DAYS GONE BY

以前の俺ならどうしていただろうか? 「岳人〜今日は俺らが後輩にテニス教えに行く日やで〜」 テニスバックを肩に背負って、忍足が放課後教室にやってきた。 引退後、跡部からの提案で日替わりで後輩に指導というか…アドバイスしに行っている。 「おーちょっと待ってて侑士〜!」 夕日が射し込む放課後の教室。そこには、岳人と忍足の二人がいた。 日直の岳人はせっせと日誌を書いている。それを、忍足はぼんやりと眺めていた。 「…にしても、誕生日に日直やなんてついてないなぁ〜岳人」 忍足は早く終わらせようと筆を急がせる岳人の頭をぽんぽんと叩いた。 「あー本当ついてね〜よ〜相方の女子休みだしさ、マジ最悪」 岳人は書き終わった日誌を閉じ、自分の頭の上に置かれている忍足の手を握った。 そして、忍足の手を引いてバランスを崩し、忍足は岳人の身体に身を任せる形になった。 「たんじょーび…おめでとさん、岳人」 ギュッと後ろから抱きしめられる。忍足の腕が、胸が、匂いが、とても心地が良いんだ。 忍足から更に引き寄せられ、岳人は席を立った。二人は向き合い、顔が重なった。 「…ん…ッ…」 丁度その時、教室の外には日吉がいた。 何時まで経っても来ない岳人と忍足に痺れを切らし、部室から走って来たようだ。 この容姿からして部活のことを考えて痺れを切らしたのではない。 二人して来ない、しかも今日は岳人の誕生日…日吉の首筋から汗が一筋流れ落ちた。 「………」 ガラス越しに見える教室には抱き合う男が二人。廊下には無言の男が一人。 その廊下に無言で立ち竦む男に一人の男が気付いた。そして、男は口元を少し弛ませた。 「あーホンマは行きたくないけど、そろそろ行かな日吉部長が怒るわな〜」 廊下に目をやりつつ、忍足は岳人の頭を引き寄せた。 頭をくしゃくしゃっと撫で、頬をゆっくりとさすり、顎を細長い指が滑らした。 「…本当に行く気あるのかよ〜侑士っ!」 岳人は手を挙げて、軽く忍足の頭を小突いた。 くるりと振り返り、テニスバッグを背負って岳人は教室の出口に向かった。 「…あ……ひ、日吉……」 そう岳人は云うと己の脚をぴたりと止めた。 口元がヒクヒクと動いている岳人に対し、日吉は冷酷そのモノだった。 「…幾ら、今日が誕生日だからって困ります。早くして下さい」 日吉はそう云うと、岳人から目線を反らした。 岳人はその日吉の言葉にホッとした様子で、わりぃ〜わりぃ〜!と笑顔で云った。 「あ、そういや日吉俺の誕生日が今日だって良く知ってんなー偉いぞ〜!」 岳人が少し背伸びをして日吉の頭を撫でた。 その瞬間、日吉は顔を真っ赤にしたが、すぐに何時もの表情に戻った。 しかし、岳人と日吉の後ろから歩いてきている忍足はその日吉の顔が赤くなったことを見逃さなかった。 「じゃー俺日誌置いてくっから先行ってて〜!」 ブンブンと上機嫌に手を振り、ピョンピョンと岳人は跳ねつつ職員室を目指した。 「…なぁ、日吉〜さっき顔赤くしとったやろ?」 ポンッと忍足が日吉の肩に手を置く。 日吉はその忍足の手を思いっきり握って、勢い良く祓い退けた。 「お前、先輩にえぇ態度しとるやん…何や、恋のライバルには先輩も後輩もあらへんって事か?」 忍足と日吉は向かい合い、睨み合った。 「…そんなことアナタには関係ないです。俺は先に行きます、部長なんで」 日吉は最後の言葉を異常に強調して先を急いだ。 「……畜生…ッ!」 日吉は自分の心が苦しくて苦しくて仕方無かった。 敗北感、それを味わう日々が途轍もなく辛いのだ。下克上こそが自分らしさなのだから。 そこにその苦しさの張本人が目の前にひょっこりと現れた。 「あっれー日吉ー侑士は〜?」 日吉を見あげる岳人。 刹那、日吉は岳人を引き寄せていた。顔は重なり、口も塞がれた。 「…んん〜ッ!?!?…ッは…な、何すんだよ日吉ッ!!」 岳人は瞳を潤ませ、日吉を見つめた。 「…只、何となく…誕生日祝いですよ…」 ふらふらと日吉は歩き出した。背後から岳人の抗議の叫び声が聞こえてきている。 やってしまった。遂に爆発してしまった。よりにもよって誕生日って日に。 ため息がもう出尽くした、以前の俺はもういない。 これからどうしようか?どうされようか?そんなことはどうでもいい。 俺の下克上は未だ始まったばかりだ。 終焉。 向日岳人さんお誕生日おめでとーう!久々にその日に祝えたー!嬉C〜☆ やっと前々から書きたいな〜と思っていた忍岳←日吉が書くことが出来ましたー!(歓喜) それにしても、忍岳の時の忍足って偉い男前な感じ…そして、めっちゃ黒い…書いてる自分が吃驚!(え) 実はお気づきの方いらっしゃるかもしれませんが、コレ続きます…ハイ。 忍足の誕生日10/15と日吉の12/5と合わせての三部作にしたいな〜と希望デス!(オイオイ) それにしても、日向はやっぱ良いね〜忍岳も良いもんですな…うふふvv あ、因みにこのSSのタイトルはPENPALSの曲!良い曲なんです。この頃(2000年)の彼らが好きでした…。 そんなこんなで今宵の岳人さんは日吉にも忍足にもたっぷり祝って貰った事でしょう☆20030912戒堂訛音

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