『美しい人魚』
ある深い深い綺麗な海の底に、
まだ人魚が住んでいたころのお話です。
「待ってや、ハイド〜!!」
「ちょぉっ、テっちゃん遅すぎやでぇ」
海の中で泳いでるハイドとテツ二人の姿。
この二人には、人間にはある2本の足がありません。
その代わりに二人には、魚の尾ひれが付いていました。
そう、二人は人魚。
「あっ!!ユッキーやぁ」
そう言って、ハイドが手を振って近づいて行きます。
「ハイド君じゃん。これからどっか行くの?」
「うんっ!!今から外の世界を見に行くの。ユッキーも行かへん?」
「行こうかなぁ」
ハイドとテツとユッキーはいつも一緒に居る仲良し3人組。
3人とも男なのですが、とても美人。
特に、ハイドは人魚の国で1番美しいと言われ、
男なのにも関わらず男の人から求婚を求められる事もたびたびありました。
しかも、ハイドはとても美しい声をしていて、
その歌声に誰もが聞き惚れました。
ほら、今日も・・・
「〜〜♪」
「ん〜やっぱハイドの歌声は最高やな」
「うん、本当綺麗な声だねぇ」
3人はいつもの場所で外の世界を見ていました。
ハイドは、この場所で空を眺めながら歌を唄うのが好きでした。