海星にNCT研究所を奪われ、深海1200メートルにのスフィアラボに拠点を移したADEM。  
2週間ほど前にフリーダムから最重要遺産である峰島由宇を救出し、彼女が目覚めるまで対策を練っていた。  
3日前に目を覚ました由宇は、どこか心ここにあらずといった様子で、闘真が見舞いに来てもたいした会話もせず面会時間が過ぎていった。  
 
そんな時、由宇がぽつりと話し始めた。  
「……夢を見る」  
「夢…?」  
由宇はベッドに横たわったままで、視線は天井へ向けられている。  
「海星に、囚われているときの夢だ」  
フリーダムに拘束されていた、30時間以上の孤独。  
それは10年間地下にいた孤独より何倍も辛く苦しいものだった。  
「君が来るまでの間、色々されたんだぞ」  
由宇が笑う。  
「……ごめん」  
「謝らなくていい…こんなことを言うからか、すまない」  
「由宇…」  
 
「もう…一人は…」  
「闘真君、そろそろ面会の終了時刻だ」  
由宇が言いかけた瞬間、岸田博士の声がスピーカーから流れた。  
「あ、…はい」  
闘真は名残惜しそうな顔をして席を立ち、由宇に微笑みかける。  
「じゃあ、また次の面会時間になったら…くるから」  
くるりと背を向けて去ろうとする少年の服を、少女の小さな手が掴んだ。  
服のすそを引っ張られる感覚。  
「………」  
振り返ると、由宇がうつむいたまま闘真の服のすそをほんの少しつかんでいた。  
「…どうしたの?由宇?」  
「………」  
由宇は答えない。しかし裾をつかんでいる手がわずかに震えている気がした。  
「由宇?」  
闘真は由宇の顔を覗き込む。  
「………くな」  
「?」  
「行かないでくれ…」  
消え入りそうな声が由宇の唇から漏れる。  
「もう…もう一人は嫌だ。どこにも行くな。ここに居てくれ…」  
「…由宇……」  
闘真はベッドから半身を起こしただけの由宇の体を引き寄せて、優しく抱いた。  
「僕はどこにも行かないよ。由宇のそばに居る。ずっと、これからも」  
「……闘真…」  
抱きしめられた体から闘真のぬくもりが伝わってきて、そのぬくもりが徐々に由宇に安らぎを与える。  
わずかに震えていた体も、いつの間にか治まっていた。  
 
どれくらいそうしていただろう。胸の中にいる由宇は動かない。  
「由宇?」  
少し不安になり、闘真は体を離し、由宇の顔を覗き込んだ。  
由宇は何も答えず、伏目がちでいたが、その顔は闘真でもわかるほどに耳まで真っ赤だ。  
闘真は由宇の頬に手をやる。指先から伝わる少女の体温はとても熱い。  
由宇も闘真の手に頬を摺り寄せ、目を閉じ、熱を奪ってもらおうとしていた。  
ふいに開いた由宇の瞳と、闘真の目が合う。  
頬を少し赤らめ、潤んだ瞳をした由宇は、普段の意志の強い表情をした彼女とは違い、いつも以上の美しさと妖艶さを出していた。  
少女がこんな表情を見せるのは自分の前だけであろうーーー。  
そう思いながら、薄く開いた少女の桜色の唇に、自分の唇を重ねていた。  
 
「−−!」  
ただ重ね合わせただけのキス。それだけでも由宇はピクンと体を強張らせた。  
「………っふ…!」  
それでも大きな抵抗はしない由宇に気を良くしたのか、闘真が由宇の唇をついばむようにしてきた。  
しかし急なことで息が続かないのか、由宇が苦しそうに闘真の胸を押してきた。  
「ん……はぁ…」  
口を開放され、上気した顔で少女は酸素を補給する。  
抱きしめた小さな体はとても熱い。まだ体調が完全でないのもあるかもしれない。  
でもそれだけではないはずだ。  
闘真はさっきのキスでは飽きないのか、まだ呼吸の乱れた由宇の頬や耳にキスをする。  
「…闘真…」  
「…ん?」  
「も…もう一回…」  
甘い、愛しい声が願う。  
「ん。何度でもいいよ」  
「はぅ……んんっ…」  
今度は由宇から闘真の唇に自分の唇を重ねてきた。しかもおずおずとではあるが、自分の唇を割り、舌も絡ませようとしている。  
「ちゅ…んむ……」  
闘真もそれに答え、自分の舌を由宇の口内に侵入させる。歯の羅列をなぞり、少し引っ込んだ由宇の舌も絡ませていく。  
「んふ…ふぁ………ぁむ」  
「ちゅぱっ……くちゅ…」  
開いた口の隙間から二人の声が漏れる。口の中に納まりきらない唾液も口の端からこぼれる。  
そんなことにもお構いなしに、二人は互いの口腔内を味わっていた。  
 
闘真は薄く目を開ける。そこには今までに無いくらいに近く、由宇の顔があった。  
頬はわずかに上気し桜色が混じり、閉じられた瞼は長い睫がかすかに震えている。  
いままで由宇の顔が近くに来たことは何度かあったが、いずれも闘真が先に身を引き、由宇から距離をとっていた。  
だが今は、こんなにも近くに由宇を感じられる…。  
そう思うと幸福感が闘真を包み、さらに近くに感じようと、由宇を体ごと自分の中に引き寄せた。  
 
長い長いキスが終わる。  
お互いに離した唇からは、名残惜しむかのように光の筋がつ…と伸び、ふつりと切れた。  
「ん…あふ…」  
顎に伝った唾液の筋を闘真が舐めとる。舐め終わると今度は由宇が闘真を舐める。  
「はぁ……」  
舐め終わった由宇はまだどこか物足りなさそうな顔をしている。  
ふと視線を上げた由宇の目に、闘真の首筋が映った。  
どこで戦ったときの傷だろう…。ふさがってはいるが、一生消えないものと一目でわかる傷痕があった。  
闘真と出会ってからの3ヶ月、幾度となく死線をくぐってきた。この服の下には、数え切れないほどの傷痕がある。  
中には、自分をかばって受けた傷も少なくない。  
自身が傷ついても、腕の中にいる由宇が無事だとわかるとほっとした表情になる。  
痛いはずなのに、嘘をついてまで「大丈夫」といって自分を守ろうとする。  
どうしようもなく馬鹿で、無計画な脳みそを持った男。  
けれどその馬鹿な男が、いまはどうしようもなく愛しい。  
その傷痕さえもーーー。  
 
「んっ……!」  
「ゆ…由宇?」  
由宇は闘真の首筋に唇を寄せた。そして消えない傷痕を癒すかのように、やさしく舐め始めた。  
「っ……!」  
闘真の背筋にゾクゾクとした感覚が走る。  
時々由宇がちゅっちゅっと舐めるだけでなく吸ってくる。吸ったタイミングにあわせて自分の体も反応してしまう。  
「くぅ……!」  
「あっ…」  
たまらなく、闘真は由宇をベッドに押し倒した。スプリングはあまり利いていないが、それでいて感触はやわらかいベッドがギシ…と軋む。  
「………」  
見下ろした闘真と、見上げる由宇の視線がぶつかる。  
「由宇……」  
吸い込まれるように、闘真は三度由宇と唇を重ねた。  
「んぅ……は…とぉま…」  
由宇も闘真の名前を呼び、肩に腕を回して、深く口を合わせようとする。  
このまま先に進んでも大丈夫だろうかーー。  
それでなくても由宇の体調は完全に回復していない。このまま進んでしまっては彼女の身体に負担をかけてしまう。  
しかし由宇が離してくれない。  
それにここで止めてしまっては、お互いに上がった熱をどう治めればいいのか。  
考えながらも、闘真の手は本能のままに由宇の胸へと伸びていった。  
 
「ふぅ…!」  
初めて触れた由宇の胸は、驚くほどに柔らかかった。同時に由宇も声が漏れる。  
以前から「女性的」の象徴として、同年代の平均よりは十分に育っていると自慢していたが、実際に触ってみるとその大きさも実感できた。  
胸の感触と同時に、由宇の心臓の鼓動も感じられる。すごく速い。  
由宇から唇は離さず、触れていただけの手に力を込める。  
マシュマロかスポンジでも触っているみたいに、由宇の胸は簡単に形を変えた。  
「あぅ…ふぁっ……!」  
声が漏れる。さっきよりも少し大きい。  
ーーもしかして、感じてる?  
闘真自身、他の女性との経験がないため良くわかっていないが、それでも由宇の感度が良いのは何となく解った。  
ここで闘真は気づいた。由宇はブラジャーをつけていない。  
さすがに半月も意識を失っていたわけだし、苦しくないようにとの配慮なのだろうか。  
おそるおそる、由宇の胸の先端に指を持っていった。  
コリコリとした感触。やはり由宇は感じている。すこしその先端をつまんでみると、  
「あうぅ…!やぁっ……!」  
闘真から唇を離し、今まで出したことのない甘い声をあげた。  
由宇も自分の出した声に驚いたのか、はっと口を押さえ、真っ赤な顔で睨むように闘真を見る。  
いつもは恐い由宇の睨みも、今はちっとも恐くない。むしろ可愛いと思う。  
「……感じてる?」  
由宇の耳元でささやく。由宇が答えなくても分かりきっている質問。いわばちょっとした意地悪だ。  
しかし由宇は首をぶんぶんと振って否定した。  
「そ…そんなんじゃないぞ!そんなんじゃ…!」  
口を押さえたままモゴモゴと必死に喋る。だが息は上がったままだ。  
正直じゃない由宇がおかしくて、闘真は声を殺して笑った。  
「嘘ばっかり」  
「嘘なんかじゃ…ひゃぅ!」  
闘真が由宇の耳を舐めてきた。舌を耳の中にいれ、くちゃくちゃとした音が大きく聞こえる。  
さらに胸をつかんだままの手に力をいれ、今まで以上に愛撫する。  
「ぁぅ……はっ…んんんん!」  
由宇の身体はビクビクと震える。くたりと身体が崩れた。  
…そうか、由宇はこんな風に身体をやさしく触ってもらったことが無いんだ。自分自身を傷つける傾向もあるって風間がいっていた。  
由宇の過去は誰よりも残酷で孤独だった。人に愛されることも無く、人を愛することもない、たった一人であの地下に10年間もいたんだ。  
なら、これからは自分が、彼女を愛そう。  
世界が彼女の敵になっても、僕だけは彼女の味方でいる。  
そう誓おう。  
 
まだ焦点の合わない目でぼうっとしている由宇の胸元に手を伸ばし、着ているシャツのボタンを外していく。  
ぷちんぷちんとした手ごたえとともに、由宇の白い胸元が露わになる。  
シャツをずらし、17歳とは思えない大きく美しい胸が闘真の目に映った。  
ごくりと喉がなる。  
そんな闘真の緊張が伝わったのか、由宇は自分が何をされているのか気づいたらしい。  
「あ…あぁ……み、見るな…」  
服を前に持ってくれば良いのに、由宇は身体をくねらせて闘真に背を向けようとする。  
後ろを向いたときに長い髪から見え隠れする、うなじに口を寄せる。  
「はぅ…!」  
うなじも感じやすいのか、身をのけぞらせて必死に声を殺そうとする。  
シャツを少しずらし、背骨の辺りから肩にかけてまで唇を当て、吸ったり舐めたりする。  
「んっ…んんんぅっ!」  
今度はベッドに顔をうずめだした。由宇は自分の声を抑えるのに必死のようだ。  
「由宇、こっち向いて。由宇を見せて」  
「んん……ふぁっ…」  
左腕を由宇のお腹のほうに回し、右腕は由宇の口元にもって行き、指を由宇の口の中に入れた。  
首筋の辺りを舐めるのは忘れない。  
「由宇の声も聞きたい。聞かせて?」  
「は……あぁっ…くちゅ…ふぁっ!」  
指で出来るだけ由宇の口を開かせる。そこから吐き出される息はとても熱い。  
「あっ…あぁぁあん!」  
もう観念したのか闘真の指に抵抗することなく口を開け、声を上げる。  
もう大丈夫かと指を引こうとすると、今度は由宇が離そうとしなかった。  
「…っん…ちゅっ……ちゅぷ」  
闘真の指を口に含み、赤ん坊が自分の指をしゃぶるように舐めあげる。  
由宇の口の中で舌が踊り、闘真の指を擦った。  
由宇は普段とても大人びているのに、時々こういったとても子供のような一面を見せる。  
それは闘真の前で見せることがとても多い。  
嬉しく思いながら、しばらく由宇が満足するまで、舌の感触を味わった。  
 
ようやく由宇の口から指が開放される。  
闘真はお腹の下にくぐらせたままの左腕を引き戻し、由宇をこちらに向くように転がせた。  
「…あぅ…」  
「好きだよ、由宇」  
ちゅっと軽くキスをし、右手を由宇の左手と重ね合わせ、指を絡ませる。  
空いた左手は由宇の胸へと伸ばす。直に触れた由宇の肌は、少し汗をかいたのかしっとりとしていて、手のひらに吸い付く。  
壊れ物を扱うように、やさしく、ゆっくりともみしだいた。  
その間にも、由宇の首や鎖骨にキスをする。頭を徐々に下ろし、目の前に由宇の胸が映る。  
桜色の突起を口に含む。舌を動かし、くにくにと動かしてみる。  
甘い甘い味が口内に広がった。  
「−−−っ!!ふ…あぁぁあ!」  
由宇が少し暴れる。強引だが力づくで押さえつけた。  
「はふ…!あっ…あぁ……んんんぅ」  
「……ちゅっ…んむ…」  
「…はっ…闘真…!とぉまぁ…」  
由宇は空いていた右手で闘真の頭をつかむ。引き剥がされるのかと思ったが、どうやら逆で、押し付けるようにぐいぐい押してくる。  
そのせいで、ちょっと苦しくなってくる。  
「ん…ぷは…」  
由宇の味を十分に味わい、口を離す。  
先端が自分の唾液のおかげで濡れて、いやらしく光っていた。  
「…由宇?」  
「あ…ぅ…とぉま……」  
闘真の首に手を伸ばし、うわごとのように言葉を紡ぎだした。  
「わたしも…君がすきだ……とうま…」  
顔が見えないので確かめることが出来ないのだが、わずかに泣き声が混じっている。  
「…っ好きだ…と…ま……」  
「うん、僕も好き。由宇が好き」  
由宇の髪の中に顔をうずめ、綺麗なその髪の匂いを胸いっぱいにかいだ。  
 
片腕で由宇を支え、もう片方を下に伸ばし、由宇のズボンを脱がしていく。  
パジャマのような服だったので、伸び縮みするようにゴムが入っていた。  
由宇が自分から腰を浮かして脱がしやすくしてくれたので、あっさりと下着一枚になる。  
といっても、上はまだシャツを羽織っている状態だ。でも、そちらのほうがなんだかいやらしい。  
対して闘真は一枚も脱いでいない。犯しているような感覚が、より興奮させた。  
由宇の穿いていた下着は、特に柄も付いていない、レースのようなフワフワしたものも付いていない、ただ真っ白の下着だった。  
色気もそっけもない、ただ着用する、という目的のために作られたようなそれは、しかし由宇の身体に良く映えた。  
だが、今はその中心の部分がわずかに色濃く変色していた。  
闘真の指がそこへ伸びる、由宇が息を飲む気配がした。  
ぬるりとしたものが指へ伝わる。  
「−っ!ふっ!ふぅぅー!」  
「…濡れてるね」  
由宇が恥ずかしげに両手で顔を隠す。しかも結構強い力で足を閉じようとする。  
手に挟みつく太ももの感触も気持ちよかったけど、これでは少しやりにくい。  
闘真は由宇の下着に手をかけると、一気に下へ下ろした。  
「あっ…!!」  
由宇も突然のことで闘真の手を止めるのに間に合わなかった。普段の彼女なら造作も無いことなのに。  
いまの由宇は峰島の遺産でも天才でもない、ただの17歳の女の子だ。  
むわっとした空気とともに由宇の大事なところが外気にさらされる。  
さらに由宇の片足を掴んで無理やり開かせ、足の間に身体を割り込ませた。これでもう足を閉じることは出来ない。  
「あ…あぁ、やぁ…は…かしぃ…」  
「恥ずかしくなんかないよ。もっと良く見せて、由宇のここ」  
手を伸ばし、由宇の一番大事なところに直に触れる。  
……くちゅ…  
粘ついた音が響く。ーー熱い。  
「…っ…!」  
同時に由宇の身体も浮いた。  
にちゃにちゃとわざといやらしい音をたてて擦る。指にどんどん由宇の蜜が絡んでくる。  
「はぁ……ぃやだ…こんな音…」  
聴覚だけで銃弾をかわせる彼女には刺激が強すぎるのだろうか、由宇は耳を塞いで音を聞かないようにしている。  
「なんで?由宇の出してる音だよ?」  
「はっ……、貴様……んんっ…性格悪いぞ…」  
「…そうかもね。前、僕のこと破廉恥とかよく言ってたよね。それだと、今の由宇は凄くやらしいよ。ココ、こんなに濡らしちゃってるし」  
「そ…それは貴様が…!」  
「違うよ。由宇がやらしいから、こんなことしたくなっちゃうんだもん」  
十分に蜜が絡んだ指を、女性の一番敏感な部分に塗りつける。  
「…っふあぁ!あぁぁあっ……!」  
それだけで由宇は大きな声を上げてビクビクと身体が痙攣した。  
 
ーーあぁ、可愛い。  
こんなにも君が好きだから、もっと意地悪したくなってしまうではないか。  
 
敏感な真珠を親指でいじりながら、中指を蜜壷に入れた。すこし乱暴めに。  
空いていた左手は、いまだ耳を塞いでいる由宇の両手を掴み、頭上へ無理やり持っていく。  
「な…っ!と、闘真!…は…あぁぁあああ!」」  
これで由宇は手で口も耳も塞げない。普段の由宇なら一秒でこんな体勢から脱け出せるはずなのに、蜜壷に入れた指が彼女の思考を奪っていた。  
指はまだ一本しか入れていないが、物凄い締め付けだ。それに熱い。  
膣内の上のほうを執拗に擦りながら、あふれた蜜を真珠に丁寧に塗りつけていく。  
「ひぁっ……あぁあ…はっ……やあぁ…!」  
「由宇…」  
彼女を呼んだ声は聞こえているだろうか。そんなこと今はどうでも良い。  
膣内に入れた指をもう一本増やす。締め付けをほぐすように口を広げさせる。  
…ぐちゃ…にちゅっ…  
どんどんいやらしい音は大きくなる。  
「あふっ……あっ、ひぁあっ……んんんん!」  
「由宇?」  
「あ……っやぁ!とぉまっ……あ…あああぁぁぁああ!!」  
一瞬由宇と目が合った。だがすぐに由宇は目を瞑ってしまった。  
膣がギュウゥと指を締め付ける。  
「……ぁ……あ…あぁ……」  
由宇は達したのか、放心状態だ。口は薄く開きっぱなしで、涎が垂れても気づいた様子はない。  
押し付けていた由宇の両腕も開放する。しかし力が入らないのか両腕はそのまま、万歳の状態だ。  
痙攣を続けている膣から指を引き抜く。とろとろと濃厚な蜜が絶え間なく流れ、ベッドのシーツを汚した。  
蜜の絡みついた指を舐めた。汗も混じっていたのか、少ししょっぱい味が広がる。  
…由宇の、味。  
 
…そろそろ限界だ  
闘真はベルトを外し、怒張した己を取り出した。  
「あ……」  
由宇は闘真の中心を惚けたように見つめる。  
そこは過去に1度見たことがある。だがこんなにも大きくなかった。  
雄の昂りを見るのは初めてではないが、経験は無い。これからされることを想像し、身体が緊張する。  
「由宇…」  
体を倒し、由宇に覆いかぶさる。パンパンに張り詰めた己を由宇の中心に持っていった。  
蜜を潤滑油にさせる為、何度か入り口の前で前後させる。  
「んっ…んぅ…」  
由宇はそれだけでも可愛い反応を見せる。  
「入れるよ…?」  
「……ん…」  
腰に力を入れる。ヌヌ…と狭い入り口を広げていった。  
「あ……ぁ…うぁあ…」  
やはり最初は痛いのか、苦しそうな声を上げる。……大丈夫だろうか?  
「由宇?大丈夫?やっぱりやめる?」  
「んんんぅ…!」  
由宇は首を振る。すると大きく深呼吸をして、自分から腰を進めてきた。  
「…ひ…ぅ……ぐぅ…」  
ミチミチと由宇の中を闘真が貫いていく。途中まで行ったところで突然ズプ…と根元まで収まってしまった。  
「っ!!………あ……かはっ…!」  
「…っくぅ…」  
もう声も出ないのか、由宇は喉元をそらし、息も絶え絶えになっている。  
しかし闘真も余裕が無い。身体も小さい由宇の膣内はとても狭く、中に入った異物を押し出そうとぎゅうぎゅうと締め付けてくる。  
気を抜けば、すぐにでも快感にさらわれてしまう。  
「はぁっ…あ……とうま…」  
「ゆうっ…動くっ」  
「あっ…あぁっ!」  
由宇の中に収まっている己をゆっくり抜き、再び貫く。それはだんだんとリズミカルになっていき、由宇の声にも艶が混じってくる。  
 
ズッ……グチュ…ズチュッ  
「あっ……はっ…ふぅぅ……ひっ!…んあっあぁん!」  
「は…由宇…」  
 
聞こえるのは、二人の熱い息遣いと粘ついた音。  
二人とも限界が近いーー。  
「はぁっ、と…闘真っ…わたし……何か変だっ…!」  
「っ由宇…」  
「ふあぁっ!だめっ…駄目だ…!あっ!このままじゃ…わたしっ…!」  
「…由宇……由宇っ…!」  
「あああぁあ!もう駄目!おかし……っぅあ!あ…ひっ!」  
突然由宇が両足で闘真の身体を物凄い力ではさんだ。同時に膣内も締め付けられる。  
「とうま…ぁっ!あああ!…ぃああぁぁぁああ!」  
「…っ!あ……くぅっ…!!」  
ドクッ……ドクッ…  
不覚だった。中に出すつもりなどなかったのに、由宇に押さえつけられて抜くことが出来なかった。  
由宇の一番奥に、闘真の熱い分身が叩き込まれる。  
「ん……は…ぁ……あ…つい…」  
「は…ごめん由宇……中に出すつもりは…なかったんだけど……」  
息を切らしながら由宇に謝る。しかし由宇は怒るでもなく殴るでもなく、やさしく闘真を抱きしめた。  
「はぁ……、君なら…かまわない…」  
「……由宇…」  
 
すっかり衰えた己を由宇から引き抜く。  
コポ…と由宇の体内に収まりきらなかった分身が逆流してくる。自分でもあきれてくる量だ。  
純潔の証の血が混じっているのか、すこしピンク色に近い。  
もうこれ以上シーツを汚さないように、あわてて近くにあったタオルを掴み、由宇のソコを拭いていく。  
綺麗にぬぐい終わると、物凄い脱力感が全身を襲った。  
「ふぅ……」  
とさり、と由宇に覆いかぶさる。  
「…………」  
由宇はすっかり眠ってしまっていた。初めてだし、体調も万全でないから疲れるのは当たり前か…。  
「ん……」  
闘真も由宇をやさしく抱きしめながら眠りについた。  
 
どれだけ時間が経過したのだろう。光も届かない深海に沈んでいるスフィアラボでは人口の光しかない。  
今が夜なのか昼なのか、時計を見ないと解らない環境だった。  
「……起きたか?」  
由宇の声がする。彼女は先に起きていたようだった。  
「…起きてたんだ。ごめん、僕だけ寝てた」  
「私もさっき目が覚めたばかりだ…。30分らい眠っていたか」  
「…シャワー、浴びる?汗かいたでしょ」  
「ん……そうする」  
由宇はのろのろと身体を起こす。そういえばまだシャツを羽織った状態のままだった。  
ベッドから降りたところで、顔だけ闘真のほうに向けた。  
「……いっしょに浴びるか?」  
突然の由宇の誘いに少し驚いた。だがすぐに笑いがこみ上げてくる。  
「……なにが可笑しい?」  
声に少し不機嫌な色が混じった。闘真は笑いをかみ殺す。  
「なんでもない。…うん、一緒に入ろっか」  
 
由宇のいた部屋には小さいながらも浴室がある。  
シャワーや浴槽、最低限の設備はしっかりと整っている。湯船には良い温度でお湯が張っていた。  
全自動で定期的に浄化し、常に最適な温度でお湯を沸かしてくれるんだそうだ。  
シャワーで汗を流し、二人で湯船につかる。由宇を後ろから抱きしめたかたちで肩まで入った。  
「……ふぅ…」  
由宇が小さくため息をつく。  
「疲れた?」  
「…疲れていないわけが無いだろう。あ…、あれだけ…激しく…されれば…」  
言葉はだんだん小さくなっていく。下腹のあたりをさすり、初めてだったのに…と呟いた。  
「ごめんね、次はもっと優しくするから」  
「次もあるのか……」  
「……イヤ?」  
「………………」  
由宇は無言。しかしほんの僅かに首を振った。  
 
「あ…、あ!ああああああ!」  
突然由宇は何かに驚いたように立ち上がった。ばしゃあっと水しぶきが上がる。  
こんなに慌てる由宇も珍しい。  
「な、なに?由宇、どうしたの?」  
「と、闘真…、大変だ。これはまずい」  
由宇は闘真に向き直り、まっすぐ目を見て説明した。  
「……私の部屋には、監視カメラがあることを忘れていないか?」  
「……………………え?」  
「いままでの私たちの行動は、一部始終どころか最初から最後まで、監視カメラで撮影されていたんだぞ」  
「………えぇえええぇぇ!?」  
闘真はきょろきょろと辺りを見回す。  
「てっ、ていうか此処は!?ここにもあったりする?」  
「脱衣所と浴室には無い。…私の扱いが向上したことはいいのだが」  
「で…でも、撮影されてたんだったら、誰かが気づいてこっちに来たりとかするんじゃないの?岸田博士もいたのに!なんで誰も来なかったのさ?」  
「それが解らない…。気を利かせたのか…そんな気遣いのある連中か?」  
由宇はタオルを掴み、乱暴に身体を拭き浴槽から出た。  
「とにかくモニタールームへ行って、データを破棄する。それだけでもマシなはずだ」  
「う…うん!」  
闘真も由宇の後を追い、タオルを掴んだ。  
 
忍び込んだモニタールームには誰もいなかった。  
由宇はおかしいと首をかしげたが、今はそんなこと言っている場合ではない。早くデータを破棄せねば。  
由宇の部屋を監視しているカメラに繋ぐ。巻き戻し、問題の部分を映す。  
先程までの情事を客観的に映るのではないかと少し緊張したが、そこには何も映っていなかった。  
いまから1時間ほど前、闘真が由宇の部屋に入ったところまではしっかりと映っている。  
しかし、そこから丸々1時間分、何も映っていなかった。ただ真っ黒な映像が流れるだけである。  
次に映像が流れたのは、闘真と由宇が慌てて部屋から出て行くところだった。  
「……由宇、これって?」  
「……誰かが意図的にカメラの映像部分を切ったとしか考えられないな」  
「…だれだろう?とりあえず、助かったのかな?」  
「そう思いたいが…。念のためにこのデータは破棄しよう」  
「そうだね」  
 
こうして、二人の情事は誰にも見られることなく、闇に葬られた。  
今度はお風呂でしようか、と本気に見える冗談を飛ばす闘真を殴りながらーーーー。  
 
ただ、一部を除いて。  
 
「……ごめんなさい、由宇さん、兄さん…。怜、このデータは厳重に保管しておいて」  
「了解しました」  
 

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