一通目(日付:10月6日)
こんにちは。君への気持ちを整理するため、僕は手紙を書くことにします。
あれから酷い抑うつに悩まされて、食欲もなかったし、眠れなくなったんだ。
思ったよりも精神的にダメージを受けていて、僕自身驚いたよ。
それでも今はだいぶマシになったけれど、まだ睡眠薬が手放せません。
半月くらい前に新しい彼女ができて、今まで何回かデートをしたけれど、
気がつくと彼女に君を重ねている自分がいるよ。
裸になるときも君に貰ったミサンガだけは外せない。
この前、彼女に尋ねられたんだ。
いまどきミサンガなんて珍しいねって。いつもつけてるけど何か願いをかけているのって。
……僕がこのミサンガにかける願いは一つしかない。
君に会いたい。会って抱きしめてキスをして、飽きるほど愛し合いたい。
喉が涸れるまで喋りたい。耳が潰れるまで君の声を聞きたい。
珍しい素材だけど何でできているの、とも聞かれたよ。
「動物の毛だって。この方が願いが叶うらしいんだ。君といつまでも一緒にいられるようにね」
そう答えた。僕は嘘をつくのが上手い?酷い人かな?
……でも、君ほどじゃないよね。
大好きだよ。xxxx
周助
二通目(日付:10月14日)
彼女は僕のことをとても気に入ってくれているみたい。
こんなことを書いてもきっと君は妬いてなんかくれないけど……
今彼女が僕の家に来てるんだ。君も使っていたあのベッドで眠ってる。
僕も横になったけど2時間しか眠れなくて、こうして君に手紙を書いています。
とても悲しい夢も見たし……
今日は彼女に僕の手料理を食べてもらったんだ。
スペアリブと頬肉の煮込みだったけど、やっぱり完全に臭みは取れなかったようで
彼女はあまり食べてくれなかったよ。何の肉なの、とも聞かれちゃった。
うるさい女だよね。僕は批評家は嫌いなんだ。
羊の肉だと答えたよ。羊はクセがあるからね。
そんな食事をしたせいだと思う。君が彼女の中で膨らんで、皮を破って出てきた夢を見た。
まるで生まれたての赤ん坊のように血まみれだった君の手を僕が舐めてきれいにしてあげた。
爪の一枚一枚まで丁寧に、きれいにしたのに……なのに君には顔がなくて……
夢の中でも君は僕を見てくれないんだと思うと悲しくなったんだ。そこで目が覚めた。
だけど、愛してるよ。xxxx
周助
三通目(日付:11月1日)
君に手紙を書くの、久しぶりだよ。
冬の空気が濃くなって、僕は凍えそうです。
暑さも寒さも分からない君のところに行きたいと思うこともあるけれど。
冷たい部屋に残る君の肉もあと少し。
骨格のパズルも近いうちに完成する。
一ヶ月で彼女にも君が浸透するだろう。
ねぇ、ミサンガが切れたら、僕はきっと君に会えるよね?
それがとても楽しみです。xxxx
周助
四通目(日付:11月10日)
彼女に君が見付かっちゃった。
仕方がないから説明したけれど、僕の部屋で何度もえづかれて困ったよ。
今更吐いたって遅いのにね。
彼女には睡眠薬を飲んでもらったから、今はベッドで横になってる。
せっかく君を取り込んだのに僕の前から消えようとするなんて許せないよね。
……それとも、まだ僕の願いが足りないのかな?
彼女の中を君でいっぱいにしたいな。
そうすれば、また、会えるよね?
早く会いたいよ。xxxx
周助
五通目(日付:11月21日)
こんにちは。僕の手紙、君の新しい住所にも届くかな?
外はとても寒いよ。今年中に雪も降りそうです。
それまでには君の引越しを終らせるからね。
一緒に雪が見られないのは、少し残念かな……
君の家は相変わらずやかましくて、僕のことを気狂いとか罵るんだ。
もう慣れたけど、君のことを悪く言われるとつい手を上げてしまう。
ごめんね。中にいる君も痛かった?
君の家、淫乱だと思っていたけど意外と入り口が狭いんだ。
僕も手伝って、だんだん広げていかなくちゃ。
あの夢が本当になったら悲しいから。
ヒトの子宮にはどのくらい入るのかな?
赤ん坊と羊水、胎盤が入るくらいだから、きっと骨になった君は全部入るよね?
ミサンガが切れるのももうすぐだと思う。xxxx
周助
最後の手紙(日付:12月1日)
頭蓋骨が入ったよ。
うれしいな。君の家も、最初は苦しがっていたようだったけど
いやらしい声をあげて何度もイってた。
まるであの日の君みたいで、かわいくなっちゃった。
それから僕は僕自身を入れた。緩くなってるから全然気持ちよくはなかったけど、
不規則に凹凸する彼女の皮膚をぼんやりと眺めながら
そこに眠る君のことを想いながら
僕がすべて君に届くことを祈りながら
君と本当に一つになりたいと願いながら
……それだけで僕は嬉しくて死んじゃいそうで。
満たされた気分だったよ、君もそうだといいな。
今日は薬がなくても眠れそう。
そうそう、ミサンガが切れていたのに気付いたんだ。
今年のクリスマスはいいことがありそうな気がするよ。
ずっと一緒にいてね。大好きだよ。
何度言っても言い足りないくらい大好きだから。
大好きだから、大好きだから、大好きだから、大好きだから、大好きだから。
またね。xxxxxxx
周助
投稿者:マロン名無しさん
出典:「テニプリを情熱的に雑談するスレ6th」(240-244)