暗い部屋だった。  
 何もかもが吸い込まれてしまいそうな、濃密な闇。まるで質量を持っているかのようなねっとりとした暗闇が  
空間をなみなみと満たしていた。  
 部屋の四隅には高さ1.5メートルぐらいの燭台があり、その上に立てられた太い蝋燭が音も立てずに炎を揺らめかせている。  
だがそこから発せられた光の矢も部屋の中央には届かずに途中で失速してしまう程の濃い闇。  
 その部屋は暗かったが狭くは無かった。恐らくは三十畳を優に越える広さだろう。  
だがコンクリート打ちっぱなしの四方の壁には一つたりとて窓は無かった。  
ただその内の一面にのみ錆を浮かせた鈍色の重厚そうな鉄の扉があった。  
明り取りの小窓すらない、その頑丈そうな扉だけがこの部屋と外との接点なのだ。  
 外の世界では日が昇っているのか、はたまた夜の帳が下りているのか・・・・・・  
それどころか今の気候が暑いのやら寒いかすらも定かではない。  
だがジットリと湿っぽく、また黴の臭いに重く澱んだ空気は、ここが地上の世界ではない事を示していた。  
 部屋の中央には、男がたった一人で椅子に腰掛けていた。老人だ。  
だが、その炯々とした眼光の輝きは、彼が只の老人ではないことを物語っていた。  
 ここは地下室。しかも、日本の政財界に多大な影響力を持つ花菱財閥の主・花菱源一郎の大邸宅の  
地下に存在する秘密の地下室なのだ。  
 そう。この老人こそが花菱家当主・桜庭源一郎その人なのだ。  
 この部屋のそこかしこから漂ってくる陰鬱な雰囲気は、この部屋が真っ当な目的のためにつくられた  
部屋ではない事を如実に物語っていた。  
 この部屋は時間の流れはおろか、法の力すら及ばぬ無法の空間なのだ。  
 
 ギィッ・・・・・・  
 いかにもその扉に似つかわしい重々しい軋みを立てて、鉄の扉が開いた。入ってきたのは二人の黒服の男だ。  
二人とも心の窓をサングラスで覆い隠してその心情を慮る事は出来ない。  
彼らもこの暗黒の密室の住人なのだろうか、スーツの漆黒が闇に溶け込むようだ。  
 二人は荷物を持って入ってきた。一つの荷物を二人掛かりで。地下室に運び込まれてきたのは、巨きなトランクであった。  
そう、子供や小柄な女性であれば身体を折り曲げれば入ってしまいそうな程の大きさの。  
 二人の黒服が老人の目の前に恭しくトランクを下ろした。二人の手がトランクの上部にある留め金を外した。  
 ギィッ………………ドンッ!  
 重々しい音を立てて、トランクの蓋が開いて打ちっぱなしになっているコンクリートの床に落ちた。  
 まるで血のような真っ赤なサテンの内張り。  
 その中に、人形がいた。窮屈そうに膝を折り曲げ腰を丸めた格好で。かなり大きい。本物の人間と変わるところの無い、等身大の大きさだ。  
 短く切り揃えられた艶のある黒髪。伏せられた瞼を縁取る長い睫毛。筋の通った鼻梁。白磁の頬にはうっすらと朱まで差し、  
柔らかそうに見える唇は差した紅の所為かしっとりと濡れているようにすら感じられる。  
まるで生きているのではないかと思われる程のリアルな質感。  
 「……んっ……うう〜〜ん…………」  
 人形がうめいた。いや、人形ではなかった。  
 少女……それも飛びっきり美しい、人形と見紛うばかりの美少女だ。  
 年の頃は二十歳前だろうか。若い女性には珍しく、紺色の紬をきっちりと着こなしている。  
 雪白の頬に短く切り揃えられた一房の髪が揺れた。少女の意識は無いようだ。  
 「……ご苦労だったな」  
 中央の老人が重々しく口を開いて労いの言葉をかけた。  
だが、その言葉に一かけらの謝意もこもっていなかったのは、他人が傅くのが当たり前の人生を彼が歩んできた証なのか。  
 それでも二人の黒服は恭しく頭を下げ、そのまま部屋の外へと消えていった。  
 密室にトランク詰めの美少女と一緒に残った老人の唇が醜くく歪んだ。  
 「……よく来たな……桜庭の娘よ……ふふふふふふふふふふ…………」  
 
 ……身体が重い。泥濘のようなまどろみが再び彼女を眠り世界の深遠へと引きずり込もうとする。  
元来、自分は寝起きは良かった筈だ。それが今日に限ってどうしてこんなにも……  
 (……生理は先週終わったばかりだし……)  
 酷く手首と肩が痛む。  
 (……どうしてこんなに……)  
 観劇の帰り。  
 雅の運転する車。  
 接触事故。  
 黒服の男が二人。  
 ハンカチのような物を口元を塞がれて昏倒する雅。  
 恐怖。  
 運転席に乗り込んできたもう一人の男。  
 白いハンカチ。  
 口を塞がれる。  
 歪む視界。  
 薄れてゆく意識。  
 暗転。  
 フラッシュバックのような映像が脳裏をよぎる。一瞬で目が覚め、円らな瞳が大きく見開かれた。暗い。  
 (……夜?)  
 違う。薄暗い部屋の中だ。壁際には燭台の上で蝋燭の炎が揺らめいている。  
不思議な事に、寝ていた筈の自分が何時の間にか立っている。  
 (……立ったまま……寝ていた?)  
 いや、それも違う。此処に到って彼女はようやく自分の身体が不自然な体勢を取らされている事に気付いた。  
 両手を頭上高く掲げさせられ、あろう事か両手首を縄か何かで縛められている。  
そして爪先がかろうじて床に届くぐらいの絶妙な高さで宙吊りになっているのだ。  
一体何時から吊るされていたのかは分からなかったが、今にも肩が抜けてしまいそうな程である。  
 「な、何?……」  
 自分の置かれた状況も分からずにうろたえる葵。  
 
 「……ようやく目が覚めたか」  
 「っ!!」  
 不意に声を掛けられて葵は驚いた。  
 「待ちくたびれたぞ、桜庭の娘よ」  
 声は後ろから聞こえる。その声の主を確かめようとして後ろに視線を向けようとするのだが、  
この縛められた身体では首を精一杯捻ってもその姿を視界に収められなかった。  
 衣擦れの音がして、澱んだ部屋の空気が動く。  
 ひたひたと響く足音。背後の人物は葵に近付いてきているようだ。  
 「たっ、助けてください! お願いします!」  
 声の主は吊るされた葵の傍らを通り、その姿を葵の目の前に表した。  
 着物を着た老人だ。歳が幾つかを推し量るのは難しかったが、総白髪のその男は立派な体躯の持ち主だった。  
その世代の男性としてはずば抜けた長身であろう、優に180cmを超えているに違いない身長であった。  
 その老人は首を回しながら、葵から視線を切る事なく振り向いた。  
 鋭い視線だ。葵は不安に身をすくませた。  
 「お願いします、どうかこの縛めを解いて下さ……」  
 「久し振りだな、桜庭の娘」  
 懇願する葵の言葉を断ち切るように老人が口を挟んだ。  
 
「……?」  
 「ふふっ、憶えておらぬか」  
 ……どこかで見た憶えのある顔だ。ずきずきと痛む頭を振って、自分の記憶を探ってみる。  
 「…………あ……薫様の……お爺様……」  
 「そうよ。ようやく分かったか」  
 「……どうして……こ、此処は何処なんですか? 誰がこんな事を……お爺様、申し訳ありませんがこの縄を解いて下さい」  
 「……残念ながらそれは出来んなあ」  
 「……ど……どうしてですか?」  
 「…………娘よ」  
 「はい?」  
 「お主……未通女か?」  
 「は?」  
 未通女。「おぼこ」と言われても葵にはそれが何の事なのかさっぱり分からない。そんな事と彼が縄を解いてくれない事に何の関係があるのか。  
 「処女か、と訊いておる」  
 「しょじょ…………!!」  
 ようやく言葉の意味に思い当たって、頬を染める葵。  
 「お、お爺様、このような場所で何を……」  
 「ふふっ、睨んだ通りやはり未通女か……それでは縄を解いてやる訳にはいかんなあ」  
 真実を言い当てられて、葵は頬どころか顔全体を真赤にしてしまう。  
 言うまでも無く葵は処女であった。いくら当世の年頃の娘とはいっても、桜庭家の御令嬢ともなればそんじょそこいらの牝餓鬼とは訳が違う。  
花菱には及ばないにせよ、桜庭の一門とて日本でも有数の名家としてその名を知られているのだ。  
 そこのたった一人の跡取娘ともなれば箱入りも箱入り。加えて「貞淑であれ」と幼い頃から育てられてきた  
 「お前がワシに大人しく抱かれるというのならば考えてやらぬでもないがな」  
 「だ、抱かれる……」  
 ようやく葵にも誰が自分をこんな場所に連れて来て、こんな風に縛めたのかがはっきりと判った。  
 
 「……ま、まさか……お爺様が……」  
 「そう、そのまさかよ」  
 老人は葵の細いその顎を片手で掴むと、クイと持ち上げて自分の方を向かせた。  
 「ど、どうして……」  
 花菱翁はそんな彼女の問いに答えることなく葵の花びらのような唇をいきなり貪った。  
「むッ・・・・んん〜ッ!!」  
花菱翁に唇を吸われてくぐもった声を上げる葵。必死に老人の唇を引き剥がそうとするのだが思いのほかその手の力は強く、  
葵の頤をがっちりと掴んで放さない。結局葵の唇は花菱翁の思うが侭に吸われるしかなかった。  
(薫様ッ・・・・・ごめんなさい・・・・・・葵の、葵の唇は・・・・薫様だけのものだったのに・・・・・・)  
 夢にまでみた、許婚とのファーストキス。いつか何処かで、必ず、永遠の愛を誓い合う契りとして交わす筈だった  
葵の生涯においての最初の接吻は無残にも手折られたのだ。  
諦念の涙が一筋、葵の頬を伝った。  
「ん?・・・・・ふふっ、唇を吸われたぐらいで泣いていてどうする? これからもっと恥ずかしい目に会うのだぞ」  
そう嘯くと、再び葵の唇を貪り始める。老人の舌先が葵の唇のあわいを割ろうとするが、固く結ばれた葵のそれは老人の侵入を頑なに拒む。  
だが、その細い頤を大きな掌で掴まれ、締め上げられる。唇が僅かに開いたその一瞬の隙を逃す筈もなく、老人の舌が葵の口腔へと潜り込む。  
美しく整った歯並びを確かめるかのように嘗め回され、唾液の甘さを愉しむかのように啜られ、舌の柔らかさを悦しむかのように嬲り尽くされ、  
老人の舌に絡め取られては引きずり出されて、老人の顎に咀嚼される。  
 ドロリとした生臭い唾液を流し込まれても、口を塞がれているが為に吐き出す事も侭ならずに、それを嚥下させられてしまう。  
 (ううっ……嫌ッ……)  
 最愛の薫の姿を脳裏に浮かべながら口腔を犯される屈辱。葵は只々、滂沱の涙を溢れさせるしかなかった。  
 
 唇を開放されるやいなや葵は空気を貪った。急な呼吸の所為で激しく咳き込んだ。  
だがどれほど嗚咽しても一度飲み下してしまった陵辱の唾液はもう吐き出すことは出来なかった。  
 最早精も根も尽き果てたかのように、小さくしゃくりあげる葵。勿論、花菱翁の陰惨な責めがこれで終わる筈も無い。  
 老人は吊るされた葵の背後に廻ると、その両脇から葵の胸元を弄る。  
 「嫌っ……いやいやいやっ……」  
その行為を拒絶するかのように頭を振る葵だったが、先程の口唇陵辱の衝撃から意識が覚めやらぬのか、その動きはどこか緩慢だった。  
 「よく育ったものだ……誉めてやるぞ」  
 「っ………」  
この状況下で誉められて嬉しかろう筈も無い。  
 (私の……葵の躯は……薫様だけに誉めて貰いたかったのにっ……)  
ほぞを噛む思いで耐える葵の脳裏に浮かぶ愛しい人の面影。  
そんな葵の想いをも踏みにじるかのように、老人の無骨な指が紬の上から彼女の胸の膨らみを揉みしだいた。  
 「あうっ……お止め、お止めくださいッ……」  
 「ふふっ、直に揉んで欲しいか」   
 「ちっ、違いまッ……ああっ、止めてッ、止めて下さいッ!!」  
 着物の袷から陵辱鬼が鉤爪を潜り込ませた。  
 「ふんっ、ブラジャーを着けておるのか……全く興ざめな奴じゃわい……むんッ!!」  
 「ああっ!!」  
 なんと老人は着物の袷からブラジャーを引き千切って抜き取ってしまったのだ。ブチッという音と共に背中のフックが弾け飛び、  
レースをあしらったシルク製の高級ブラジャーが一瞬にして只のボロ切れと化した。  
 
 「どれどれ……ふふっ、どうじゃこの手触りは……掌に吸い付くようだわい……それに何とも言えぬこの柔らかさ……  
ちと弾力に欠けるのが惜しいが、なに、このワシがみっちりと揉み込んでやればたちどころに弾むような乳になるわい」  
 「ひっ……ひィッ……うっ、うんッ……ああ……もう、もう、許して……」  
 玉の汗を浮かせた額に前髪を数本張り付かせて息も絶え絶えに懇願する葵の姿は、  
この鬼畜老人の嗜虐心を鎮めるどころか逆に油を注ぐようなものだった。  
 「ふふっ……そろそろこの邪魔な着物を脱いでもらおうか」  
 「ああっ……」  
 老人は手慣れた動作で葵の背中の帯の結び目を解いた。そしてその端をしっかりとその手に掴むと、  
「そりゃああああああッ!!!」  
怒号にも等しい掛け声と共に帯を引いた。葵の肢体が手首を縛める太縄をその軸として、猛烈な勢いで回転する。  
 「あああああああ〜っ!!たっ、助けて下さいッ!薫様あああ〜っ!!」  
 巨大な独楽。人間独楽と化した葵の口から漏れる悲痛な叫び声。  
 やがて帯が完全に解けきり、着物の袷がはだけられた。いたいけな胸の膨らみの先端が、  
遠心力で独楽の外縁を縁取る桜色の帯となって老人の目を釘付けにした。  
 老人はその手に持った帯を投げ捨てると、指先をその桜色の縁取りに向かって差し出した。  
 ビンビンッ!!  
 「痛ッ!!」  
 ビンビンッ!!  
 「ひィッ!」  
 ビンビンッ!!  
 「嫌ああああッ!!」  
 猛烈な勢いでもって指先に弾かれる両の乳首に疾る鋭い痛み。だがしかし、徐々に『女』としての成熟度を増しつつある葵の肢体は、  
その痛みすらも性感帯への刺激として受け取ってしまう。  
 やがて緩やかになってゆく独楽の回転。だが葵がほっとするのも束の間だった。  
捩じれた縄が元に戻ろうとして、彼女の躯を先刻までとは反対方向へと回転させる。  
 「ああ〜ッ!!」  
 魂消える悲鳴と共に、再び葵の肢体が独楽と化す。桜色の尖りもまた、容赦無く嬲られる。  
 「うわははははははっ!!回れッ!!回れいッ!!」  
 いつ終わるとも知れぬ陵辱の回転。地下室に木霊するのは葵の悲鳴と花菱老人の哄い声だけだった。  
 
 幾度反転させられただろうか。ようやく回転を止めた独楽−葵は荒い息にその胸元を激しく上下させるばかりだった。  
はだけられた着物の間から覗く葵の瑞々しい肢体。上気した柔肌は汗を滲ませて煌いている。  
 普段着の和服の下に隠されていたその乳房は抑圧するものが無くなった所為か、心なしか大きく膨らんだように見える。  
その先端の小さな乳首は激しい刺激に晒されて痛々しい程にピンッと勃起して、己の存在を主張している。  
胸の谷間に溜まった汗の雫が縦長にスッと切れ込んだ形の良い臍の窪みへと滑り落ちる。  
そして、何よりも目を引くのは滑らかな白い下腹部と二本の太腿が形成するデルタを覆い隠すブラとお揃いのシルクのレースに縁取られたパンティの有様だった。  
換気の良くない地下室には咽返るような熱気がムンと立ち込めており、少女の雪肌はびっしょりと汗をかいていた。  
もちろんそのシークレットゾーンとて例外ではない。  
 汗ばむ尻朶にぴったりと張り付いてしまった薄布は深々とした肉の狭間が窺い知れる程に汗で透けてしまっている。前部の様子は更に惨かった。  
純白のシルクはほぼ半透明にまでぐっしょりと濡れそぼり、葵の大事な部分を透けさせてしまっていた。  
秘毛の色も生え具合も、全てが手に取るように分かってしまう。ヴィーナスの丘を覆い尽くす漆黒の叢。艶々と輝く恥毛の密林は黒い宝石のようだった。  
クレヴァスの中央に流れ込むような毛並みはさながら大河の流れをも髣髴とさせる。  
密生した陰毛は葵の恥溝を完璧に覆い隠して、その本来の役割を充分に果たしていた。  
「ふふっ、着物の上から見ただけでは分からんモノだな。そうは思わんか?」  
花菱翁は誰にとも無く問いかけた。老人の皺枯れた指先がやにわに葵の豊乳を掴んだ。  
 
「ひあッ!?」  
むんずと掴まれた柔乳が蹂躪者の思うが侭にカタチを変化させられてしまう。  
縊り出された乳首は痛々しい程に尖りきって老人の目を悦しませる。  
空いた指で器用に乳豆を捏ね繰り回す花菱老人。  
「嫌ッ!触らないで下さいッ!!」  
喉を引き裂かんばかりの悲鳴を振り絞る葵。だが、そんな葵の様子を気にするでもなく、乳首を転がし続ける老人。  
「ふふふふっ、こんなにも乳首をしこらせておって・・・・・はしたない娘よのう」  
「そっ、そんなっ・・・・・」  
 自らの躯のはしたない反応に葵はうろたえた。好きでもない男性にいたぶられて  
乳首を尖らせるなどあってはならない事だ。  
 今時の少女にあっては強過ぎると思われる程の貞操観念が葵を苦しめていた。  
 「くくっ、良い色艶になってきたわい。どうだ?良くなってきたであろう?ん?」  
 「わ、私は……そんなっ……あうッ!!……は、はしたない……女では……ふうッ!!」  
 抗議する葵の意思など全く歯牙にもかけず、只ひたすらに乳豆を弄りつづける老人の指。  
 「随分と感じ易いようだな。そざかし一人遊びが激しいとみえるわ」  
 「……一人……遊び?」  
 初心な葵には何のことだかさっぱり判らない。  
 「ふふ、カマトトぶりおって。いい年をしてしてマン擦りを知らぬ訳でもあるまい」  
 「まん……?」  
 考えあぐねている葵の表情をみた花菱翁はこう言い放った。  
 「……まあよい。股座を拡げさせれば判る事よ」  
 
 老人の視線が濡布に透ける真っ黒な叢に注がれた。反射的に両脚を擦り合わせる葵。  
 「縄を下ろせ」  
 おそらく部屋の何処かにマイクが仕掛けられているのであろう。老人が指示を出すやいなや、  
天井に開いた穴から太い縄がゆっくりと降りてきた。  
何かしらモーターが唸るような音も聞こえてくる。あの穴の奥ではこのロープがモーターに繋がっているのだ。  
 よくよく目を凝らせばこの部屋の天井には幾つもの穴が開いていた。その機能や目的は推し量るべくもないが、  
決して真っ当な目的のために使われるのでは無い事は間違いないと思われた。  
 縄は床に届いたところで止まった。老人が縄の先を手繰り寄せる。その先端は用意のいい事に既に輪が作られていた。  
 その縄の輪越しに老人が葵の貌を覗いた。  
 邪な眼差し。  
 その縄を一体何の目的で使おうとしているのかは判らなかったが、何よりもその瞳の色が雄弁に物語っていた。  
葵はその恐ろしさに身体を震わせた。  
 老人が葵の足元に屈んだ。優美な曲線を描く下肢の脹脛は程好く発達し、それに続く足首は細く引き締まっている。  
その感触を確かめるように老人がその部分に手を伸ばした。  
 鳥肌が立った。胸乳を触られる事に比べればまだしも嫌悪感は少ないかにも思えたのだが、最早葵の身体は全身でこの老人を拒否しているのだ。  
 
 老人の指先から逃れようとして、葵が膝だけはしっかりと閉じたままで僅かに足を動かしたその瞬間だった。  
 「あっ!」  
 まさにあっという間だった。縄の輪が葵の右足首を捉えたのだ。老人が縄を引くと輪が縮まって細い足首にしっかりと絡み付いた。  
 この縄は天井のあの穴の奥に繋がっているのだ。流石の葵にもこれから自分の身に何が起こるのかが判ってしまった。  
「こっ、これ以上嬲られるのならッ・・・・・しっ、舌を噛みますッ!!」  
「くくくくくくっ、思い出すのう・・・・・かつてお前と同じ台詞を吐いた女がいたわい・・・・もっともその女は結局舌を噛む代わりに  
儂の一物を咥え込む事になったがな。娘、いずれ貴様も同じ運命を辿る事になろうぞ」  
 そう言いながら、老人は手を軽く上げた。  
 キリキリキリキリ……  
 弛んだ縄が天井の穴の奥へと巻き取られて行く。  
「くくくくくっ・・・・・それでは桜庭の娘の股座のお宝・・・・とくと拝見させ貰うぞ。娘、観念せい」  
「いっ、嫌ッ!嫌ですっ!!」  
太腿を捩り合わせる葵。だが無情にも荒縄は穴の奥へと消えてゆくのだ。  
 遂に穴と葵の足首とを結ぶ緊縛縄がピンと張りつめた。次には一直線になった葵の肢体が徐々に傾いてゆく。  
足をがっちりと閉じ合わせているので手首を支点にして体全体が斜めに持ち上げられているのだ。  
 「ふふっ、どこまで我慢できるか……しっかりと見届けてくれるわ」  
 そう言うと、花菱翁は葵の股間を丁度目の前に収められる位置にどっかりと腰を下ろした。  
 歯を食いしばって、ギリギリの一線で何とか持ちこたえる葵。だが彼女の踏ん張りも長くは続かなかった。  
膝がブルブルと振るえている。脚の間が僅かに開き始めた。もうこうなってしまっては時間の問題だった。  
 「うっ……くうッ……」  
 息を荒げて何とか堪え続けていた葵に、恥辱の舞台の幕開けが近付いて来ていた。  
 「駄ッ……駄目ェェェェェェェッ!!!」  
 
 葵が一声叫んだ。宙に浮いていた瑞々しい肢体がガクンと落ちた。  
 思わず身を乗り出す花菱翁。  
 だが、葵はまだ屈服していなかった。両膝はしっかりと閉じたままだ。膝から下だけが荒縄に屈っしただけに過ぎなかった。  
 「ふふん、そうでなくては面白くないわい」  
 大して落胆した様子でもなく、老人はあらためて腰を下ろした。そう。この男は葵が必死に抵抗している様を見て愉しんでいるのだ。  
 生贄は生きが良ければ良いほど嗜虐心をそそるのだ。  
 一旦は真っ直ぐになった葵の身体だったが、幾らも立たないうちにまた傾き始めた。膝を曲げて難を逃れたかに見えたが、  
それも只の時間稼ぎにしかならなかったようだ。  
 再び膝と膝の間に隙間が開き始めた。じっとりと汗を掻いた内腿にひんやりとした空気が触れる心地良さに、葵は一瞬我を忘れた。  
しかし最後の気力を振り絞って懸命に脚を閉じ合わせる。  
 再度、老人が手を上げた。すると音を立てて縄を巻き取っていたモーターが止まり、葵は宙吊りの姿勢の維持を余儀なくされた。  
 だが、それきり花菱翁は行動を起こそうととはしない。葵の精魂が尽き果てるのを待っているのだ。  
 葵にとっては永遠とも思われる時が流れた。如何に精神力が強くとも、その身体の方はもう限界だった。  
 「うっ……も、もうっ……」  
 葵が小さく叫んだのと同時に、遂に葵の躯が大きく揺れた。二本の太股はほぼ直角にまで拡がり、  
とうとうその付け根の奥の処女地を老人の目の前に曝け出してしまったのだ。薄いショーツの船底は  
葵の汗と縦溝の内側から溢れ出した液体とが混ざり合ったカクテルジュースの所為で完全に透けてしまっている。  
もはや身につけていても何の意味もないどころか、つけているが故により一層の被虐美が匂い立つ。  
 それでも、そんな有様になってしまっていてもこのショーツは葵の最後の防波堤なのだ。そんな葵の心の内を見透かしたかのように、  
老人はショーツのフロントに指を掛けた。  
 
 グイッ!!  
 「ひいッ!!」  
 ショーツがグンと伸びた。股布が捩れて一本の紐と化し、ぐっしょりと吸い取った水分が搾り取られる。  
ボタボタと音を立てて床に零れ落ちる粘液。シルクで出来た股縄が葵のクレヴァスに深々と食い込んだ。  
ふくよかなヴィーナスの丘は真っ二つに割り裂かれ、べったりと濡れそぼった陰毛がショーツの両脇からはみ出してしまう。  
 「ふふっ、真っ黒なモジャモジャが見えたぞ」  
 「ひっ……ひィ〜〜〜ッ!!」  
 喉を絞って悲鳴を上げる葵。そんな彼女を見てもまだ責め足りぬとばかりに、源一郎はショーツを掴んだその手を右に左にと揺さぶった。  
 「あッ……あひッ……やめっ……止めて下さいッ……」  
 股縄の下の、葵の体の中でも最も敏感な器官が最早愛撫とは呼べぬような陰惨な責め苦に曝される。  
葵のシークレットゾーンを守る筈だったレースのショーツは、今や陵辱鬼の手先となって葵を責め苛む。  
 
 永遠に続くかとも思われた老人お気に入りの股縄責めだったが、唐突に終わりを告げる。  
 ブチンッ!!  
 華奢なレースで編まれていたのが幸いしたのか。いや、それはまるでショーツが意思を持ったかのようであった。  
もうこれ以上老人に操られて本来の主人・桜庭葵を苦しめたくないとでも言わんばかりに、  
ショーツ自らがが裂けて、引き千切れて、葵の腰から離れたように見えた。責め苦Kさら解放された葵はがっくりと肩を落として荒い息を吐き出した。  
 「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ」  
 だが拷問から解き放たれた代償として、ついに何一つ花菱翁の視線を隔てるものを無くした葵の股間の佇まいが完全に露出したのだった。  
 ボロ雑巾のようなずぶ濡れショーツを投げ捨てた老人の指が葵の脚の付け根へと伸びる。そしてその指先に濡れた陰毛を摘んでクイッと引っ張った。  
ノロノロと面を上げる葵に老人の容赦のない辱めの言葉が降りかかる。  
 「ふふっ、お上品な顔をしている割りにはここの毛の繁りっぷりは見事なものじゃな。まるで亀の子タワシのようじゃ」  
「いっ・・・・言わないでッ・・・・」  
己の叢の佇まいを揶揄される恥辱に、頬を染めて俯く葵。  
「どれ、毛質は…………ふふっ、母娘揃って中々の剛毛よ」  
 「……お母……様?」  
 涙に泣き濡れた葵の瞳に疑いの色が滲んだ。  
 
 「そ、それはっ……どっ……どういう意味ですかッ!?」  
老人の口から零れた只ならぬ言葉に、無垢の躯を弄られているおぞましさも一瞬忘れ、気色ばんで問い質す葵。  
 「ふふふふ、言葉通りの意味よ。貴様の母親も若かりし頃……お前を生む前にこの儂に手篭にされた、そう言っておるのだ。お前を生んだ後でも嬲ってやった事もあるのだぞ」  
「あ、あのお母様がッ……うっ、嘘ですッ!!嘘に決まっていますッ!!」  
「嘘なものか。あの女も薫とお前を許婚にしようという儂の提案に酷く反対しておったが、その件を亭主にばらすぞ、と脅してやったら何も言えなくなりおったわい。  
娘よ、この儂に感謝せねばならんぞ。お前と薫を引き合わせたのは他ならぬこの儂なのだからな」  
母親までもがこの老人の手に掛かっていた。衝撃の事実が葵を打ちのめす。  
 「どれ……母親は尻の穴の周りにまで毛を生やしておったがお前はどうだ?」  
 「ひぃッ……」  
 女陰の向こう側の排泄の為の裏門まで陵辱鬼の視線の下にあると気付かされた葵の意識が遠のきかけた。いっそ失神してしまった方が楽だったに違いない。  
 「ほう……ここの生えっぷりは似ても似つかぬな。尻穴の皺が数えられそうな程じゃ……はて、お前の母親は何本皺があったかのう」  
 この場にはいない母親と比較される屈辱。確かに葵の陰毛は濃かったが、クレヴァスの下端辺りでジャングルも途切れており、実際に葵の菊門の周囲には  
一本のヘアーも生えてはいなかった。だがそれだけに無防備な裏菊はその佇まいを隅から隅まで老人の視線に晒されているのだった。  
 
「女陰も母親譲りかどうか・・・・・この儂がじっくりと検分してくれるわ。おい、娘の股をもっと開かせい」  
 マイクの向こうの使用人が主人の命を受けて止まっていたモーターのスイッチを入れたようだ。  
 キリキリキリキリッ・・・・・・  
 天井で何かが軋む音と共に、葵の脚を絡め取っている麻縄がグイグイと引き絞られてゆく。  
 「ああッ!?」  
 うろたえる葵。必死の力で膝を閉じ合わせるが、所詮機械の力の前に乙女の抵抗など物の数では無かった。生け贄の心情を知ってか知らずか、老人は卑しい笑みに顔を歪めた。  
そして挟み摘んだ陰毛をそのまま引っ張り上げると、葵がこの歳になるまで大事に秘めてきた女の聖奥の扉の内側が遂に老人の眼前に曝された。  
 「くくくくくくっ、見えるぞ見えるぞ」  
 「嫌ッ!!見ないでッ!!見ないで下さいッ!!」  
 血を吐くような葵の必死の懇願を顧みる素振りなど僅かにも見せずに、ギョロリとした双眸から放たれる鋭い視線は容赦無く彼女の秘められた谷底の奥に突き刺さった。  
 「ふふふふっ、間違い無いわい。まさしく未通女の女陰よ」  
 「ひっ……ひィ〜〜〜〜ッ!!」  
 
 なかなかに立派な、一人前の女に相応しい陰叢の繁り具合とは裏腹に、密林の奥の渓谷の佇まいは余りにも幼かった。花菱翁にたった一目で処女だと看破されたのも当然だろう。  
右の陰唇が捲り上げられていくのにつれて密生した繊毛の密林が左右に分かれた。漆黒の翳りの中心は眩いほどの白さだった。  
元々が雪白の肌を持つ葵の身体の中にあっても、生まれ出でてこのかた一片の陽の光にも晒された事などあろう筈も無い恥丘の白さは格別であった。沈色は全く認められず、  
僅かにクレヴァスの深い切れ込みがほんのりと桃色に色づいているだけであった。更に驚くべきことに、これほどまでに開脚させられても左右からせめぎ合うふっくらとした肉付きの葵の大陰唇は  
一分の隙間も無い程に密着しているのだ。肉の花弁は一体どんな色艶をしているのだろうか、いまだにその顔を覗かせてはいない。  
 「いっ・・・・・・痛いッ!・・・・・・も、もうこれ以上は、むッ、無理ですッ!!」  
 青い果実のようにまだ固さの残る陰唇を陰毛を摘まれて広げさせらるその痛みに耐えかねたのか、葵の唇から悲鳴が上がった。  
 「ふん、これしきの事で情けない。構わんッ、もっと巻き上げろ!!」  
 「ああ〜〜〜〜ッ!! 無理ッ、無理ですっ!!」  
 勿論、葵の意思など一顧も省みられる事も無く、無情にも麻縄は天井へと巻き取られていくのであった。  
 「ふふふふふ、見えてきたぞ見えてきたぞ。桜庭の娘の股の奥の奥がな」  
 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」  
 もはや声にならない叫びが葵の白い喉を震わせた。  
 あれほどに固く閉ざされていた筈の葵の処女扉が、徐々にその合わせ目を綻ばせ始めていた。抜ける程に白い恥丘に一直線に紅色の亀裂が走ると、後は決壊したダムと同じであった。  
みるみる間に左右の陰唇の狭間はその幅を拡げて、遂には葵の処女肉を花菱翁の目の前に余すところ無く曝け出してしまうのだった。  
 
 クレヴァスの上端に位置する女の最も鋭敏な感覚器官は柔らかなフードを被ったままで、その先端すらも覗かせてはいなかった。  
その下に鎮座する黄金水を噴出する小さなホールは老人の視線に怯えるかのようにヒクヒクと戦慄いている。  
大陰唇の内側に折り重なるようにして隠されていたラヴィアは  
いまや咲き始めたばかりのピンクの薔薇の花を思わせる程の美しさだ。  
幾重にも折り重なった薄い肉襞が織り成す乙女の羞恥の佇まい。その一枚一枚が透き通るかのような初々しい処女特有のラヴィアの色艶。  
肉襞の枚数そのものは数え切れない程の緻密さではあったが、その厚み自体が薄いのとそれ程肥大もしていないために、あくまでも慎ましやかに、淑やかに見えるのだろう。  
処女のフリルが羞恥に震えた。そして、葵が最も秘めておきたかったであろう聖なる処女の門は、これこそ最後の抵抗と云わんばかりに上下左右からせめぎ合う媚肉が  
Hの字の如き有様を呈して、その奥の処女の証たる薄膜を守護している。  
 
 肉のクレヴァスが途切れたその下には、短い蟻の門渡りに続いてふっくらと盛り上がったアナルホールが姿を現している。  
ムッチリとした仄白い臀肉の深い谷間にひっそりと咲いた裏肛菊までもが陵辱の視線に晒された瞬間だった。   
膣から肛門までの距離の短さから判断するに、葵は所謂「下付き」なのであろう。  
蚯蚓腫れのような一筋の門渡りは、これも全くくすみの無い桜色にボウッと煙り、隅々まで瑞々しく張りつめた葵の肢体にあって  
唯一深々と何本もの皺を刻み込んだ裏菊へと続いてゆく。己が淫鬼の眼差しに視姦されているとは露知らずに、  
葵本人が薄い胸板をふいごのようにして息を切らせているのに合わせるかのように  
キュッと閉じたりふわっと開いたりを繰り返している。  
驚いた事に、葵のその不浄の裏門すらまでもが深い沈色も無く、やや濃い目のピンク色と言えるほどの美しい色合いなのだった。  
窄まる時には皺と皺の間が縮まり、アヌス全体の色合いも濃くなる。  
キュッと引き絞られた菊蕾は外部からの侵入者は誰であっても通る事は不可能に思える程に固く閉ざされている。  
だが、まるで花が咲くかのように固い蕾がフッと綻ぶ時には淡い桃色へとその色を変えて、  
無限の収縮力を想起させる肉の環は柔らかな佇まいを見せるのであった。  
あまりにも美しい、芸術的といっても過言では無いほどの菊肛が収縮する様は、流石の花菱翁をしても言葉を失わせる程の絶景だった。  
 まるでそれ自体が一匹の生き物であるかのように呼吸にも似た動きをくりかえす肛菊。花菱翁は人差し指を立てると、息を潜めてタイミングを見計らった。  
 ふわっと肛菊が花開いたその瞬間だった。  
 
 その好機を逃す事無く、老人の節くれ立った太い指が葵の不浄の排泄器官にめり込んだ。  
 「ひっ……ひィ〜〜〜〜〜ッ!!」  
 最早、精も根も尽き果てたと思われる程にがっくりと項垂れていた葵の喉を一際高い絶叫が引き裂いた。顎を突き上げて仰け反る葵。  
狂ったようにかぶりを振る葵。艶やかな黒髪が右へ左へと千々に乱れて、そのうちの幾本かはジットリと汗を滲ませた彼女の額や頬に張り付いた。  
 老人の指は既に第二関節まで葵の肛内に侵入している。おぞましき異物を何とか体外に排泄しようとする葵の肛門括約筋が老人の指を押し出す蠕動を繰り返した。  
 少女の排泄行為を己の指でしかと感じながら、頬が緩むのを禁じえない花菱翁。  
 「これは……何という締め付けよ。とば口はワシの指を食い千切らんばかりの強烈な締め付け……  
それでいてその奥は柔らかい腸襞がしっとりと包み込んで指を擦ってくるわい。  
まるでやんわりと締め付けてくる真綿のようよ。娘よ、親に感謝するのだな。お前の菊門は立派な名器だぞ」  
 そんな言葉が耳に入る余裕を持ち合わせていよう筈も無い葵は、只々その黒髪を振り乱して喚くばかりであった。  
 
 生まれてこの方、浣腸や座薬の挿入の経験など全く無い葵にとっては排泄する筈の孔から  
異物が侵入してくるおぞましさは耐えがたいものだった。必死になって毎朝の排泄行為と同じ蠕動で老人の指先を押し出そうとする。  
 ムリムリと押し出されてくる自分の指を見て花菱翁は目を細めた。  
 「ふふっ、上手い上手い」  
 葵の頬が灼けた。まるで赤ん坊のように排泄を褒められたのだ。  
 「それっ、もう一息じゃ。踏ん張って息むがよい」  
 「ああっ、ああああああっ……」  
 葵は啼きながら排泄する。そして老人の指を断ち切るようにして括約筋を絞り込み、ようやく用を足す事に成功したのだった。  
 「どれどれ……」  
 ひり出された己の指を鼻先に持っていき、クンクンと匂いを嗅ぐ老人。  
 「嫌ッ!嫌嫌嫌ッ!!止めてッ!止めて下さいッ!!臭いなんてっ、嗅がないでェッ!!!」  
 葵は絶叫しながら、人としての尊厳が壊されてしまった屈辱に心を乱すのだった……  
 
 
 「さて、こっちの匂いも嗅がせてもらうぞ、娘よ」  
 先刻の擬似排泄の一部始終を観察されたショックが大きいのか、虚ろな瞳を宙に浮かせた葵の応えは無かった。  
勿論そんな葵を心配するわけでもなく、老人は大きくはだけられた両の太腿の間に頭を突っ込んで鷲鼻をそのクレヴァスに近付けてクンクンと鳴らした。  
 「ふふっ……この甘酸っぱい臭い……まごう事なき処女の臭いよ」  
 磯の香りにも似た残尿臭の潮の香りと、年頃の少女だけが放つ  
発酵した果物を思わせる甘酸っぱい臭いとがミックスされて醸し出されるフローラルなバージン独特のヴァギナスメルだ。  
 老人の指が漆黒の密林の生息地である左右のヴィーナスの丘にあてがわれた。  
 「奥の方の濃い臭いも嗅いでくれるわ」  
 ムッチリとした陰阜はフカフカのクッションを思わせる肉付きの良さと柔らかさで指先を受け止めた。  
 ムチィ……  
 ほんの僅か、指一本程だった縦の処女亀裂が不自然な菱形に拡張露呈される。途端に葵のクレヴァスの奥の処女地の臭いがムンと立ち昇った。  
 「……?」  
 ここに至って、ようやく葵がショックから立ち直ったようだった。虚ろだった瞳孔に光が差してきた。だが、まだ始まったばかりの陵辱を思えば、  
そのまま気を失っていた方が彼女の幸せの為だったに違いない。たとえそれが「不幸中の幸い」とさえ形容しかねるようなものだったとしても。  
 「な、何を……ヒッ……ヒィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」  
 「くくくくくく、匂う匂う。処女の匂いがプンプンとするわっ!!」  
 「嫌ッ!!嫌アアアアアアアアアアアアアアッ!!!」  
 
 老人の遠慮会釈の無い言葉に打ちのめされる葵。入浴時、処女の本能が邪魔をして確かに秘溝の奥までは洗わなかった事は確かではあったが、  
常に清潔であろうと心がけてきた葵にとっては残酷な言葉の暴力であった。  
 実のところ、葵の秘所がいままで老人がその毒牙にかけてきた他の娘と比べて格別に匂うという事はなかった。むしろ潮の香りにも似た処女特有の残尿臭と、  
先刻までの凄烈ないたぶりの為にじっとりと柔肌に浮かんだ汗の酸っぱい匂い、そして葵自身の甘い体臭とが  
絶妙にミックスされたむせ返るような香りは花菱翁を歓喜させた。この匂いを嗅げばどんな男とて意馬心猿となってしまうに違いなかった。  
勿論この言葉は葵の性格を見抜いた花菱翁が大袈裟に顔をしかめる事によって彼女を虐げる為に発したのだ。  
 「なるほど、お前が処女を守り通してきた証、しかと嗅がせてもらったぞ。しかしこれは敵わんわい。  
鼻が曲がりそうじゃ。こんな臭いオマンコを薫に捧げるつもりだったとは大笑いだわ」  
 薫の名前が出た瞬間、葵の小さな肩がピクリと動いた。  
 如何に名家・桜庭家の御令嬢たる葵とて、花も恥らう年頃の乙女。少女が己が躯の中でも最も秘めておかなければならなかった部分の  
篭った匂いを好いている筈のない男にクンクンと吸い嗅がれ、あまつさえその口から出た感想を塞ぐ事も叶わぬ自分の耳で聞かなくてはならぬ恥辱。  
葵が狂ったように頭を左右に振るたびに切り揃えられた艶やかな黒髪は千々に乱れ、柔らかな頬を伝い落ちていた幾粒もの真珠の涙が  
蝋燭の灯りに煌めきながら、彼女の身を揉むような咽き声と共に地下室のコンクリートの床へと吸い込まれていった。  
 
 花菱翁の節くれだった指が、透き通るような瑞々しさを湛えた肉花弁の襞を捲り返す。薄襞と薄襞との隙間の奥深くには、  
僅かではあるが黄ばんだ恥垢がこびり付いていた。  
いくら葵が潔癖であったとしても、処女たる身ではこんな処まで洗えよう筈もない。  
老人の指先が柔襞の隙間に潜り込み、『桜庭葵』という雌壷の中で20年近くかけてじっくりと煮詰められた処女の恥垢をこそぎ取った。  
 「ほれ、襞と襞の間に恥垢が溜まっておるわ。母親から女陰の洗い方は教えて貰わなかったのか? ふふふふふふ・・・・・・」  
 いたぶりの言葉に、只々しゃくりあげて泣く葵。  
 「仕方が無い。どれ、今日のところはこのワシが直々に舐め清めてくれるわ。ピカピカに磨きたててやるから有難く思うのだぞ」  
 「嫌ッ!!嫌ですッ!!嫌ですッ!!嫌ですッ!!」  
 己の股間に迫りくる老人の顔に、老人の言葉がいよいよ実現されてしまう恐怖に身を竦ませる葵。  
だが、雁字搦めに縛り上げられ、天井から吊り下げられたその躯であっては如何ともしがたかった。  
 「おっとその前に・・・・・・これだけ匂うマ○コならまず間違いはなかろうが、一応は確かめておかなくてはなるまい」  
 「・・・・・・こ、これ以上何を・・・・・・」  
 「云わずとも知れた事よ。桜庭の娘の純潔の徴、処女膜をとくと拝ませて貰うぞ」  
 
湧き出させてしまった粘汁にまみれてきらきらと輝く様子だった。左右の陰唇の間には納豆のように粘つく糸が幾本も橋を連ねていた。  
だが膣孔は先刻チラリと覗いた時と寸分違わず、上下左右からせめぎ合う柔肉がアルファベットのHの字の如き様相を呈している。  
勿論、この程度で満足するような淫鬼ではなかった。いまだ硬さのほぐれぬ少女の柔丘を更に割り裂く。  
 「ヒイッ!!・・・・・・痛ッ・・・・・・無理っ、無理ですっ・・・・・・」  
 流石にこれが限界かと思われたその瞬間。  
 とうとう諦めたかのように、少女の膣のとば口はいまだ男はおろか自分の指や生理用品ですら侵入を許した事のなかったその肉洞の奥を、遂に老人の視線の元に露わにしたのであった。  
 (・・・・・・これは・・・・・・!)  
 今までに数百人を美処女をその毒牙で散らしてきた花菱翁ですら、思わず息を呑む素晴らしさだった。  
 湧き出した淫蜜にまみれたおんなの肉洞がペンライトの明かりを受けて濡れ煌めく。  
その内壁は目にも鮮やかな紅に染まり、うねるような複雑な起伏に富んだ肉筒が葵の荒い息遣いと共に収縮している。  
やはり老人の睨んだ通り、未だに男の欲望が出入りした事のない、未踏の処女地である事を物語る初々しい色合いだった。ベビーピンク、サーモンピンク、ローズピンク、  
ショッキングピンク、コーラルピンク……とりどりの桃色が複雑にグラデーションしながらえもいわれぬ桃源郷を彩っている  
 
 そして、透き通る程に薄い乳白色のフリルがプルプルと震えているのが遂に老人の目に留まった。  
 「ふふっ……見えたぞ見えたぞ。バージンの徴しがな。よくぞこれまでワシの為に守ってきた事を誉めてやるわ」  
 「うっ……ううっ……」  
 肩を震わせて忍び泣く葵。勿論そんな訳があろう筈もない。  
葵の貞操は他ならぬ花菱薫の為だけに大事に守ってきたのだ。こんな所で無残に手折られる為に育んできた筈も無かった。  
 「ふふ、マン毛は一人前にモジャモジャと生やしておるクセにコレはなんじゃ。恥ずかしいと思わんかい。  
どれ、このワシが自ずからお前を一人前の女にしてくれるわ。有難く思うのだぞ」  
 「いッ、嫌ッ、嫌々ッ、嫌っ!! 助けてッ、薫様ッ、助けてッ!!」  
 血を吐くような葵の叫びが薄気味悪く湿ったコンクリートの壁や床や天井に虚しく響いた。  
 「おおっと……ワシとした事が肝心なトコロを忘れるところだったわい」  
 ニンマリと微笑んだ花菱翁の指先が葵のクレヴァスの合わせ目の上端付近をまさぐった。  
 「はふぅッ!!」  
 クンッと頤を突き上げて仰け反る葵。  
 「ふふっ、観念して出てくるがいい」  
 節くれ立った指の動きがピタリと止まった。  
 「くッ……かはッ……」  
 「くくくくくっ、ようやく見付けたわい」  
 桃色媚粘膜のあわいから葵の躯の中でも最も鋭敏な器官が悪魔の指先で掘り起こされる。  
細長い肉莢にスッポリと覆われたその部分は頭の先すらも覗かせてはいなかった。  
それは処女膜さえも陵辱の視線に晒された葵の躯が見せる最後の抵抗なのか。  
 「ふふん、ワシが睨んだ通りの初心なお豆よ」  
 言いながら、花菱翁は肉莢の最も膨らんだ部分をピンと爪先で弾いた。  
 「あひィッ!!」  
 プシィッッッ!!!  
 葵が桜庭家の令嬢とも思えぬ情けない悲鳴を上げて弓形に海老反ったのと同時に、その股間で黄金色の花火が上がった。  
 「ああ……ああっ……み、見ないでッ……見ないで下さいッ……」  
 一瞬弾けた黄金色の飛沫は、やがて力強い放物線へと変わってゆく。  
 恐らくは生まれてこの方、頬の一つも打たれた事も無いであろう葵の躯に疾った鋭い痛み。  
股座の間から脳天に突き抜ける痛覚に堪え切れずに失禁した瞬間だった。  
 
 「ああっ……駄目ッ……ううっ……」  
 一度堰を切った勢いは最早葵の意思では止める事も叶わず、只々黄金の放物線を描き続けた。  
余程我慢していたのであろう、膀胱に溜め込んだ大量の小便は途切れる事なくコンクリートの床を叩いた。  
 「ふふっ……漏らしたか……全く、桜庭の家は躾がなっておらんわい」  
 無理からぬ事であろう。恐らくは自分で慰めた事もない純情なクリットを、いきなり、しかも生まれて初めて、爪先で強烈に弾かれたのだ。  
 「……それにしても良く迸らせるものよ……まるで馬の如き小便だな。うわあっはっはっはっはっはっ!!!」  
 陵辱の密室に響くのは、花菱翁の高笑いと桜庭葵の小水が床を打つ音だった。  
 
 滝の如き奔流もやがてはその勢いを失い、今や濡れそぼった陰毛の先から一滴二滴と雫が滴るばかりになった。  
 「ふん、ようやく出し切りおったか。さて、それではこっちの方も一人前の女にしてくれようぞ」  
 「ああっ、何を……こ、これ以上辱めるのは、ゆ、許してッ……下さいッ……」  
 「馬鹿娘が何を言いよるか。年頃の女にしては未成熟なお前の躯をこのワシが一皮剥いてやろうと  
言っているのではないか。そう……文字通り、一皮剥いてやるからな、覚悟するのだぞ」  
 「ああっ……」  
 最早、陵辱の魔手から逃れる術無き事をまたしても思い知らされ、首を折る葵だった。  
 
 「どれ……ふふふふふっ、自分で弄った事もないようだな。完全な包茎だわい。なに、安心せい。こう見えてもワシもなかなかの手練でな。  
これまでにも女の皮剥きはたっぷりと経験しておる」  
 葵が気絶してしまいかねないような陰惨な台詞を口走りながら淫核を包み込んだ包皮を捏ね繰りまわす鬼畜翁。  
ピチピチとした固さが未だに残る包皮が最後の抵抗を試みる。  
根元まで薄皮を剥き下ろしてもその弾力ゆえにすぐに元通りになってしまうのだ。  
だが思いのままにならぬ包皮を弄びながらも、老人の顔は喜色満面の笑みを浮かべている。  
 「……ふふっ、梃子摺らせてくれるわい……それ、どうじゃ、大人しく観念いたせい……  
それ、それそれそれそれ、見えてきた見えてきたぞ、ぐふふふふふふ……」  
 コリコリとした弾力を持った包皮が皺だらけの指先に揉みほぐされて、心ならずも柔らかく蕩けてしまう。無骨な指先が遂に包皮を剥き下ろし始めた。  
 「……これはこれは……まったく困った女子よ……恥垢がこびり付いてお豆が見えぬ程ではないか」  
 
 花菱翁の言葉も、この時ばかりは決して誇張したものではなかった。20年近くもの間、只の一度も外気に触れる事なく包皮の中に隠れていた葵のクリトリスは  
黄ばんだマン滓をビッシリとこびり付かせながら、ようやく外の世界にお目見えしたのだ。  
 フードの中でたっぷりと時間を掛けて熟成させた葵のヴァギナチーズはツンと鼻を刺す刺激臭と  
フルーツヨーグルトのような甘酸っぱい匂いがミックスされた濃厚な臭気を立ち昇らせている。  
自慰がいかなる事かも知らぬというのも、決して嘘ではなさそうだった。  
 「よいか。一人前の女にされた暁にはここもしっかり磨いておくのが嗜みというものだ。まあ未通女では致し方あるまい。  
今日のところはこのワシが直々に舐め清めてくれるわ。有難く思うのだぞ」  
 「ううっ……」  
 老人の皺だらけの唇が、それとは対照的に弾けんばかりの瑞々しさを湛えた葵のクレヴァスにむしゃぶりつく。  
 「はァッ!!」  
 鬼の長い舌が女核を下から上へゾロリと舐め上げた。チーズのようなこってりとした葵の恥垢をねぶり取り、こそぎ落とす花菱翁。ザラリとした感触を舌の先に感じた。  
葵に聞かせるかのように、わざとクチャクチャと咀嚼して、喉を鳴らして飲み下す。  
 「ふふふふふ、濃厚な味わいだったぞ」  
 「ひィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」  
 マン滓の味まで批評され、喉を絞って咽く葵。チュバチュバと吸い込むように敏感なクリットを嬲られる度に葵は躯を激しく痙攣させる。  
突っ張ったクリトリスの裏筋を舌先でなぞられると目の前に火花が飛び散ったかと錯覚するほどだ。  
敏感豆の根元と皮の間にこびり付いた頑固な恥垢を丹念に舐め清められるおぞましさに葵はただ躯を震わせて嗚咽するより他は無かった。  
 
 「ふうっ……」  
 いかにも一仕事終えたと云わんばかりに、口元を拭いながら葵の股間から顔を上げる老人。その視線の先にはまさに磨き上げられたかの如き葵のヴァギナがあった。  
米粒のような極小の葵のクリットは包皮を根元まできっちり剥き下ろされ、  
老人の舌使いに心ならずも感じてしまったのか、充血して瑪瑙色に色づきポッチリと勃起させられていた。まさに肉真珠。  
桜庭の令嬢の股間を飾るアクセサリーは老人の舌先で丹念に磨き上げられ、艶々とした光沢に輝いている。  
 「ふふっ、二十歳にもなろうかと云う女子の肉豆にしては小さ過ぎるが、心配する事はない。薫と再びあいまみえる頃までには立派なお豆に育ててくれるわ」  
 「ううっ……ああああ〜〜〜〜〜〜ッ……ああっ、ああ〜〜〜〜〜〜〜〜……」  
 泣き崩れたくても、縛めの身ではそれすらも叶わぬ。一際高い諦泣が地下室にこだました。  
 
 「ふふん、ようやく諦めがついたか。ではいよいよ最後の仕上げに取り掛かるとするか」  
 しゃくりあげながら啜り泣く葵にとうとう最後の試練が襲いかかろうとしていた。  
 花菱翁が腰の帯を解き、着物を一気に脱ぎ捨てた。  
 「……ッ!!」  
 性も根も尽き果てたかと思えた葵に喝を入れたのは他ならぬ陵辱鬼の股間の威容だった。  
 「ふふっ、魔羅が珍しいか」  
 興味ではなく、寧ろ蛇に睨まれた蛙の如く恐怖の余り、老人の股間の一物に目を釘付けにされた葵は慌てて顔を背けて瞼を閉じた。  
だが、既に網膜に焼き付けられた男性器のグロテスクな出で立ちは容易にその姿を消そうとはしなかった。  
   
 それにしても何と言う剛直だろうか。ギュンッと弓なりに反りかえって白髪混じりの剛毛のジャングルから天を突くその威容。下腹部にピッタリと密着するその仰角。  
臍にまで達するその長さ。バックリと開いたカリ首。蚯蚓のような太い血管を浮かび上がらせる淫水焼けした太幹。  
 全てが齢八十を超えんとする老人の持ち物とは思えぬ逞しさだ。  
 「ふふっ、驚いたか……まあ、このワシとてここまで勃ったのはいつ以来の事か……娘よ、礼を言うぞ」  
 「……」  
 ブルブルと震えながら、首を振る葵。たった今からあんなモノが自分の膣に入るのだ。  
クリトリスを弾かれて放尿していなければ、恐怖の余りこの場で失禁してもおかしくはなかった。  
 

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