「・・・服?」
「そ、アタシの」
突然部屋に押しかけてきたフューリアの質問にレオンハルトは思わず聞き返す。
そのまま彼女の頭から爪先までを見回し、困ったように首をかしげた。
「今、着てるんじゃないか?」
「これは替えの服、いつも着てるのは汚しちゃって洗濯したんだけど…」
いつも通り露出の高い服に身を包んだフューリアは構わず言葉を続ける。
「そろそろ乾いてるかなーと思って見に行ったら無くなってたのよ。これが…」
「それで何で俺の部屋に訪ねて来るかな?俺がフューリアの服をどうするって言うんだよ・・・」
レオンハルトは苦笑いを浮かべつつ、フューリアに疑問を投げかけた。
彼のもっともな問いに彼女は思案顔になると、しばらくしてニッコリと破顔する。
「………嗅ぐとか(にぱっ☆)」
「………………」
満面の笑みで吐き出された答えに、レオンハルトも釣られて、とても良い笑顔になった。
お仕置き中……暫くお待ちください(内容は好きに想像するヨロシ)
「ともかく俺は盗ってない。とりあえず他の人に聞いてくるから、フューリアはもう一回自分の部屋を探してみる事、OK?」
「お、おk」
一句一句噛み締めるように言い聞かせると、レオンハルトとフューリアは部屋を後にする。
よろよろとふらつきながら自室へ戻っていく彼女を尻目に、レオンハルトは他の仲間の部屋へと足を向けた。
(とは言ったものの…聞きづらいなぁ…)
脳裏に浮かぶ仲間たちの中で最も気軽に聞け、上手くすれば協力も頼めそうな顔を思い出すと、さっそく彼は彼女の居る部屋へと向かった。
すぐに目的の部屋の前に辿り着くとレオンハルトは2〜3回のノックの後にドアノブに手を掛ける。
室中の気配から彼女が居る事を解っていた彼は、ドアを開けながらディシャナへと呼びかけ…
「ディシャナ居るかい?少し話が・・・」
次の瞬間、目に映った姿に時が止まった。
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そして世界は動き出す。
「フッ、レオンハルトはCOOLに去るぜって、あwせdrftgyふじこ」
言葉とは裏腹に踵を返して駆け出そうとする彼の襟首を細い腕がガッシリと捕らえる。
そのまま有無を言わさず部屋の中へとレオンハルトは引きずり込まれていった。
「……見ましたね?」
引きずり込んだレオンハルトを部屋の中央に投げ出すと、急いで扉を閉めたディシャナがボソリと呟く。
ショックのあまり言葉を失っている男にギギギ…と振り返ると、彼女は黒いオーラを放ちながら一歩踏み出した。
「見たか?…と聞いているんです」
「見ました!!てか見てます、現在進行形で!!」
ギシリと音を立て更に一歩踏み出すと、我に返った彼は慌てて立ち上がり直立不動で返答する。
その言葉にガックリと肩を落とす違和感満載のディシャナの顔を、レオンハルトは困った顔で見つめる。
目尻に涙を浮かべ怒りと羞恥に紅潮する顔は紛れも無くディシャナ本人だったが、普段下ろしているはずの髪はツインテールに纏められている。
彼女に対するコメントに困った彼は、あーうー…と意味不明の声を上げつつ視線を下へと降り、やがて白桃を思わせる乳房で一旦停止した。
彼女の着ている上着は本来の持ち主とは比較にならぬほどの質量に悲鳴を上げ、その双丘はきつく食い込む布に淫猥に変形している。
そして内側からの乳圧に千切れんばかりに張り詰めた布地には、着付けの際に擦れたのか半勃ちになった乳首が布地に潰されている様が克明に浮かび上がっていた。
「うぅ…」
レオンハルトの視線に耐えかねたディシャナが胸を隠すと、彼は更に視線を下へと降ろして行く。
2つの交差するベルトは肉付きの良い尻に食い込み、もともと布地の少ないスカートはギリギリ茂みを隠す程度に腰へと巻きついている。
「ディシャナ…これ…フューリアの服…」
「うぅぅぅぅぅぅ・・・・・」
ぺたんとその場に座り込むディシャナを呆れたようにレオンハルトは見下ろした。
「とりあえず訳を聞かせてもらえないかな?」
彼の言葉に激しい葛藤を覚え、苦悶の表情を浮かべるディシャナ。
やがて観念したのか大きく溜め息を吐くと、とつとつと訳を話しだした。
「いえ…大した事ではないのですが、先程たまたま彼女の服が干してあるのを見つけまして…」
「それで?」
やはり言い辛いのか一旦言葉を切った彼女に、レオンハルトは容赦なく続きを促した。
「お…同じ高露出度キャラで、ストーリー的に見れば遥かに私の方が出番が有るにも拘らず、巷ではフューリアたんフューリアたんと…余りにそれが納得いかず・・・」
予想にもしていなかった返答に、レオンハルトはショックのあまり崩おれる。
「そんな時に干してある服を見つけ、もしかすると服に何か秘密があるのでは?と思いつき着てみた次第です。・・・って、聞いてます?」
「あー・・・うん、聞いてるよorz」
今なお立ち直れないレオンハルトは最も重要な事柄を伝えるために、ディシャナに向けて力を振り絞り顔を上げる。
世にも情けない表情を浮かべる彼女を瞳を見据え、彼はきっぱりと言葉を紡ぎだした。
「今、俺が言うべき事は一つ・・・そう、たった一つだけだよ」
「…はい」
真剣なレオンハルトの声にディシャナは姿勢を正して次の言葉を待つ。
「その格好で一発ヤらせt・・・」
へらっと笑った彼の言葉に周囲に気温が氷点下に急降下し、再び世界が静止した。
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そして世界は…(ry
「私は!貴方が!泣いて謝るまで殴る(攻撃魔法)のを辞めないッッ!!」
次の瞬間、攻撃魔法のオンパレードがレオンハルトへ襲い掛かった。