それでもどこか二人を軽蔑する気持ちにはなれなかった。
(お姉ちゃんたち、きっと何か訳があるんだよきっと)
と普段ならそんな風にも考えられるはずがない自分が不思議だった。
だから薄く開いた扉から、ふたりの情事を見つめ続ける・・・
絡み
(不思議だ、肌が馴染むよ。相性が良いのかな。それにこんなに可愛く喘いでる大家さんが・・・・あたし本気になりそう)
少しイタズラっぽくしようと漠然でありながらそう思って自分と今葵に夢中になり目的を
忘れている自分がいる、でもそんなわずかな自分への戸惑いも目の前の葵を見ていると
そんなちっぽけな問題なそ吹き飛んでしまった。そしてティナはさらに彼女にのめりこんでいく。
葵の首筋に浮かぶ汗を舐めとるように、唇で刺激を与える。葵は震え、小さく跳ね、甘い溜息をつく。
ティナは葵の表情や匂いに酔っていた。純情で男と体を交じり合ったこともない
体とはアンバランスな成熟した乳房を
手で絞るように寄せ、薄い布地の上から乳首を摘む。
その豊かな胸に顔を埋め、葵の肌と匂いを楽しむ。より深い性の香りを求めて強く乳房を捏ねる。
「・・ぃゃ・・・いやぁ・・・だめぇ!」
彼女は堪えきれず女の声を漏らす。そこにはいつも
静かで御しとやかそのものだった彼女の姿ではなかった。
そして脚を絡めて腰を浮かし、豊胸な部分をティナに摺り合わせた。
たどたどしく女の腰で自らの部分を慰める葵。
ティナは母性からおもわずふっと微笑み、身体をずらして太股を彼女の場所にあわせる。
「ふうぅ・・・・・・・ん・・・」
ティナの身体が離れてしまい切なげに視線を彷徨わせた葵だが、脚の間に太股が挿し入れられて安堵し瞳を閉ざす。
そしてもぞもぞと腰を蠢かせ太股をより密着させた。
ティナは彼女の柔らかい部分が当っているのを確かめ、太股を摺り上げる。
くちゅっ
閉ざされていた陰唇がわずかに開き、あふれた液が下着を濡らした。
彼女は目を細めて葵を見おろすと、背を丸くして葵の唇に自分の唇を寄せてついばむ。
ついばんだ唇を舌でねぶり、甘く噛む。
ひとしきり葵の唇を弄んだあとティナは彼女の背に手を回しブラに沿ってつつっと指を運び、
ゆるゆると太股を揺らす。
「大家さんたらはしたないねえ。こんなに濡らすなんて・・・」
葵は恥じらい閉じていた目を大きく見開き頬がすっと赤くなる。ティナは見下ろすように笑うと視線を絡み合わせた。
「・・・それとも、ここさと違うのかい?」
ティナは太股を左右に揺らし葵の陰唇を開かせると、細かく震わせる。
ちゅっ、くちゅっ
ふたりの合わせた場所から淫らな水音が漏れる。
「ぅぁっ・・ぃゃぁ」
葵は小さく喘ぎ首を反らせた。
ティナは無防備な首筋を舐め上げつつ和服をほどく。
葵の背をそっと押し上げると、心細げに宙を見つめながら彼女は身体を僅かに浮かせた。
すうっと和服を引き取ったあと、ティナは顔を上げて葵の瞳を見つめる。
「大家さん・・・本当に可愛いな。あたしも見たくなったばい。あんたの全てを愛してあげたいから」
葵は彼女の背に回した手を解くと、ティナの頬を両手で挟み引き寄せて、自ら女の唇を奪った。
葵の口付は技巧ではなく、女を求めるひたむきさで悦びを与える。
「・・ぁぁ・・ええよ大家さん・・ふぁっ・・」
はじめてティナが声をあげた。
葵は頬から手を離し彼女の熟れた乳房にあてると、柔らかく揉みしだく。
「・・・私もティナさんのこともっと見たい。わたしも愛していいですよね・・・」
ちいさく細い声で囁く彼女。
その瞳は潤み、あきらかに女のそれになってきた。
「・・・よかと、あたしの全部を愛して。そして、あたしを深い深いところまで誘って」
ふたりは視線をあわせて微笑み、軽くキスを交わす。
ティナは唇の愛撫を葵の胸に運びつつ、身に纏った衣装を緩める。
葵は与えられる快楽に耐えながらもティナに手を貸して軽装の服をとってゆく。
ティナの唇が乳房の頂に達する寸前、葵は身を起こしてを脱ぎ取った。
葵は期待した刺激が与えられなかったことに不満を感じながらも、下着姿になった彼女の肢体に目を奪われる。
「綺麗・・・ティナさん、とても綺麗」
女の身体は均整がとれていた。
白く熟れた乳房から細く締まる腰そして張り詰めた臀部に至る全てが、彼女が女として最も美しい頃合だと告げていた。
みだれた髪をまとめて横に流したティナは、後ろ手に下着の紐の結び目をほどくと再び葵に身体を重ねる。
「大家さん、あたしを脱がして」
ティナの心地よい重みに酔いながらも、葵は彼女に腕を回して熟した果実の戒めを放とうと背を探る。
しかし彼女の脚がやわやわと揺れ、あらわになった乳房にその視線を感じ、心が乱れて手元がおぼつかない。
もどかしく感じた葵は背に回した腕に力をこめて彼女を強く抱きしめる。
ティナは力を抜いて葵のするがままにした。
柔らかい身体が押し付けられ、どこか淫靡な香りと女の柔らかな重みが葵を蠱惑してゆく。
「ん・・・ふわぁ」
葵の口元から思わず溜息がこぼれた。
彼女の溜息が耳朶にかかり、ティナの官能を煽る。
それは母性と嗜虐心、相反した二つを刺激して彼女を挑発的にさせた。
唇を葵のうなじから耳元へ這わせる。
たどり着いた耳に吐息を吹きかけてから、貪るように咥えて嘗め尽くし、ささやく。
「大家さんをもっと素肌で抱きしめたい。せやからはよ脱がして・・・もっと感じさせほしいばい・・・」
ビクン!
葵の身体が大きく震え、彼女を強く抱きしめた。
だがティナは耳を強く噛んで葵を叱咤し、身に纏う戒めを解くよう強いる。
葵は陶然としながらも彼女の背をまさぐり、たどたどしく下着を緩める。
でも彼女の手が進むたびにティナは耳を嬲り、脚から脇を摺り上げる。葵はぶるぶると身を震わせた。
しかし手が疎かになると彼女は耳を強く噛み、葵の官能を冷ましてしまう。
彼女は苦しくて、そして悲しくなった。
ティナの唇が欲しくて顔を寄せようとしても、濡れた場所を摺り上げられて引き剥がされる。
我を忘れてティナに抱かれたいのにそれを許されず、彼女の唇に口付けて貪り貪られたいのに拒まれてしまう。
快感に溺れることも出来ず只々弄ばれる彼女。喘ぎとも泣き声ともつかない声が漏れる。
「ぅぅ・・ああっ!・・・やぁ・・・ふぁ・・もぉ、やめ・・ひぃっ・・ふぇ・・」
翻弄され続ける葵は半ば泣きながらも、やっとのことで下着の紐を抜いた。
それを確かめるとティナは葵の髪を優しく撫でる。
「ありがとうな、大家さん。辛かったばい? ごめん、堪忍してな・・・」
娘は顔をあげてグランディスの瞳を見つめる。
「ぅ・・うわあぁぁぁぁぁぁぁ・・・ぃゃぁ・・もぉ・・やだぁ・・・ふあぁぁぁぁ・・・」
涙の雫を落としながらティナにしがみ付いて泣き声をあげる彼女。
その態度はまるで一人ぼっちの少女のようだった。
薫と一緒になれて満足げのようだったがそれは表向きで裏では
薫と交わりたい願望に苛まれ正式に関係を結べない薫との関係で
彼女の不安は募る一方だったのだ。
そんな葵をティナは慈母のように優しく彼女を見つめて微笑みを浮かべた。
やがて落ち着いた少女の頬を撫でながらティナは身体を起こす。
葵が見つめる中、下着を脱ぎ捨て素裸になると、布団に脚を揃えて座った。
「大家さん・・・ここさおいでや」
そして葵の手を引いて膝の上へ横座りにのせる。
「ティナさん・・・?」
葵は少し訝しく思いながら彼女の膝の上に座って瞳を覗き込む。
そんな葵が愛しくて、ティナは髪を撫でながら彼女の服を脱がせた。
「恐かったばい?・・あんたが可愛いすぎるんで、つい無茶しちゃったわ」
彼女は葵を引きよせながら、熟れた乳房に葵の顔を抱きしめる。
「不思議、今は何も感じなくて大家さんだけが見えるたい。あたし、大家さんが愛おしい」
「・・・・」
「母親の気持ち・・とは違うわ。妹、友人、恋人、あってるようで全部違ってばい。・・・ごめん、大家さんの気持ちも考えずにこんなこと言っててさ」
葵はティナの乳房に顔を埋めながら、ふるふると首を横に振った。
乳房に頬を摺り寄せる葵。
母にそうしてもたった記憶はほとんどなく、それ以降もなかった。ましてやこんな風に自分を愛してくれる人など・・・・・
薫に対する想いとは別のところでティナが恋しい。
ティナの薫に対する想いはそれとなくわかっていた。
それでも自分からしてみれば複雑なことでその事には触れなかった。
今はそのことでどことなく寂しさを漂わせているこの女性が愛しいと思える。
薫から手を引いてほしいとは言わないけど私が代わりにしてあげられるかなと。
私がこのひとを愛してあげたい。
そんな想いが葵の中で募った。
葵は少し顔を離すと、左の乳房の頂に唇を近づける。小さく舌を出して乳輪にそって舐め上げた。
右手を腰から乳房へ摺り上げると、ティナが小さく喘いだ。
「・・ぁぁ・・」
それが嬉しくて、今度は脇から内股へと指を這わせる。
「んぅっ!・・・はぁぁ・・」
小さく身体が揺れて、溜息が漏れた。
彼女の女の喘ぎが、そして甘い溜息が聞きたくて感じる場所を探しながら何度も手を、そして指を這わせてゆく。
頬で乳房に愛撫をくわえ、舌で舐め上げ、唇で吸いあげる。
「んふっ・・ぁぁぅ・・・あっ! そこ・・・」
次第にティナの息が荒くなり、唇から漏れる喘ぎは艶がこもり始めていた。
彼女の甘い吐息を感じながら乳房に頬を寄せると、何故か葵自身も陶然とした気持ちになる。
それをもっと感じたくてティナの下に指を運び、おずおずと恥毛を分けて女の部分に触れた。
少し開いていた場所に指を当てながら摺り下げる。同時に唇を乳房の頂につけて吸う。
「ぅぁ・・待って、大家・・さん・・」
ぶるっとティナの身体が震え、葵が弄ぶ乳房もそれにつれて、ぶるっと揺れる。
その拍子に乳首を深く咥えてしまい、少し開いていた口元でぷくりとしたそれを軽く噛み締めてしまう。
さらに女の部分の敏感な突起に指が擦れ、包皮と共に捏ねあげていた。
ビクン!
彼女の身体が跳ねる。
首を後ろに反らせたかと思えば、すぐに顎を引いて何かに耐えるような仕草で唇を引き結ぶ。
だが、よせる快楽は唇から喘ぎ声をあげさせた。
「あぁぁぁぁぁぁぁ・・」
ティナは声を絞ろうと葵の首筋に顔を埋める。だがそれは自らの痴態を再確認させてしまう。
愛しく思ってしまった葵にこんなにも、もてあそばれている。
そんな背徳心をともなう愛おしさが、ティナを技巧ではなく愛情ゆえに小さな頂へたどり着かせる。
「くぅっ・・はぁ、はぁ・・・・あっ・・んぁぁああっ!」
ビクン、ビクンっ!
ティナは可愛いくおもう葵を、きゅっと抱きしめる。
そして身体中へ甘い震えが広がり、女を僅かな間弛緩させた。
「ティナさん、ティナさんっ!」
ぷるぷると震えるティナに葵が声をかける。
やがてティナの震えが小さくなり、詰まっていた息も荒く戻ってきた。
彼女の身に何事が起こったのかを知らない葵は、頂を降りつつある身体に強く抱きつくほか術をしらない。
ティナは娘の心地よい素肌に身を任せていた。
・
・
数分の後、息を整えたティナは葵の唇をたっぷりと貪ってから愚痴をこぼす。
「まったく大家さんは何て事をしてくれたんや」
そう言いながらも彼女はクスクス笑っている。
葵は何が起こったのか理解できずにキョトンとしていた。
「いまのはね、女が愛しい人に求められて達するってことなのさ」
ティナは彼女の耳元でそう呟くと、小さくキスをした。
「・・・ええっ!」
ぱあっと、葵の身体が紅く染まってゆく。
そんな様子が可愛くて、ふふっと微笑みながら膝の上に座る葵の乳房を撫でる。
「やん・・もぉ、ティナさんのイジワル! あの、ティナさん・・・それって、どんな感じでしょうか?」
葵は恥かしさに身を小さくしながらも彼女に問いかける。
やさしく抱きしめてから葵の身体を起こす。
未だ誰にも触れられたことないような胸のふくらみ。そのうえに、硬くしてかわいらしい淡い色。
ティナは、それを唇に含む。
「あっ」
ピクンと豊かな乳房が揺れる。彼女はもう一度乳首をついばみ、ささやく。
「そんなこと聞いて薫とするときに役立てようってのかい?大家さんも抜け目がないねえ」
「え・・・そんなことっ・・あっ!」
「ふふっ・・・よかばいよかばい、これから教えてあげるっちゃ」
そう言っても今のティナにはよかった。目の前の彼女に憎みや妬みはもうないのだから。
そんな彼女の思念など知らず愛撫されてそれだけのことで葵の身体は揺れていた。吐息は熱く、肌はしっとりと潤いを帯びている。
ティナは回りくどい愛撫を避けて感じやすいところに左手を這わした。
つつっと指を運ぶ。内腿から薄い布に包まれた小さな丘へ。
右手を臀部にあて、ゆっくりと撫で、やわらかく揉む。
ビクっ
葵の脚が跳ね上がる。だが直ぐにぐったりと力を失い、ティナにもたれかかる。
すこし強く太股から尻を摺り上げ揉みしだくと、葵は息を荒くしてティナの唇を求めてきた。
「ん・・・ぐぅ・・くちゅ・・はぁぁ・・」
重ねた唇の合い間から、喘ぎと水音が混ざり漏れ聞こえる。
彼女は恥じらいながらも貪欲にティナと舌を絡めた。
ティナはまだ誰も触れたことない葵の丘へあてた指を少しずつ蠢かす。左右に押し開いても直ぐに閉じるそこは、確かに濡れていた。
彼女は頃合と思い、葵のショーツに指をかけて、そっと降ろしてゆく。
「あっ・・・だめぇ!」
葵は手を下半身に動かして下着を取ろうとする彼女の手を押し留めた。
「お願いです・・・そこは身体を拭いてから・・・・」
葵は視線を彷徨わせて恥じらう。
ティナは葵に口付けながら、肉付きの良いしかし処女の美しさを保った双丘を撫であげた。
「そうね・・・あたしがきれいにしてあげるばい」
葵は顔を真っ赤に染めながらも、全てを任したい思い一身でティナにキュッと抱きつく。
彼女はティナの顎に指をかけ、顔をあげさせてもう一度深く唇を吸うと、服に着替えさせ自分も着た。
そして立ち上がって葵の手を引き、浴室へと行こうと促した。
葵は小さく頷いて、女のあとを追っていった。
・
・
・
「・・・・!」
扉の脇で身を硬くしていたちかは身体を起こして慌てて角に隠れた。
幸い、そこは風呂場とは逆方向の角で事なきを得た。
顔を紅く染め、腕を自分の身体にまわし、もじもじと身をまさぐる。
しょざい無さげに視線を宙に浮かべ、なにかを求めるように脚を、脇腹を、胸を撫でる。
だが求めるものが見つからず、身体を丸くして耐えるちか。
唇を噛み締めて求めるものを探す彷徨う。
やがて少女は薫部屋の前のドアについていた。
ちかは意を決したかのようにとそっとドアに向かい、音を立てずに扉を開き中へと入っていった。
扉が中から静かに閉められると、薫のいない部屋は相変わらずの先程の光景とはまったく違った
静寂感があったのだった。
薫がいないことはわかっていたがちかは入るなりおもわず薫の布団に
飛び込んだ。何かわからない不安感が少女を包んでいた。
そしてちかは毛布に身を包ませ、いつ帰るかわからない薫をそこで待つしかできなかった。