「……んっ…」  
暗く、照明を落とした部屋で声が聞こえる。  
「んん……ふ…ぅ………はぁ…ん…」  
…ちゅっ…にちゃ……  
声はまだ若い、少女の声。艶のある声に混じって、粘り気のある水音も聞こえる。  
 
「あっ…あ……と…ま……」  
監視カメラも、人の目もない風呂の脱衣所で、少女ー峰島由宇は自分を慰めていた。  
 
 
 
 
 
「…………」  
水深1200メートルに沈んで潜んでいるスフィアラボ。その中に作られた誰もいない自分の部屋の中で、由宇は暇をもてあましていた。  
実際は全く暇ではない…。いまこの瞬間にも、黒川謙はどこかで無関係な人間を殺しているかもしれないのだ。  
だが体調が完全に回復していない由宇は、麻耶からあともう2、3日休んでおけとこの部屋に放り込まれてしまった。  
そのときに妙に体のことを心配されたのが気にかかったが…。  
人はいないが、監視カメラはある。カメラの向こうでは誰かが逐一自分の行動をチェックしているのだろう。  
それはNCTにいた頃と大して変わりなかった。  
ただ違うところはある。プライバシーを妙に意識したのか、バスルームと脱衣所には監視カメラは見当たらなかった。  
そこの妙な配慮も気になっていた。  
だが今はそんなことはどうでも良いと、由宇はベッドの上でゴロゴロと時間をつぶしていた。  
 
ただ考えることがなくなると、ひとつの記憶がどうしても蘇ってきてしまう。  
必死に振り払おうとしても、決して離れることはない。  
昨日、一人の少年と過ごした熱い時間。  
初めてを捧げ、天才少女ではなくなった瞬間。  
交わした言葉が一字一句間違いなく思い出され、目を瞑ればその光景が浮かび、感触もいまだ残っている。  
この頭脳のせいで自分は10年間も地下に閉じ込められていた。改めてその頭脳を呪った。  
 
「……くぅ」  
声が漏れる。蘇ってきた記憶に身体が反応してしまった。  
心拍数が上がり、身体が熱くなってくる。息も熱い。  
由宇は必死に身体の火照りを沈めようとする。  
痛みの無視の仕方や、身体能力の最適化などは簡単に頭脳で出来るが、この体の火照りは沈め方が良くわからない。  
沈めようとすればするほど、身体の火照りは増すようだった。  
「…あ……」  
身体がぴくん、と反応する。何かが流れた感覚。  
濡れて…しまっている…  
このままではまずい。由宇はベッドから起き上がり、平静を装って監視カメラのないバスルームへ向かった。  
 
脱衣所の中で明かりをともすものは足元を照らす予備灯だけだ。僅かな光でも、由宇には十分すぎる明かりだった。  
熱くなったままの身体の中央を確認する。  
「…こんなにか……」  
自分でも呆れてしまう。流した蜜は下着に伝い、ぐしょぐしょになっている。  
だが呆れたところで身体の熱は治まってくれない。  
とりあえず下着とズボンを脱ぎ、備え付けで置いてあったタオルで溢れる蜜を拭っていく。  
「…ん…あ……」  
もしかしたら逆効果だったのかもしれない。タオルの生地が内股に触れた瞬間、身体の中を電流が流れたような感覚がおこる。  
それでもなんとか理性を保ち、蜜を拭おうとする。  
「ぁ…ふぅ……んく…」  
何回も何回も拭っても、蜜の溢れる量は変わらない。むしろ多くなっている気がする。  
それはどんどんタオルに吸収され、やわらかく、手触りの良かったタオルはみるみるうちにぐっしょりと水分を吸収した。  
「はぁっ……あっ…」  
由宇はようやく気づいた。自分は無意識にタオルで敏感なところを擦っていた。  
「……とんだ淫乱だな……私は…」  
由宇は嘲笑する。  
タオルを離し、今度は直に指で触れる。それだけでゾクゾクとした快感が背中を駆け回る。  
「ん……ふ…あぁ…」  
蜜壷の入り口を撫で、溢れ出た蜜を真珠に塗りつける。  
「あっ…あふ……ん…ぅん…」  
5本の指全てをつかって、まるで自分のものではないかのように蠢く。  
つめで引っかいたり、摘んだり、執拗に一点だけを擦ったりする。  
「あっ…あっ!はぁ…んふ……ひぃ…」  
もっと刺激がほしい…。そう思うと、自然と蜜壷のほうに指が伸びる。  
昨日純潔をなくしたばかりなのに、由宇は乱暴にいきなり2本、指を突っ込んだ。  
「…っあぁ…!は…ぁ!……んん…」  
熱い。自分の指が自分の膣に締め付けられる。初めて触る自分の膣は、ごつごつとしていて、それでいて蜜でヌルヌルしている。  
指の腹で壁を擦りあげる。もっと。もっと刺激がほしい。  
擦りあげながら抜き差しを始めた。昨日闘真にそうされたように。  
入り口近くまで抜き、出来る限り奥まで挿し込む。  
「ぁん!…っふぁっ……あっ…とぅま…」  
頭の中が闘真でいっぱいになる。  
ここには居ないはずなのに、今自分の膣内を犯しているのは自分の指のはずなのに、目の前に闘真がいるような錯覚が起こる。  
「…と…ま……もっと…もっとぉ…」  
ぐちゅっ……にぢゅっじゅぷ…  
口からはだらしなく涎が流れる。粘つく水音も大きくなっていく。  
「あっ…!」  
由宇の身体が大きく震える。その瞬間ーーーー  
「由宇?」  
さっきまで少女が切なげに呼んでいた本人が現れた。  
 
突然明るくなった視界に目がくらむ。最悪だ。自分の浅ましい姿を、よりによって一番見られたくない者に見られてしまった。  
「ゆ…由宇?」  
闘真もまさか由宇が自慰をしているなどと思っていなかったのか、固まっている。  
「あ…あぁ…!いや…いやだ……みるな…!」  
出たのは拒絶の言葉。だが、膣内に入れたままの指の動きが止まらない。  
「みるな…みないで…!やぁ…いやぁぁぁああ!………あ…あぁ……」  
さらに闘真に見られているという事実が余計に興奮させたのか、由宇はビクビクと身体を痙攣させて達した。  
「由宇!」  
闘真は脱衣所のドアをしっかりと閉め、くたりと倒れた由宇に近寄る。  
室内全体に女の香りが充満している。それだけでも闘真はすこしくらくらしていた。  
「……大丈夫?」  
「…あ…とぉま…」  
由宇の目はまだ焦点が定まっていない。  
「…一人で、してたの?」  
「…!……あ…ぅあ……ごめんなさい…!ご…めんなさ…!」  
由宇は親に叱られたかのように怯え、謝り続ける。  
「何で謝るの?」  
「だって…こんなこと……幻滅される…また見放される…!!」  
「『また』…?」  
あまりのショックからか、少しパニックを起こしている。何かの記憶と混乱しているようだ。  
「由宇、大丈夫、大丈夫だから。僕は見放したりしないよ」  
とりあえず由宇を落ち着かせる為、闘真は震える由宇を抱き、背中をぽんぽんと擦った。  
「ごめ…なさ……ごめんなさい…!」  
 
「…大丈夫?」  
「………ん…」  
やっと由宇の泣き声が治まり、落ち着きを取り戻した。  
「……とうま…」  
由宇が甘えるように闘真にしがみつく。  
「私は…こんなにも淫乱なんだ……昨日のことが頭から離れない…」  
「由宇…」  
「とうま……とぉ…まぁ…」  
由宇は闘真の首に腕を回し、唇を重ねる。  
「…んちゅ……ふっ…あむ…」  
闘真をより深く味わおうと、舌を絡め、唾液を共有する。  
「あふ…っちゅく…んっ……とぉま…さわって……んむっわたしを触ってくれ…!」  
キスをしながら、由宇は闘真の手を掴んで自分の胸へ導いた。  
由宇の胸の突起は服の上からでもわかるくらいに硬くなっていた。闘真はやさしく揉みしだいた。  
「…んはっ…ちゅぷ……とぉまぁ……もっとぉ…っ!」  
由宇は我慢できないのか、足をもじもじと擦り合わせている。闘真はたまらず、由宇の背中から手を回して、秘密の場所に触れた。  
「んはぁぁっ…!あっ…っあふ…」  
闘真が来る前からの自慰が効いているのか、由宇のソコはもうドロドロに溶けていた。  
蜜壷からは蜜が止まることなく流れている。  
「…とぉま……っ闘真ぁ…!」  
由宇の腰は自然と動き、闘真の指に擦り合わせるようになってくる。  
由宇はいつの間にか右手を中心へ持っていき、闘真が触っているのに自分でも自慰を始めた。  
つぷ…と闘真の指が蜜壷に入る。それにつられて由宇も自分の中指を差し込んだ。  
「んあぁぁあ……っとぉま…ぁふ…!……きもち…いぃ…」  
どんどん由宇は乱れていく。世界最高の頭脳を持つ目の前の美少女が、快楽に溺れていく。  
 
「も…ぅ……っだめぇ……っ!」  
由宇の身体が跳ねる。闘真と、自分の指で達してしまった。  
達した後は脱力し、ずるずると身体が落ちていく。闘真はあわてて小さな身体を支えた。  
 
「由宇…?」  
腕の中の小さな身体は動かない。気持ちよすぎたのか、気を失ってしまったようだ。  
体調の事を考えて、脈を計ってみたが異常はなさそうだ。  
闘真は由宇の体液で濡れた指と由宇の身体を拭き、服を着させ、脱衣所から由宇を担いで出た。  
ここからは監視カメラに映る。なるべく、平静を保って。自然に。  
気を失ったままの由宇をベッドに寝かせ、やわらかい髪を何回か撫でたあと、闘真は静かに部屋を出た。  
 
由宇のあんな姿を見せ付けられて、先程から反応しまくっている己の処理を済ませる為に、闘真は足早にトイレへ向かった。  
 
 

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