大切な人にさえ届かない。この殻が、邪魔をして空回りする。 私には、愛の感情がない。What is love?
鮮やかな夕暮れに見とれながら、何時までもあの日の様に私はキミを待っていた。 あの日…そう、それは二人が関係をもった日の事である。 「…や…やめたまえッ!!」 人気の無くなった部室には私とキミがいた。 鍵当番の私が、早く仕度をしたまえと促しても少しも急ごうともしなかったキミ。 流石の私でも頭にきて声を荒げたら、アナタは私を押し倒した。 「…ん…ッはぁ…」 唇を一方的に奪われ、激しく舌を絡みつけてきた。 身長は私の方が大きいが、力は圧倒的にアナタの方が強い。 腕を振り切る事も出来ない自分の無力さに苛立ちを感じた。 しかしながら、 自然とキミの口付けに応えている私もいた。 「…ひぁあ…んッ…」 下半身に激痛が走る。 アナタが私の中で満たされ、上下される。 そうすると、頬にそっと掌を落としてきたので、私はギュッと握り締めた。 と、アナタはこう囁いていた。 「…愛しとうよ、柳生…」 その言葉と当時に果てた私たち。 そんな言葉を告げたにも拘わらずアナタは、すくっと立ち上がり着替え始めた。 ぐったりと横になっている私に対し、何のフォローもない。 何か無償に腹が立ち、強がって勢い良く立ち上がったのを今でも忘れることが出来ないでいる。 あの日、何故私は仁王くんを受け入れてしまったのだろう。 当ての無い足跡を残してしまったことに後悔した。 仁王くんのココロの中に私という足跡を残してしまった。 と、いうことは私のココロの中にも仁王くんという足跡が残っているのである。 それは私の法則に反する行動であった。 人との距離の間には、殻を一枚隔たった関係を確立しなければならない。 愛、そんな薄汚れた感情は、排除すべきなのだ。 だが、その考えにヒビが入りかけている。 仁王雅治という存在によって…だ。 今でも愛を知らない。そんな感情などない。 しかし、 この夕日から変化を遂げていく、星空を眺めていたらそんな事も良いかもしれないと思えるのだ。 「…愛って、何なんでしょうね…仁王くん?」 終。 柳生一人語りっぽい28です。 愛だのそんな浅はかな感情なんていらないみたいな事思ってそうだなーと思い。 柳生は必要ないとか思ってそうだよなぁ。生きていく上でなくても困らないって感じ。 そこに仁王登場でこんな感情も良いかもしれないと思えた。 そーんな話が書きたかったんですけどねぇ…どうでしたでしょうか〜? 因みに、この題名は某L'さんの曲です。確か発売当初のキャンペーン時に、●モの歌云ってた気が…? 感想など頂けると嬉しいです!web拍手沢山してやって下さい☆ 20040219戒堂訛音