そのヒロインは悩んでいた、彼女には二人の幼馴染みがいる、彼女にとって
二人は幼馴染み、異性として見てないわけではない、怖いのだ、もし片方と
男女の関係になって三人の関係が崩れてしまうのが。
「いいだろ?な、チユ」
「だ、ダメだよハル!私、タクから告白されてるんだよ!?」
「知るか!あいつは何でも出来る、顔も良いし、頭も良い、運動も出来る、その上お前まで奪われたらどうすればいいんだよ!」
「やっ、ダメ!初めては、初めてはまだっ!」
「うるせぇ!!」
「あああっ!痛いっ・・・・ごめんね、タク、やっぱり私、ハルの事・・・」
ヒロインの中で答えはとっくに出ていたのかもしれない。
怖かったのだ、認めるのだ。
「この後デートなんだろ?このまま中に俺の精子溜め込んだまましろよ」
「えっ!?やだ、そんな」
「じゃあタクに言ってやるよ、チユは俺に処女膜ぶち破られて喜んだ裏切りものだってな」
「うぅ・・・酷いよ」
「俺も後付けるからな、そしてまた注いでやるよ、ククク」
「・・・ハル」
三人の関係はまた新しく始まった、歪んだ形で・・・。
「・・・・・・・」
ハルユキはゆっくりとした手つきでそのソフトを終了した。
厳しい家庭に住むタクムにとって最近手に入れたエロ媒体は貴重だった、そのため、処分されないために
ハルユキに預ける形になったのだ、エロ話をしてこそ本当の親友という話をどこかで聞いた気もするが
当たっているのかハルユキにはわからない、ただ一つわかること、それは。
タクムが預けた18禁ゲームがNTRモノであり、自分達の関係によく似たシチュであり
尚且つ名前入力可能ということだった。
「・・・タク」
いくら寝取り男がハルユキ似で寝取られ男がタクム似だからといってそのまま名前を入れたのか。
「見ないって約束したのにな、ごめんな」
タクムはどんな気持ちでこのゲームを手に取ったんだろう、ハルユキとチユリの関係・・・。
「・・・・・・」
今朝、チユにしてもらったことを思いだし下半身が熱くなってしまう。「僕はどうしたら・・・先輩」
「ふむ、私を想像してくれていたのか、安心したぞ」
「ど、っうわぁああぁああ!?せ、せ、せ、先輩ぃぃい!?」
黒雪姫は静かに微笑むとハルユキの手を取った、行き先は恐らくハルユキ宅だろうか。
現実はエロゲより複雑だとハルユキは思ったのだった。