい。  
…それとも葵ちゃんは俺じゃ嫌なの?」  
 
 生々しい話を聞かされてさすがに動揺するが、薫とて葵がソープ嬢をやっていると知った上での発言である。  
自分の姿勢を曲げたりはしない。  
 
「凄く…凄く、嬉しいです…薫さまのお嫁さんになるのは、ずっと葵の夢でしたから…でも…」  
 
「だったらっ!」  
 
「薫さまはちょっと勘違いなさってるんです…セックスした後は相手を愛してるって錯覚しちゃうものなんです…」  
 
「そんなこと…」  
 
「それに、薫さまはお優しいから…葵に同情してるだけです…今日はもう寝ましょう…  
きっと起きたら薫さまの気持ちも落ち着いています…」  
 
 この話はもうお仕舞いとばかりに一方的に話を打ち切られる。  
確かに一生の話である。  
少し頭を冷やしてからにしようと葵の額にキスをしておやすみと声を掛けて眼を瞑った。  
 
 精も根も尽きていたのか、眼を瞑るとすぐに意識が遠くなっていく。  
おやすみなさいという声と頬へのキスの感触を感じると薫は眠りの国へと旅立った。  
 
 
 
「うーん…」  
 
 この季節には珍しいまぶしい陽射しを感じて薫の意識が目覚め始める。  
普段ならまだ肌寒い時間だったが、今日の寝床は暖かくて、再びまどろみそうになる。  
朝勃ちした肉棒が何か暖かくて柔らかい物に当たっていて思わず擦りつけるように腰が動いてしまう。  
 
「ううん、ふんぅ…」  
 
「あ…ん。薫さま…」  
 
 だらしない声をあげながら惰眠を貪る薫だったが、耳元で女性の玲瓏な声を聞いて急速に意識が  
覚醒する。  
 
「ん…ん?」  
 
(そうだ、昨日は葵ちゃんの部屋で…)  
 
「おはようございます、薫さま」  
 
 眼を開けた薫の視界に葵の可愛らしい顔がアップで飛び込む。  
 
「どわぁっ! お、おはよう。葵ちゃん…」  
 
「ごめんなさい、驚かせてしまいましたか? 薫さまの寝顔があんまり気持ち良さそうで可愛らしかったので…」  
 
「い、いや…」  
 
(か、可愛いのは葵ちゃんだよ〜、勃起してるの当たっちゃってるよ…)  
 
「あの…薫さま? シャワーを浴びたらすぐ朝食を用意してきますから手を離して頂けますか?」  
 
「ご、ごめん」  
 
 そう言われて薫は自分が葵を抱き締めていた事に気付く。  
慌てて葵を開放すると、腕で胸を隠して葵が起き上がる。  
 
「すぐ用意しますから…きゃっ!」  
 
 立ち上がった瞬間、葵は背筋を震わせるとへたりこむ。  
 
「あ…薫さまのが…いっぱい…」  
 
 太股を伝い落ちる白いザーメンを慌ててティッシュを取り、拭う。  
顔を真っ赤にして秘裂にティッシュを宛がっている葵の姿に、薫の朝勃ちした肉棒が痛いほど張り詰める。  
 
「あ、葵ちゃんっ! 葵ちゃんっ!」  
 
「やん、薫さまっ! こんな朝から駄目ですっ! んっ」  
 
 朝一番の刺激的な光景に思わず葵を押し倒し、静止の言葉を紡ぐ口を唇で塞ぐ。  
昨晩だけで大幅に経験値を稼いだキスの力で葵を脱力させると、太股を押し広げまんぐり返しの体勢で  
精液塗れの秘裂を視姦する。  
 
「だ…めぇ…汚いですから…見ないで…」  
 
 朝の光の中で初めてマジマジと見たそこは、肉厚の花びらが複雑な形状に咲き誇りながらもザーメンを  
とろりと溢れさせ、その刺激でか時折ヒクヒクと膣口を開閉させては内部の様子を垣間見せる。  
 
「やああ…見ないで…見ないでください…ひっく…」  
 
 一本の筋のようだった処女の頃とは余りにも変わってしまった自分の秘部を見られて、葵は羞恥に  
思わず手で顔を覆い隠す。  
 
「凄い…エッチで綺麗だ…」  
 
「嘘…嘘です…」  
 
「嘘じゃないよ。葵ちゃん、綺麗だよ…」  
 
 その言葉を証明するように、薫は自分のザーメンを排出してる膣を何の躊躇いもなく舐めはじめる。  
襞に沿うように丁寧に舌を這わせて葵の快感を引き出そうという動きに、段々葵の甘い声が漏れ出す。  
 
「あっ…あん…はぁっ…駄目、はあんっ、あああんっ」  
 
 葵の膣の構造を確かめるように愛撫を続ける薫の舌が、小さくしこる豆粒を探り当てる。  
葵の腹部が痙攣して愛液が湧き出しザーメンと混じりあう。  
 
「や、やめてぇ〜っ! そこ駄目っ! おかしくなっちゃうっ! 葵、やらしくなっちゃうううっ!!」  
 
「おかしくなっていいよ…俺に葵ちゃんを全部見せてよ…」  
 
「全部…んっ、ほんとに全部、見せちゃっていいんですか? あぅ…葵の全部見ても嫌いになりませんか?」  
 
「葵ちゃん…うん、全部見せてよ。葵ちゃんの全てを受け止めるから…」  
 
「わかり…ました…手…離してください…ふぅ…」  
 
 開放された葵は雌犬のようによつんばいになると尻をくねらせて、誘うような流し目で薫を見詰める。  
 
「きて…薫さま…」  
 
 その目に誘われるように、鋼のように硬くなった肉棒を葵の秘唇に押し当てると一気に挿入する。  
なんの遠慮もなく押し入ってきた男の器官を、熱くぬめる女の媚肉が優しくもてなす。  
 
「あぁっ、ん…葵は…こうやって処女を散らされたんですよ…」  
 
「ッッッ!!」  
 
 女体の柔らかな感触に弛緩していた薫の身体が、突然の葵の告白に硬直する。  
 
「面接で…した事ないって言ったら…お店の偉い人の家に連れて行かれて…私、初めての人の名前も  
知らないんですよっ! あはっ! 薫さまの、おっきくなりましたよっ!」  
 
「あ、葵ちゃん…」  
 
 やりようのない感情に身体がぶるぶると震える。  
母親が去ってしまった時に何も出来なかった自分…その時の映像が何度も頭の中を駆け巡り、背中の  
傷が痛みはじめる。俯いている葵の表情が見たかった。  
 
「葵ちゃんっ、そんな自分を傷付けるような事、止め…」  
 
「薫さまに全部聞いてもらいたいんですっ、避妊もして貰えずに、この体位でワンちゃんみたいに  
犯されちゃった時の話…」  
 
 他の男に奪われてしまった葵の処女喪失の話を聞いて薫の心はどす黒い嫉妬の炎に燃え盛る。  
暴力的な衝動が沸き起こり、よく肉のついた尻を鷲掴みにするとがむしゃらに腰を撃ちつける。  
アパートが揺れるのも気にならないほど頭に血が上っていた。  
 
「やめてくれっ! そんな話聞きたくないよっ!」  
 
「あんっ! はあんっ! あの人も…こんな風に激しく突いてきました…初めてだったのに…  
それで私、必死になってっ! こうやってハイハイで逃げようとしたんですっ!」  
 
 薫に尻を掴まれたまま葵はハイハイで前進を始める。  
根元まで結合していた性器が搾り取られるようにズルズルと引き抜かれて、湯気を纏った肉棒が  
姿を現してゆく。  
亀頭まで見えそうになり、葵と離れたくない一心で慌てて腰を撃ちつける。  
勢いよく尻に腰を撃ちこまれた反動でゆさりと乳が揺れ、葵が2、3歩前進する。  
 
「うっ、うう…あ、葵ちゃん…」  
 
「あううっ! これぇ…抜けそうになるたびに子宮口まで一気に貫かれるんですっ!  
 …それでも懲りずに私、また前に進むんです…バカみたいですよね…あうっ! これ凄いのぉ…」  
 
 気持ち良さそうに啼く葵になんども同じ事を繰り返し、キッチンまで移動すると壁にぶち当たる。  
壁に手を押し当てて、背を反らされると膣道がいい具合に急カーブを描いて肉棒を圧迫し、薫は  
夢中になってピストンを続ける。  
 
「ああっ! 薫さまっ、薫さまっ! あの時も…薫さまの名前、いっぱい呼んじゃいましたっ!  
 薫さまにされてるんだって考えてたら…気持ちよくなってきちゃって…ああっ、気持ちいいっ!」  
 
「糞ッ! 糞ッ! よ、よくも俺の葵ちゃんを…」  
 
 葵は本能のまま腰を振る薫をフォローするように、肉棒が抜けないよう巧みに腰をくねらせる。  
フローリングのキッチンは和室より造りがガッシリしているのか、僅かな軋み声をあげるだけで  
二匹の獣の動きを受け止めた。  
 
「あんっ! あんっ! そうなんです…葵は薫さまの許婚だったのに…知らない男性に無理やり犯されて  
…イッちゃったんですっ!! 葵は処女をレイプされてイク恥知らずな女なんですっ!  
 売女だって…売女って呼ばれて悦ぶ、はしたない女なんですっ!」  
 
「ううっ 売女…なんて言われたのか…許せないよ…あ、葵…ちゃん…射精ちゃうよっ!」  
 
「はいっ! 射精してくださいっ! あの人みたいに、思いっきり膣内に射精してっ!」  
 
「ッッッ!! くそっ! 葵ちゃんっ! 葵ちゃんっ!」  
 
どぴゅどぴゅっ  
 
 昨日と同じく容赦なく膣内で精を搾り取られる感覚に、薫は葵の身体を抱えたまま崩れ落ちて  
尻餅をつく。  
二人で融けるように絶頂に達して心身ともに満足出来た昨日と違い、一人だけ肉体がエクスタシーに  
達してしまった虚しい射精を止めようと歯を食いしばって耐える。  
 
「それで…はぁ…はぁ…終わった後、ボーナスだって一万円頂きました…ふふ…薫さまだったら  
葵の処女、幾らで買って頂けましたか? うふふ…」  
 
 なんとか射精を終わらせると、薫は自傷ぎみに哂う葵を抱き締める。  
 
「ハァハァ…葵ちゃん…もう、わかったから…」  
 
「まだですっ! まだ全然葵の事わかってませんっ!」  
 
「うぅっ!」  
 
 ぐったりと寝そべっている薫の上で身体を起こすと、騎乗位の体勢でふんわりと柔らかな尻肉を  
押し付けながら、俵締めの名器で萎えかけた肉棒を再び奮い立たせる。  
根元から血液の流れをカットされ、一遍の隙間もなく亀頭にしゃぶりつかれているような悦楽に  
否が応にも男の器官が反応してしまうのだ。  
 
「これ、お客様に教えて頂いたんですよ…どうですか、薫さま…」  
 
 
「くっ! す、吸い込まれるみたいだ…」  
 
 葵は8の字に腰をくねらせながら薫に抱きつくと、甘えるように薫の胸に頬擦りする。  
まるで柔らかな真綿か何かで身体を締め付けられてるように息が苦しい。  
 
「葵のおまんこ、よくお客様にも名器だねって褒められるんですよ…  
薫さま、葵が何人くらいお客様を取ってきたか、わかりますか?」  
 
 また自分を貶めるような事を言わせようというのか、葵が問いかける。  
ソープ嬢は職業として売春をしているのだ、10人や20人で効くはずがない。  
 
「ひゃ、百人くらい…かな?」  
 
「ふふ、うふふ…」  
 
 薫の答えに彼女は小さな鈴を震わせるような淫靡な笑い声で応える。  
目を瞑り、気持ち良さそうに腰を振るその表情からは何の感情も読み取れない。  
 
「二百人…とか?」  
 
「うふふ…少なくとも、その10倍の人が私の中に入ってきました…ふぅ…ん…薫さまみたいに、葵で  
童貞を卒業されたお客様もいっぱいいらっしゃるんですよっ、あはぁんっ!」  
 
(二千…人!?)  
 
「あはっ、薫さまのおちんちん、葵のお腹の中で元気にびくびくってしていますよ…ああんっ!  
 嫉妬してくれているんですか? 葵、嬉しいです…はぁ…はぁ…」  
 
 恍惚とした表情で葵は薫の乳首を甘噛みする。  
今まで一度たりとも乳首で快感を感じた事等なかったのに、身体がビクリと跳ねてしまう。  
 
「そういうの、穴兄弟って言うんですよ…ああっ! 身体が熱い…燃えちゃうっ!」  
 
 融けた鉄のような熱を持っている葵の身体を抱きながら、薫は床を伝う冷気と背筋を流れる冷や汗に  
震える。  
 
「で…でも、それは仕事だからしょうがないよ…俺は気にしないよ」  
 
「………」  
 
 嫉妬で狂わんばかりに震える体と心を押し殺して葵を許す薫だったが、葵は身体を起こすとなおも  
瞳を潤ませながら無言で薫を見詰めてくる。  
 
「ま、まだ…あるの?」  
 
「はい…ああっ! お仕事だけじゃないんです…お客様に口説かれて…プライベートでもよくデート  
したりするんです…」  
 
「デ、デート…」  
 
「はぁはぁ…例えば…日本海のほうから年に何度かわざわざ葵とおまんこする為に来てくださる  
お客様がいて…泊りがけで遊びにいったこともあります。ああんっ!  
 いやらしい水着を着せられて…人の来ない穴場の浜辺でエッチしちゃった時は誰かに見られたら  
どうしようって凄くドキドキしちゃいましたっ!」  
 
「くっ、そ、そんないやらしいデート…俺以外の男とっ!」  
 
「あんっ! 怒らないでください…ああん…あん…葵の騎乗位…どうですか? 人気あるんですよ…  
おちんちんのくびれにこうやってひっかけて…」  
 
「うあああああっ! くっ! あ、葵ちゃんっ! で、射精しちゃうよっ!」  
 
 葵の膣奥、その子宮口付近にある括約筋で薫のカリを締め付けると小刻みのピストンを加える。  
たまらず仰け反る薫の様子に満足げに微笑すると、まるで南米のダンサーのような腰使いで艶かしく  
尻をくねらせる。  
みっちりと肉の詰まっていそうな重たげな乳房が弾む。  
 
「寂しい時は…街でナンパしてくれた男の人と行きずりの関係を持つ事もあるんですよ…」  
 
 見ているだけで射精してしまいかねない刺激的な光景をカットするために目を閉じる。  
だが視覚を封じてしまうと、今度は葵の語りを脳が勝手に想像してしまう。  
 
「そ、そういえばっ、葵のお尻の処女を捧げた人の名前も…聞き忘れちゃいましたっ!  
 あはぁっ! お父様みたいな素敵な叔父様で…凄く優しく葵のお尻を虐めてくれたのに…」  
 
「お、お尻もっ!?」  
 
 これまでの薫の人生の中で最大限に張り詰めた肉棒を、よだれを垂れ流しながら美味しそうに  
咀嚼する媚肉がまだ知らぬアナルの締め付けを想像させる。  
 
「ごめんなさいっ! ああんっ! 薫さまっ! んぅっ! 葵は優しい言葉をかけられると…  
誰にでもすぐ簡単に股を開いちゃう女なんですっ! ああああっ! セックス大好きなんですっ!  
 そんな女でも…薫さまは受け入れてくださるんですかっ!? ああっ、もう…イッちゃうううううっっ!!」  
 
「くっ! あ、葵ちゃんっ!」  
 
 
「こ…の、売女がっ!」  
 
「きゃああんっ」  
 
 ぶちりと頭のどこかの血管が切れたような気がした。  
女性に対して最上級の侮蔑の言葉を生まれて初めて上擦った声で口走る。  
薫は身体を起こすと、自分の上で好きに腰を遣う葵を跳ね飛ばした。  
 
「ご、ごめんなさい、薫さまっ、葵のおまんこ運動気持ちよくありませんでしたかっ!?」  
 
 悲しげな色を漂わせる葵の顔の前に射精寸前のパンパンに張り詰めた亀頭を押し付けると、有無を  
言わさずに葵の口内に捻り込む。  
 
「んふぅっ! うぐっ! げふっ!」  
 
 容赦なく喉奥まで突きこむ薫のイラマチオを従順に受け入れる葵の髪の毛を鷲掴みにして、まるで  
女性器をファックしているかのように薫は好きに突き込みを入れる。  
既に極限まで高まっている肉棒は爆発の瞬間を今か今かと待ち構える。  
 
「んぅっ! んんっ!」  
 
どぴゅっ どくっ どくっ   
 
 喉の奥で薫の肉棒がザーメンを吐き出す。  
食道に雪崩れ込む熱い粘液は、喉の弁の抵抗など物ともせずに、直接胃の中を焼き尽くす様に  
注ぎ込まれていく。  
 
「〜〜〜〜〜〜っ!!」  
 
 喉奥での直接放出に、思わず逆流してしまいそうな嘔吐感に堪えながら全てを呑み込み、開放を  
待つ葵だったが、全て放出しおわっても薫の肉棒は食道を占拠したまま撤退の気配すら見せない。  
呼吸すら満足に出来ず、青くなった顔でアイコンタクトで抜いて欲しいと哀願し、薫の太股をぽんぽんと  
叩いて合図を送る。  
 
ずるり…  
 
「んふっ、ふっ、ふぅっ、ふぅっ」  
 
ずどんっ  
 
「っっ〜〜〜〜〜!!」  
 
 抜いてもらえると油断しきった所に不意打ちの突き込み。  
臨界点を突破してしまった嘔吐感はもはや堪える事等出来ない。  
肉棒が引き抜かれた瞬間、もんどりうちながらも、ステンレスの流しの中に内容物をぶちまける。  
 
「ゲフッ! ゲェッ!」  
 
 今、薫が放ったザーメンを明らかに上回る量の白濁液が葵の口から吐き出される。  
背中を撫でてやりながら薫が囁くように葵を問い詰める。  
 
「一杯出たね。昨日も、男のザーメン飲んだの? 俺とセックスしてる時も葵ちゃんの身体の中は  
他の男のザーメンで腹一杯だったんだね。この雌豚っ!」  
 
「げほっ、げほっ、」  
 
 涙ぐみながらザーメンを吐き続ける葵。  
絶頂寸前で放置されて戦慄く媚肉と連動するように、ひくひく蠢いて男を誘う尻穴に肉棒の標準を  
合わせると、関門を力任せにぶち破り葵のアナルをレイプする。  
 
「ひぃぃぃぃーーーーーーっ! い…たっ! 痛いですっ! 薫さまっ、そんな無理やり入れられたらっ!」  
 
 男を知り尽くした膣肉とはまた違う、食いちぎられてしまいそうな初心な締め付けに驚く薫だったが  
葵の悲鳴に我を取り戻し、遮二無二腰を振り始める。  
ドスンドスンと安産型の尻に自分の腹を叩きつけるような激しいピストンに葵の子宮が裏側から  
揺さぶられる。  
 
「くっ、おまんことはまた違う感触で…こっちのほうも堪らないよっ」  
 
「んあああっ! だ、だめぇ…お尻…壊れちゃいますっ」  
 
 自分の肉棒の形をアナル肉に刻み込むように腸粘膜に擦りつける。  
腸液が染み出てきて肉棒に絡みつき、抽送を潤滑にさせる。  
 
「葵ちゃんっ、このケツマンコは何人くらいに使わせたの? 」  
 
「よ、4人ですっ、薫さまで5人目ですっ!」  
 
「ケツマンコでも5人も咥えこんでるのか…葵ちゃんは淫乱だなっ」  
 
「ああっ、そ、そんな…許してぇ…薫さまぁっ」  
 
 薫に罵られるたびにさざなみのような痙攣が葵の身体を駆け抜ける。  
脂汗を滲ませた顔を紅潮させて息を荒げる葵の様子に、もしやとばかりに薫は言葉責めを試みる。  
 
「もしかして葵ちゃん…淫乱とか言われて悦んでるの?」  
 
「はぁ…はぁ…そ、そんなこと…ありません…」  
 
「嘘付けっ! この淫売っ、こんなに尻の穴締め付けやがってっ!」  
 
「んんっ!」  
 
「この売女っ! 淫乱女っ! 雌豚っ! 肉奴隷がっ!」  
 
「ああっ! ひ、酷いです…薫さまぁっ!」  
 
(やっぱりだっ! 罵るたびに締め付けてきて…)  
 
 次々と葵を罵る言葉を叩きつけるたびに切なげに美貌を歪ませて、たっぷりとザーメンを吸収した  
子宮を戦慄かせるのだ。  
薄い肉に隔てられた尻の穴からでも葵の悦びを感じて薫もますます猛る。  
 
「罵られて何を悦んでるんだっ! この売女がっ! そらっ、うんこする時みたいに俺のチンポ  
ひり出してみろっ!」  
 
「は、はい…ん、んぅっ…」  
 
 そんな屈辱的扱いにも従順に尻を突き出して息みはじめる葵。  
薫の肉棒を排出させようと腸襞が蠕動を始める。排泄の快感に喘ぎながら、便秘の時の固めのうんこ  
など問題にもならない硬さの肉棒を必死に肛門まで押し出す。  
 
「ん、か、薫さま…はぁ…はぁ…如何でしたか…?」  
 
「うん。よく出来たね、葵ちゃん。破廉恥で可愛かったよ…」  
 
 意識を真っ白にし、忠実に命令を実行した葵の頭を撫でてやりながら、亀頭が埋まったままの、限界  
まで拡がってふるふるとヒクつく可憐な菊門に再び根元まで埋め込む。  
肉棒が侵入するのに合わせるように葵の頤が反っていく。  
 
「うんっ! はああんっ! あんっ、ま、また…」  
 
「葵ちゃんみたいな淫乱な女の子をお嫁さんにしようだなんて俺が間違っていたよ…」  
 
「………」  
 
 当然の反応だとわかってはいたが、やはり薫の突然の拒絶の言葉に身体が凍る。  
無意識にアナルに込められた力で肉棒がムリムリと押し出される。  
 
「葵ちゃんは…俺専用のザーメン奴隷にしてやるっ!」  
 
 力強い宣言と共に再び葵のアナルを薫は犯す。  
子宮を裏突きするように根元まで突き入れると秘裂からザーメンが零れ落ちた。  
 
「あんっ! 薫さまの…はぁはぁ…専用ザーメン奴隷…?」  
 
「そうだよっ、俺の性欲処理のための奴隷として飼ってやるっ! 葵ちゃんに綺麗なお嫁さんなんて  
勿体なさすぎるよっ、葵ちゃんみたいな雌豚には奴隷がお似合いだっ!!」  
 
「ああ…ああっ! 薫さま専用の性欲処理奴隷だなんて…葵、嬉しいですっ、葵を薫さまのザーメン  
まみれにしてくださいっ! 薫さまが葵に飽きてしまうまで、薫さまのお好きなように葵の身体を使って  
くださいっ!! あはぁっ!!」  
 
 膣内に比べ、動きにくいアナルの中を二人で協力してのピストン運動に、興奮のピークもぴったりと  
重なる。薫は葵の尻たぶを鷲掴みにして猛烈な抽送の末、遂に爆発した。  
 
「あ、葵ちゃんっ、まんこもケツも一生使い込んでボロボロのユルユルの穴にしてやるからなっ!  
 これから2万回も…20万回も使ってやるっ! くっ、射精すぞっ!」  
 
「はいっ、もう誰も咥えこめなくなるくらい…うんち垂れ流しちゃうくらい、葵をボロボロにしてくださいっ!  
 毎日葵でザーメン処理してくださいっ! ああんっ、葵もお尻でイク…イっちゃううう〜〜〜!!」  
 
どくっ どくっ どぴゅどぴゅっ  
 
「ああっ! 葵のお尻に射精てるのわかりますっ! 薫さまのドロドロのザーメン、葵の中でいっぱい  
射精てますっ!!」  
 
 全身をガクガクと痙攣させながら歓喜の絶頂を貪る葵を抱き締める薫の手に力が篭る。  
 
「ううっ、葵…ちゃん…」  
 
 射精感とは別の衝動が薫の下半身を駆け巡る。  
普段ならそのような行為は考えもしない薫だったが、快楽に酔い痴れた脳髄はふと思いついた  
悪魔的愉悦に興奮し、身を任せる。  
 
「葵ちゃん……出すよ……」  
 
「ああん…え…? 薫さま…?」  
 
じょぼ、じょぼぼぼぼ、しゃーーーーーー  
 
 葵の腸の中にザーメンに続き、小便が放出される。  
尿道を伝う熱い奔流を最大の射出圧力をかけて、何の躊躇いもなく葵の腸内にぶちまけるのだ。  
薫の表情はだらしなく緩み、本当に気持ち良さそうなその顔には、途中で止めるそぶりなど  
一欠けらも見当たらない。  
 
「えっ? ええっ!? か、薫さま…で、出てますっ! おしっこっ! 葵のお腹の中でおしっこ出てますっ!!  
 やぁっ! あ、熱いっ!! イク…葵、おしっこ出されてイギますっ!」  
 
「ああ…気持ちいいよ…葵ちゃん、全部受け止めてっ!」  
 
しゃーーーーーーしゃーーーーーー  
 
「ああんっ! 葵のお腹、破裂しちゃいますっ! はぁん…まだ出てる…あ…これ凄い…まだ出てます  
…んぅ…イぐううううううううっ!!」  
 
 尿道が壊れたかのようにいつまでも放尿は続く。  
そういえば昨晩はしこたまビールを鯨飲したのに性的興奮のためか一回もトイレに行ってなかった。  
朝一番しぼりの特濃黄金水を葵の腹の中にぶちまける興奮に、薫は四たび肉棒を膨らませて小便の  
逆流を許さない。  
 
「あう…葵のお尻の中でおしっこ出てます…んはぁ…酷すぎます…こんなこと誰にもされたことないのに  
…葵、本当に薫さまのお便所にされちゃいました…」  
 
「気持ちよすぎるよ、葵ちゃんのアナル便器。これからは俺のおしっこは全部ここでするからね…  
あはは、葵ちゃんのお腹、妊婦みたいに膨れちゃったね。可愛いよ」  
 
 言葉通り葵の腹部は妊婦の如く膨れ上がっており、揺すればタプンタプンと音がしそうなほどだった。  
そのお腹を愛しげに撫で擦りながら恥ずかしげな表情を浮かべる葵に口付ける。  
 
「はい…葵は薫さま専用の便器娘です…いつでも、お好きな時に葵をお使いください」  
 
 尻の穴で繋がったまま、性欲処理どころか、生理現象の処理までさせられてしまう便器の誓いを  
口にする葵。これも一つの愛情の形の結末…  
 
 

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