陽の当たる場所





「…ったく……」



今日はとことんついてねぇ。
朝練間に合わねぇ!!と思ってチャリぶっ飛ばして学校行ってたら、ガキが急に道飛び込んできやがって。
おかげで無理に避けたせいで俺はひっくり返るわ、コケルわ。捻挫しちまったじゃねーか。
まぁ、ガキが無事だったから良いんだけどな……

「…あーでも、ついてねぇなぁ〜ついてねぇよ……」

しかも、今日は俺の誕生日だぜ?
それなのに…捻挫して、朝練どころか夕練さえも出れねーから家帰って来て……
誰もいやしない。何なんだ!本当に今日は!!

…さすがの俺も凹むぜ……。

そんな所に、

−−ピーンポーン。

客らしい。
あー面倒くせぇ。居留守すっか。

しかし、

−−ピンポン、ピンポーンッ!!

相当シツコイ。うざい。
あーもー解ったよ出りゃいいんだろ!?

二階から玄関へ捻挫した右足を庇うように、階段をゆっくりと降りた。
その降りている時も、玄関の呼び出し音は延々と鳴らされていた。

「…はいっ!?」

ドアをがちゃりと不機嫌そうな声と共に開いた。

「…てめぇ、いるんならさっさと開けやがれ!!タコが!」

玄関先に立っている人物は後一秒玄関が開くのが遅かったら玄関を蹴飛ばしていたであろう。

何でマムシの野郎が……?

「…んなっ!?海堂てめぇ喧嘩売ってんのか!?…ってか何でおめぇが俺ん家に来んだよ!」

桃は海堂の胸座を掴み睨み付けた。

「…俺だって来たくて来たんじゃねーよ!!…つべこべ言わず手出しやがれ!」

海堂は桃の手を払い、その手の上にアルものを乗せた。

「…桃……?」

何で桃?…俺が桃城だからか?
…ってか何で桃なんだ?

……解んねーなー解んねーよ…。

「…レギュラー部員からの餞別だ。…山梨の桃だからうめぇはずだ……」

あぁ、そーいうことか。

「…それと、今日おめぇ誕生日らしいじゃねーか。それも一緒に…らしい…」

…ん?俺の誕生日…コイツ知ってたっけ……?

「…お、サンキューマムシ。」

「…誰がマムシだ!!このドジが!」



「…やんのかてめぇ〜!?」



二人揃って互いの胸座を掴み、睨み合った。

「…折角、おめぇが落ち込んでる所が見れると思って来たのに……」

深い溜め息をつき、海堂は玄関に背を向けた。

「…捻挫とかそのバカ力で早く治せよ、桃城…」

そして、海堂は去っていった。
一つの桃を残して。

「…バーカ、云われなくたって……」

桃をテニスボールのように投げながら階段を登る。
降りてきた時とは、また違う気持ちで。

窓辺に桃を一つ置いてみる。
桃が夕日にあたり、より一層ピンクの色が際立つ。

「…まぁ…悪くねーな、悪くねーよ……」


本日の誕生日の収穫。


海堂からの桃一つ。


そして、桃城と云う海堂からのコトバ。


*fin*


誕生日おめでとー!!桃ちゃんvv
初書き桃海。慣れないんですよ〜薫ちゃんの台詞回しが…(滝汗)
だって本編で殆ど喋らないからさ〜単行本読み込んで頑張らねばっ!!!!
あぁ〜やっぱ桃海では爽やかな所止まりかな?エロは無理そうです(どーん)
一番好きなカップリングやけど…何故?(聞くな) 20020723戒堂訛音






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