※ういういの「」は演出上の都合です。不随意反射の呼吸音等だとお考えください。くし  
ゃみみたいなものです。  
 
 
【UI>有田さんのおうちにお泊まりしたいです】  
 そんなテキストメッセージが来たときに、もう少し警戒しておけばよかった、とハルユ  
キは思う。いや、思っていた。  
 ことここに至り、ハルユキはもうどこまで「後悔」をしているのか、わからなくなって  
いた。  
【UI>あの……ちゃんと気持ちいいですか、有田さん】  
 アドホック・コネクション経由で視界に写り込む文字に対しハルユキは、  
「き、きもちぃです……」  
返した。  
 すぐさま、謡から返信。  
【UI>よかったです。有田さんがよろこんでくれるなら、うれしいです】  
 ややうわずった声をあげるハルユキに微笑みを向け、謡はハルユキの性器/クロム・デ  
ィザスターに健康的な色合いの唇を這わせて、そのまま口腔いっぱいに飲みこむ。  
 じゅる……。  
「うわ……」  
 ハルユキは性器をおそった熱さにうめいた。謡の口に性器が含まれた瞬間、電撃が脳髄  
を直撃する。  
「じゅる……んっ、んっ……」  
 バスマッドの上に四つん這いに近い格好になった謡は、ハルユキをじゅるじゅるともて  
あそんだ。首を動かすたび結い上げた黒髪が、謡の後頭部で揺れる。  
 舌先でぺろっ、と亀頭をなめあげたあと、謡はハルユキを上目遣いでみつめ、メッセー  
ジをとばしてきた。  
【UI>有田さんの先、ちょっと……しょっぱいです】  
 ちゃぷちゃぷと音をさせつつ、首を縦に動かしてハルユキをせめてくる。  
 たまに先端が謡の内頬にあたる。わずかな刺激が快感へ変換され、ハルユキはそのたび  
に気を失いそうな快感を得ていた。  
「んっ……んっ……んっ……」  
【UI>いっぱい、気持ちよくなってくださいね、有田さん……】  
「ふむっ、んちゅ……ちゅ……」  
 バスルームに淫靡な音をひびかせながら、四埜宮謡の奉仕は続いた。  
 
 
――――  
 
 
 急遽おこなわれた謡とのお泊まり会は、ハルユキの母親が、会社へ泊まり込みを行う日  
に決行された。ハルユキ宅の事情はクリアされたので、そうなると謡が一晩家をあけるこ  
とが出来るのかが、突発的お泊まり会のネックとなる。しかしハルユキの心配をよそに、  
謡はあっけらかんと「そちらは問題ないです」と言い切った。実年齢はともかく、精神年  
齢はハルユキより遙かに年上な、謡がどんないいわけをつかったのか、考えるのが少々こ  
わかったので、それ以上なにかを聞くことができなかった。  
 夕方、飼育委員の仕事を片づけた二人は、マンション備え付けのショピングモールで、  
夕食用の食材を買い込んだ。キッチンでは、謡がはやばやと主導権をとって料理をはじめ  
たので、ハルユキは野菜をきったり、食器をだしたり、フォローに回った。  
 
 作った夕食を食べ終わり、ほぼ同時にごちそうさま。皿を洗い、片づけ食後のおやつと  
ばかりに買ってきたシュークリームを、ソファーではむはむしていると、小刻みな電子音  
が響きわたった。浴槽に温水がたまったのを知らせる音だ。  
 じゃあ四埜宮さんからお風呂先にどうぞ、と勧めるハルユキに対して、謡はポニーテー  
ルを横に振って答えた。  
【UI>先に入るとプレッシャーがあるのです。主に浴槽を汚さないように……とかです。  
主に私側の都合ではあるのですが、できれば有田さんのあとにお湯を頂戴したく……】  
 首を振り終わるまでに、ハルユキの視界に浮かぶチャット窓にそんな言葉が踊る。  
 あ、あいかわらず速筆だなぁ……と次元の違うタイプスピードに改めて感心しつつ、浮  
かんだウィンドウに走り書きされた文字を読みとる。  
 文字に乱れはない。すくなくとも文脈状は。意味が伝わるし、タイプミスはない。  
 だが、それを打ち込む謡自身は顔を真っ赤にしている。  
 お、オフロの話題はここで終了しないと……。  
 ――そしてこれ以上、会話が続ける自信がハルユキにはなかった。  
 文章と謡の表情をもう一度交互に見た後、ハルユキは顎を縦に、ぎーこぎーこしながら  
答えた。  
「そ、それなら……僕から入りますね。す、すぐに上がりますから、テレビでも見ていて  
ください……」  
【UI>ここは有田さんの家ですから、気にしなくていいのです。ゆっくり、お湯につか  
ってきてください】  
 よほどお風呂の話題が恥ずかしいのか、謡はうつむき加減に、ちこちこホロキーボード  
をいじります。  
「じゃあ……先にお風呂、いただきます……」  
【UI>はい、ごゆっくりどうぞ】  
 これじゃ、どっちが家主かわからないなあ……。  
 ハルユキは、椅子を引いて風呂場にむかった。  
 何かを覚悟したような顔の謡の表情にハルユキは、最後まで気がつくことができなかった。  
 
――――  
 
 そういえばニコの時にもこんなことがあったようなー。いきなりバスタオル姿であらわ  
れてびっくりしたなー。状況的にはそっくりだなー。  
 などと熱めに設定したお湯に、ぶくぶく沈みながらハルユキは考えている。  
 妹がいたらあんな感じかなぁ……ニコが来たときも、お風呂でこんなことを考えていた  
っけ…。  
 はからずも同じシチュエーションで、同じ様な思考が浮かんだ。  
 ――四埜宮さんを待たせたら悪いし……早く体を洗って、出よう。  
 ざばあー。  
 ハルユキは浴槽の縁を跨ごうとして、片足をバスマットに接地した。ハルユキの体重を  
半分だけ引き受け、バスマットの表面がへこむ。  
 その瞬間、バスルームの扉が開いた。  
「へっ?」  
 片足を浴槽からだした格好のまま、顔を扉へむけたハルユキの前に――  
 リビングでテレビを見ているはずの四埜宮謡が、バスタオル一枚をカラダに巻き付けて  
立っていた。  
「え……へ……え?……し、四埜宮さんっ!?」  
「――!」  
 謡が体を震わせた。普段からくりくりと愛らしく大きな目が、一回り大きく見開かれて  
いる。  
 ハルユキは謡の視線を追った――。視線の先には隠蔽度0パーセントなハルユキのクロ  
ム・ディザスターがある。  
 
 あわあわするハルユキの間で、謡ははっとした表情で、ホロキーボードをタイプした。  
 が――。ハルユキは謡がどんな文章を打っているのかさっぱりわからない。  
 意志がつたわっていないことに、謡はまだ気がついていないようだった。性器から目を  
そらし、なんどもなんども、ホロキーボードに文章をうちこんでいるようだが、ブレイ  
ン・インプラント・チップによって常時アドホック・コネクション接続が可能な謡と違い、  
ニューロリンカー非装着状態のハルユキは、テキストメッセージを受信するすべがない。  
 ニューロリンカーでしかなければ意志疎通ができない事実に、心臓に針をさされるよう  
な痛みが走るが、その痛みのおかげでハルユキの脳味噌は、ローペースながらも回転をは  
じめた。  
「あああああ、あのっ! ちょっと待って――」  
 回転しはじめた思考に理性をたたき込んで、浴槽の縁においていたニューロリンカーへ  
手を伸ばそうとするハルユキ。しかしあわてたハルユキは、床と浴槽の段差に足先をひっ  
かけてしまった。  
 がっつーん。風呂縁にくるぶしあたりがぶつかり、盛大な音が浴室に響く。  
「あ、っと、っとぉ――!?」  
 そのままぐらりと重心を崩したハルユキは、盛大な水しぶきを立てて沈んだ。  
「あぶぶぶぶっ!!」  
 お湯が鼻と目にはいりこんだ。  
 何とか腕を振り回して風呂の底に手をつき、巨鯨よろしく水面から顔を出す。  
 呑み込んでしまった水をげほ、げほと吐き出しつつ、涙目になりながらニューロリン  
カーに手を伸ばした。首筋の水分を拭き取り、ニューロリンカーを装着する――。  
 そして急いで謡のほうへと顔をむけると、至近距離で謡と目があった。その距離は、ハ  
ルユキの予想よりも一メートルは近い。  
「――うわ!」  
 後ろの風呂縁に頭をぶつける勢いでハルユキは後ずさりする。謡が風呂縁へ指をのせて、  
心配そうにハルユキをのぞき込んだ。  
 アドホック・コネクション警告。接続を了承するとチャット欄がポップ。桜色のフォン  
トが、ハルユキの目の前でめまぐるしく更新され、羅列されていく。  
【UI>おおおおお背中、流そうと思いましてっっっっt】  
【UI>あ、あの! その!】  
【UI>けっして驚かそうとしたわけではなくて!】  
【UI>だ、だ、大丈夫ですきや!?】  
 どれもこれも、謡の慌てぶりを象徴していて、ハルユキが転倒したのを親身に心配して  
くれているのがよくわかる。  
 そしてメッセージが指し示す意志は、はっきりと読みとれそうだ。一応、チャット欄を  
もう一度たしかめて、謡の真意をとりちがえないように――。  
 ――え? お、お背中? ええっと背中ってなん……え、背中?  
 文章を飲み込みおえたハルユキは、やっと謡が風呂に出現した理由を理解した。  
 ――えっ! えええー! なんでどうして?  
 ばばっ、と謡に視線をむける。  
 謡は結い上げた黒髪を揺らして、頬に笑みが浮かべた。指がぽちぽち動く。  
【UI>もう、遅いです。有田さんの……そこをみてしまったのです】  
 そして謡はあろう事か、片手で支えていたバスタオルを落とした。  
「――!」  
 まっしろな肌が風呂場の照明にあたってひかりかがやく――ハルユキはあわてて目をつ  
ぶった。  
 瞼の裏には、表示されたままのチャット欄が浮かんでいた。  
 なんでいきなり、こんなことに……。  
 混乱して目をつむるハルユキの頬に、微風があたった。  
 ふにゅっ、と柔らかい感覚をなんとくちびるに感じて驚き目を見開くと――。  
 
 吸い込まれそうな黒瞳と柔らかそうなほっぺた。そしていままで自分の唇とひっつい  
ていた、小さな唇が目の前にあらわれる。先ほど感じた微風は、謡が顔を近づけたときに  
発生したものだと、今更ながら気がついた。  
【UI>もう遅い、です。 有田さんにファーストキスをあげちゃいました】  
「え、えええ――!!」  
 目の前にポップした文章をとらえて、ハルユキはガクプルしつつ、謡の瞳をのぞき込む。  
目には涙の膜がたゆたっていた。  
【UI>ですから、責任とってください、です……。有田さん……】  
 とどめの一言がポップアップした。シンプルな言葉があらわす圧力におされて、ハルユ  
キは浴槽の中で脱力した。  
 
――――  
 
 ――6月だし、今日は暖かいから、風邪はひかないだろうけど……でも、身体を冷やし  
たら大変だし……。だから一緒に湯船もやむなしで……。  
 思考が頭のなかでぐるぐる回る。  
 ハルユキは、全裸の謡をふとももの上にのせていた。現在進行形で密着するお尻のやわ  
らかさに、理性の何割かをがりがり削られる。  
 そのうえ、二の腕あたりまでを湯面に沈ませる謡からは、幼い色気としか表現できない  
何かが萌え出ていた。  
 ハルユキの女性への嗜好はいたってノーマルだったが、水面から浮かび上がる細い肩や  
首筋へ、視線がひきつけられてしまう。  
 謡もまた、所在なげに揺れる水面を見つめている。  
 そのお尻のすわりがわるかったのか、謡がちいさく身じろぎする。  
 んっ……  
 ふに……。  
 お尻がハルユキの太股の上をすべった。男の体には存在しない柔らかさに心臓がはねる。  
「あ、あの……」  
 沈黙にたえきれず、ハルユキは口を開いた。バスルームの壁で声が反響したせいで予想  
外に声が大きくなってしまう。ハルユキ自身がハウリングに驚いていると、謡が肩を小さ  
く小さくふるわせて、おずおずハルユキを見上げた。  
 居住まいをただし、再度たずねる。  
「あの……どうして、こういうことを……その、お礼のつもりでも、さっきのキスは……  
その……」  
 進みすぎじゃないかな――。あれじゃ、まるで恋人同士だよ!  
 なんて言えるわけがなく。中途半端に言葉をとめたハルユキは、硬直する。  
 と――。水面の下で謡の指が上下した。ホロキーボードの位置は、本人が自由にうごか  
せる。旧世代のハードキーボードには不可能な、水中タイプも可能だ。  
【UI>ホウさんのことも、アバターのことも……きちんとお礼がしたい、と思いました  
】  
「おおおおお礼なら十分してもらってますよ。クロム・ディザスターのことも、最後には  
四埜宮さんに浄化してもらったんだし……」  
【UI>でも、それだけじゃ、全部のお礼ができていません。私も……考えた結果なので  
す。それに……】  
 ぴちゃ、と水面に波紋がひろがる。  
 ハルユキの方へとふりむいた謡は、片手で胸元を隠し、もう片方の手でホロキーボード  
をタイプする。いつもよりもタイプスピードが遅い。十分な時間をかけて打たれた文章が  
ウィンドウにうかびあがる。  
【UI>サッちんにもういちど希望をあたえてくれたこと……フーねえに再び立ち上がる  
力をあたえてくれたこと……。私たちをもう一度、再会させてくれたこと……感謝しても  
しきれません】  
 
 つやめいた長いまつげに彩られる目を見開いた謡は、ハルユキと視線を絡ませる。胸  
元を隠していた腕をとき、指先をハルユキの鎖骨のあたりに当てた。  
 そして、次のメッセージが送られてくるまでの時間は、いままでで一番長かった。  
【UI>キスは……有田さんのことを好きになってしまったからです。私は……もしかし  
たら惚れっぽいのかもしれません。有田さんと出会ってから、一週間とすこししか経って  
いないのに。でも、我慢ができませんでした】  
「そ、それはそうだけど……だって時間の流れがちがうわけで……え、でもキスって…  
…」  
 そこで目の前の少女が、実年齢からは想像ができないくらい、成熟した精神をもつ女性  
であることに気がついた。  
 すると、謡に対する認識の変化を敏感に察したクロム・ディザスターがむっくりと充血  
をはじめてしまった。  
 う、うわ……。  
 あわてて持ち上がる性器を隠そうとするも、そもそも謡はハルユキの膝の腕にのってい  
る。ハルユキが手で局部を隠すよりもはやく、むくむくと育ち続けた性器が、謡のおへそ  
のあたりにあたった。  
 ふ、と謡の視線が水面の下に落ちる。そしてお腹にあたったものの正体を知ると……、  
目を見開いた。  
【UI>大きくなっています。有田さんの……そこ】  
「う、うん……ごめんなさい」  
 硬直するハルユキをよそに、謡はハルユキの鎖骨に当てていた手を水面下にしずめてい  
った。  
「え、あ……」  
 反応力を最大の武器とするシルバー・クロウにとって致命的な反応の遅れだった。  
 その隙に状況は進む。  
 謡の片指が器用にタイプを行い、もう片方の五指がふわっと、ハルユキの性器を包む。  
【UI>お湯よりも熱いのです。こんなに硬く、熱くなるものなのですか……?】  
「わ、わわ……ちょっと離れて――!」  
 思わず腰を引いて謡から遠ざかろうとするも、そもそも謡はハルユキの膝に乗っている。  
年相応の身長体重である謡の体も、体をひいたハルユキにひっついて動いてしまう。  
 それどころか――。  
 片手はタイプのために宙を浮き、体はハルユキの脚にのっている。こんな状況でスライ  
ドが発生すれば、体勢が崩れるのも当たり前だった。そしてその状況で、謡がすがれるも  
のは、にぎりしめていたハルユキのクロム・ディザスターのみだった。  
「ぐふううぅ!?」  
 根本から引っこ抜かれそうな衝撃が股間にはしり、ハルユキは浴室で絶叫した――。  
 
――――  
 
【UI>お礼に加えて、お詫びが追加中なのです】  
 ハルユキの太股と太股の間にかしずいた謡が、タイプした。浮かんだメッセージに目を  
はしらせ、ハルユキは頬をひくつかせる。さらに追い込まれた気がしたからだ。  
 根本の痛みはすでになくなっているし、謡が納得するまで終わらないのは予期済みなの  
で、ハルユキはおとなしく(語弊有り)ザ・オフロチェアーに腰掛けている。そしてふた  
たび謡の裸身を目の前にして、ハルユキの性器は絶好調に勃起していた。  
 謡はハルユキ脚と脚の間に正座しつつ、おそるおそる性器へ手をのばした。亀頭の下、  
くびれた部分に親指と人差し指がからみつき、指の輪が上下をはじめる。  
「うっ……四埜宮さん……」  
 まだわずかな刺激であるにもかかわらず、性器から燃え上がるような快感が走る。性器  
にはりついていた水分と謡の指先が干渉して、浴室にぐちゅぐちゅと音を響かせ……。  
【UI>やっぱり熱いです。硬くて……】  
 
 へにゃっ、と眉をよせ、と視線で「これで大丈夫ですか?」聞いてくる謡。  
 ハルユキは是、是、是とうなずく。包まれているだけでも、十分に気持ちいい。しかも  
浅黒い性器に対して謡の指は、雪のように白かった。そのアクセントが視覚的な官能をハ  
ルユキにもたらしてくる。  
 くい……くい……。  
 ハルユキが、しばらく性器にもたらされる快感に酔いしれていると、謡がそろそろと顔  
を近づけてきた。  
「え……」  
 無類の心地よさのせいで反応が遅れ、制止動作をファンブルする。中途半端に延びた手  
は、謡にふれる前に止まった。  
 ぱく……。  
 血色のいい唇が開き、ハルユキの性器の先端を浅く含んだ。  
「う……ああ……」  
 熱くてぬるぬるとしたものが性器を包んでいた。  
 ハルユキが生涯はじめて得る、フェラチオの快感に意識を遠のかせていると、性器に唇  
をはわせた謡がタイプした。  
【UI>どちらにしろ……。有田さんが、だしくれないと終わらないのです……私も初め  
てなので要領を得ていないです。ですから、えっちなお願い受け付け中です】  
 謡はちろ、ちろ、と裏スジをなめあげる。「いやもうそれで十分です」の心地よさだが、  
出すまでやめない、と言われてしまうと少し自信がない。もっと強くして欲しい……が、  
本音だった。  
 亀頭の部分をなめ回しつつ、キーボードを叩かない方の手が、ハルユキの根本から笠の  
下あたりまでを覆い、卑猥な音をさせながら上下する。  
「んちゅ……んっ……んっ……んっ……」  
 謡は時折ちゅぱちゅぱとすったりなめたりしつつ、上目遣いでハルユキの顔色を伺う。  
それはまるで、飼い主の指示をまつ小動物のような仕草だった。  
 ハルユキはええい! ままよ! な気分で、本能から出力される願望を謡へ伝えた。  
「じゃ、じゃあ……その、深く、口で……くわえてください!」  
 ハルユキは叫ぶ。すると謡はこくんとうなずきながら、一度大きく深呼吸して、口を開  
いた。  
 亀頭のみを対象とした刺激が一変、性器の上半分を包み込むような刺激にかわった。  
「う、わあ…………」  
「んんっ……んちゅ……んっ……んっ……」  
【UI>気持ちいいですか? 有田さん】  
 謡は頭を前後に動かしつつ、片手で正確なタイプを行い、ハルユキを見つめてくる。反  
射的に頷く。  
「も、もちろんデス……ぬるぬるしてまるで……」  
【UI>まるで、なんです?】  
「いえ、その……本当にセックスしてるみたい、です……」  
 性器からつたわってくる刺激は、先日ブラッド・レパードに教えてもらった女性器のな  
めらかさとはもちろん違う。が、脳につぎつぎ送られてくる官能には、確かにおぼえがあ  
る。  
【UI>そう思ってもらえるなら、私もうれしい、です】  
 ちゅぱ、とハルユキの男根から口を離した。性器と謡の唇の間に、透明な橋がかかる。  
【UI>残念ながら、私の身体ではまだセックスはできませんし……私ができることで、  
有田さんが喜んでくれるなら、私もうれしいです。拙い奉仕で申し訳ありませんが、精一  
杯やらせせていただきまう】  
 メッセージが打たれた瞬間、謡の顔が風呂場の熱気以外の要素で赤らんだ。タイプミス  
が心情を物語っている。謡は律儀にぽちぽち修正した。  
【UI>残念ながら、私の身体ではまだセックスはできませんし……私ができることで、  
有田さんが喜んでくれるなら、私もうれしいです。拙い奉仕で申し訳ありませんが、精一  
杯やらせせていただきます!】  
 
 最後にエクスグラデーションマークが追加され、よりどぎまぎする羽目になったハルユ  
キは、最後の気合いを振り絞ってお湯でしっとりと濡れた謡の髪をなでてみた。湯気でし  
っとりとした黒髪が指の腹をしゃらしゃら流れる。  
 髪をなで回しつつ、謡の顔を再度みつめる。  
 ちゅぱちゅぱと亀頭をなめあげる謡の表情は真剣そのもので、どこか迫力に満ちていた。  
フェラチオのいやらしさと矛盾する、凛々しい表情に性器が大きく反応する。  
「んちゅ……んんんっ、んっ――」  
 ぼこっ、と謡の口から亀頭が抜け、唇から飛び出した性器は、謡の頬にぴとっ、と当た  
る。謡は少し考える素振りを見せた後、自分を納得させるように頷いた。  
【UI>すこし、失礼します】  
 へ? と浮かんだ文章にハルユキが目をとられた刹那、性器からさきほど以上のなまめ  
かしい刺激が与えられた――。より、包まれる感覚。  
 両手がハルユキの性器をとらえていた。ソレを柔筒がわりに上下させつつ、ふたたびハ  
ルユキの亀頭を口に含む。  
 じゅぷ……。  
「う、うわっ……」  
「ぱくっ、んっ……んちゅ、んっ……んっ……」  
 謡は両手のひらを肉茎に添え、亀頭だけを咥える。ときおり肉茎に唾液をまぶし、指の  
動きをなめらかにする。  
「ど、どこでそういうことを覚えて……あ、ごめんなさい……」  
 謡の両手がふさがっているのを忘れていた。  
 そ、そうか……さっきの「失礼します」ってこれの……両手をつかうってことなんだ…  
…すごい気持ちいい……  
 無類の感動を得ているハルユキをさらにせめたてるべく、謡は指を上下に動かしつづけ  
た。  
 じゅぷ、じゅぷ、じゅぷ――  
「んっ……」  
 小さくうめく謡の吐息すら、ハルユキの耳朶にしみこむ、快感を呼ぶ。  
 加速世界では敬愛すべき、古参のバーストリンカーである少女が、ひざまずいてフェラ  
チオをしてくれている……事実も興奮を呼び起こしていた。  
 そろそろ高ぶりも限界だった。  
「あ、あの……四埜宮。そろそろ離してくだ……」  
 ハルユキの言葉をうけて、上目づかいのまま謡は行為を続けた。  
 ちゅぱ、ちゅぱ……ちゅぷ、ぴゅぷ……。  
 やめるどころか、謡はさらに指の上下を激しくしてきた。肉茎にそえられた指がより強  
く内側におれる。強すぎず、柔すぎず、絶妙なタッチでハルユキをくすぐる。  
「あ……う……、四埜宮さん……」  
 含んだ先端の頭を、謡は舌でくすぐりはじめた。  
「う……あ……ああっ……」  
 セックスを体験済みとはいえ、一方的な奉仕にハルユキは耐えられない。  
「ぐ、ううううぅ!」  
 性器の根本に溜まる射精感をこらえきれず、先端から噴き出してしまった。  
「!!」  
 あまりにも勢いよく発射された飛沫におどろいたのか、謡が首をひいてしまった。  
 唇から性器が飛び出す。幼い口腔でしゃぶられていた性器が、粘性をもつ白濁液を謡へ  
たたきつける。  
「っ!!」  
「わ、わわわ……!」  
 いまさら止められない。ハルユキは最後のひと飛沫まで、謡にぶつけてしまった。  
【UI>ニガイです……】  
 
 謡は精液まみれになった顔をくしゃ、とゆがめた。印象的な黒髪や桜色の唇……柔らか  
な頬にまで白濁液が飛んでいる。  
「ごめんなさい……」  
 ハルユキは謝り倒した。いや、だって口をはなしてくれなかった四埜宮さんも……など  
といいわけがなかったわけではないが、顔を汚し、涙目になった謡に、なにも言うことは  
できなかった。  
 
 
【UI>人に髪の毛を洗ってもらうのは、気持ちいいのです♪】  
 飛び散った精液をハルユキは丹念に謡の顔や髪から洗い流した。  
 ……髪を洗ってあげたとき、四埜宮さんが嬉しそうだったのはなんでだろー。  
 ハルユキは永久に答えが出そうにない問いを抱えつつ、シャンプーが絡んだ髪へシャ  
ワーを当てた。  
 
 ひゃん……。  
 
 身をよじらせる謡から発せられた悲鳴が、二人っきりの浴室に響いた。  
 
――――  
 
【UI>あの、じゃあ……次は、有田さんからしてください……】  
「へ?」  
 謡の背中に泡をぬりたくりながら、さあこれで泡を流せば事態終了――と思っていたハ  
ルユキは、おどろいてスポンジを床におっことした。  
【UI>じゅ・ん・ばん、です……】  
 立ち上がった謡は、浴槽の縁に両手をついて、お尻をハルユキへつきだした。泡にまみ  
れた真っ白な――頬をすりつけたくなるようなお尻がハルユキの目の前にある。背中から  
ながれてきた泡でいろいろ隠れているが、お尻の二つの山の真ん中にちょこんとあらわれ  
ているのは、おそらく後ろのアレだ。  
 さらにその下には、閉じきったスリットがある。  
 ハルユキはあわててソコらから目を離した。  
「な、なんで……お礼してもらいましたよ? さっきのフェラチオ、すごく気持ちよかっ  
たですし」  
【UI>だめなのです。まだしたりません】  
 なにをしたりないのか! ハルユキはチャット欄に刻まれた文字に、スタンする。  
 はっ、と謡が追加のタイプを行った。どうやら一文字入れ忘れてしまったようだ。  
【UI>だめなのです。まだ「お礼」をしたりません。それに男の人は、「スマタ」でも  
気持ちよくなれると、フーねえに聞いたのです】  
「そ、そうですか……もしかしてフェラチオがうまかったのも、師匠が……って師匠おお  
おおおぉぉぉぉ!?」  
【UI>ち、ちなみにフーねえとは……その、もう……】  
「い、いいです! それ以上は言わなくてもおっけぃです!」  
 危うくネガ・ネビュラスの暗部に脚を踏み入れてしまうところだった。肺にいっぱい空  
気を吸いこんで、一息に吐き出した。覚悟をきめてお尻をながめる。  
 指をそろそろのばし、泡をけずってみると、足と足に息づくスリットが、よりあらわに  
なった。  
「入り口、ちゃんとあるんですね……」  
【UI>突然割れたりはしないのです】  
 答えてはくれるものの、顔だけを振り向かせる謡の視線は泳いでいた。  
 四埜宮さんも緊張しているんだよな……。  
 ハルユキは指先でつっ、と秘裂をなぞってみた。  
「んっ――!」  
 謡のお尻が波立った。  
 
 ハルユキの指が、キツく閉ざされていた扉の左右を押し広げる。  
 と、いままで一本の線のようにぴっちりと閉じていた、秘扉から、つぅ――。滴があふ  
れた。ハルユキはゴクン、と唾を飲みほし、さらに謡をうながした。  
「あの、もう少しお尻をあげてください……」  
 恐れ多すぎるお願いすると、謡は浴槽の縁へ上半身を乗せ、つんとお尻が高くあげた。  
ハルユキの視界に、ピンク色のスリットがより大きくフォーカスされた。  
【UI>こ拘泥井出ですか?】  
「――ぷっ」  
 豪快な誤字にハルユキはつい吹き出した。遅れて謡も気がつき、恥ずかしそうにぽちぽ  
ち。  
【UI>これでいいですか? お尻、ちゃんと見えていますか?】  
 今度はファンブルなしでタイプをし終えた謡は、ハルユキを伺うように振り向いた。  
「は、はい……これなら大丈夫……です、たぶん」  
 言いつつ、ハルユキは指先で謡のお尻をなでた。石鹸の泡まみれのお尻を、滑るまま、  
ふにふにもむ。年相応の柔らかく、大理石のようなまっ白い、お尻のさわり心地は最高だ  
った。  
 自分のどこにもない絶妙な弾力をもった臀部を、ハルユキは手のひらすべてで味わう。  
泡のぬめりを受けて、謡のお尻がゆがんだ。  
「ふ……あ……んっ……」  
 謡は子犬のような鳴き声をだしながら、ハルユキのチャット窓にメッセージを送信した。  
【UI>くすぐったいです。そんなにさわられたら、恥ずかしいです】  
「ご、ごめんなさい……でもさわり心地が……四埜宮さん、いつも姿勢がいいから、弾力  
があってさわり心地がいい……」  
【UI>もう……ホントウにはずかしいです!】  
 ハルユキが強めに五指をうめるたび、肌の先の筋肉がぴくん、ぴくんと反応し、ときお  
りうしろのはまりが、内側へきゅきゅっ、と収縮する。そんな光景と手のひらに帰ってく  
る弾力を十分に堪能した後、浅く開かれた両足のつけ根に再度指をはわせた。  
 指先で秘裂をなでると、じわ……。さっき指でふれたよりも潤み、左右に開いた。  
 石鹸のぬめりもあるので、おそらく多少の無茶も、大丈夫だろうと結論づけ、ハルユキ  
は立ち上がった。  
 泡をおしのけ、性器を謡のスリットへすりつける。  
「んっ……」  
 謡が下半身へ視線をおとした。  
【UI>ああ……有田さんのそこが、生えているみたいです。硬くて熱くてずりずりしま  
す】  
「え、ええっと……じゃあ、このまま動きます……でも、そのまえに」  
【UI>え?】  
 そのまま謡の両手首をつかまえた。  
 
 
 な、なにをするんですか、クーさん! はなして! 離してください!  
 
 
 <<加速空間>>でしか聞こえないはずの涼やかな肉声が、脳裏に響いた気がする。  
「あの、その、四埜宮さんにも気持ちよくなってほしくて……こっちに集中してもらいた  
く……その……」  
「……」  
 当たり前だが、無言。それでも謡はこくんっと小さく頷いた。謡は一歩、浴槽にあゆん  
で、胸部を縁にのせる。  
 
 ハルユキはほっとしながら、性器をぐちゅぐちゅとすりつける。  
「っ――!」  
 無言になった謡の股に性器をこすりつけつつ、見た目にもやわらかそうなわき腹をつつ  
いてみる。  
 ――や、柔らかい……。  
 そのままおなかの周りを撫で回す。こちらも、もちもちとした弾力を指に返してきた。  
 指先でも性器でも謡のカラダをあじわっていると、謡がびくん、びくんっと全身を揺ら  
す瞬間があった。ハルユキは首をかしげつつも、検証するように腰を送る。  
 ちょうど、性器の段差がスリットの頂点角を、通過するときに反応が激しくなっている  
ような……?  
 ずる……。  
「んんっ――!」  
 無声音の悲鳴が響いた。  
 あ、そうか……。  
 性器がスリットの上部にかくれる秘芯を刺激してしまったらしい。  
 ああ、そこが気持ちいいんだ、四埜宮さん……。  
 「そこ」に性器の頭をすりつける。  
「ん――! んっ――! んっ、んんっ……!」  
 無音の悲鳴。  
 あわのすべりと、スマタの魅力に夢中になったハルユキは、謡の桃尻に太股を押しつけ  
続けた。水をはりつかせた肌と肌がぶつかりあう。  
 気持ちよくて、もう……。  
 性器があっという間に灼熱する。  
 耐えようとしたが、根本にたまった射精感を我慢できない。ハルユキの意志とは関係な  
く尿道のチューブを、白濁液が走っていく。  
「ぐっ――!」  
 あまりの心地よさにもうろうとしていたハルユキは、射精の瞬間つい性器を引き抜いて  
しまった。  
「う、うわっ!!!」  
 あわてて制御しようと試みたが、性器の頭は謡の――堅く閉ざされた秘裂と接触した。  
その一刹那後、白濁液が吹き上がる。  
「っ――! っ――!!」  
「わ、わあああ、ご、ごめんなさいぃぃぃぃ――!」  
 性器自体は肉扉でとめられたものの、あまりにも勢いよく発射された精液は、わずかに  
開いた謡の膣道へ飛んでいった。  
「っ、んんんっ――!」  
 謡が無言の絶叫をまき散らした。  
 どぷん! どぷん! どぷん!  
「はっ……ぅぅ……んんんんっ!!」  
 ふたたび、謡が背をそらして絶頂する。  
「ん、んん……」  
 しばらくお尻をびくびくさせていた謡が、くたぁ……脱力した。しばらく肩で息をした  
あと、指が気だるげに宙へタイプする。  
【UI>有田さん。お腹の中……すごく、熱いでしゅ……】  
「ご、ごめんなさい……」  
【UI>でも……気持ちよかった、ですか?】  
 体をひねって、聞いてくる謡。  
 ハルユキはもちろんです、と答えてうなずく。答えに安心したのか、謡がへろへろと脚  
から力を抜いて、ひざまずいていく。  
 肩甲骨にかかった髪先から、水滴が流れ落ちていくのを、ハルユキは目で追った。水滴  
は背骨のラインをつたって、白濁液で汚れたお尻へと流れていく……。  
 
――――  
 
「はあ……んっ……んんっ……」  
【UI>有田さんの……くっついています……恥ずかしい……】  
「す、すみません……でもなんだか収まらなくて……」  
【UI>遠慮はいらないのです……ですけど……はずかしい……のは……どうしようも…  
…なく……その……】  
 謡がそっと、ハルユキから顔を背けた。  
 ハルユキと謡はいま正常位で交わっている。といっても、性器を挿入しているわけでは  
なかった。浅いM字開脚になった謡のそこにハルユキがクロム・ディザスターをこすりつ  
けている……。  
「ふあ……んっ……んっ……」  
 謡の小さな指がシーツをきゅっ、と握りしめる。なだらかなおなかをプリンのようにな  
みなみと揺らし、腰をうごかしてくる少女の様子に、ハルユキはなぜか感動してしまった。  
 い、いまなら大丈夫かも……。  
 まだ膨らんでもいない胸を、慎重になでまわしてみる。  
 ハルユキ自身は気がついていなかったが、実はハルユキの指は、女性に快感をあたえる  
のに適した肉の付き方をしている。指の先端はまるで最上級のスポンジのようにやわらか  
く、ふくらんだ指間接は、強弱のアクセントになっている。  
「んっ……んっ……」  
 ハルユキがふにふにと先端をつつくたび、謡の体が揺れ、吐息がこぼれる。指でなぶら  
れた未成熟な乳首が、わずかに充血しはじめて盛り上がる。  
「んんっ……んっ……」  
 幼い乳首を弄びつつ、ハルユキは性器を謡の秘芯に擦り付ける。  
「んっ……んっ」  
 腰を雨後かていると、謡の秘処から生まれる分泌液が性器に絡んでからんで、刷り上げ  
る動きをなだらかにしはじめた。  
 じゅる……、じゅる……。  
「んっ――!んん――!」  
 全身を震わせた謡は、透明な潮をふきだしながら絶頂する。吹き上がった液体は、ハル  
ユキの性器の裏側にひっかかる。  
「んっ、ん…ん……ん……」  
「四埜宮さん……」  
「んっ……んっ……」  
 絶頂の影響か、新雪のように汚れのない肌を真っ赤にした謡が、唇をふるわせる。  
 そのままくたっ、と四肢をベッドのシーツにうずめる。荒い吐息を唇からはこぼして脱  
力する姿は、背徳的な色気に満ちていた。右耳をベッドに押しつけてあらぬ方向を見つめ  
る謡の瞳は、窓のから差し込む光を、ぼんやりと映し出していた。  
「……大丈夫?」  
 ハルユキの問いに、謡はわずかに首肯した。はじめての絶頂に酔っているのが、ハルユ  
キにもわかった。  
 こ、ここは年長者のこっちが我慢して……。などと、今更のように浮かんできた思考を  
実践するべく、謡の艶姿を鑑賞し、大いにそそり立つ性器をなんとか謡から引きはがして、  
自身もベッドに埋まり、あえぐ謡の姿を見つめ続けた。  
   
 しばらくして――。  
 体を横たえたままおずおずと近寄ってきた謡の短躯を、ハルユキはだきしめた。腕のな  
かにある謡から、小動物を抱いた時の安堵感を得たハルユキは、ついうとうとしてしまっ  
た。  
 ニューロリンカーは未だ、ハルユキの首筋に接続され、アドホック・コネクションは接  
続持続中……。  
 
 
――――  
 
 
 小さな呼吸音とあえぎ声、肌と肌をあわせ叩く乾いた音がハルユキの耳朶にしみ入る。  
と、同時に性器の尿道を、何かが行き来する感覚。決して不快なものではない。むしろ。  
心地よさすら感じる  
 ハルユキは瞼を開き、そして全力で見開いた。となりで眠っていたはずの謡が、ハルユ  
キの腰をまたぎ、半勃起した性器にスリットを押し当てていた。  
「し、しししししし!?」  
「んっ……んんっ……」  
 野太い性器の上でアヒル座りする謡の表情は、ふだんの凜とした表情からはほど遠い。  
目元と頬をゆるめ、口を浅く開いて、その隙間から嬌声をこぼしている――。  
 悦の表情をうかべた謡が腰をスライドさせるたび、肩にかかった髪がちろちろと揺れ、  
体重を引き受けた五指がハルユキの腹部へ埋まる。  
 時折、ハルユキの性器をなぞりあげるスリットのピンク色が部屋の光を反射して鮮やか  
に輝き、てらてら濡れかがやく愛液が、性器の根本から先端までをぬらしていく。  
「んっ、んんっ……」  
 くくっ、と唇をかみしめる謡の姿に、年下の少女へ抱いてはいけない種類の感動を抱き  
つつ、彼女の生命線たるタイピングをわすれさせほど、夢中にさせているのは自分だ……。  
そんな事実がハルユキの性器へ、さらに血を通わせる。  
「ひあっ……ああ……」  
 ハルユキを見つめる謡の黒瞳は、時間とともに潤みを増している。謡の絶頂とともにお  
わってしまったため、ハルユキの性器は、オフロでの二回目以降、一度も吐き出していな  
い。  
 謡「から」行われるスマタは、徐々にハルユキを追い込んでいった。  
「んっ……んっ、ぁぁ……ぁぁ――!」  
 明確な言葉にはならずとも、謡の限界が近いのをハルユキは洞察した。おずおずとした  
動きが、より容赦ないものへと変わり、びちゃ、びちゃ……。  
 性器のカリ首に謡の秘芯が当たる。それが引き金になったのか謡の体が大きく揺れた。  
「んんっ――!」  
 矢なりに背をそらし、スリットの入り口をわななかせ、ハルユキの尿道管をくすぐる。  
 その魅惑的な快感に、ハルユキの理性もおれてしまった。  
「四埜宮さん……っ!」  
 謡の腰を――ウエストなどハルユキの半分しかないと思われる薄い腰を――手のひらで  
包んで前後に揺らす。  
「んん――!」  
 くぐもった悲鳴。水音が倍するペースでうち鳴る。  
「んんっ、んんっ、んんんっ!」  
 謡はされるがまま、ハルユキの上であえいだ。ハルユキは謡が気持ちよくなれるように、  
性器の秘芯をこするように位置を微調整する。  
「んんんっ! ――!」  
 包皮をめくりあげたカリ首が、直接謡のクリトリスをすりあげた。  
 とたん、謡は音が鳴りそうなほど目を見開いて無音の悲鳴をあげる。  
「んっ、んんんっ、んんっ!」  
 快感からにげるように首を左右にふる謡は、それでも腰を上下させるのをやめない。  
 スジ裏とクリトリスを互いにすりつけあう。ハルユキは、夢中で謡の腰を揺らしていた。  
 やがて限界がおとずれる。男根の根本に、こらえきれない射精感がたまっている。  
「四埜宮さん――!」  
「――っ!」  
 名前をさけびつつ、ハルユキは謡をみあげた。そこにはいつもの凛々しい謡の姿はない。  
 
 目線を妖しくさまよわせ、薄く開いた唇から激しく吐息をこぼし、頬をとろけさせる、  
なれない快楽に酔う少女の顔が――。  
 美しくもみだらな表情を知覚した瞬間、限界がおとずれた。  
 と――ハルユキはおもわず腰をうかせてしまった。ずるっと謡の体がすべって、ハルユ  
キにたおれかかる。  
 そのせいで謡の秘裂が、ハルユキの噴射口と接触した。  
「し、しま――!」  
 失敗をさとったハルユキは、性器を謡からはなそうとした――。が、ハルユキの意思と  
は無関係に、性器がどくどくと、精液を謡へ注ぎこんでいく。  
「んんっ――!」  
 さきほどと同じく、未熟な膣道にむりやり精液を注ぎこまれた謡が、ハルユキの腕のな  
かで激しく震えた。  
 ハルユキはその後一分半もの時間吹き出し続け、そのさらに一分半後、謡が体から力を  
抜いた。ハルユキの胸を枕代わりに四肢を投げ出す。  
「お、おしり……また汚しちゃいましたね……」  
【UI>またオフロなのです。でも……私、夢中になってしまって……】  
 メッセージはいったんそこでとぎれ、一秒の間をあけた後、追記された。  
【UI>中だしがクセになってしまったら、有田さんのせいです……そのときは、責任と  
ってくださいね】  
「うん……え、ちょ……」  
【UI>♪♪♪】  
 あわてふためくハルユキへ、謡はやさしく微笑んだ。  
 ハルユキはつられて――苦笑混じりに――微笑み謡の体をだきよせた。汗でぬれる小さ  
な体を抱きしめ、はあ、はあ、お互いの吐息をからませつつ、二人は今度こそやすらかな  
眠りへと落ちていった。  
 
 
――――  
 
 
 次の日。朝風呂で汗をながしていたとき、再び盛り上がってしまったハルユキと謡は、  
遅刻のデッドラインぎりぎりでマンションを飛び出した。  
   
 のちに、このことを知ったネガ・ネビュラスのサブリーダーは、笑顔のまま嫉妬にから  
れ、ふたりに愛あるお説教をしたとか、しなかったとか――それはまた別の話。  
 
 

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