チュンチュン…  
 
 清々しい初夏の早朝、かつて暮らしていた桜庭の別館の豪奢な玄関とは比べ物にならないこじんまりとしたマンションの玄関。  
 ここがかつては大財閥の御曹司、令嬢でありながらも大恋愛劇の末、家を捨ててまで結ばれた本条(花菱)薫、桜庭葵の選んだ愛の巣だった。  
 
 電車での通勤に一時間以上かかる夫のため、早朝から甲斐甲斐しく夫の襟の乱れなどを直してやる葵の、古風な藍色の紬とショートボブの隙間から見える肌理細やかなうなじにむしゃぶりつきたい衝動を抑えながら薫は大人しく新妻のされるがままになっている。  
 これは薫が横着をしているのではなく世話好きな一面を持つ葵が、薫に纏わりついて甘えられる慌しい朝にも出来る実利を兼ねた夫婦のスキンシップなのである。  
 
「はい、これでいいですよ薫さま、今日のお帰りは何時頃になりますか?」  
 
 夫の身嗜みチェックに満足した葵が弁当を手渡しながら問う。  
 
 この弁当も夫が起きる前から丹精込めて作った愛妻弁当である。  
あまりの手の込みように薫の事務所では葵の愛妻弁当のおかずを分けてもらおうと同僚たちが弁当争奪戦を起こすほどだ。  
幼い頃よりの初恋が叶い、夫婦となって一年、二人の恋は冷めるどころか益々燃え盛っていた。  
 
「うん、今日は葵ちゃんの誕生日で、結婚記念日だもんね、絶対早く帰ってくるよ」  
 
 7月7日、七夕。今日は葵の23の誕生日であると同時に初の結婚記念日なのだ。  
今日ばかりはいつも押しかける昔の同居人たちも、本条家訪問を自粛する旨が桜庭家元管理人の雅を通じて連絡されている。  
いつも突然の訪問客に邪魔されて中々二人きりで愉しめない若夫婦にとってはこの上ない贈り物だろう。  
甘い夜への期待感で薫は朝勃ちが収まらぬほどだ。  
 
「美味しい料理期待してるからね、葵ちゃん。それじゃいってきます」  
 
「はい、いってらっしゃいませ」  
 
 葵を抱き寄せると唇を触れ合わせるだけの軽い口付け。  
 
 キスなど毎日しているのに未だに初々しさが抜けずに顔を赤らめる新妻に微笑むと、薫は就職先である弁護士事務所に出勤した。  
 
 帰ってからの楽しい妄想に浸りながら足取りも軽く出かけていく薫の姿を、見えなくなるまでマンションのバルコニーから  
見送ると葵もリビングで一息つく。  
 
「もう…薫さまったら…」  
 
 スラックスの上からも明らかに分かるようなふくらみに、纏わりついていた葵が気付かぬはずもない。  
結婚より一年、当初は精神的な満足感のみだった夫婦の営みの快楽が漸く葵にも分かりかけてきた頃であった。  
 
「そろそろ子供欲しいなぁ…」  
 
 何かと慌しく、物入りであった薫の就職から結婚といったイベントから一年、そろそろ生活は軌道に乗り出していた。  
だが子供の虐待問題を専門とする人権派弁護士として毎日外で熱心に活動する薫は帰りが遅く、友人たちが遊びに  
来てくれるとは言え葵は少し寂しさも感じていた。  
物心ついた時からいつも傍らには雅さんという年上の友人がいてくれたため孤独には慣れていないのだ。  
 
「今夜、おねだりしちゃおうかな…」  
 
 脳裏に浮かぶのは女の子と男の子を抱いた葵と薫。小さな住居に幸せな沢山の家族が葵の小さな夢だった。  
クッションを抱きしめながらポテッとソファーに横になると少し眠気が襲ってくる。  
いつもより少しだけ早起きして少し豪華なお弁当を作ったせいだろうか。  
 
「駄目駄目。薫さまも頑張ってお仕事してるんだから私も頑張らないと」  
 
 箱入りのお嬢様とはいえ幼い頃より花嫁修業に身を入れてきた葵にとっては家事はまったく苦にはならない。  
毎日マンションのトイレから家具の埃まで隅々まで掃除をし、布団を干し、洗濯をする。  
夜の勤めは少々マグロぎみとはいえ、妻として完璧な女性なのだ。  
 
 むしろ桜庭の別邸の大家として豪邸を管理してた頃に比べればあっさり終わりすぎて物足りないくらいなのである。  
10時前には全て終わってしまい、あとは買い物に行って夕食の下ごしらえをするだけ。  
お茶にしようかと思ったとき、そのチャイムは鳴った。  
 
ピンポーン  
 
(雅さんかな〜薫様が帰ってくるまで遊びにきてくれたのかも)  
掃除のため、たすきがけにしていた紐をソファーに纏めて置くと玄関に向かう。  
 
ガチャリ  
 
 勝手にドアが開く。そこにいたのは白いスーツに身を包んだ見たこともない巨漢の中年男だった。  
そういう髪型にしているのか地なのか、スキンヘッドが異様な迫力である。  
どう見てもその筋の人にしか見えないがお嬢様育ちの葵にはそういう人種は知識の埒外であった。  
 
(鍵閉め忘れたかしら?)  
 
 疑問に思いながらも名家の子女として育てられた葵はお客様に失礼のないように応対する。  
 
「どうも奥さん、新しくここのオーナーになった者で近藤と申します。」  
 
「まぁ。新しい大家さんですか?私、本条葵と申します」  
 
 ぞんざいな口ぶりで喋りながら無遠慮に葵をじろじろと見る。  
 
(ほぉ…これは話以上の逸材かもしれんな…)  
 
「あの…前のオーナーの藤田さんはどうされたんでしょう?」  
 
「なんでも失踪したらしいですな」  
 
「藤田さんが…どうされたのかしら」  
 
 だが、そんな男の視線にも気付かず気遣わしげに藤田の心配をする葵。  
 
「さてねぇ、ワシは藤田からここを頼むと言われただけなので…何か心当たりでもあれば教えていただけませんか?」  
 
「何も聞いてはいませんが…あら、私ったら玄関先で話し込んでしまって。よろしければ中で冷たいお茶でもいかがですか?私も大家を勤めた経験があるので色々ご相談に乗れると思いますよ?」  
 
 大家という仕事に特別な思い入れのある葵は突然大家にされてしまったという近藤に、同情にも似た親近感を抱く。大家は意外と大変なものなのだ。加えて生粋の女子校育ちで男に対してまるで警戒心がない葵は簡単に男を家に上げてしまった。  
 
「それはありがたいですな。丁度喉が渇いていたところです」  
 
 遠慮もせずノシノシと上がりこんだ男をリビングに招くとキッチンで湯を沸かし、茶筅でお茶を点てて氷を入れたグラスに注ぎ冷水で薄めたアイスティーを出す。  
 
 ボードに貼り付けられていた写真を見ていた男がソファーに腰を降ろす。  
 
「しかし奥さん、普段着から着物なんですか?旦那さんが羨ましいですなぁ。」  
 
「ええ、私、実家が呉服問屋なので…昔から着物大好きなんですよ」  
 
「なるほど、着こなしが堂に入ってるわけだ。いきつけの店の女将なんぞ比較にもならん。  
私はね。着物が日本女性をもっとも美しく演出出来る服だと思っとるんです」  
 
 グイっとお茶を飲み干すと葵の横にどっかりと座り直し、なれなれしく肩に手を回す。突然の近藤の破廉恥な行為に葵の脳裏が真っ白になる。  
その隙を逃さず近藤の手はそのまま着物の合わせ目からズポッと胸まで侵入する。  
 
「む?ブラをつけてますな?いかんいかん。下着など着けていては着物のラインが台無しになる」  
 
 勝手な事を呟くと乱暴にブラジャーを毟り取る。衝撃が極限まで達して叫び声を上げそうになる葵の口を、機先を制して近藤が塞ぐ。  
 
「あまり大騒ぎをせんほうがいい。真昼間から間男を連れ込んでいると思われたくはないでしょう?」  
 
 間男、その言葉に誰もいない家中に男を招きいれる危険性をようやく悟った葵が必死にもがいて近藤の手の内から抜け出そうとするが男は腕一本で  
易々と御すと、ハンカチを猿轡代わりに葵の口を塞ぐ。  
更に先ほどまで葵が使っていた、たすき用の紐を発見すると流れるような手並みで葵の両手を後ろ回しに縛り上げた。  
 
「ムグゥーッ」  
 
 完全に無力化した葵の体を持ち上げて、自分の股の間に納めると、肩口から腰まで一気に着物を引きずり下ろす。  
 
「ヒゥッ」  
 
 ほんの数分前までは想像だにしなかった真昼の悪夢に硬直する葵を尻目に、近藤は葵の視姦に余念がない。  
 
 華奢な骨格に裏打ちされたうなじから理想的なラインを描く染み一つない真っ白な女体、男の手で包み込んでも僅かに  
余る程度であろうか、着物の上からでは想像すら出来ぬみっちりと脂肪の詰め込まれていそうな乳房、野晒しにされて震える  
可憐なヴァージンピンクの乳首、しっかりとくびれたウェストのおかげで更に乳房が大きく見えた。  
 
 許婚であった薫以外の男性には水着姿すら見せたことのない自分の裸身を数分前に始めて会った中年男性に視姦される  
おぞましさに言葉も出ない葵だったが近藤もまた、絶句していた。まるで芸術品のような美しさながらも人妻の持つ肉感的な色香を放つ  
葵の体は長年近藤の思い描いていた理想の女体像であった。  
 
(絶対ワシのものに物にしてやる!)  
 
 まだ見ぬ葵の夫に嫉妬の炎を燃やしながら固く誓うと、その魅惑的な乳房を鷲掴みにして上下左右無茶苦茶に揺らし、力任せに揉みしだいた。  
力を緩めると指を押し返してくる弾力性に富んだ乳房の感触を愉しみながら後ろから葵のうなじにむしゃぶりつく。  
 
(い、痛い…痛い〜〜ッ!)  
 
 思いやりの欠片もないその乱暴な愛撫に葵の眉根が苦痛に歪み、喉を仰け反らせる。夫である薫が葵の乳房に触るときはいつも大切な宝物を  
扱うように優しく触る。いまだかつて受けたことのない屈辱を猿轡を噛み締めて耐える。  
 
(や、やめて〜〜〜ッ潰れちゃうッ!)  
 
 思いやりの欠片もないその乱暴な愛撫に葵の眉根が苦痛に歪み、喉を仰け反らせる。  
夫である薫が葵の乳房に触るときはいつも大切な宝物を扱うように優しく触る。  
いまだかつて受けたことのない屈辱を猿轡を噛み締めて耐える。  
 
(や、やめて〜〜〜ッ潰れちゃうッ!)  
 
 腕の中で体をくねらせて暴れる葵の乳を手綱代わりに巧みに御しながら、寄せては上げ、思うがままに  
こねくり回す。散々運動エネルギーを与えられた乳房を最後に思いっきり放り出すようにして手を離すと  
ブルンッブルンッと音が聞こえるほどに双乳が跳ね回る。  
 
「ッッッ!!」  
 
 開放された乳房が不規則に揺れて運動エネルギーを失うと硬直していた葵の体がガックリと崩れ落ち、  
背後の近藤によりかかる。たった一分ほどの愛撫で胸に烙印のように男の手形をつけられて、息を切らし、  
顔を真っ赤に紅潮させた葵の顔を見ながら自らもネクタイを緩めると上着を脱ぎ、上半身をはだける。  
 
「ハァ…ハァ…??」  
 
 漸く息を整えた葵がソレに気付く。背後にいるため全容はわからないが、まるで薫の太股くらいはあろうかという  
太い腕に刻まれているのはまさに刺青と呼ばれるヤクザの証だ。  
 視聴するTV番組まで厳しく教育役である雅に制限されてきた葵にはそれがなんだかは分からなかったが、たった  
今自分に振るわれた暴行と、得体の知れない模様を刻んだ巨体に本能的な恐れを抱く。  
 
(薫さまっ!雅さんっ!助けて……)  
 
 まるで雨に打たれた子猫のように震え上がる葵にニヤリと笑いかけると、再び乳房を触り始める近藤。  
ただし今度はあくまでもソフトにだ。  
薫よりも優しいのではないかというほど無骨な指が、葵の乳房を細やかに刺激する。  
 
「いや、すまんかったな。ワシともあろうものがつい興奮してしまった」  
 
「……」  
 
「おうおう、こんなに真っ赤にさせて…可哀想になぁ。どれ、嘗めてやろう」  
 
 葵を抱っこしたまま、肩口から首を伸ばして赤く染まった乳房をチロチロと嘗めはじめた。  
蛇のように細長い近藤の舌が葵の肌を這いずり回ると、毒液が染みるように葵が悶絶しはじめる。  
脂肪の塊とはいえ女性にとって重要な子育ての為の器官である乳房は痛覚も発達している。  
それを刺激されて敏感になっている葵の乳房は今やほんの少しの刺激も数倍にして受信してしまうのだ。  
 
「ハァ…ハァ…ふぁぁぁっ!」  
 
 完全に勃起しきった乳首を口中で嘗め転がされると思わず声を上げてしまう葵。  
そんな狙い通りの反応を返す葵の痴態に気を良くして近藤は更に硬軟織り交ぜた愛撫を繰り出す。  
 
(駄目…駄目ぇ…)  
 
 全ての神経が集中したかのように敏感になってしまっている乳房を近藤に嬲られるたびに葵の背筋を  
ビリビリと電流が駆け抜ける。  
操を夫に立てた人妻の身でありながらそんな浅ましい反応を返す己が身体の罪深さに涙が滲む。  
せめて声だけはもう漏らすまいと猿轡を噛み締めた。  
 
「ん?ああ、失礼した。もうそれはいらんだろう。」  
 
 だがこの男はそんな矜持すらも打ち砕こうと言うのか。猿轡を解く。  
 
「だが大声を上げたりしたらこれだよ」  
 
 葵の目の前で拳を握り締める。この男ならば女性への暴行を躊躇ったりはしないだろう。  
短い時間だが葵はそれを悟っていた。元よりこのような状態で大声など上げられるはずもない。  
 
「もう…」  
 
「ん?」  
 
「もう、こんなことは止めてください!」  
 
 先ほどまで震えていた葵が近藤の目をキッと見据えながら毅然と言い放つ。  
薫と結ばれる前の葵であったらそんな勇気はなかったであろう。だが薫の妻となった誇りが  
今の葵を支えていた。  
 
「このまま帰ってください。私、誰にもいいませんから」  
 
予想もしなかった葵の態度に、近藤は一瞬呆けたような表情をするが破顔一笑する。  
 
「はっはっは。気に入ったよ奥さん。この状況でそんな事をワシにいえるとは」  
 
「夫は弁護士です。あなたを訴える事だって…」  
 
「ほう。男を家に入れたら強姦されましたと旦那さんに言えるのかな?」  
 
「……」  
 
「それにあんたみたいな、いい女を前にしてこうなってしまったら男は途中で止まらんのだ。  
あんたも人妻ならわかるだろう」  
 
股間の強張りを葵の背中に当てこする。  
 
「そんな…それだけは許してください…」  
 
「そうだな…ならフェラチオでもやって貰おうか」  
 
「フェッ!そ、そんなこと出来ませんッ!」  
 
 いくら葵とてフェラチオの経験くらいはある。  
だが、夫以外の物を口に含むなど葵にとって天地がひっくり返ってもありえない事だった。  
 
「ならこのまま最後まで…」  
 
「卑怯です……分かりました…お口で…しますから」  
 
(ごめんなさい…薫さま…)  
 
 だが、貞操を奪われてしまうよりは…と苦渋の選択をした葵が頷くと、交渉成立と見たか  
ようやく近藤が葵の乳房を開放し、葵は男の懐中から抜け出して立ち上がる。  
 
「それじゃあ…この紐を解いてください」  
 
「いや、そのままやってもらおうか。口だけでチャックを下ろすんだ」  
 
「…わかりました」  
 
 ソファーに陣取る近藤の前に跪くと、なんとか口だけでチャックを下ろす事に成功する。  
 
「ヒッ!」  
 
 その途端に檻から解き放たれたようにズボンから飛び出してきた、近藤の異形の肉棒に驚愕する。  
凶悪にエラを張る亀頭、20cmはあろうかという長さ、薫を一回りは上回ろうかという太さ、いずれも薫しか知らぬ  
葵には同じ男の器官とは思えぬ禍々しさだったが、何よりも異形なのは根元付近を中心に竿のところどころにある疣々だ。  
 
(き、気持ち悪い…)  
 
 葵は思わず目を逸らしてしまうが、すかさず近藤が頭を掴み、頬に肉棒を擦り付ける。  
 
「や、やぁっ!止めてくださいっ!」  
 
「口でしてもらう約束だろう、しっかり奉仕せんか」  
 
「わかりました…わかりましたから…」  
 
 覚悟を決め、目を瞑ると肉棒を怖ず怖ずと一嘗めする。不味い。  
体中に広がる汚濁感を気力でねじ伏せ男の剛直を口に含む。  
 
(お、大き…すぎる…)  
 
 口に咥えてみると、なお一層薫との違いを実感してしまう。  
薫の物ならば無理をすれば根元付近まで口に納める事が出来たが、近藤の物は長さこそ  
指1本分程度の差だろうが太すぎて口の奥まで入らないのだ。特に亀頭部分は極限まで  
口を開けなければ歯を立ててしまいかねない。  
それに夫に奉仕をする時はまるで気にならない男性特有の臭いが鼻をつき、顔をしかめる。  
だが、それでもやるしかないのだ。葵のフェラチオ地獄の幕開けだった…  
 
 
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ  
 
 葵が奉仕を始めてから十数分が経過するが近藤に一向に射精の気配は見えず、ただ葵の  
顎の疲労だけが溜まっていく。  
それもそのはず、葵のフェラチオは、何の芸もなく唇で肉棒を挟み1本調子でピストン運動をするだけ。  
夫である薫もお嬢様育ちの葵にあまり下品な事は要求しにくかったし、彼は葵が奉仕してくれるだけでも  
充分に満足していたのだ。  
 だがそんな思いやりが愛妻を今、苦境に陥れているとはこの時の薫には想像だに出来なかっただろう。  
 
(お、お願い…もう射精して…)  
 
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ  
 
 いかにも貞淑な人妻といった清楚な面立ちの葵が、後ろ手に縛られて、着物を半脱ぎにさせられて、  
醜悪な肉棒を口いっぱいに頬張っているのだ。  
もし学生ならばこの背徳的な雰囲気のフェラ顔を撮影した写真だけでも何ヶ月もズリネタには困らないだろう。  
 
 だが近藤は筋金入りのヤクザの親分である。  
女のグレードは違えど、この程度の色事はいくらでも経験済みだ。  
近藤の目的はあくまでも葵を自分の女にしてしまう事だ。  
いかに夫を愛していようが所詮女は子宮で考える動物。セックスがより上手な男になびく。  
ハメてしまえばこちらのものだというのが近藤の持論であった。  
その為にも雰囲気だけで射精してしまうような愚は犯さない。  
しかも葵の口戯は稚拙そのものであり、口だけでは何時間やろうとも射精などさせられるはずもなかった。  
 
「もういい、やめろ。旦那はどう教育してたんだ。まるで駄目だな」  
 
 薫をも侮蔑するかのような言葉を吐きながら葵を押しのけようとするが、葵も懸命に縋りつく。  
口で満足させられなければレイプされてしまうのだから葵も必死だ。  
 
「お願いしますっ葵にフェラチオさせて下さいっ! 何でもしますからぁっ! せーえきぃ…精液出して下さいっ!!」  
 
 もはや恥も醜聞もなく、よだれを垂れ流しながら媚を売る葵の嬌態に上手くいったと  
内心ほくそえみながら、いかにもしょうがないなという風に声をかける。  
 
「では、ワシの言うとおりにやってみなさい。まずワシの上に乗っかってしゃぶるんだ…  
そう、シックスナインだ。知ってるかな?」  
 
 ソファーの上に横になった近藤の上に怖ず怖ずと葵が乗っかってくると尻を自分のほうに  
無理やり向けさせてシックスナインの体勢を取らせる。  
 
「あの…それでどうすれば…」  
 
「物事を教わる時はそれに相応しい態度というものがあるだろう」  
 
「は、はい…お願い致します。葵にお、おちんちんの舐め方を…ご教授ください。」  
 
「よしよし、しっかり勉強して旦那さんを驚かせてあげなさい」  
 
「はい……いっぱい射精していただけるよう、誠心誠意、頑張らせて頂きます……」  
 
「それではまず裏筋を舐めてもらおうか」  
 
 裏筋などと言われても葵には性器のそんな細かい部分の名称まではわからない。  
だが臍まで反り返って腹部に密着している近藤の肉棒を見ると、確かに亀頭の裏は筋のようになっていた。  
これが裏筋だろうと見当をつけて舌を這わせる。  
 
「そうだ、いいぞ。そこから筋にそって金玉袋まで舐め上げるんだ。  
そこまでやったら玉袋を口に含んでしゃぶり上げろ。いいか?優しくやるんだぞ」  
 
「ふぁい…」  
 
 ”玉袋”は容易く見当がついたので言われたとおりに実行する。  
もじゃもじゃと生えた陰毛だらけの袋を口に含むのには抵抗があったが一生懸命に玉袋が  
ふやけてしまうほど口中で玉を転がす。  
 
「おお…いいぞ…もう片方も忘れずにな…」  
 
 近藤の本当に気持ちの良さそうな声に勇気を得て、もう片方も同じように愛撫する。  
薫も自分のフェラチオを受けた時はこんな声を出す。  
どうやら嘘を教えられているわけではないようだと安心して愛撫に専念していると突然、着物の  
裾を捲り上げられてショーツを露出させられてしまう。  
 
「な、何するんですか! 止めてくださいっ!」  
 
「何って…これがシックスナインだよ。お互いを弄りあって気持ちよくなるんだ」  
 
「そんな…私はいいですから、早く射精してください…」  
 
「こうやっていたほうがワシは興奮するんだがね…」  
 
 どうやら近藤に止める気がない事を悟ると諦めて愛撫を再開する。  
所詮、力では敵わない。射精さえさせれば男性というものは毒が抜けたように大人しくなる事を葵も知っていた。  
この危機を抜け出すにはもはや射精させるしかないのだ。  
 
「いいぞ。思いっきり玉を吸い上げろ!」  
 
 指示を出しつつ、近藤は葵のショーツをじわじわと脱がせる。  
クロッチの部分がねっとりと愛液を帯びているのが自分でもわかるのか、葵が玉を吸いながら  
イヤイヤをするように首を振るうが、構わずに脱がせてしまう。  
 
「やぁぁ…」  
 
 女性の一番大事な部分を夫以外の人間に見られて葵が悲痛な声を上げる。  
乳首と同じく使用済みとはとても思えない綺麗な色をした女性器を褒めてやると泣き出してしまったので  
尻を叩いて正気を取り戻させる。  
 
「よし、玉袋が終わったら竿をハーモニカを吹くみたいに満遍なく唇で愛撫するんだ」  
 
「はい…」  
 
 愚図りながら再び指示に従う葵に詰問する。  
 
「このまんこを旦那以外に使われた事はあるのか?」  
 
「葵は、薫さまだけのものです…お願いします、犯さないで下さい…犯さないで下さい…」  
 
「わかったわかった。お前がワシをフェラで満足させれば犯したりはしない。  
…それで、結婚して何年になるんだ?」  
 
「ぐす…一年です…」  
 
「セックスは週に何度だ?」  
 
「それは…」  
 
 あけすけに問われる夫婦の秘め事にさすがに葵が言いよどむと、近藤は割れ目を引っ張って膣口に  
指を突っ込む。  
 
「一回です! 週に一回です!」  
 
(ふーむ…とするとまだ50回くらいしか使ってないのか。  
まだ処女膜も多少残っているようだし…調教し甲斐がありそうだ)  
 
 その後も性器を弄りあいながら恥ずかしい秘密を色々と聞き続け、夫の事を問うだけで愛液が滾々と  
湧き出てくるという夫婦すら知らないであろう秘密まで探り当てると、いよいよ肉棒を咥えさせる段階に入った。  
 
「いいか、唇だけでちんぽを扱くんじゃないぞ、口全体でちんぽを扱くんだ。  
自分の口をまんこだと思えっ!」  
 
「よだれは飲まなくてもいい、潤滑油代わりにたっぷりと口内に溜め込んでおけ!」  
 
「舌も使わんかっ!意識せずとも動かせるようにしろっ!」  
 
「尿道を啜って先走り液を吸いあげろっ!」  
 
「同じリズムで続けるなっ! マンネリでは飽きるだろうがっ!」  
 
 近藤の叱咤を受けながら葵のフェラチオは続く。  
先ほどの拙いフェラチオではまるで反応してくれなかった近藤の肉棒が面白いようにビクビクと  
反応し、淫液を滲ませる様子に葵も無我夢中で口を動かす。  
その熱の篭った奉仕についに近藤も腰を動かしてしまう。  
 
コリッ  
 
「ッうおおおおおおおおっ!!」  
 
 葵の歯が竿に当たり、快感に近藤が吼える。葵を床に下ろし、立ち上がると葵の髪の毛を  
掴み、猛然と腰を振るう。  
 
「ゲホォッ」  
 
 喉奥を突かれて咳き込む葵の微妙な粘膜の震えすら快楽に変えて、射精に向けて  
ラストスパートに入る。  
リビングにいやらしい性臭が漂い、唾液が卑猥な音を奏でる。  
 
「ンムゥッ! カハァッ!」  
 
 葵もここが正念場とばかりに突然のイラマチオを受け入れ、汗ばむ乳房を震わせて従順に  
教えを守る。  
淫らな師弟の息の合ったコンビネーションでついに近藤の肉棒が爆発する。  
 
「だ、射精すぞっ! 葵の口まんこに射精すぞっ!!」  
 
ビュルッ!  
 
 まずは葵の喉に一番しぼりの特濃ザーメンが着弾する。  
 
ビチャッ!  
 
「ッッッ!!!」  
 
 思わず飲み込んでしまった葵の顔面目掛けて第二射、第三射のザーメンが次々に発射される。  
 
ビュルッ! ビュルルッ!!  
 
バシャッ! ビチャッ!  
 
 着弾点を中心に弾けるザーメンだったがあまりの濃さゆえにか、流れ落ちたりはせず、ゼラチン状の  
塊となって葵の肉体に付着する。  
髪に…頬に…乳房に…あらゆる箇所を近藤の精液が汚していく。  
 
 近藤のいつ終わるとも知れないザーメンシャワーを目を閉じて浴びながら葵は初めてのフェラチオ  
による射精に達成感すら覚えていた。  
 
(薫さま…葵は貞操を守り抜きました……ですから…どうか、許してください…)  
 
 
 
 
 ようやく毒液を吐き出し終わったのか、ザーメンシャワーが当たらなくなった事に  
気付き、葵は目を開ける。  
 
「さて、じゃあもう一発やってもらおうか」  
 
「……え?」  
 
 そこには射精前と変わらず…いや、それ以上に反り返った近藤の肉棒があった。  
 

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