バスは、いつもよりはゆっくりとだが、確実に学校へと近づいていく。
その振動と真田から与えられる衝撃とで、ゾッコン娘は意識を手放す寸前だった。
決して器用には見えない真田だが、確実に、ゾッコン娘が知らず知らずのうちに反応を返してしまう部分を責め苛んでくる。
思わず声を上げてしまいそうになり、必死に唇を噛む。その唇に、いつしか血が滲んでいた。
噛み締めていた口元に、柳が指を伸ばす。滲む血を指に採り、そのまま指を舐める。
「…何をしている? 蓮二」気づいた真田が声をかけた。
「血だ、弦一郎。この子、我慢しすぎて唇を噛み切っている」
「……なんだと!?」
その言葉と共に髪を掴まれ、ぐい、と顔を真田の方に向けさせられる。
閉じられた目尻から涙を流し、唇を噛み締めているゾッコン娘の顔は不思議と扇情的で、真田の苛虐心をさらに掻き立てた。
そのまま、唇を奪う。滲む血を舌で舐め取り、その小さな口唇に自分の唇を押し当てる。
ふ、とゾッコン娘の口元が緩んだのを見逃さず、舌を口内に差し入れる。歯列を舐め、逃げる舌を追い、吸い尽くす。
(はじめて、だったのに…)
まだ13歳の少女にとって、純潔と初めてのキスは、どちらも同じ位大切なもの。
その両方を奪われ、ゾッコン娘はただ涙を流すことしかできなかった。
しかも、唇を蹂躙されている間も、真田の熱く怒張したものは、ゾッコン娘の内部を抉り続けている。
−−これは、なに?−−
そうしているうちに、ゾッコン娘の躯に変化が訪れてきた。
ただ痛い、だけではなく、躯の奥底で何か蠢くものがある。
強く打ち付けられるたびに、肉が悦びの声を上げていくようだ。
耳元に、真田の熱い吐息がかけらた。
「…ずっと、こうしたかった…」吐息交じりに、囁いてくる。
その言葉の意味を問おうとしたとき、柳が声をかけた。
「弦一郎、そろそろ着くぞ。どうだ?」
「…まだだ。まだ…もう少し…こうして、いたい…」
「もうタイムアップだ。続きは、放課後にしろ。いいな?」
ずるり、内奥から真田の分身が引き抜かれる。ホッとしたのと同じくらい残念に思う気持ちがゾッコン娘の胸中にあった。
目元を赤く染め、自分を犯した男を見上げる。
「続きは、放課後だ…待っていろ」瞳をじっと見据えられ、こう告げられた。
ゾッコン娘がふらつきながらもバスを降りると、後ろから肩を叩く者がいた。
振り返ると、そこには柳生が立っていた。そのまま手を取られ、何処かへと連れて行かれる。
(もう、どうにでもなればいい)そんな思いのまま、ゾッコン娘は素直についていった。
連れて行かれた先は、男子テニス部の部室だった。鍵を開け、中に入るよう促される。
部室の中は片付いていた。柳生が口を開く。
「…ここで、少し休んでいきなさい。そのドアがシャワールーム。タオルやボディーソープは自由に使っていいですから。
…初めて、だったんでしょ? いきなりあれじゃ、辛かったでしょう」
その、思いもよらなかったず優しい言葉に、また新しく涙が零れ出る。
「…キミ、時々練習見に来てたでしょう? それで、真田君がすごくキミの事を気にしていてね」クスリと笑う。
確かに、ゾッコン娘は同じクラスの友達と男子テニス部の練習を見に来たことはあった。
−真田に、憧れていたのだ−
しかし、それが当の真田に気づかれていたとは。
「キミがいないと機嫌が悪くて。あの『皇帝』が、こんな小さな女の子に魅了されるなんて、ね」
「とにかく、他の女たちと一緒にいても上の空なんですよ。もう、周りの人間の方が心配になってしまって。
…何とかしなくては、ってね。だから、キミのことは調べさせてもらいました。
君の住所、氏名、所属クラス、趣味、交友関係…ね」
いつの間に。そう驚くゾッコン娘に、柳生は続けた。
「…だから、もうキミは自由ではない。真田に捕らえられてしまっているんですよ。それだけは、覚悟しておいてください」
そう告げ、柳生は部室を出て行った。ゾッコン娘は一人、ただ呆然と立ちすくむだけだった。
投稿者: ◆Gc4QFaCfEg
出典:「テニプリを情熱的に雑談するスレ4th」(427-428)