有田宅のバスルーム。オレンジに彩られた照明の下、バスマットにあおむけに寝ている  
ハルユキは、大きなマシュマロ二つに包まれているような感触に、あっという間に夢中に  
なった。洗い髪をタオルで巻いた全裸の楓子がハルユキの上に乗り上げ、自分の胸をよせ  
て柔筒をつくり、ハルユキに尽くしていた。  
 ローションでぬるぬるに輝く、楓子の胸の間を茄子並みの大きさを持つハルユキのクロ  
ム・ディザスターが通り過ぎていく。乳房をすりよせるようによせた楓子は、ハルユキの  
太股に自分の腹部を刷りつけるようにして動いている。パイズリ、パイコキという、豊満  
なバストが無ければできない奉仕を続けながら、楓子は眼前で出入りするハルユキの先端  
へ舌を這わせはじめた。  
「いぎっ……」  
 あまりの心地よさにハルユキは悲鳴をあげる。  
 上下左右全てを包まれる胸の奉仕だけでなく、突き出た先端や尿道を這う舌の奉仕が、  
ハルユキの魂を揺さぶってくる――。  
「んちゅ……んっ、んっ……すごく、気持ちよさそうですね、鴉さん」  
「し、仕方ないです……こ、こんなことしてもらってれば……」  
 いたずらっぽく笑う楓子に対して、ハルユキはなんとか言葉を返した。意識を集中して  
いないと――「もしくは意識をそらすことに」集中していないと暴発してしまいそうだっ  
た。楓子ははにかみつつも、うれしそうに口元に笑みを浮かべ、いままでなめるだけだっ  
たハルユキの亀頭を、ぱくっ、と口に含んでしまった。  
「うわっ! し、師匠! 口が、口があ……!」  
「んちゅ、んっ、んっ、んっ! 大丈夫ですよ、んちゅっ、んっ、塗ったのは、んっ、ん  
っ、飲んでも大丈夫なオイル・ローションですから」  
「そういういみじゃなくて――! うぐっ!」  
 ハルユキの言葉は股間からおそってくる快感で遮られた。  
 乳房のもにゅもにゅとは明らかに違う、かといって楓子を貫いたときの感触とも違う、  
ぬめりを持った口に含まれ、ハルユキは大きく性器をうごめかせた。  
 性器の根本はおそらく人体で一番優しく柔らかなところに挟まれ、亀頭は楓子の体温に  
満ちた口腔にくすぐられる。しかも可憐な唇がハルユキの年齢にしては巨大すぎる性器を  
口一杯にほうばっている絵は、ハルユキの視覚さえ犯していった。  
「うあ、あああああ……師匠! ご、ごめんなさい!」  
 先日まで童貞だったハルユキに、情感に満ちた光景と行為に我慢など出来るはずがなく、  
ハルユキは楓子の口にどびゅっ、どびゅっ、と吐き出してしまった。一瞬眉をしかめた楓  
子だったが、すぐにむさぼるようにハルユキの肉棒をくわえこんだ。  
「うあああっ……ああっ……師匠……口の中に……」  
 艶めかしい温かさのなかで、ハルユキは楓子の口中に吐き出しつづける。  
「んぐっ……んっ……んっ……」  
 おいしそうにハルユキのそれを口へ含んだ楓子。その喉が、こくり、とかたまりを飲み込んだ。  
「師匠……ごめんなさい……」  
「ふふ。鴉さんのだから平気です。しばらくキスはおあずけですね……さあ」  
 ローションでぬめった乳房の先端をすでに始めたハルユキの性器にすりつける。ハルユ  
キはひぃっと悲鳴をあげながらも、まだ敏感なクロム・ディザスターを揺らしてしまった。  
「今度は――鴉さんの番よ」  
「――がんばります」  
「今日こそ、ちゃんと気持ちよくしてね……」  
 楓子の言葉にハルユキは確信を持って頷いた。  
 
「いやあああああっ! いやっ! だめっ! 鴉さん! いま動いちゃだめぇ!」  
 同年代の少年よりもすこしだけ横に大きいハルユキがゆったりと入れるほど、有田家の  
バスタブは広い。ハルユキと楓子の二人が入ってもまだ余裕のある浴槽でハルユキは楓子  
を正常位で貫いていた。湯面はバスタブに寝転んだ楓子の乳房を浮かす程度の深さなので、  
おぼれることはないだろうが、体を反らせて絶頂する楓子の姿は水におぼれているように  
も見える。  
 そもそも胸奉仕と口戯れへの興奮で楓子のソコは濡れそぼっていたが、ハルユキはそこ  
にさきほど使いきれなかったローションをすべてそそぎ込んだ。バスタブの縁に座らせ、  
小鳥に餌をあたえる親鳥のように恭しく、ハルユキは楓子をいじりまわした結果がいまの  
楓子の艶姿、となる。  
 もうその時から片鱗は見せ始めていたのだが、羞恥心からか、師匠としてのプライドか  
らか、「ぜ、ぜんぜん、気持ちよくない……もっとしても大丈夫ですよ、鴉さん」などと  
気丈に言い張っていたのだが。  
 本番がはじまったとたん、楓子は浴室に嬌声を響かせた。たったひと突きされただけで  
達してしまい、大いに乱れてハルユキに停止を命じた。  
「いやっ、はああっ、あああっ、んっ……んっ……」  
 やっとやや落ち着きを取り戻してきた楓子がぼんやりと、クロム・ディザスターを楓子  
にさしこんだまま、立ち往生しているハルユキを見上げてくる。快楽から逃げようと頭を  
ふるったせいで、髪を巻いたタオルが湯面に落ちて波紋を浮かべた。先ほど洗ったばかり  
の髪――実際にはハルユキが洗ったのだが――が湯面に落ちたゆたっている。  
 荒い呼吸を繰り返す楓子に向かってハルユキはつぶやいた。  
「でも、師匠……動かないと抜けませんよ――」  
「だ、だめっ! いま動いたら、だめぇ……!」  
 引くのもだめ。押してもだめ。まさに立ち往生の状態だが、このまま楓子を苦しませる  
のも、ハルユキの本意ではなかった。心の中でごめんなさいしながら、徐々に楓子からク  
ロム・ディザスターを抜き出していく。  
「ふあっ!」  
 ほんのわずかな刺激のはずだが、敏感すぎる楓子はそれだけで感じてしまい、びくびく  
と小さく達したようだ。眉を寄せて快感に耐える楓子に、絞るように締めつけられたハル  
ユキもまた、まだまともに動いていないにもかかわらず限界寸前まで追いつめられた。  
「ふあっ、あああっ、ああ……」  
 湯面をちゃぷ、ちゃぷとゆらしながら脱力する楓子の色気に誘われて、ハルユキはずり  
ずりと腰を動かし始めた。楓子が短く悲鳴を上げた。  
「いやっ……」  
「師匠……すみません、我慢できそうにないです」  
 さんざん焦らされた結果、限界まで昂ったハルユキは脱力する楓子に突き込み始めた。  
湯面の波がハルユキの動きにつられてちゃぷちゃぷと音を鳴らしはじめ――。  
「あっ、だめっ、動いちゃだめええええええっ!」  
 同時に、浴室に楓子の悲鳴が響き渡った。  
 
 結局ハルユキが一回到達するまでに、楓子は都度十回も登りきり、気をうしなってしま  
った。ハルユキは楓子の体をバスタオルで拭きつつ、自分のパジャマを着せて自室のベッ  
ドに寝かせ――今度はもっと、のんびりセックスしようと『揺光』に誓いを立てた。  
 

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