「退屈ね」
紫髪の少女がだれに語りかけるともなく、つぶやく。
「それにしても相変わらず何もない部屋。なにか面白い物ないの?」
勝手に人の部屋に上がりこんどいてなんて言い草だ。なんてことを思っていると、これまた勝手に本棚をあさり始めた。
「あまり面白そうな本もなさそうね」
本の背表紙を一つ一つ指でなぞりながら確認していく。
「ん、これは…」
何の変哲もないブックカバーのかかった本にアコニーの手が伸びる。ま、まずい!!その本は…!
「ちょ、ちょっと、勝手に人の…」
ずるっ!アコニーを止めようと立ち上がったとき、足元の座布団で足が滑る。
「・・・あいたた、何するのよ」
思い切りアコニーめがけて倒れこんでしまった。
「ご、ごめん…」
謝りながら、問題の文庫本をすっと部屋の隅へと追いやる。
「いつまで触ってんのよ。変態」
アコニーがじろりとこちらをにらむ。気づけばアコニーに覆いかぶさる形で、ずいぶんと密着してしまっていたようだった。
「・・・いや、こんな子供の身体なんて触ったって別に」
ぴくりと眉がつりあがる。
「…あんた、前に言わなかったっけ?あたしは子供じゃないって」
「大人って、こんな薄いむね…ぐふっ!?」
お腹にアコニーのショートアッパーが直撃する。こんな密着状態から、なんて破壊力だ…。
「今なんか言った?モトミ」
あれ、なんかすごい怒ってる?
…そういや、じいちゃんが言ってたな。お前くらいの年頃の娘は、胸の大小みたいなことにはすごくデリケートだって。
ここはちゃんと年上として、フォローしてあげないと。
「いや、気にしないでいいと思うよ。オレのクラスでもソレくらいの子はまだいるし、それにほら、まったく需要がな…ゴファッ!!」
アコニーのこぶしがテンプルに炸裂する。目の前の景色がぐにゃりとゆがむ。
「…っ、あんたには、いっぺんッ、きっちりと教え込んどいたほうが、いいみたいねッ…」
どうやら、オレのフォローはうまくいかなかったようだ。アコニーの怒気を孕んだ声が響く。正直ちょっと怖い。
「あたしは本来ならもう二十三歳。もう大学も卒業して、立派に社会で働ける年齢なの」
「…また、そんなこと。だから日本じゃ、あまりそういうジョークは理解されないって…」
朦朧とした意識の中で、また余計なことを言ってしまう。
「…言葉で、諭しても無駄みたいね。なら…」
下半身に妙な感覚が走る。
「…それなら、身体に教え込むだけよ」
なにか、こうもぞもぞする感じ。まずいな、勝手に下半身が…いったいなんだってんだ?
次第にぐにゃぐにゃと捻じ曲がってい視界が本来の姿に戻る。それは冷静になれば、思い当たる可能性のひとつだった。
が、あまりに予測の範疇を逸脱した行為ゆえ、その可能性に思い当たらなかった。
…アコニーが、オレの股間を指で撫で回している。
「ア、アコニーなに、やって…っ!?」
「何って…、”子供じゃ出来ないような事”よ」
そういって、ファスナーをジジ…とおろすと下着の上からつうと指でオレのものをなぞり始めた。
「あぅ!?…うぅ」
「クスクス、…楽しそうな声ね、モトミ。」
オレなんかよりよっぽど楽しそうな表情を浮かべる。
続いて、オレの手をとり、胸に押し当て、ふにふにと動かす。むにゅりと、柔らかい感触が掌に伝わる。
「あら、どうしたの?こんなお子様の胸を触ったくらいで、顔まっかにしちゃって」
さっきは子供の身体なんて、と大人ぶってみたものの、実際のところ、ひとつしか違わないのだ。
それでも、大人ぶってしまうあたり、自分もまだまだ子供だということか。
大きいわけはなかったが、まったくないという程でもない、それはオレの欲情をあおるには十分なふくらみだった。
その凶暴なまでのやわらかさに、急速に神経が昂ぶり、ペニスがぴくんとはねる。
同年代の女の子の…、思春期真っ盛りのオレには少々強すぎる刺激だ。
それに、最初のインパクトが強くて、なんとなく引いてしまったが、アコニーは、…なんというか、とてつもなくかわいい。
これは、否定しようのない事実だ。そんな子の胸を揉まされて、興奮しないわけがない。
コレで勃たないなんて、不能かホモくらいのものだろう。
そんなことを考えているうちに、あっというまにペニスが取り出される。
「ふふ…、子供相手にこんなにしちゃって、モトミって変態なの?…でも、こんなになっても皮はしっかりかぶってるのね。ま、仕方ないか、お子様だし」
「な…っ!?」
いきり立ったそれを観察されているという羞恥と、あんまりないわれように、顔がかあっと熱くなる。
文句を言おうとしたが、それはアコニーの次なる行動ですっかり封じられてしまった。
「直接手で擦られて、気持ちいいんでしょ」
アコニーのひんやりとした、すべすべの指先がオレの醜悪な肉塊をなでさする。
「まあ、聞かなくてもその顔を見れば、一目瞭然なんだけどね」
声をこらえるのに精一杯で、表情にまで気が回らなかった。自分が今どんな顔をしているのか、知りたくもないが。
「ところで、さっきなにか隠してたわよね?」
アコニーの手にカバーのかけられた文庫本が。
「…ッ!」
「どれどれ、…森で迷った末たどり着いた洋館。そこで一人暮らす、美しい少女に夜な夜な肉体を求められる」
ーーーばれた。
「ああ、少女は吸血鬼だったのね。なんだかずいぶんと陳腐な話」
その間も、アコニーの手は休まず俺に快楽を与えてくる。
「モトミ、こういう無理やり、とかいうシチュエーションが好きなの?それとも人外の少女ってとこがそそるのかしら」
…死にたい。いっそ殺してくれ。
「あ、大きくなった。クス…、そういうことね」
正直すぎる自分のモノに殺意を抱く。
「じゃあ、妄想力豊かなお子様に、大人の快楽ってヤツを教えてあげるわ」
ぬる、と冷えたなにかが肉棒に触れる。
「ひゃぅ…!?う、うあぁ…ッ」
もはや声を殺すことなんて不可能だった。
「ちゅ…お子様なモトミは本の中でしか知らないコトでしょ」
ぴちゃぴちゃと水音が部屋に響く。もう、見なくてもわかる。今、オレの勃起にアコニーが舌を這わせているのだ。
「ん…れろ、ちゅる…」
皮の間に、ぬるりとした舌がもぐりこみ、ツゥとなぞりあげる。
そして完全にかぶさっていた皮がめくられ、亀頭がむき出しになる。
「ふぅ…これで、少しは、大人になったかしら?」
下半身に目を向けると、確かにあのアコニーが、自分の亀頭を舌でなぞっている。
非現実的な光景にオレの逸物は一気にその体積を増す。
「大人に…、なった、みたいね。くすくす…、おめでとう」
心底愉快そうに笑い、膨れ上がったそれにちゅっとキスをする。
「あ、…うっ、はぁ」
皮をむかれたばかりの亀頭が祝福のキスを受け、ビクッと震える。
「まったく、ちょっとキスしただけでこんなピクピクさせて…」
アコニーがあきれた声を出す。
「まあ、仕方ないかな。理想の女の子が、最高のシチュエーションで、こんなに気持ちいいコトしてくれてるんだもんね?」
「な…ッ!?」
「あら…、違うって言うの?」
先ほどの官能小説をぺらぺらとめくりながら、邪悪な笑顔を浮かべる。
生殖器を乱暴に足で踏みつける吸血少女の挿絵を眺めながら、愉快そうな笑い声をもらす。
「…う、ぐ」
否定したかった。だが、あれを見られた後では、どんな言葉も説得力を持たないだろう。
こんな年下の女の子に、お子様と見下されながら、がちがちに勃起させている状態ではなおさらだ。
「ふふ…、続き、しましょうか」
うつむいて黙り込むオレの姿に満足したのか、再び愛撫を開始する。
「こういうところも、気持ちいいのよ…? はぷっ…」
チャプ、チュプ…
手で竿を握り、シュッ、シュッと上下に動かしながら、睾丸を口に含み舌でころころと転がす。
竿や亀頭と違って、じわじわくる感じ。
くぽっ、かぷ、じゅるるっ…
あ、なんか吸われてる…? くそ…、なんて気持ちいいんだ。
いきり立った生殖器の先端部分から、粘性をもった液体がにじみ始めたころ、ツツーっと根元から鈴口へと舌を這い登らせる。
先端からあふれ出る液体を舌で器用に絡めとる。
そして小さく口を開け、ゆっくりと、オレに見せ付けるようにペニスに近づけていく。
きっと今。オレはさぞや期待に満ちたまなざしで、このみだらな光景を眺めているんだろう。
「あ…、ん…」
先端がゆっくりと、口内へと消え、竿の半ばまで飲み込まれた。
…が、アコニーはそこまで飲み込みながらも、表面には触れようとしない。
口内にあるのに、刺激が与えられず、時折しめった吐息が愚息に触れる。まさに生殺しだ。
「ア、アコニー?」
これまたゆっくりと、顔を上げる。ペニスには一切触れない。
「なに、モトミ?」
愉快そうに目を細め、オレを見下ろす。
「アコニー、なんで…」
「これ以上の快楽はモトミには刺激が強すぎるでしょ?」
「そんな…、こんな状態で」
「あら、モトミはどうしてほしいのかしら」
シャツの中に手をいれ、オレのお腹を優しくなでなでしながら、にやりと邪悪な笑みを浮かべる。
「そ、それは…」
口でくわえてほしい。しゃぶってほしい。…とは言えず、つい、口ごもってしまう。
「黙ってちゃわかんないわよ」
吐き捨てるように言うと、再びアコニーがペニスに口をかぶせるように飲み込む。
妙に呼吸を荒げ、はふはふともれる吐息が快楽中枢を刺激する。絶対にわざとやってるだろコレ。
「く…、しゃ、しゃぶってほしい…」
屈辱に耐えながら、そう口にするが、アコニーはなんのアクションも起こさない。…悪魔か、こいつは。
「頼む…、アコニー、しゃぶってくれ」
「これ以上お預けってのもかわいそうだしね。素直に言えた、ご褒美よ、」
「う、うあっ、あっ…!」
「っ…、はぷ…れる、じゅっ、じゅるる」
ぬるっとした感触が表面に触れる。
やわらかく唇で肉棒を締め付けると、ゆっくりと頭を上下させ始めた。
「んっ…ふ、にゅぷ…、くちゅ、ずず…」
やばい、めちゃくちゃ気持ちいい。
アコニーのぷるっとした唇がにゅるにゅるとすべり、オレを更なる高みへと追いやる。
唾液でアコニーの唇とオレの生殖器の摩擦が減り、さらに口淫を滑らかなものにする。
じゅぷ、じゅぷっ…
それにしても、すごい光景だ。あのアコニーがオレのをしゃぶってる。
「気持ちいい?モトミ」
「ひぁ…、ひゃう…っ」
「かわいらしい声。なんだか、モトミの方がよっぽど女の子みたいね」