not at all





負けた。


試合が終わった瞬間、身体全身の力が抜けた。
その場で泣き崩れていた俺を宍戸さんが支えてくれた。


正直、驚いた。


でも、良く考えてみれば…敗北と云うものを誰よりも知る人物なんだよな。
正レギュラーに戻った事は気に食わないと思っていた。
…が、ここの気持ちの差が俺と宍戸さんの差なんだと痛感した。
本当宍戸さんって、部活バカ……嫌々、本当にテニスが好きなんだな…。


俺は先輩たちに合わせる顔がなく、ずっと下を俯いていた。
宍戸さんはずっと俺の肩を持ってくれている。周りには監督、跡部部長に正レギュラーが集まっていた。


言葉はなかった。


コートに整列して一礼。
コートに立っている今もぼーっとした感じで。

終わってしまった実感が湧かなくて。
本当に先輩に申し訳なくて。自分自身に悔しくて。

その後、荷物を静かに纏める氷帝陣。
跡部部長の恒例の合図で再び氷帝に活気が戻った。
みんな泣きながら、歯を食いしばりながら、叫び続けた。


氷帝!!氷帝!!


と。ずっと、ずっと……声を嗄らして。


それから月日は流れて12月。


新人戦も終わり、筋肉トレーニングの自分を強化する期間に入った。
先輩たちも引退した。時代は俺たちに回ってきた。


気にすんな。


そんな言葉がふと過ぎった。
宍戸さんが俺を支えてくれた時の第一声だ。
妙に説得力があった。しかし、気にしないとか出来る訳がなかった。
自分が負けたから先輩たちは引退…だったから。


しかし、その後、監督に


『次は自分の満足する試合を見せてみろ…ご苦労行ってよし!!』


と云われた。だから……


来年は全国大会に行くんだ。俺が全国に導いてみせる!氷帝学園を!!
自分が犯した過ちは自ら拭う。拭ってみせる!!


「…下克上だ……」


自分の好きな言葉を云って気持ちを落ち着かせる。
目指す所はただ一つ。全国制覇。




さぁ、うちへ帰ろう。微かに見える星空を眺めながら。
明日の朝練、鳳が遅れてきたら…どんな仕打ちをしてやろうか?




END



本日は下克上祭!日吉若様の誕生日vvオメデトウ御座います!!
それにしても、またしても祝って無いような内容(死)祝ってますよ〜!!すっごーく祝ってますっ!!(豪語)
でも、こういう今後話を日吉視点で書きたかったので〜この機会にと。
まーうちは鳳宍+日吉ってのが好きなんですよ☆三角関係とか素敵じゃないですか!!
宍戸さんがもーモテモテなんですvv(オイオイ)誰か書いてくれっ!(爆)
そんな感じで氷帝今後話如何でしたか?本当はもう少し長くしたかったけど、時間の関係もあって…ここで終了。
意味不明な感じですが、まぁ〜敗北ってのはうちも味わった事があるので。
忘れもしない中2の新人戦。最後の最後で抜かれて県大会行けなかったんですよ。
呆然としました。開いた口が塞がりませんでしたね。
その場で泣く事が出来なくって…その後トイレで声殺して泣いたのを覚えてます。
いやぁ…だからそんな感じのが書きたかったのに…時間ないんだよーう!!(号泣)
んでは、次は連載モノ更新しなきゃなー…。 20021205戒堂訛音


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