唐突なる初体験に不覚にも精を漏らしたハルユキだったが、自分一人で行った時とは
全く異なり、自らの下に位置する愛しい黒雪姫の身体から離れる気は全く起きなかった。
むしろまだまだ没頭していたい衝動に心臓のクロックが上がる。
今なら何でもできる…かも。
ハルユキは思い切って黒雪姫から一度起き上がり、膝を使って彼女の下半身に移動する。
「あっ…」
再び顔を紅潮させた黒雪姫は急いで両の足をきつく閉じ、ハルユキの視線から逃れようとした。
怖がらないで…先輩、僕先輩の全部を知りたいんです。だから…
妙にスラスラと言葉を紡げる自分に驚きながらも、彼女の両足に手をかけ、ゆっくりと開いていく。
美しかった。
ネットで検索した女性器はどれもこれもいやらしいと言うよりはグロテスクな印象を
感じていたハルユキだったが、愛する黒雪姫のそれはとても芸術的なカーブラインを描き、
瑞々しい果実の如くつややかな液体に濡れそぼっている。
年齢を考えても極薄と言える陰毛にも液体が甘露の様に絡んでいた。
そっと手をのばす瞬間、黒雪姫の顔に視線を戻すと、耳まで真っ赤に紅潮して固く目を
閉ざしているのが見える。
そして両手の指でそっと開くー。
内部はさらに鮮烈なるサーモンピンクに染まり、よくよく見ると不可思議なくぼみが
2つ見受けられる。
さすがに性器をどう使うかくらいは学校の保険の授業や、それ以上の知識としてのネット
検索である程度把握はしているつもりである。
ええと、確かここが…気持ちいいんだよな。
想像で興奮するしかなかった女性器の頂上点、いわゆるクリトリスというものに
ハルユキはそっと舌を滑らせる。
と、電気ショックのように黒雪姫の身体が弓なりに跳ねる。
「あっ!あああ…そこ、ダメ」
しかしここまで来たハルユキは止まらない。とても敏感な陰核とスリットに存在する
おそらくは尿道口と呼ばれるものと本体である膣口にも舌を這わせているうちに、
自らの唾液とは明らかに違う粘液が止めどなく溢れ、ハルユキの口中にその味覚が広がる。
なるほど、こうやって受け入れやすくするのか。女性って不思議だな。等とハルユキ
本来のロジカルな思考が演算される。
そしてさらに。一番下の少しばかり大きめのくぼみ。
おそらくは一番見られたくないであろう直腸経由の器官。
通常なら見たくもない部分ではあるが、今のハルユキにはこの上ない魅惑のポイントでもある。
全く臆することも無く舌を這わせ、少しばかりくぼみにも差し入れてみる。
「ばっ…ばかぁ…そんな…汚いだろう…や…め」
身をよじって逃れようとするが哀れハルユキの重みには全くの無意味であった。
大丈夫ですよ先輩。ここも、とっても素敵です。それに真のカップルはここもたくさん使うんですよ。
一体どこから得た知識なのであろうか。
「うう…ばか」
少し涙声の声に何だか妙な征服感を感じてしまうのは男の原初の種たる横暴さの現れであろうか。
故にしばし達成感に浸っていたハルユキは黒雪姫が上体を起こし、彼の肩を強くつかみ
ながら身体の位置を強引に変える事に全く抵抗できなかった。
彼女が下なのは変わりないが、ハルユキの下半身を顔にーいわゆるシックスナイン、という
体位に切り替えたのである。
ええっ!?せ、先輩?ダメですよそんなはしたない!
「何がダメなものか。わたしとて黒の王と呼ばれた身、いいようにされただけで終われるものか」
ここはプライドを持ち出すとこかなあ。
と内心では呆れたものの、彼女の手が再びハルユキの性器に触れた途端、もうどうでもいい
思考として心のダストボックスに放り込む。
「改めて見ると…キミ、こんなモノをよく制服にしまえるなぁ」
いえべつに普段からそういう訳ではありませんしすすす好きな人にしかこうはならないんですよ。
「むむむ?最後のは少し納得がいかんが…でもふしぎな感じだな。次に生まれて来るときは
ぜひ男性に生まれたいものだ。」
え、じゃ僕とはどういう関係に…
「分かりきった事だ。世間ではびーえるというものが有るのだよ…お子ちゃまには分からないかなフフン♪」
いえ結構です知りたくもありません。
「ま、その時はきっとキミは可愛い女子だろう。どうあがこうがわたしの手からは逃れられないよ」
ああ、聞くんじゃ無かった。
「それはともかく…わたしも初めてだから…うまくできなくても怒るなよ」
いやもうこの状態だけでも宝くじ百億万円の価値ですわホンマ。等と意味不明の歓喜。
そう思う間にも黒雪姫がハルユキの下半身を引き寄せるのでうやうやしくも協力する。
突然、生暖かい感触。
確認するまでもなく、ハルユキの性器を黒雪姫が口に含んでいるのである。
そこ、おしっこ出る所なんだけどなぁ…いや、それどころかさっきもっと大変なものが
出たばかりじゃないの!?うひゃあこら参ったどうしよう。
しかし黒雪姫はとても熱心に、どこで仕入れた知識なのか竿から袋から全体を口で愛撫する。
それはまさに気がおかしくなりそうな快感で、つい何度か女の子みたいな喘ぎを漏らすほどだった。
先刻一度達していなかったら彼女の口で大変な事になる所である。
せめてものお礼、というのも妙だがハルユキも再び魅惑の園に侵入する。
意を決して膣口に指を入れてみる。ビクン、と身体が震えたが、濡れた彼女は難なく
指を吸い込んでいく。
さらにもう一本。どこまで受け入れられるのか興味は尽きないが、ハルユキの探究心は
もっと核心を、この営みの頂点に移動する事を強く望んでいる。
せん、ぱい。あの、そろそろ…
よほど熱心にしていたのか、端正な口周りをいろんな液体で濡らした黒雪姫が以心伝心
というべきか、「ン」と優しく頷き、足を揃え手を胸の上で組み、可憐な処女の姿にモーフィングする。
ハルユキはおずおずと彼女をまたぎ、顔を近づける。
閉じられた瞳がゆっくりと開き、無数の星が星雲の様に深い黒を彩る。
しばしの視線の交わりー。そして目を閉じてゆっくりとした愛に満ち満ちたロングキス。
軽く舌を交せ、ハルユキは確認するかの様に黒雪姫を見つめる。
彼女もすべてを受け入れる印として小さく頷く。
ハルユキは上体を起こし、彼女の両の足を再び開いていった。
口で、指でひたすら愛したその部分に、男性自身を交わらせても平気だろうか?
黒雪姫を痛みや辛さから最大限守りたいハルユキは一抹の不安を禁じ得ない。
そんなハルユキに大丈夫とでも言うように、黒雪姫は大きく手を広げて誘う。
心臓の動悸はすでに限界まで高鳴っている。ジャンクフードまみれで血液ドロドロなハルユキには
危険な状態とも言えるのだが、仮にここで憤死してもおそらく極楽浄土への道は示されるのではあるまいか。
兎にも角にも、ハルユキは黒雪姫との最終的結合器官を手にし、接合部分へと移動する。
慎重に慎重に…敏感な先端部分の感触で入り口を見つける。
すでに限界まで濡れた入り口は平気でハルユキを受け入れそうではあったが…
「あっ…」
半分で声を上げ
「…ッいた…い」
ハルユキが全てを満たした途端、黒雪姫は痛みに耐えかね大粒の涙を迸らせる。
先輩…大丈夫、ですか?止めましょうか?
急に不安に襲われ腰を引こうとするが、意外な事に黒雪姫は自らの足でハルユキをホールドし、
さらに密着させる。
「ああ…ンううっ…」
必死で耐える彼女にハルユキは軽いパニックに襲われるが、男としての本能は嫌でもこの状況を
堪能するべく快楽物質を脳内に注ぎ込む。
いったいぼくは先輩をどうしたいんだ
二律背反な思考で分裂しつつも、最も愛しいひとと一つになれた事への歓喜と凄まじいまでの
快楽にはどんな思考も全く功を奏さなかった。
一突きするたび、脳内に電光が走る。それはある種、ブレインバーストへの接続時の感覚に
どこか似ている様でもある。
おそらく脳の深い部分で信号がやり取りされている、という意味で2つの感覚は似通って
いるのかもしれないが…
最初こそスローに、優しくを心がけていたつもりだったが、今やありえない速度でハルユキは
必死に黒雪姫と繋がろうともがくように動く。
その痛みがどれほどのものか検討もつかないが、黒雪姫はハルユキの背中を強く抱きしめ、
あまつさえ爪を立ててうっすらと彼の背に紅色の川を作り出す。
セックスの運動量は一キロ全力疾走分のカロリー消費という説が有るが、過去有酸素運動
自体にいい思い出のないハルユキには相当量の負荷がかかっているはずである。
まぁそんな冷静な思考を出来るわけもなく、ただひたすらに、行為を通じて大好きな
黒雪姫と真の意味で結ばれたいという願いそのものでハルユキは存在しているのである。
汗だくになりながらも彼女の唇を求め、激しくその舌を堪能するたび黒雪姫もさらに
反応を大きくする。
「うう…ん…は、ハルユキ…くん…だいす、き」
普段の大人びた態度はいつしか吹き飛び、最愛の人と最高の時間にするべくひたすらに
自分の幸福感に身を任せているのであろう。
八ヶ月前にはこんな関係になれるなんて夢にも思わなかった。学園アバターをこっそり
羨望の眼差しで見とれ、浅ましいと自己嫌悪に浸りつつも夜のお供にさせた頂いたことも
一度や二度ではない。
あくまで妄想の恋人、それでもいいと思っていた。
身も心もひとつになれる事がこんなに素晴らしいことだなんて。
己の手の中で痛みに耐えつつ魂を重ねようと必死な彼女を見ていると甘く切なく
狂おしいまでの感情が焔の嵐となってハルユキを焼きつくす。
せんぱい…
「なんだ…いハルユキ、くん」
痛く、ないですか?大丈夫です、か?
「うん…さっきよりは…いいみたい…だな」
良かった…僕、ずっとこうしていたいと思ったから。
「わたしもだよ…キミとこうなりたくてたまらなかった。キミが他の誰かに盗られて、
こんなことになるならいっそ自分から…なんて考えてたから…ふしだらな女だと思う…かい?」
全然そんなこと無いです!僕を選んでくれたあの日から…こう、なりたかったから。
「うれしいよ…これもまたひとつの奇跡、いや究極の奇跡、と言うべきだろう、な」
運命や奇跡、なんて言葉はただの結果に後付けた意味のない虚ろな言葉と思っていたのだが、
今この瞬間をもたらせてくれたあらゆる要因にハルユキは感謝せざるを得ない。
侵入した時こそその狭さに不安を感じたが、黒雪姫の真ん中はあふれる愛のネクタルに
まみれ、ハルユキ自身を捉えるべく絡み付いてくる。
自分の手で行う行為は文字通り性処理、という意味しかなかったのだなと
改めて感じ入る。
この細い身体のどこに、と思えるほどの強さでハルユキを抱きしめる黒の麗人を
抱き返すとそれはもう一つの生き物の様に激しく、時に優しく、完璧なユニゾンを
奏でる。
そしてその二重奏はクライマックスを迎えつつあった。
あ…せんぱい、僕…もう
「?…あ、ああそうか。いいよハルユキくん。そのまま…わたしの中に…」
ごめんなさいッ!
最大限まで高めた劣情と愛情のすべてを注ぎ込んだハルユキは、しばらく彼女の身体の上で
動くことができなかった。
次にハルユキが我に返ったのは、黒雪姫の胸に顔をうずめながら、彼女にやさしく髪を
愛撫されている一時だった。
「ハルユキくん…とても…素敵だったよ。最高の体験だった」
そ…んな。僕あたふたするばっかりで…先輩のこともっと大事にしたかったのに…
「わかってるよ。キミはやっぱり最高だ。最高の男の…いや、男性だよ…
もっとたくさん、こうしたいな」
僕もです。いっぱいいっぱい、したいです。ずっとずっと、大切にします。先輩だけを。
「ふふ…最後のはちと怪しいが…ま、こうなった以上いわゆる既成事実が成立
したわけだ。今後他の女性と妙ちくりんな関係に至った場合…
ごく。
「ココに。デス・バイ・エンブレイシングだ」
ぐっとハルユキのその部分を握りしめたその顔は絶対霊素の微笑み。
ひいっ…僕、早まったかな………
夕闇深い生徒会室に強制下校時刻を促すアナウンスが響いた。