トクン、トクン、トクン、トクン……
薄い布を隔てて葵の鼓動の優しい響きが掌に伝わってくる。
柔らかい膨らみを脇から掬い上げ、指を食い込ませて揉み込み、縊り出しては放すという動きを飽きずに何度も繰り返すうちに、
タプタプと音がしそうなほど柔らかかった乳房が次第にパンと張り詰めてくる推移を薫は掌で感じ取っていた。
(直に……触りたいっ……)
寝巻きの上から膨らみを揉んでいた手を葵の腰に回す。
キスをしたまま、手探りで帯の結び目を探す。そのまま帯を解こうとしたその時、葵の小さな掌が薫の手に重ねられた。
(拒まれて……いる?)
不安になった薫はそっと瞼を開けた。葵の目尻にきらりと光るものが見えた。
薫は名残惜しげに唇を離した。二人の間の唾液の糸がキラキラと輝く。突然の口付けの中断に葵はようやく固く閉じていた瞼を開けた。
「……ごめん……俺……葵ちゃんを泣かせるつもりなんて無かったのに……」
「……違うんです、薫様……」
葵の目尻から一粒二粒の涙が頬を転がってゆく。
「ようやく……ようやく薫様と……嬉しいのに……でもっ……怖くて……ごめんなさいっ……」
はらはらと大粒の涙が後から後から零れ落ちる。
薫の大きな掌が、葵の黒髪をそっと撫でた。
「葵ちゃん……怖がらせちゃってごめん……優しく、優しくするよ……」
「……薫様ッ!!」
葵が薫の唇にむしゃぶりついてきた。どうしようもなく湧き上がってくる不安を忘れようとしてキスに没頭しようとする葵。
自分から舌を絡ませて、薫の唇を甘噛みする。頬同士が触れ合い、薫の頬も涙に濡れた。
葵の唇がそうっと遠ざかる。葵は恥ずかしそうに目を伏せて、両掌で顔を覆い隠してしまった。薫はそれが彼女のOKのサインだと確信した。
あらためて浴衣の帯の結び目を解く。帯を抜く時、葵が僅かに腰を浮かせてくれたのが薫に先に進ませる勇気をくれた。
浴衣の前をはだけた。
(うわっ……ノーブラだっ……)
葵の上半身は寝巻きの下には何もつけていなかった。心の準備の出来ていなかった薫だったが、美しい乳房の造形にはただ見惚れるばかりであった。
(これが……葵ちゃんの……)
美しい乳房だった。仰向けになっている所為でやや潰れ気味ではあるものの、若さ故の肌の張りがそれを感じさせない。
ふっくらと柔らかく盛り上がった双つの果実は、普段の着物姿の葵から想像するよりもずっとたわわに実を結んでいる。
(着痩せする性質なんだな……)
乳肌はミルクを捏ねて造られたのかと思うほどに白く、うっすらと青い静脈が透けて見えた。
頂点に戴く乳首は乳房の大きさに似合った可憐な造りで、小粒な乳首がチョコンと鎮座している。
色は極めて薄いピンクパールに煌き、まるで陽の光に透き通る桜の花弁のような彩りだった。小径の乳輪も乳首と同じ淡い桜色に彩られ乳房の先端を控えめに飾っている。
葵の心臓が鼓動を刻む度に、乳房全体がプルンプルンと揺れた。まるでプリンかゼリーを指で突付いて震わせた様子にも似ていた。
薫は恐る恐る指先を伸ばし、その掌でそっと葵の乳房を包み込んだ。
(これが!……女の子の……葵ちゃんの、おっぱいなんだ……!!)
初めて直に揉む葵の胸の手触りに薫は痺れた。
なんと柔らかいのだろう。ただ柔らかいだけではない。どこまでも指先がめり込んでいくような柔らかさと指先を押し返す瑞々しい弾力を併せ持った乳房に薫は酔い痴れた。
指先に吸い付くような肌触りはまさに餅肌と呼ぶに相応しい感触だ。みっしりと肉の詰まった重みを感じさせる心地よい重量感。
手の平の下にある乳首はフニフニと柔らかく、乳房に溶け込んでしまいそうな程だった。
何度も何度も、その感触を確かめるかのように乳を揉み込む。わしっ、わしっと大きく、優しく、揉みしだく。
「んぅッ」
「ご、ごめん……痛かった?」
「……だ、大丈夫……です……」
「……我慢しなくてもいいよ」
「……違うんです……あンッ……あんまり気持ち良いものですから……」
緊張に薫の掌がじっとりと発汗してくるのと同時に、葵の乳房もしっとりと汗ばんできた。
葵の言葉を裏付けるかのように、その乳房の先端が刺激に対して反応を示し始めてきていた。
ゆっくりと、徐々にしこり始める葵の乳首。芯が段々と硬くなり始め、充血した所為なのは僅かに膨らんできている。
薫が乳房から名残惜しげな指を引き剥がした。葵の乳肌の上で彼の手の形がそのまま桜色の跡となって残っている。
小粒な尖りがほんのりと色濃く染まり、僅かではあるがプックリと膨らんでいる。充血しているのだ。
薫はその小さな尖りを人差し指と中指でそっと摘んだ。
「ひッ!」
瞬間、乳房の先端から電流が走ったかのように葵は感じた。
指先に感じる小さなしこりは、強く爪弾けば華奢な硝子細工のように粉々になってしまうかと思われた。
薫は細心の注意を払って指の間に挟んだ乳首を上に吊り上げる。重力に引かれてやや潰れ気味だった葵の乳房が乳首を頂点としてロケットの先端のようにツンと尖る。
「ひッ……あひィッ……」
痛みに耐えかねた葵が背中を浮かせた。限界まで引っ張られた乳房の頂点をパッと放すと、復元力に富んだ瑞々しい乳房がプルルンと震えながら元通りの御椀型に戻る。
(すっ……凄いッ!!)
薫の指が再び乳首を摘み上げ、そして乳房を吊り上げては開放する。初めて与えられた玩具で遊ぶ幼子のように、何度も何度も飽きることなく一連の動きを繰り返す薫だった。
そうこうしている内に、葵の乳房に如実な変化が現れていた。乳首がポッチリと勃起してしまったのだ。
元々が小粒な葵の乳首は、充血して一回りほど大きくなっても上品さを失ってはいなかった。ただ、透き通るような桃色が幾分紅を濃くしていた。
小径の乳輪もふっくらと浮き上がり、己が存在を主張している。乳房全体も熱を孕んでいるのか、艶やかな桜色にボウとけぶっていた。
薫の唇が吸い寄せられるように葵の乳首に接近する。我知らず、何時の間にかその先端を口に含む薫。葵の躯がピクンと震えた。
「あはっ……あんッ……薫様ッ……く、くすぐったいですぅ……」
口に含んだ乳首を舌先で転がすと葵の躯が震え、唇からは甘い喘ぎが零れた。
硬くなった乳首を軽く噛むと、まるでグミのような歯ごたえがある。激情に駆られて歯形を付けぬように、薫は自分の手綱を引き絞った。
チュパッ、チュパッ、チュパチュパッ……
葵の部屋に乳首を吸われる音が響き渡る。空いている側の乳首を指先で挟んで扱く。
コリコリに硬くなった乳首を乳房に押し込んで見たり、先端に指の腹を当ててクリクリと捏ね回す。
頃合を見計らい、唇を右から左へ、左から右へと移動させる。何往復かする内に、葵の乳首は薫の唾液でベトベトに濡れてしまった。
そんな彼女の肢体を満足気な表情で見下ろす薫。葵は明らかに彼の愛撫に反応している。己が童貞であるという不安は何時の間にかどこかへ消え去ってしまっていた。
そんな自信が彼を更なる行動へと誘っていった。
帯の解けた寝巻きの袷はもう上から下まで全開になっている。ぴったりと閉じあわされた白磁の太腿の付け根。
葵が女として成熟しつつあるその証でもある黒々と生い繁った草叢が悩ましいヴィーナスの丘を覆い隠している。
薫は胸の谷間に顔を埋め、その手を彼女の下半身へと這わせた。
太腿の間に手を挿し入れようとする薫だったが、処女の膝のガードは固く指一本を挟ませてもらう事さえも出来ない。
仕方なく葵の陰毛を指で梳き撫でる。
指先に絡みつく葵のアンダーヘアは見た目以上のボリュームがあるものの、その毛質はあくまでも柔らかかった。
まるで上質のベルベットを撫でているような感じさえする。中指の先をジャングルの奥に進ませるものの、目当てのお宝の在り処は一向に判らない。
(……下付き……なのか?)
葵が太腿をぴったりと閉じ合わせているこの状況ではヴァギナへの愛撫は不可能だ。薫は上体を起こし、両手を葵の腰の括れにそっとあてがった。
折れてしまいそうなウエストから、いよいよ女として充実した刻を迎えて日に日にその肉付きを厚くしてゆくヒップへ。薫の手が葵の優美な曲線を辿ってゆく。
そして彼の指は、一足早く成熟されたムッチリとした太腿へと流れてゆく。柔らかなカーブを描きながら引き締まった膝頭へと収斂してゆく線の美しさはどうだろう。
正座でいることの多い葵だったが、膝頭が多くの日本人のようにぽっこりと突き出していないのは奇跡といっても過言ではなかろう。
程よく発達した脹脛で再び柔らかい曲線をなぞった薫の手が彼女の踝でピタリと止まり、そのまま細い足首をそれぞれの指で掴んだ。
試しに二本の足を割り拡げようとしてはみたが、やはり葵の下半身は頑なな態度を崩そうとはしなかった。彼女を見上げると、いまだに掌で顔を覆ったままだった。
薫は彼女の足首を掴んだまま上へ持ち上げた。
「か、薫様っ、何を……きゃあッ!?」
葵の下半身が持ち上がった。そのまま薫は腕を前方へ伸ばし、葵の躯を二つに折り曲げる。
驚いた瞬間、僅かに葵の膝が割れた。思わず顔を覆っていた両手で膝を閉じようとするが遅きに失した。
葵の顔の両脇に彼女の膝が押し付けられる。丸まった背中に薫が身体を密着させている為、躯を伸ばそうとしてもままならない。
いわゆる『まんぐり返し』と云われる格好だ。
体の柔らかい葵にはさして苦痛を覚える姿勢でこそなかったが、
目の前に己の羞恥の器官が開陳させられているあられもない格好は花も恥らう年頃の少女にとっては気絶しそうなほど恥ずかしいに違いないだろう。
自分の秘めやかな狭間を薫にマジマジと見つめられる恥辱。葵は股間を隠す事さえも忘れて両掌で顔を覆った。
そんな葵の羞恥を慮る余裕も忘れて、薫は秘密の花園の佇まいにジィッと見入った。
葵も人並みに陰毛をモジャモジャと繁らせていたのだ。そんな当たり前の事でさえ、薫にとっては目も眩むような眺めだった。
逆三角形に生え揃ったアンダーヘアは歳相応の繁茂ぶりを誇り、艶やかな黒曜石の如き草叢の輝きが眩しかった。
湯から上がったばかりだからなのか、柔らかな艶を含んだ陰毛の流れは穏やかな川面の如く上から下へと連なっている。
しかし柔らかな萌え草は葵の秘奥の全てを覆い隠すまでには至らず、その毛並みが急に疎らになる逆三角形の頂点からはほんのりと紅色を滲ませたクレヴァスの下端さえも覗けた。
だが薫の視線はクレヴァスの更にその下、真っ白な尻たぼの、濃い紅がくすんだセピアに変色してゆく谷間の底に鎮座する葵の肛門へと吸い込まれていった。
(こっ……これが……)
(葵ちゃんの、お尻の孔……)
(綺麗だ……)
(ここからウンチが出てくるなんて……信じられないよ……)
抜けるように白い尻の谷間の奥底に、その華はひっそりと咲いていた。無数の精緻な小皺が放射線状に収斂し、針の先が通る程の隙間も無い中心へと吸い込まれてゆく。
針を通す隙間も無いこの皺の中心から便塊がモリモリと排泄されるなどと誰が信じようか。菫色をキュッと絞り込んだ慎ましやかな色合いが葵には似つかわしいと薫は思った。
薫は躊躇う事なく、葵の裏菊に舌を這わせた。
「そっ、そこはっ!……ひぃッ!……薫様ッ……汚れてッ……」
風呂から上がったばかりの肛門はほんのりと石鹸の香りすら漂わせ、その可憐な佇まいとも相まっておよそ排泄をする為だけの器官とは思えぬ程だ。
風呂上りの所為か、舌の先が汗の味を感じ取った以外には味らしい味さえも無い。
薫の舌の動きに慄くようにキュンと窄まるアナルの反応さえも愛しい。慈しむような丹念な愛撫で彼女の肛門が舐め尽くされる。葵の菊門はたちまちのうちに薫の唾液に塗れた。
尖らせた舌の先で窄まりの中心をツンとつつくと、葵はヒィヒィと喘ぎながら下半身を震わせた。
舌の侵入を拒もうとしているのだろう、肛門括約筋に力が入ると葵のアヌスはコクリコの実のようにコリコリに凝り固まった。
とうとう薫は、舌だけでは飽き足らずに唇までをも使って葵の裏菊を愛撫する。まるで餌をついばむ小鳥のように、チュッチュッ、チュッチュッと口付けの雨を降らせた。
大きく口を開けて裏門の全てを貪るように頬張り、チュバチュバと吸いたてた。
「ヒッ……あひィ〜〜〜〜〜〜ッ!!」
堪らず、葵が喉を絞って啼いた。手の平で顔を覆い隠したまま、頭を左右に振ってイヤイヤをする。
肛門愛撫の総仕上げとして、薫は舌を固く尖らせてアヌスの中心を突き刺す。
ドアをノックしているようなさっきの軽い舌突きに比すれば、今度は力任せに扉を抉じ開けようとする暴漢の如き強引さだった。
だが葵の肛門は薫の侵入を未然に防いだ。グイグイと押し込まれる薫の舌先は、固く引き締まった肛門括約筋の防波堤を突破する事が出来ない。
正攻法が通じないのならば搦め手だ。薫の舌が盛り上がったアナルの周囲に円を描くように舐め回る。
「かっ、薫様ッ!そこはッ……違いますッ!」
尻たぼを振って薫から逃げようとする葵だったが、彼にがっしりと身体を固められていてはそれも無駄な足掻きに過ぎない。
こんどは皺の一本一本を数えてでもいるかのような執拗な舌戯。
葵が想像だにしなかった肛門への愛撫。だが彼女の身体はそれを受け入れ、健気な応えを返してきていた。
唾液に濡れた葵の排泄孔がいつしかふっくらと柔らかくほぐれ始めていた。
(これなら……)
狙いすました一閃がアヌスの中心を貫いた。
「ひっ……あひィ〜ッ!!」
喉を絞って泣き叫ぶ葵の肛門を薫の舌が貫いたのだ。
「いっ、嫌ッ、嫌ッ、かっ、薫様ッ、そっ……そこはっ……嫌ですッ……」
葵の必死の懇願も薫の耳まで届かない。愛しい葵のアヌスの初々しい反応が薫の心を掴んで放さないのだ。
(これがっ……葵ちゃんの……)
(熱くて……キツい……)
(……可愛いッ……キュンキュン締め付けてくるっ……)
葵は必死で薫の舌を毎朝の排便の要領で押し出そうとしていた。その肛門括約筋の蠢きが薫の舌を小鳥のように啄ばむのだ。
だが一度決壊した裏門にもうそれを押し返すだけの力は無かった。
薫が葵の腸内でレロレロと舌を蠢かす度に甘い疼きが排泄孔から全身へと駆け巡り、薄皮を削ぐようにして葵の嫌悪感までもが剥ぎ取られてゆくのだった。
あまりにも酷使し過ぎた所為なのか、薫は舌の付け根に攣るような痛みを感じた。
もっと葵のアヌスを愛したかったが中断を余儀なくされ、後ろ髪を引かれつつも小さな窄まりから舌を引き抜く。
可憐な肛門から薫の唇まで続く銀色の唾液の糸がプツンと切れた。
(……うわぁっ……)
息も絶え絶えに華奢な肩を大きく上下させて胸の高鳴りを鎮めようとする葵。その彼女の羞恥の源泉。
愛撫する前はキュッと引き締まっていた小皺の窄まりが今やポッカリと口を開けているではないか。
肛門愛撫の刺激とショックの大きさが葵から緊張感を奪い去ったのか、或いはアヌスを閉じるだけの力さえも残されていないのか、
薫の親指さえも挿入出来そうな程の虚ろな佇まいを曝け出してしまっている。
その奥を覗き込む薫の目に、鮮やかなサーモンピンクの腸壁の複雑な隆起が飛び込んできた。
(綺麗だ……葵ちゃん……ん?)
すっかり彼女の肛門に見惚れていた薫だったが、もう一つの葵の秘め所の変化にようやく気付いた。
草叢の裾から覗く紅を滲ませた幼いスリット。よくよく目を凝らせばそのクレヴァスの深い切れ込みの間も何やらキラキラと輝いているではないか。
(葵ちゃん……お尻の穴で……)
(ウンチの穴で感じちゃったのか?)
(葵ちゃんがお尻の穴を舐められて濡れるだなんて……)
(……アヌスにも性感帯があるって……ホントだったんだ……)
不浄の門で感じてしまう許婚。だが失望感はない。むしろ葵が豊かな性感帯を持っていた歓びの方が大きかった。
(本当に濡れているのか……確かめなくちゃ……)
薫はおもむろに顔を葵の股間に近づけるのだった。
汗の所為か、ほんのりと湿り気を帯びた恥毛を指で左右に梳き分けると、そこにはシンプルなスリットがあるばかりであった。
スリットの中心に向かうに従って、ほんのりと色付く紅色が濃くなってゆき、えもいわれぬ美しいグラデーションを醸し出している。
ニチィッ……
薫が指で葵の陰唇を拡げたのだ。
漆黒の三角形のジャングルの中央に、突如として鮮やかなサーモンピンクのダイヤモンドが出現した。
この季節の屋外であれば湯気が立ちそうな程のムンとした熱気と湿り気と共に、咽返るような葵のおんなの匂いが立ち昇る。
薫は鼻を鳴らして磯の香りにも似た処女特有の強烈な残尿臭とほのかな汗の香り、
そして発酵したヨーグルトかチーズの如き甘酸っぱくも芳しい発情のフェロモンをまとめて嗅ぐ。
(す、凄いッ!!)
頭がクラクラする。目眩にも似た酩酊感が薫を包み込んだ。
葵のおんなの部分が余すところ無く曝け出された。薫は喉を鳴らして唾液を嚥下した。
シンプルな一筋のスリットの内側にかくも複雑精緻な肉襞細工があろうと誰が予想しえたであろうか。
幾重にも丁寧に折り畳まれた薄襞が強制開帳された大陰唇に引っ張られあたかも肉色の薔薇が葵の股間に咲いているかのようだった。
『女の子の仕組み』なるハウトゥ本で見た無味乾燥な模式図とは比べようも無い、艶やかな女の華が朝露のような愛の雫を身にまとってそこに綻んでいるのだ。
濡れていた。間違いなく濡れていた。湿っているといった控えめなものではない。溢れた愛液の雫が筋を引いて黒いジャングルの奥へと消えてく。
左右のラヴィアの間には無数の愛液の糸の橋が架かっている。アヌスへの愛撫に葵はおんなを濡らしていたのだ。
口から飛び出してしまいそうな心臓を必死で宥め賺し、じっくりと葵の性器を観察する薫。
(……クリトリスは何処だ?)
クレヴァスの上端、左右の陰唇が繋がる部分に目を凝らす。童貞の薫がイメージしていたような肉の突起は何処にも無い。
指で触れて確認しようかとも思ったが、まるで壊れ物のような繊細な葵の道具の造りをむやみに弄り回すのも躊躇われた。
幸い舌の痺れも治まったようだ。口中に溜まった唾液を舌に乗せ、恐る恐るその先を葵の女陰へと近づける。興奮に舌の先が震えた。
「ひンッ!」
葵が声を上げた。薫の舌が彼女自身の指でさえ触れた事のない場所に触れた瞬間だった。