夕闇迫る生徒会室。寄り添う2つの影もその佇まいを長く伸ばす。  
ひとしきり嗚咽を漏らした剣王と呼ばれるにはあまりにも儚いその身体を抱きしめる  
ハルユキは不思議な従属艦を感じていた。  
無意識とは言え自ら彼女を抱きしめる等という天文学的難易度を誇る行為に気後れ  
しなかったことはこれまでには考えられなかったことだ。  
黒雪姫の身体から伝わる震えも、心なしか落ち着いてきた様に感じられる。  
僕はこの人を守りたい。癒してあげたい。支えになりたい。  
脳裏での呟きが伝わったのか、ふと黒雪姫が顔を上げ、ハルユキの目に涙で濡れた  
漆黒の帳を投げかける。  
そして目を閉じー  
ハルユキの顔まで数センチの所まで近づく。  
「…」  
いつもならあたふたするばかりだったハルユキだが、何故だか次にどうするべきか  
考えるより先に自分の頭も黒雪姫に近づける。  
そして  
形容もし難い、柔らかさと甘やかさに満ち溢れた口づけが行われた。  
まるでこうなるのが運命だったかの様に、融け合うように二人のくちづけは永遠の  
様に続いた。  
「ハルユキくん…」  
そっと唇を話した黒雪姫は薄く上気したほのかなピンク色に染まっていた。  
「先輩…僕…」  
この切ない感情はどう表現すればいいのだろう。ただ一つ分かっているのは、  
僕はこの人が欲しい、それだけが望みというだけ。  
だからハルユキが次に出た行動も、彼にとってはなんでもない、ごく当たり前の  
行動であった。  
きつく抱きしめていた右手を浮かせ、黒雪姫の身体に這わせる。  
それはあまりにも幼く、直情的な行為であったが、動かすたび黒雪姫は低く声を  
上げる。  
自分の行為に感じ入る彼女に、ハルユキの思考はヒートアップしていく。  
「あっ…」  
我慢できずに漏らす美しい囀りを温かいキスでふさぎながら、ハルユキの手は  
愛しい先輩の胸に到達する。  
 
黒雪姫の胸に乗せられた手は硬い制服の布地を通してもなお柔らかな隆起を感じさせ、  
全くの未経験者、14年の間女性に触れた事が無いハルユキにしてはごく自然な  
行為だった。  
いや、チユリに対してはどうだっただろうか。遠い遠い昔、ふざけた拍子に胸タッチを  
した事が有ったように思い出すが、この状況で幼馴染とはいえ他の女性を思い出す  
ことにハルユキは深く後悔した。ましてあの時は「どこ触ってんのよエロユキ!!」と  
罵倒されてしたたかおつむを殴られたし。  
急いでその思考を振り払うと何かに取り付かれた様に半袖ブラウスのボタンを取り外しに  
かかる。ひとつ、またひとつ。  
そこまで進んだ時、ハルユキの身体を黒雪姫が両の手で優しく、だが強い力で  
引き離す。  
しまった、やり過ぎだったか。僕って…と軽い自己嫌悪に至る。  
だが黒雪姫の発した言葉はハルユキの思考をまたしても加速させる。  
「…あの…すまないハルユキくん…その、なんだ、ここ、ソーシャルカメラの視界に  
入ってるから」  
あぁ…カメラ有ったんだっけか。よりによって生徒会室でいわゆる…不純異性交遊に  
浸っている姿を目撃あるいは録画されたら黒雪姫の立場に重大な問題を  
作るだろう。  
そこまで考えながら僕にはここまでだな。でもとっても幸せだった。  
しかし心とは裏腹に、彼自身の身体の反応はますます抑え切れない情動を抑え切れない。  
す、とソファから立ち上がった黒雪姫のの姿を呆然と見つめながら切なく疼く心と格闘  
しているハルユキは突然こちらを振り向くと  
「心配、無い。ここのカメラは君がここに来る前にダミーの映像を噛ませている、  
私が扉を出た時からな」  
つまり監視室には誰も居ない無人の生徒会室が写っていると言う事か。  
まったくこの人は…  
こと自分に関することにはたやすくブレーキを離し、アクセルを床まで踏み抜く  
先輩に思わず苦笑を禁じ得ない。  
「でも…万が一、と言う事も有る。こっちに来てくれるかなハルユキくん」  
まるで自動操縦のようにハルユキは立ち上がるとパーテイションの向こう、  
生徒会室の奥まった位置まで招かれる。  
なるほど、ここはソーシャルカメラの視界外なんだな。とハルユキは得心する。  
床のカーペットに腰を降ろすとさあ、と黒雪姫は手を差し出す。  
「し、失礼します」  
なんだよ失礼しますって。全くさえないな僕。  
 
実際のところ思春期まっただ中のハルユキはこんな日を想像した事は  
一度や二度ではない。  
現実の女体というものを直で観たことは無いハルユキには秘蔵のZ指定  
ゲームのモザイクまみれのアニメ風キャラクターしか思い浮かばないが、  
いつしかその妄想は黒雪姫に変わり、若い猛りを漏らす事が多かった。  
そんな憧れと妄想の対象だった最愛の人が目の前で横たわり、そっと  
目を閉じハルユキを待っている。  
事ここに居たり、中学生だとかモラルがどうとか心の銀河の果てまで  
シャンプしていた。  
「せ…先輩…」  
そして先程の続き、すなわち黒雪姫の肌を遮る薄い布地を慎重に取り払っていく。  
途端、限りなく白く光る美しくも扇情的な肌を夕暮れの光がさらに輝せる。  
ただ一点、漆黒のブラジャーだけが最後の砦の様にハルユキの視線を阻害する。  
ごめんね。と何に対してなのか分からない言葉を脳内で呟くと、ハルユキは右手を  
黒雪姫の背中に差し込むと、留め具を必死に探す。  
「あ…すまない。ホックは…前なんだ」  
ああ、フロントホックだったのか。いかんぞ僕、こんな違いにも気づかないなんて  
バーストリンカー失格だな。  
いやそれ以前に普通の男子としてどうなんだ、という冷静なツッコミを入れる  
余裕など全く持ちあわせていないハルユキは震える手でブラジャーの留め具を  
四苦八苦しながら外す事には成功する。  
 
…!  
 
小ぶりではあるが、原初の過去から男性を魅了してやまない2つの膨らみを  
目にしたハルユキはかるいめまいに襲われる。  
「ン…恥ずかしい…な」  
ひっ、とハルユキは思わず手を離すが、それより素早く電光の様に黒雪姫の  
右手がハルユキを手をつかみ、なかば強引に彼女の胸に軟着陸させる。  
お許しが出たのなら仕方あるまい、と情けなくもハルユキは自分に言い聞かせ、  
再び彼女の優美な乳房のラインをなぞる。  
そして、その突起に指を接触させ、優しくマッサージを行う。  
「う…ううん、ハル、ユキくん…」  
黒雪姫の表情は何かに耐えるがの如く、ハルユキの動きに敏感にその見を  
くねらせる。  
ああ、女の人ってこうされるのが良いんだろうか。  
そうだとしたら、と汗に濡れる顔を近づけ、しばし逡巡に囚われたが  
意を決して小さな突起を口に含んだ。  
途端、黒雪姫の身体が今までで最高にのけぞりを見せる。  
それを己の体重で抑えると、ハルユキは夢中でその突起を舌で、口で  
愛撫し続ける。  
「ああっ…」とこれまた最高の声を上げると途端、黒雪姫の身体から  
すうっと力が抜ける。  
あ…あの、大丈夫ですか先輩?  
上気してぐったりした彼女を心配するハルユキに、黒雪姫は優しく  
声をかける。  
「…心配、いらないよハルユキくん・何だかあまりに気持ちよくて  
…な。まるで雲に乗っているみたいだよ」  
ああ、この人は自分の行為で感じてくれてるんだ、とハルユキの  
心臓のクロックはさらに上がり続ける。  
でもまだ、まだ先が有るんだ。もっとこの人に感じてもらおう。  
僕が居るって安心してもらおう。  
そして今度こそ、18禁ゲームでもイマイチ判然としない行為に  
ハルユキは踏み出す。  
 
あれ…ブラジャーの時と同様、ハルユキは黒雪姫のスカートを  
どうやって脱がせるべきか、これまでより最高の焦りでもって  
黒雪姫の腰をまさぐる。  
ゲームだとあっさり済ませるのになぁ…もっと詳しく書いてくれよ。  
己の経験不足を棚に上げるとそれを見て取った黒雪姫が  
優しく笑うと自ら自身のスカートを開くと腰を上げてハルユキの  
行動を助ける。  
 
 
 
 
 

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