「何しよ〜と〜柳生〜?」 或る日の部活後の部室でのこと。 不覚であった。紳士とも呼ばれるワタシの隙を、アナタは見事に見透かしてきた。 「へ〜っ、柳生ってそげな趣味があったっちゃねぇ〜」 口元をクイッと上げ、ニヤリと目の前の詐欺師は微笑んでいた。 「…何を企んでいるのか云いたまえ仁王くん…」 額から汗が一筋流れ落ちる。額に汗がどんどん吹き出てきているのが解る。 「少し俺の思いつきに付き合ってくれればよかだけやけん、そげな顔せんでよかって〜」 アナタの笑顔ほど、恐ろしいモノはないんですよ…仁王くん。妖笑
「…ッん…はぁ……」 柳生が黙るとすぐに仁王は柳生の唇に貪り付いた。 舌を絡めてくる仁王に対し、柳生は戸惑いながらもぎこちなく流される形で舌を絡めた。 「…柳生、キスバリ下手くそやね。もしかして、キスした事無かと?」 仁王は口から垂れる涎を拭いつつ、少し呆れた様に柳生に問い掛けた。 「…こんな、舌を絡める様な下品な口付けなど、したことがあるはずがありません」 柳生は頬を赤らめつつ、息を整えながら仁王の質問に答えた。 「ふ〜ん…そげな酷かこと言うとね。したら、柳生が云うその忌々しい下品なキスの虜に今しちゃる…覚悟しんしゃい」 そう仁王は云うと又再び柳生の唇に触れた。 先ほどのキスもとても激しいモノであったが、今度のはさっきとは比べ物にならない口付けであった。 咽を衝かれ、 歯をなぞられ、 舌をしゃぶられ、 頭がクラクラする程、口腔内を這い回られた。 「…ふ…んぁ…ッ……」 汚い 汚れる そんな単語が頭の中でグルグルと回っている。 しかし、理性でそう感じていても本能はこの汚染していく自分を楽しんでいる。 もっと…もっと…… 自然と己から舌を絡め始めた。 その行動に詐欺師は微笑し、口付けで答えた。 「それで良かとよ柳生…やっぱ、自分に正直にならないかんって」 仁王に両手で両頬に触れられる。 仁王の瞳に吸い寄せられ、コクリと頭が自然と動いていた。 柳生の理性は喪失した。 「俺が欲しかなら自分からお願いせんといかんよ?…その、何時も由緒正しか単語しか出てこん口で俺に懇願してみり…」 仁王が云う言葉一つ一つに敏感に反応し、カラダを震わせる。 口がだらしなく半開きになり、ゆっくりと発言を始めた。 「…仁王くんが…ほ…しい……」 今にも消え入りそうな声で、単語を綴った。 「…よう出来たやん。これからも俺の言う通りにしていけば良かとよ……」 柳生の下半身に生々しい痛みが感じられた。 その事で少し理性を戻した柳生であったが、もう後戻りは出来ない。 仁王を受け入れ、柳生は喘いだ。時折、悲鳴にも近い声も洩れていた。 「ッ…あぁうぁ…はぁ…んッ……」 仁王の腰の動きに合わせ、柳生も腰を振った。 仁王に顔を引き寄せられ、又唇を奪われる。 下半身の生暖かい感触と、口腔内での生暖かい接触に喜びを覚えた。 その瞬間、二人は同時に果てた。 「…これからがお楽しみの始まりやけんね…柳生、覚悟しときぃよ……」 気絶に近い形で意識を失った柳生に対し、仁王は妖しい笑みを浮かべながら柳生の頬に軽く口付けを落とした。 終焉。 初書きな仁王×柳生、28で御座います。とにかく28のエロが書きたかったんですよ。 出だしはもうずっと出来ていたので、濡れ場書くのみでずっと放置してました。 仁王の博多弁喋ってるのが書きたくて書きたくて…やっと書けた…! 28にはとってもエロな雰囲気を感じるので、これからも色々と二人の絡みが書けたら良いなと思ったり。 感想等頂けると有り難き幸せ。 20040114 戒堂訛音