「お・に・い・ちゃん?」  
「ニ……ニコ――?」  
 ニコがハルユキの身体の上に、うつ伏せで密着させるようにずいとのしかかってくる。  
 いまにも鼻先がぶつかる距離から少しだけ上体をそらせたニコは、挑発するように自分のTシャツの胸元を引っ張ってみせた。  
 
「――見たい?」  
「な、なにを……」  
「あ・た・し・の・お・っ・ぱ・い」  
 あわてて目をそらすが、シャツの隙間にのぞくなだらかな谷間が一瞬だけ目に入り、その先に隠れた桃色の突起の存在を意識させられてしまった。  
 風呂場で一度だけ見た、一糸まとわぬ裸と、手のひらに包まれた膨らみかけの少女の乳房の記憶――。  
 
 横をむいたまま悶々とするハルユキの耳に、ニコのクスクス笑いが飛んだ。  
 
「もぉ〜、お兄ちゃんてば、あたしの裸みるの初めてじゃないくせに」  
「ニ、ニコこそ……あのときはあんなに怒ったくせ――ひゃふっ!?」  
 耳たぶを舐める感触に思わず女の子のような声をあげてしまう。  
 振り向くと、顔のすぐ右にニコの後頭部があった。うなじに揺れる赤髪とミルク色の甘い香りが鼻腔をくすぐる。嗅覚が、視覚を、触覚を想起する。  
 
 いつか見た白くやわらかい肌が、いまにも抱きしめることのできる位置のこの背中が、チユリや黒雪姫よりもあどけなさを残す、まだ未成熟な女の子のものであることを強烈に意識してしまう。  
 
 触れたい。  
 さわりたい。  
 身体の中心からわきあがる本能、下半身に集まる血流に、ハルユキは必死で抵抗した。  
 
「ニ、ニコ!? ほんとになんのつもりだよ!? からかうのも……」  
「からかうなんてひっどーい。あたしは、大きいおっぱいにまどわされてる目を覚まそうとしてるだけだよ?」  
「だからそれは違……っ――!?」  
「ずるいよね。自分だっておっぱい大きいくせにっ! お兄ちゃんのくせにっ!」  
「痛っ! や、揉むのやめ――千切れ……あっ!?」  
「えっ――?」  
 
 その瞬間、ハルユキのへその下――ズボンの内側で膨らんだ自身の先端に、デニム越しに一瞬、ニコのお尻がかすめるように触れたのを感じた。  
 
「ひゃっ!?」  
 
 直前までマウントポジションでハルユキの両胸を乱暴に揉みしだいていた細い腕がハルユキの身体を、どん、と突き飛ばす。  
 反動で飛びのいたニコは弾けるようにベッド脇まで後ずさり、フローリングの上にぺたりと座り込んでいた。  
 
「あ……わ、わりい……」  
 
「こ、こっちこそ、ごめん……」  
 
 気まずい沈黙がようやく破れ、ハルユキは、自分が最後の一線を越えずにすんだこと、ニコが男性の身体に対して年相応のうぶな反応を見せてくれたことを実感し、ほっとする。  
 しかし、思考がはっきりしてくるとともに、たったいま、ニコの身体が離れる寸前に自分のとった行動を反芻して、血の気がひいた。  
 
(い、いま……僕は、何を――)  
 
 愕然として顔をあげると、こちらを見つめるニコと目があった。ハルユキ同様とまどいの色を浮かべていたニコだが、やがて口をすぼませるとぼそりとつぶやいた。  
 
「なんだよ……ちゃんとあたしでも興奮するんじゃねえか」  
「へっ?」  
「それ」  
「こっ、これはっ――」  
 指差すニコの視線をたどり、自分の股間に張られた立派なテントに気付き、あわてて正座で座り直し、股間の膨らみを隠しつつ弁解する。  
 
「ひっひっひ、照れんな照れんな。ハルユキが巨乳にしか興味がないヘンタイじゃなくてあたしは安心したぜ」  
「いや、普通変態は逆のほうじゃ――ぶわっ!?」  
 突然投げつけられた枕に視界を奪われたと思った次の瞬間には、頭上からシーツが降ってきた。  
 
「わっ! うひゃひゃひゃひゃっ……駄目っ……脇の下はっ……反則っ」  
「ぶわはははっ、全国一千万の貧乳をブジョクした罪、思い知れー」  
 シーツ越しに伸びてくるくすぐりの魔の手に涙を流しつつ、ハルユキは先ほどまでの重苦しい空気が吹き飛んだことに安堵していた。  
 
     *  
 
「はあ、はあ……ニコ、やりすぎ」  
「ふう、ふう……アンタが無駄な抵抗するから……って、あー、もうこんな時間か」  
 二人そろって息切れしながらへたりこんでいたが、思い出したようにニューロリンカーをなにやら操作するとニコがすっくと立ち上がった。  
 
「さてと、ひと運動したし、ちょいと行ってくるわ」  
「へっ? どこへ」  
「もうすぐ領土戦の時間だろ? アンタ含む何人かにはリアルを明かしちまってっけど、《ネガ・ネビュラス》の事情に必要以上に首つっこむつもりはねーよ」  
 
 すっくと立ち上がりドアに向かうニコ。その背中にあわてて呼びかける。  
「い、いや、今回の領土戦は集合しないで各自でダイブの予定だから、大丈夫だよ。だからわざわざ出て行かなくても、その……」  
 先ほどまでニコの態度に戸惑っていたというのに、どうしてこんなに引きとめようとしているのか自分でもわからなかった。だが、ニコの返答はにべもなかった。  
「それだけじゃねえよ」  
 
「そっちが領土戦でドンパチやってる最中に、《プロミ》もレギオンとしてやらなきゃいけねーことがあんだ」  
「それって……?」  
「週末恒例のレギハン――《エネミー狩り》だよ」  
「あ――」  
 
 ハルユキもそれが意味するところを理解した。停滞した現在の加速世界で、高レベルリンカーに至るためのポイントと経験を得る、ほぼ唯一の方法――。  
 
「そういうこった。こいつはサボるわけにはいかねんだ。《黒》との領土戦にうちも参加すべきって意見がねーわけじゃないからな」  
 
 ハルユキにもたやすく想像できる。  
 ニコとパドが日頃から、《赤のレギオン》内の強硬派を抑えるのに相当気を使ってくれているということを。  
 《プロミネンス》の立場からすれば、領土を接していてかつ、主要勢力のなかで唯一停戦協定に参加していない《ネガ・ネビュラス》は本来、《領土戦争》の――中堅リンカーのポイント稼ぎの、格好の相手のはずなのだ。  
 
 高レベルリンカーに届かない苛立ち――それがかつての《親》を破滅に導いたと知っているからこそ――より上への希望を彼らに提示し続ける義務がある。それが《二代目赤の王》の背負う決意なのだろう。  
 すまない、と口にするのは簡単だが、安易な謝罪が《赤の王》の矜持を傷つけると知るハルユキは、別の言葉を口にした。  
 
「ありがとう、ニコ。僕らも《赤のレギオン》の……」  
「あ〜、そういうのは勘弁してくれ。それより、そろそろパドが迎えに来てるはずだし、もう行くぜっ」  
「う、うん……」  
 照れ隠しのように赤らめた頬をぷいとそむけたニコはしかし、直後に思い出したように向きなおった。  
 
「あ――晩めしはあたしも一緒に食うから、先に食わねえで待ってろよ? 絶対だからな? いいか? 絶対だぞ? じゃあなっ!」  
 びしっと指をつきつけられるや扉を閉められ、ややあって廊下を駆ける足音のあとに、玄関の締まる音がした。  
 
「う……うん」  
 ニコの気配が嵐のように去っていった部屋のなかで、ハルユキはつぶやきとともに頷いた。  
 ニコのいない部屋は、いつもよりもずいぶん広く感じた。  
 
     *  
 
「はぁ……」  
 湯船につかりながらハルユキは溜息をついた。  
「結局、言い出せなかったなあ」  
 領土戦はつつがなく終了した。離脱前にレギオンの皆で簡単な反省会が行われたが、ニコのことを皆に告げることはできなかった。  
 
 いまだにハルユキの中でも整理がついていないのだ。  
 3ヶ月とはいえ、ニコが有田家の本当の妹になりそうで、しかも、いけないゲームをインストールしているのを見られてしまったり、あまつさえ押し倒されてあわや一線をこえる寸前だったなどと。  
 
「先輩に知られたら、《断罪》だろな――」  
 ぶるぶるっと首を振る。《断罪》についてレクチャーされたさいの、他の女子への浮気は許さない、という警告が脳裏に響く。  
 ハルユキの心の奥底には、あの、美しく、意地っ張りで、強がりで、けれど本当はとても泣き虫な黒衣の上級生の存在が、どうしようもないほど巣食ってしまっている。それなのに――。  
 
「最低だ――」  
 
 一線を越えずにすんだ。それで済む問題ではなかった。  
(あのとき、僕は――)  
 股間の先にニコのお尻の割れ目がふれたとき、ハルユキの腰は無意識に、感じた重みに股間を打ちつけるように腰を浮かせていた。  
 触れたものが、そういう行為に用いる部位だと感じた瞬間、反射的に下半身が動いていたのだ。  
 ニコの幼い身体を女と意識したことで。  
 ニコの香りに、しぐさに、異性を感じたことで。  
 あの一瞬だけ、ハルユキにとってのニコは飢えたオスのまえに差し出されたメスにすぎなかった。  
(いや、あのときだけじゃない――)  
 飛びのいて座り込んだニコ。  
 あのときのハルユキの視界は、青いデニム地のキュロットの隙間からかすかに覗く白い布地に釘付けになっていた。  
(僕はあの布地をめくって、ニコの身体を貫きたがっている――?)  
 ぶんぶんと首を振る。  
 最初のあのゲームの話題から引きずられているだけだ。  
 そうだ。ニコはあくまでも妹として見なければならない。  
 ハルユキはニコにとってのいいお兄ちゃんでなければならない。  
 きっと、いま感じている劣情も、刺激された性欲をうまく発散しきれていないせいの気の迷いなのだ。  
 そうだ、そうに違いない。  
 
「そうだ。いまここで抜いてすっきりしちゃえば、むらむらすることもなくなるはずじゃないか?」  
 そう考え、硬くなった肉棒を握りしめる。  
 なにか他のオカズを――そう願ったのに、ハルユキ自身を握る手はハルユキの脳内で、赤毛の少女の小さな手におきかわっていた。  
 
 妄想のなかのニコが、ハルユキのコレクションのZ指定ゲームのなかで攻略する妹キャラのようなセリフを口にする。  
 
――ハルユキお兄ちゃん、あたしが出すの手伝ってあげるね?  
 
――うわぁ、お兄ちゃんのここ、ぴくぴくしてる。  
 
――んっ……ちゅぱっ……あは、お兄ちゃんのあそこ、変な味がする。  
 
――お兄ちゃん……。  
 
――……。  
 
 結局、妄想のなかであってもニコを白濁で汚すことに罪悪感をおぼえたハルユキは、最後まで抜くことができず、かえってフラストレーションを抱えたまま風呂を出た。  
 
     *  
 
 風呂あがりでパジャマに着替え終わったところで、玄関の開く音がした。  
 まだ湯気の立つ身体で廊下に出ると、買い物袋を両手にさげたニコが目の前に立っていた。  
「なんだ、先に入っちまったのかよ。せっかく――」  
「い、いやいやいや、一緒に入らないから! それ、色々とまずいから!」  
「ちっ」  
 思考を先回りしてぶんぶんと両手を振って拒絶すると、ニコは美少女らしからぬ舌打ちを小さくもらした。  
 
「な、何で残念そうなのさ……」  
「水くせーなー……ま、いいや。はい、これ奥まで運んでくれ」  
「え? これって、ずいぶん重いけど……何?」  
 渡されたビニール袋をがさがさとのぞくと、中には  
 
「何って……もお、きまってるじゃない」  
 ニコの声色がぶっきらぼうな口調から天使モードに一瞬で切りかわる。  
「晩ごはん、一緒につくるんだよ、お兄ちゃん?」  
 
     *  
 
「おいしいっ!」  
「でしょ?」  
 にこにこと見つめる少女と向き合って食卓を囲む。  
 
 ニコと二人でつくった夕食は、豆腐とひき肉をまぜたハンバーグのきのこソース添えに、ゆでたブロッコリーとニンジンをそえたものに、あつあつのごはんとポテトサラダとコーンスープまでついた大層豪華なものになった。  
 相当食費がかかったのかと思いきや、余った食材は明日以降に回すため、一食あたりに換算するとかなり安いらしい。普段食べている冷凍ピザよりも安上がりと聞いてハルユキは驚いた。  
「施設では基本、食堂のおばさんが作ってくれるんだけど、週に一回だけ、上級生に料理を教わる日があったんだ。施設を出ても最低限のことはできるようにって」  
「へぇっ、どうりで料理がうまいわけだ」  
「ていっても、おばさんたちに比べるとまだまだだけどね。だからこれから毎日練習して、いつでもお嫁さんになれるようにがんばるね。お・に・い・ちゃん♪」  
「――ぶほっ!?」  
 
 ちなみに、前回のお泊り時から知ってはいたが、ニコの料理の腕はかなりのものだった。  
 包丁仕事はすべてニコが担当したため、ハルユキはハンバーグをこねたりお米をといだりゆでたジャガイモをつぶしてまぜたりと、おもに力仕事を担当した。  
 慣れない作業にハンバーグの1つは割れてしまったが、お互いの皿に箸をのばして出来のいいものと半分ずつ交換しながら食べた。  
 見かけは不恰好だが、自分がつくったというだけでこんなに……。  
 
「ね、美味しいでしょ? あたしもうれしいんだ。自分でつくったものを、一緒に食べてくれる人がいるって」  
「うん、わかるよ」  
 そういえば、先輩とニコと3人でお泊りしたときの夕食もハンバーグだったな、と思い出す。前回は女性陣二人が台所を占領してハルユキはほとんど手が出せなかったが、こうして自分も大いに関与した今回はよくわかることがある。  
 それは、食べる人の顔を思い浮かべて作る料理は、とても美味しいということ。それも、その相手と一緒に食べるときには。  
 そう、いま思い返すと……。  
 
「あのとき先輩が焦がしちゃったハンバーグも、おいしかったなあ――痛っ!?」  
 気がつくとハルユキの左手の甲に、ニコの握るフォークが突き刺さっていた。  
「な、なにするんだよニコ。あぶないじゃないか」  
「うるさい。ばーか。えっち。死ね!」  
 言い捨てるとぷいと立ち上がり、どたばたとニコに与えられた母親の寝室へと走り去ってしまった。  
 
     *  
 
 結局、拗ねたニコがそのままお風呂に入ってしまったので、ハルユキは一人で夕食の後片付けをし、部屋にもどった。  
 
「なんだよ、もう……」  
 つまり、あのとき先輩とニコが作ってくれたハンバーグに二人の心が込められていたように、今日の夕食にはニコとハルユキ、二人の心がこもっている。そのことをニコに伝えたかったのだ。  
 兄妹として過ごす最初の夜で、共同作業の喜びを二人で分かち合いたかったハルユキは、宙に浮いて届かなかった言葉に、もやもやしたものを感じる。  
 もちろん、ハルユキも馬鹿ではない。いくら鈍いといっても、ニコが怒った原因は見当がつく。それでも――  
 
「仕方ないじゃないか。一緒に暮らすのに、そんなふうに見れるわけ――ないよ」  
 
 大体、一緒に暮らすのに、いちいちお互いを異性として意識していては身がもたない。あくまで兄と妹という関係性をたもったほうが望ましいはずなのだ。  
 それなのに、どうしてニコはあそこまでハルユキにアタックしてくるのだろうか。  
 
「どうして、ニコは――」  
「あたしがどうしたの、お兄ちゃん?」  
 
(――!?)  
 
 顔をあげると、目のまえに湯上りでタオルを身体と頭に巻いたニコが立っていた。シャンプーとボディソープの香りが湯気にのってふわりと漂ってくる。  
 
「はいっ♪」  
「ぶっ!?」  
 
 目のまえでニコがバスタオルを広げる。パンツは履いているとはいえ、ニコの細い身体と白い肌、その上に浮かぶ二つの膨らみと突起までをしっかりと見てしまった。  
 
「わーい、お兄ちゃんのえっちー」  
 
 あたかも満足したかのように、バスタオルをなびかせてどたどたと走り去っていく。何かをいおうとしたハルユキはしかし、その無邪気さにすっかり毒気を抜かれてベッドに腰掛けなおした。  
 
 今回みたニコの裸には、いやらしさは感じなかった。  
 
 それは昼間のときとは違い、ニコの行動が異性としてというより兄と妹としてのスキンシップの範疇に収まるものだと感じたからだろう。  
 
 自分は思ったよりうまくやっている。このまま――  
 
「ただいまっ」  
「――っ!!」  
 
 ニコがパジャマに着替えて再びもどってきていた。  
 それだけなのにハルユキは動揺していた。  
 
 やや大きめのサイズのシンプルなパジャマはニコによく似合っていた。  
 いや、大事なのはそのことではなく、体型を覆い隠すこのパジャマ姿の向こうに、先ほど垣間見たニコの裸体を想像してしまうことだった。  
 
 この薄黄色のパジャマの向こうに、あの、細い腰が、柔らかい二の腕が、なだらかで控え目な胸が埋まっているということを。  
 いや、このパジャマの下の裏側にも、あのとき触れた尻肉が、あのとき見た白い布地が、その奥の秘密のつぼみが隠れているということを。  
 見えないがために逆に、それらがあざやかに想像できてしまうのだ。  
 
 こうなると想像力は歯止めがきかない。  
 昼間の押し倒された光景、浴室での妄想、すべてが渾然一体となり下半身に流れ込む。  
 ハルユキはあわてて毛布をつかんで自分の腰にかぶせた。  
 
「え? なあ、いまの……」  
「し、知らない。何もみてない。聞こえない」  
「なんか、パジャマの下が……」  
「気のせい。あ、僕、トイレに……」  
 一旦抜けばらくになれる。とはいえニコのまえで抜くわけにもいかないハルユキは緊急の措置を行う場所を求めたが、立ち上がろうとした左手の袖をぐいと引っ張られた。  
 
「は、放して。僕、急いでトイレに行きたいから」  
「トイレで、何するんだよ」  
「それはもちろんおしっ……」  
「うそつきっ」  
「つっ……」  
 
 え? なにこれ? ちょっとオナニーしてくるねっていわないといけないの? 兄妹ってそういうものなの? なにこの羞恥プレイ?  
 そんなハルユキの葛藤を知ってか知らずか、あたかもハルユキの逡巡が伝染したかのようなニコは袖を放さないまま、もじもじとハルユキに対して上目遣いに切り出した。  
 
「あ、あのよ……男はその、そういうの……処理しないと苦しいんだろ?」  
「あ、うん……まあ、そう、だけど……」  
「だからその……手伝おうか――ってか、て、手伝ってやるよ」  
「…………はい?」  
「い、いいから遠慮するなっていってんだよ!」  
「なにいって――うわあっ!?」  
 
 意味がわからず固まったところをニコにベッドへと押したおされ、ハルユキは、パジャマの下をトランクスごと下ろされ、屹立したモノをニコの眼前に晒すこととなった。  
 先ほどの風呂場での妄想が現実化したような状況にハルユキはただ唖然としていた。  
 
 
   TO BE CONTINUED..  
 

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